2018年5月25日金曜日

内外から猛批判の日本大学。どう対応すれば良かったのか?

日本大学アメリカンフットボール部員が、関西学院大学との試合中に危険なタックルをしたことに端を発する騒動。私はこれまでこのブログで、ポイントになる記者会見を3回取り上げて書きました。

「危機管理学部」を持つ日本大学、常務理事でもある内田監督のありえない会見

息子を「卑怯者にしたくない」父の愛情が支えた、日大アメフト部員会見

日大の緊急会見は謝罪ではなく弁明会見、思い出すのは「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件の会見

特に23日に開いた前監督・コーチの会見は大きな話題となり、アメフト部だけでなく日本大学そのもののあり方にまで批判の目が向けられるようになりました。アメフト部の部員や父母会だけでなく、教職員組合など学内でもミーティングを開いたり声明文を公表したりと、内部からの突き上げも激しくなっています。

今回の対応はどこで間違ったのでしょうか?どうすれば良かったのでしょうか?現在進行形ではありますが、一度整理したいと思います。

クライシス(危機)であることを認識できない


先ず何と言っても、感度の鈍さです。政治家やオーナー企業のTOPなど、絶大な権力を持った人が率いる組織は客観的な視点を持てず、世の中の変化に付いていけないことが往々に有ります。今回もその典型でした。

2007年に立て続けに発覚したミートホープ事件や赤福、石屋製菓のまき直しなどの食品偽装、2013年秋に一斉に報じられたホテル・レストランの料理メニュー偽装表示(バナエイエビを芝エビなど)などは、それまで「その業界では常識」、見て見ぬふりをするのが当たり前だったことです。しかし世間では「非常識、消費者への裏切り行為」だと認識されるようになっているのにも関わらずそれに気づかず、あるいは無視した結果です。
世間は嘘や偽装に対して厳しい目を持つようになり、今ではそのような行為はSNSなどネットですぐに拡散され、誰もが知ることになります。

今回のアメフトの危険行為も、早くからYouTubeにはアップされ、内田前監督も周囲からそれを報され、関学大からの抗議文が届く前に見ていたというような発言がありました(22日の会見)。恐らくこの動画に対しては、批判や問題視するコメントがあったから見つけた人は内田前監督に報せたのでしょうが、それが問題だとは感じなかった(恐らく今でも)のです。
この時に客観的な視点で動画を見、コメントを受けとめていればすぐに対応できたのでしょうが、そうではありませんでした。結果、関学大からの抗議文に対しても木で鼻をくくったような回答文を返すことになります。

日大アメフト部だけでなく、日本大学そのものも、今になってもクライシス(危機)に対する対応をしているようには見受けられず、この状況を危機とは認識していないのではないかとさえ思えます。日本大学には危機管理学部があり、その道の専門家もいるので、いつでも助言を求めることはできるはずですから。

クライシス対応は初動が全て


それでは今回はどの時点で、どのように対応すれば良かったのでしょうか。
クライシスマネジメントの鉄則は初動を間違えないこと。危機を認識したら事実確認と情報収集に務め、状況を見極めてできるだけ早く動くことです。企業の場合は即座に「緊急対策本部」を立ち上げ、できるだけ高位の役職者(基本はTOP)を本部長として事に当たるのが基本です。

今回、危機であると認識するタイミングは大きく2つありました。
1番目は上記の通り、Netに動画がアップされ、それが非難されていると認識した時点。
2番目は関西学院大学から抗議文が送付されたタイミング(10日あるいは受け取った日)。

1番目のネット動画に気がつきすぐに対応を取っていれば、10日の抗議文の前に対応も可能でした。関西学院大が抗議文作成に着手する前に適切な謝罪に出向いていれば、そこでこの問題は世間を騒がすことなく終っていた可能性があります。ところが、上記の通りそれを危機だと受けとめる感度がないのですから、ここで動かなかったのは当然と言えば当然でしょう。

しかし、抗議文を受け取った時点では否が応でも動かざるをえません。回答書を求められているのですから、適切に対応する必要があります。動画を見れば分かるとおり、明らかに危険なプレーであり被害者は全治3週間のケガを負っているのですから、まず事実を認めて謝罪する必要があります。
普通なら、以下の様な対応となります。

1,非を認め、謝罪と回答文持参(説明)のために、翌日(できれば朝一番)のアポイントを取る
2,事実確認をするとともに、何故このプレーが起きたのか、背景と原因の調査・特定
3,責任の所在を明確にし、必要であれば(被害者が納得できる、できるだけ重い)処分を下す
4,再発防止策を提示する

これは、まだ関学大が記者会見をする前を想定した対応ですが、抗議文を送付すると同時に記者会見を開いた場合には、すぐさま会見を開くか1~3についてコメントを公表します。 4については策定中として、後の公表でも良いでしょう。

必要なことは、できるだけ早期に最大限の謝罪の意を表明し、責任転嫁や言い訳をせず、反省と処分、今後への改善・対策を明確に示すことです。そしてもう一つ重要な事は、身内だけで対応せず、客観的な目を持った第三者を入れて進めることです。そうでないと、どうしても自己保身に向いてしまいます。
宮川選手は、そのとおりのお手本のような会見でした。

永い目で見れば膿を出す良い機会に


上記はあくまでも問題を起こした際の基本的な対応に過ぎませんが、実際には、日大アメフト部は責任を回避することに終始します。さらに、日本大学の組織や体質が背景に有り、責任の所在・本質は別な所にあることが見えてきました。

今回仮に上記の様に初動を誤らず大事に至らなかったとしても、それはテクニックとしてその場をしのいだに過ぎなかったでしょう。
日本大学では、いずれまた同じような事がアメフト部以外でも起こることを予感させてしまう対応であり、組織風土の様に思えます。今回このような大問題になったことで、同じ悲劇を繰り返す可能性を残すよりも、(膿を出し切り改善されれば)今後の事を考えると良かったのかもしれないとも思えてきました。
 




2018年5月24日木曜日

日大の緊急会見は謝罪ではなく弁明会見、思い出すのは「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件の会見



昨日、日大アメフト部内田前監督と井上コーチの緊急記者会見が開かれました。
前日の宮川選手の謝罪会見を受けての対応だろうと思われますが、マスコミに会見のお知らせFAXが届いたのは当日の午後7時過ぎ、受け付けは7時半から、開始は8時からというものです。

あまりに突然の記者会見の開催。しかも、直前に文春砲が炸裂し、内田前監督が試合直後に話した音声データが公開されています。これだけ切迫した案内だと、よほどの重要な内容なのだろうとマスコミ各社は推察したはずです。内田前監督は空港での会見発言を撤回し、全てを認める会見をするのか、あるいは学長が世間に対して謝罪するのかもしれないと思いながら会場に集まったのではないでしょうか。

上から目線の考えられない進行


会場は日本大学会館で、仕切りと司会進行は日大広報部の人のようです。しかし、会見が始まると予想とは違う展開となりました。 会見の一部始終は今朝からテレビのニュースや新聞各紙で紹介されていますし、上に貼り付けた動画(The PAGE)でも最初から最後(コーチの退室)まで確認できますので、発言の詳細や内容へのコメントはここではあえていたしません。

体裁は謝罪のようですが、内容は良い訳、弁明に終始しました。謝罪しているようで謝罪していない。非を認めているようで認めない。結局宮川選手が悪いという主張です。

当然記者からは質問が相次ぎますが、ここに司会が度々割って入ります。ネットでも司会進行に対する書き込みが多数有ったようです。
開始1時間45分過ぎあたりから記者と司会者の激しいやりとりが始まります。マイクを通さず記者から「この会見は、みんな見てますよ」という声に対して、司会者は「見てても見てなくてもいいんですけど。同じ質問を繰り返されたら迷惑です」と返し、記者席からは失笑が漏れます。さらに、「司会者のあなたの発言で、日大のブランドが落ちてしまうかもしれないんですよ」というと「落ちません」と即答し、再び笑いが起きる場面もありました。

会見を見終わると、結局何が語られたのかよく分からず、ただただ司会者(日大)の傲慢さだけが印象に残りました。
この、謝罪しているようで責任を認めない会見は、7年前の 「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件の社長の最初の会見(逆ギレ会見と話題になりました)を思い出します。運営会社「フーズ・フォーラス」はその後倒産し、奇しくも今月13日に賠償請求訴訟の判決が下されています

会見の設定事態が逃げる気満々


そもそも、会見の設定が変でした。24日に再回答書を関西学院大に送る予定でしたから、その回答を送るタイミングで会見しても良いものです。それをあえてせずに、会見開始僅か1時間前にマスコミにFAXを送り、しかもそのFAXには会見場所も記されていなかったようです(フジテレビ「特ダネ」での情報)。 報せはするけど来てくれるなといわんばかりです。

通常、午後8時からの会見というのは余程のことがないと設定しません。政府からの緊急の報せや大きな自然災害に関しての気象庁の会見、それ以外では企業不祥事に関してTOPの謝罪会見くらいです。
なぜなら、午後8時台はテレビのゴールデンタイムで報道番組はありません。報道で取り上げて欲しければ絶対に避ける時間帯です。日中の会見だと、どこかしらの局がライブで放映可能ですが、8時台は急に番組の編成を替えることはできないのでライブ放映するところはありません。実際、会見をライブで流したのはネットメディアだけでした。

会見場では、記者の質問用に用意されたマイクは1本だけで、それも係の人が渡すのではなく、会場の記者が手渡しリレーで送っていたというのです。これではマイクから遠い記者はマイクが動いている合間に発言したくなります。時間稼ぎをして質問をできるだけ少なくし、時間切れを狙ったようにも見えてしまいます。
実際、この会見内容なら、こんなに緊急に設定せず、今日24日の午後で十分でした。

これは明らかにほっかむりをして、時間が経てば他の話題に隠れて忘れ去られるだろうと逃げる作戦です。司会者の「見てても見てなくてもいいんですけど」との発言は見てくれない方がいいんですけど」というのが本音でしょう。

結果としては日本大学構内で、日本大学広報部が仕切った会見でこの有様を世間に晒してしまいました。日本大学は巨人軍の球団公式スポンサーだったようですが、日大に関する広告を外したそうです。日大アメフト部だけでなく、日本大学に対する視線は一層厳しいものになったことは明かです。





2018年5月22日火曜日

息子を「卑怯者にしたくない」父の愛情が支えた、日大アメフト部員会見


関西学院大学とのアメリカンフットボールの試合で、危険なタックルをして関学大QBの選手にケガをさせた日大アメフト部の宮川選手が、本日記者会見を開きました。
加害者である宮川選手の謝罪会見ですが、ここ最近の謝罪会見とは少し様相が異なっていました。

日本記者クラブの異例の対応


会見場は日本記者クラブ。会見の進行役は記者クラブの企画委員である、スポーツニッポン新聞社の方です。
まず、進行役が記者クラブで会見を行うことになった経緯などを説明します。それによると、試合後マスコミの取材を受けてこなかった加害選手の「記者会見を、日本記者クラブで行いたい」との要望が代理人(弁護士)を通じて申し入れられたと言うことです。それに対し、「社会を騒がせている事案であり、真実を知るには本人の説明が不可欠」と判断して申し入れを受けたということが説明されました。
また、記者クラブの取り決めとして「会見時に弁護士の同席は認めないことになっているが、今回については会見者が20歳になったばかりの学生さんであり、今後の(発言による)責任問題などを考慮して、代理人である弁護士の同席を特例として認めた」ことも告げられました。

家族で危機に向き合った姿


続いて、代理人である2名の弁護士(西畠正氏、薬師寺孝亮氏)から、顔出し・本名を隠さず会見に至った経緯と両親の思い、謝罪の意を明確にしたい旨などが話されました。また、「これから長い将来のある若者であり、この先どのような不測の事態が起こるかもわからない、被害を被らないよう」代理人の立場からマスコミに対して配慮を求めました。
その後、 会見の主旨と開くに至った経緯の説明(←マスコミに配付された主旨と経過 参照)がありました。

経緯の説明では、試合の後、宮川選手とそのご両親は、関学大の被害学生に対して、早くから謝罪のために接触を試みようとしていたことがわかります。しかし監督・コーチからは個別に謝罪に出向くことを認めて貰えません。そして15日、日大アメフト部から関学大に対して回答書が送られ、その中では監督・コーチからの指示でタックルをしたことが否定されていました。謝罪もできない上に、このままでは宮川選手が勝手に行動をして怪我をさせたことになりかねない。そこで宮川選手のお父さんが西畠弁護士の元を訪れたということでした。

翌日、両弁護士が宮川選手から詳細な聞き取りを行い(陳述書はこの聞き取りを元に作成されたのでしょう)、同時に関西学院大へ個人的に謝罪に出向きたいと申し入れをしました。その申し入れは受け入れられ、18日に宮川選手と両親で謝罪に出向いています。
この経緯を見ると、宮川選手のお父さんは関学大アメフト部から日大アメフト部に申し入れ書が送られた翌日の11日以降、ずっと仕事を休んで宮川選手につきっきりだったようです。10日以上家族の為にずっと走り回り、家族がひとつになって今回の問題に向き合っていたことがこの会見から伝わってきました。

恐らく記者クラブとも入念に打ちあわせをしたはずです。十分な準備をして臨んだ会見は、宮川選手本人の決意とそれを支えた両親、息子に卑怯者の誹りを向けさせたくないという父(と代理人)の思いが会見場を支配していたように見えました。

記者会見の全容は、上に貼った動画(SankeiNews)と、マスコミ各社の報道でご確認ください。以下は、陳述書の全文を書き起こしたハフポスト記事です。
危険タックルの日大アメフト選手「1プレー目で潰せば出してやる、と言われた」(陳述書全文)

この会見を受けて、24日に予定されている再回答書を含め、日本大学はこれからどのような対応をするのか、日本中が見守ることになります。対応次第では来年の学生募集や卒業生の就職にも影響しかねない重大な局面を迎えそうです。




2018年5月21日月曜日

「危機管理学部」を持つ日本大学、常務理事でもある内田監督のありえない会見


5月6日に行われた日本大学と関西学院大学とのアメリカンフットボール定期戦で、日大の選手がボールを持っていないクォーターバックの選手にタックルをして全治3週間のケガをさせたなど、「意図的で危険」なプレーを繰り返したことに対して抗議文(10日付け)を送付したと、関西学院大学が12日に会見を行いました。
(経緯は朝日新聞の記事「アメフト日大との定期戦取りやめも 関学大が抗議文」などに)

その会見で提供された当該試合のプレー動画は繰り返しテレビの報道番組などで流され批判が高まり、日大の対応に注目が集まっていました。
そして15日、日大からの回答書がアメフト部コーチによって関学大に持参され、それを受けて17日に関学大が再び会見を開きました。
「疑問、疑念を解消できておらず、誠意のある回答とは判断しかねる」との見解を表明し、日大側の24日までの再回答を待つとしました。
日大回答は「疑念を解消できず」 関学大会見 - 毎日新聞ー会見動画有り
日大回答は「疑念を解消できず」 関学大会見

ところが19日(土)、日大の内田監督は、関学大に謝罪と説明に行った帰りという伊丹空港で突然会見を行いました(上の動画)。さらに到着した羽田空港でも再び会見をしました。


危機管理学部はお飾り?


内田監督は、1度目はピンクのネクタイで会見に臨み、関西学院大学を「かんさいがくいんだいがく」と名前を間違えるなど、そもそも会見内容について語る以前の問題です。何も事前準備をしないまま会見に臨んだことは明らかです。羽田空港の2度目の会見ではピンクのネクタイを外し、名前も正しく「かんせいがくいん」としていましたから、移動する機内で指摘されたのでしょう。2度とも内田監督は「全て私の責任」を繰り返すばかりで、何も重要な事は明らかにしていません。日本大学には広報部もあるはずですが、「一人で責任をとれ」と大学から突き放されたのでしょうか。あるいは自分が責任を取るといえば、騒動は収まると思って一人で対応しているのでしょうか。

日大アメフト部の監督である内田正人氏は、日大の常務理事でもあり、報道では大学の実質ナンバー2ということです。今回の騒動は、日大アメフト部のみならず、アメリカンフットボールというスポーツのイメージも日本大学という大学のイメージも同時に大きく毀損しかねないものです。既にマスコミにも大きく取り上げられ、世間の耳目を集める問題に発展している中で、大学としても最優先で対応しなければならない案件のはず。しかも驚くことに、日本大学には「危機管理学部」が設置されています。

危機管理学部」の教授陣は危機管理の専門家であるはずですし、5月12日の関学大の会見を受けて何かしらの行動(事実関係の確認、大学・アメフト部への問い合わせ、危機管理の専門家としての助言)に移っているはずです。少なくとも私なら、すぐに関係者にアプローチして「翌日の5月13日には何かしらの会見かコメントを発表する準備を」、と助言したはずです。しかし、その後の15日の回答書、19日の内田監督の会見ともに危機管理の専門家がサポートした形跡は見受けられません。自分達が所属する大学の危機に際して、何も動かなかったのでしょうか?

今日、タックルを受けた関学大の学生の父親が、警察に被害届けを出したそうです。これからは警察の捜査も始まることになります。
サイトの理事長あいさつでは「日本一教育力のある大学」を目指すという日本大学ですが、今回の対応の仕方次第では、その「教育力」自体にも疑問符が付きかねません。
日大には法学部も有り法律の専門家もたくさんいらっしゃいます。 今後、どのような展開になるかも普通に想定できるはずですから、学内の専門家を総動員して目の前に迫る危機に対処するのでしょう。ある意味、大学の総合力を検証されるような事態になりました。

24日の回答書の再提出、恐らくその提出後に開かれる会見に注目したいと思います。





2018年5月19日土曜日

福岡市は年間300回以上寄港するクルーズ船を観光資源にするべき

大分に出張するときには,もっぱら天神から高速バスを利用しています。バスは長浜から北向きに都市高速に乗り、入ってすぐの分岐を右に進み左手に博多湾を臨みながら暫く東へ進みます。間もなく再び右に進路を変えて南を目指します。
都市高速は高架になっているうえに、乗用車よりも更に視点が高いバスの車窓からはほとんど視線を遮る物なく景色を楽しむ事ができます。天神から高速に入り東進している僅かな時間、マリンメッセの先に大型のクルーズ船が停まっているのをかなりの確率で見ることができます。
5月17日に入港したCOSTA FORTUNA (高速バスの車窓より)
私は子どもの頃船乗りに憧れ、一時商船大学を目指していたことがあります。大学ではヨット部でしたし、海外の港町に行くと、ヨットや帆船だけでなく大きな船を見るのも楽しみです(本当は乗りたいのですが…)。 
ということもあり今では、停泊するクルーズ船を見るのが高速バスに乗る楽しみの一つとなっています。 

博多港は日本一のクルーズ船寄港地


博多港は、訪日クルーズ旅客数とクルーズ船の寄港回数で3年連続日本一です。それ以前、2014年まではずっと「港町横浜」が1位でした。
2017年の訪日クルーズ旅客数とクルーズ船の寄港回数(速報値)

Fukuoka Facts より
今年(平成30年)も福岡港湾空港局のデータ-クルーズ客船入港予定(岸壁予約)-によると314回の寄港が予定されています。回数が314回でそのうち11回は複数泊ですので、1年のうち約330日、ほぼ9割の確率で大型クルーズ船が停泊していることになります。

一昨年でしたか私はある日、大型クルーズ船を近くで見ようと休みの日に車で中央埠頭に向かいました。大博通りを北に走り、福岡サンパレスに突き当たるT字路を右に折れ、国際会議場、マリンメッセを左に見ながら中央埠頭に。しかしなんとその日はクルーズ船の姿はありませんでした。事前にネットで調べて行けば良かったのですが、いつも停泊しているイメージがあったのできっと大丈夫だろうと高をくくって港まで行ってしまいました。
あれだけ巨大なクルーズ船ですから、港まで行かなくても途中で船がいるかいないかはわかりそうだと思う人もいるかもしれません。しかし、博多港の状況だと中央埠頭に巨大なクルーズ船が停泊していても市街地からはもちろん、近くまで行ってもなかなかその姿が見えないのです。巨大なクルーズ船も隔離されたような状態で、市民の目からは遠い存在となっています。

博多は交易で栄えた港町であるはずなのに


福岡・博多は交易で栄えた港町でもあります。現在も大型クルーズ船が日本で一番多く寄港し、全国で10位の水揚げ高を誇る漁港(しかも平成28年の取扱金額は438.79億円で全国主要20漁港中1位)も造船所もあります。長崎や神戸、横浜とならぶ立派な港湾都市のはずです。しかし現在の福岡市は、空港が市街地から近く交通の便が良い商業都市のイメージは有っても港町のイメージはありません。横浜の場合は海岸線に沿って観光地となる赤レンガ倉庫や山下公園などもあり、大桟橋に寄港するクルーズ船も都市景観の一部となっています。クルーズ船が停泊していれば、自然と多くの人の目に入ります。しかし博多港の場合は都市高速からは見えても、陸地側からはマリンメッセや国際会議場、福岡サンパレス、倉庫群、それに都市高速などが視界を遮り、その姿は見えないのです。
福岡コンベンションビューローのサイトでも、福岡市の公式観光サイトよかなびでも、観光地としての「港」が紹介される事はありません。実態として横浜を超える日本一の港町なのに、自らそこに目を向けようとしていません。

クルーズ船のお客ではなく船に目を向ける


数千人(最大定員で5000人弱)を乗せた巨大なクルーズ船が入港すると、乗客は限られた時間で市内観光や買い物に出かけるために一度に多くの大型観光バスが必要になります。場合によってはバスの争奪戦となり、学校の遠足やバスツアーなどでもバスが手配できないという話も聞きます。また、いっせいに同じ目的地に向かうために、駐車場や道路を多くの観光バスが占領するなどの弊害も語られています。 様々な条件が整わないと寄港地として選ばれることはありませんから、寄港を望む港からすれば贅沢な悩みかもしれません。
しかし、船からはき出される人ではなく船に目を向けるとどうでしょう?

日本が誇る豪華客船「飛鳥Ⅱ」の全長は240m。普通の港ならこの船が入港するだけでも話題になります。しかし福岡に入港するクルーズ船は300mを超える巨大な船が珍しくありません。誰もが知っている外洋クルーズ船と言えば「クイーンエリザベス3」(全長294m)ですが、それよりも大きな船が今年もこれから何度も入港する予定です。そんな大きな船が港に入る景色は何処ででも見られるものではありません。

上の写真の「COSTA FORTUNA」の全長は 272.2m。タイタニック号(269.1m)とほぼ同じ全長(総トン数は倍以上)です。このような船が入港するとわかれば、見に行こうという人もいるでしょうし、Insta映えする写真も撮れるでしょう。それなのに、ほとんど注目される事はないのです。なんともったいないことでしょう。せっかくむこうからやって来てくれているのに、です。

中央埠頭に向けた定点カメラを設置して、24時間ライブのネット配信も良いかもしれません(流すだけならコストはほとんどかかりません)。クルーズ船の寄港予定がもっとオープンに(例えば朝のTVやラジオ番組で今日の入港クルーズ船情報を伝えるとか)なれば、クルーズ船の姿を見に行く人、巨大な船の着岸風景を見に行く人、船の多くの人に手を振りに行く人……いろいろな人がクルーズ船に引き寄せられるように港に足を運ぶことでしょう。
対岸の博多埠頭からは毎日クルーズ船の出入りも眺められるということで、ベイサイドプレイスの魅力も増し、訪れる人も増えるのではないでしょうか。

巨大なクルーズ船が停泊している博多港の風景が定着すれば、福岡市の魅力は更に増すはずです。





2018年5月16日水曜日

「フィッシュパス」-同じ時期、ほとんど同じアイデアで先を越されました!

岡山出張から帰りの新幹線さくらの車中、ほとんどトンネルでWimaxが繋がらないのでスマホのYahoo!ニュースをチェックしていました。すると

河川で安全、電子遊漁券広がる ウエアラブル端末で監視

という記事が目にとまりました。福井県のIT企業フィッシュパスが電子遊漁券販売サービスを開発して、販売も好調というニュースです。この記事を見て愕然としました。

釣り人は考える事が同じ?


ヤマメやイワナ、鮎などは河川を管理する漁協が資源保護と環境整備などを行い、そこで釣りをするためには決められた遊漁料を支払わなければなりません。しかしその遊漁券を購入するには様々な障壁があります。特に初めての場所・川で釣りをしようと思うと、その河川を管轄する漁協はどこか、遊漁券はどこで手に入るのかなどの情報を得ることから始めなければならず、しかもほとんどの場合は遊漁券はその地元でしか購入できないのです。実は釣り(flyfishing)が趣味(プライベートなブログ flyとflight日記)の私、3年ほど前からこの記事のフィッシュパスのサービスとほぼ同じアイデア「全国どこからでも24時間、ネットで遊漁券を購入できるシステム」で事業化を考え、 詳細を詰めていました。上記のような問題をを解決し、釣り人にとってのメリットだけでなく漁協にとっても増収と人件費・コスト削減に繋がる提案ができると確信していました。開発背景はまさに「フィッシュパス」と同じです。
忍野(忍草漁業協同組合)の日釣り遊漁券
スマホアプリやバックで動くシステムの要件と同時に、販路についてはJTBさんのPassMeとの連携について「串カツ田中」の全席禁煙ブログでも登場した永江君と条件や課題の確認などもし、ドメインも取得していました。 
そしてちょうど2年前の2016年6月には、事業化に向けたさらに具体的な動きとして、ウミーベの渡辺社長と、さらに全国内水面漁業組合連合会にアポイントを取り「全国どこからでも24時間、ネットで遊漁券を購入できるシステム」構想について説明、協力を求めました。

ウミーベは地元福岡、糸島半島の今宿に本社を置き、釣り情報サイト「ツリホウ」「ツリバカメラ」を運営しています。釣り人(特にスポーツフィッシャーを自認する人)には釣れるポイントを知りたいというニーズだけでなく、自分の釣果を記録したい、自慢したい、見て欲しい…という欲求があります。このニーズに応えるにはより多くの閲覧者が求められます。それにはオリジナルの機能で持つよりもウミーベのサービスを一つのプラットフォームとして連携することで、スタート時から多くの人を対象に釣果の「自慢」と「記録」が可能になり、さらに他の釣り人の釣り場の釣果情報を得ることが可能になります。釣り人の承認欲求はInsta映えを気にする若い女性と同じく、より多くの人に見てもらうことが重要です。もちろん、スタートからより多くの利用者に新しいサービスを知って貰うこともできます。

全国内水面漁業組合連合会は、全国の内水面漁協をとりまとめる組織です。記事のフィッシュパスは地元の漁協と組んで事業化にこぎ着けました。私には地元にタッグを組める漁協のつてもなく、一番足を運ぶ梅野川を管理する津江漁協のUさんも退職して、具体的に相談する先がありませんでした。そこで一足飛びに連合会にアポイントを取ることにしたのです。「全国どこからでも24時間、ネットで遊漁券を購入できるシステム」についての提案をし、全国の内水面漁協にご協力いただき、いっきにサービスを広げたいと思いました。
しかし、結果はだいたいご想像いただけるかと思います。

その後、福岡市美術館リニューアルコンペやmikuの事業譲渡へ向けた準備で手が付かないまま時間が過ぎていましたが、昨年ゼンリングループの友人にこの 「全国どこからでも24時間、ネットで遊漁券を購入できるシステム」の構想を改めて持ちかけ、ゼンリンが持つ地図情報とのマッチングで、まさに「フィッシュパス」で取り入れているGPS機能を活用した遊漁者と遊漁券のマッチングの可能性についても 議論していました。
しかし、既に昨年ほぼ同じサービスがスタートし、しかもこのアイデアは2015年に「福井発! ビジネスプランコンテスト」でグランプリを獲得していたという事実を今頃知ったのです。

川釣りの電子遊漁券、アプリで販売 GPS連動、釣果情報配信も

まさに私が構想をまとめていたときとほぼ同じタイミングで構想され、実現にいたっていました。ショックです。実現に向けた情熱の差でもあったと思います。
これから「フィッシュパス」を全国の内水面漁業共同組合が採用し、ルールを守る釣り人が増え、釣り人が全国の河川に手軽に出かけられるようになればと願うばかりです。
ガンバレ!フィッシュパス






2018年5月14日月曜日

ネットで炎上している「串カツ田中」の「全席禁煙リリース」について:追記有り


串カツ田中 TOPページ
株式会社串カツ田中が、4月12日に発信したNewsリリース

居酒屋チェーンでは初 6月1日(金)から串カツ田中は全店約180店舗で全席禁煙化し、より多くのお客様からのご愛顧を目指します。

は、嫌煙家や小さな子どもを持つファミリーを始め、受動喫煙防止法案が国会で骨抜きにされていく様を忸怩たる思いで見守っていた多くの人に賞賛をもって迎えられました。ネットでは歓迎(もちろん、喫煙者の落胆も)の書き込みが相次ぎました。「子どもを世の中の中心に置いた、住み良く安全な社会を実現する」をテーマに掲げる弊社にとっても、このニュースは嬉しい知らせです。
 リリースには、
現状居酒屋チェーンでは、一部の店舗や首都圏中心に全席禁煙としている店舗が多い中、ほぼ全店で禁煙化するのは居酒屋チェーンでは初(当社調べ)となります。

 と謳っているように、「居酒屋チェーンでは初」としており、他の居酒屋チェーン、ファミリーレストランチェーンの追随も期待されました。
しかし、5月11日に新たに配信されたリリース

6月1日からの禁煙化に関する最新情報

で発表された内容が6月1日を楽しみにしていた串カツファンやファミリーを落胆させることになり、今度はネットが批判の嵐で炎上することになります。立ち飲み店を除く全店で全席禁煙を期待していたのに、フロア分煙の店舗が22店、「喫煙ルームを設置することは現時点では検討しておりません」としていた喫煙ルーム(ブース)設置を検討中の店舗が4店舗とあったからです。

子連れファミリーは3次喫煙まで警戒


フロア分煙や喫煙ブースについては、「喫煙者が隣の席に座ることがないから良いのでは?」と考える人もいますが、いま、世界的には受動喫煙(2次喫煙)だけでなく3次喫煙まで問題にされています。
昨年、受動喫煙防止法案の内容で綱引きが続いている最中、ダイヤモンドオンラインでは

受動喫煙だけでは生ぬるい!新たな懸念「三次喫煙」の深刻性

という記事を掲載し、実験・測定結果をもとに警鐘を鳴らしました。
恐らく串カツ田中とターゲットが重なるであろうマクドナルドも、かつては多くの店舗がフロア分煙でした。当時マクドナルドを利用したことがある人は、禁煙フロアであってもタバコの臭いが漂っていたことを記憶していると思います。フロア分煙はそれぞれのフロアへの導線を別にしない限り、禁煙フロアの意味はほとんど無いことを、多くの人が体験しているのです。

ブライト・ウェイで運営する【こそだて】でも、記事やFacebookページ、Twitterなどを通じて、受動喫煙やタバコの誤飲、さらには3次喫煙に対する注意喚起も行ってきました。
小さな子どもがいるファミリーでは、盆・正月の里帰り時にタバコの誤飲事故や受動喫煙を避けるために、家の中での喫煙をやめるよう事前に両親に連絡をすることも珍しくありません。

リリースは一方的な発信なので、
より慎重さが求められる


前置きが長くなりましたが、今回このブログを書くきっかけとなったのは、かつての同僚で友人、サイトやビジネスモデル構築コンサルタントの永江一石くんからのご指名を受けてのことです。彼はブログで

【5/11さらに燃料追加!!】串カツ田中さん、禁煙で日和って大炎上。

をアップしていますが、今朝Facebookで
串カツ田中は正式に社長名でお詫び文を出すだろうが、文面は「リリースで誤解を生む表現を使ったことをお詫びします」となるだろうが、誤解を生む表現ではない。誤解を狙った表現であったとさらに炎上するから止めた方がいいよ。素直に85%の店舗で完全禁煙にというのに差し替えた方が良い
と、危機管理の専門家の高祖君がブログ書くとバズると思う。ww
とわざわざ私をタグ付けして投稿してくれたのです。という訳で、バズるかどうかは別として整理してみます。

広報活動は、媒体費に多額の費用を伴う代わりに媒体掲載を確実にできる広告宣伝と違って、記事掲載や番組での取り扱いの保証はありません。その代わりにもし話題になり多くのメディアで取り上げてくれると、媒体への掲載費・出稿料金は発生しません。そのためか近年は広報活動に力を入れる企業が増えて来ました。その多くはニュースリリースを発信する程度ですが、「もしどこかが無料で記事掲載してくれれば儲けもん」程度のところがほとんどです。そのため、メディアへ届くニュースリリースの数は年々増えるばかりで、それを受け取る媒体社・記者の負担は増えている現状です。企業も話題作りのためにあれこれと知恵を絞り、新商品・サービスの発表ではタレントさんを登場させたりと、時には本末転倒の発表会も見受けられます。

ニュースリリースは企業からの一方的な発信です。問い合わせ先を入れていますが,余程のことが無い限り受け取ったメディアは基本的にリリースを元に記事原稿をまとめます。近年ではネットでリリース配信するサービスも増え、配信されたリリースはそのままニュースサイトや媒体社のサイトで掲載されます。ですから、「そのまま記事タイトルに使われる」前提でリリースタイトルを付けることが一般的です。サイトのタイトル同様、リリースもタイトルは重要なのです。
一方で企業からの公式な発表文章ですから、嘘やネットでバズることを狙った誇張は御法度です。発表した時点で企業としての責任を負うことになります。(株)串カツ田中はマザーズ上場企業でIRの担当もいるでしょうから、広報のことはある程度わかっていると思われます。業績予想のような未来の話であってもその内容が株価や様々な方面に影響を及ぼすことは良くあることです。今回の「全席禁煙」も業績に大きく影響を与える事案のはずですから、そのまま記事になって誤解を与えるような曖昧な情報をリリースで発信することは避けなければなりません。

4月のリリースは勇み足だった?


4月の串カツ田中のリリースタイトルは、 普通なら「全席禁煙宣言」と受け取られます。居酒屋チェーンで初の取り組みであれば話題性も注目度も高いので、本気で話題にして欲しければ記者会見までいかなくても記者クラブでの説明会(ブリーフィング)くらいしても良さそうです。しかしそれをしなかったのは「全席禁煙宣言」と受けとめられては困る、あるいは曖昧さを残した見切り発車だったのではと思えてしまいます。記者発表や記者クラブでのブリーフィングでは、必ず質疑に答えることになります。記者発表や説明会は事前に開催を告知するので、記者もある程度内容を予想して質問も考え(私の場合)臨みます。それ(質疑応答)を避けたかったのかもしれません。
そうでないのなら、禁煙実施店リストを添付してリリースするべきだったでしょう。リストを付けていたら、リリースタイトルも変わっていたでしょうが。

深読みすると、4月の発表時には全席禁煙実施をするつもりだったのかもしれません。しかし、串カツ田中はFCでの店舗展開です。FCオーナーへの説明・了解をとる前にリリースを出してしまい、一部店舗オーナーが猛抗議をしたことも考えられます。健康志向イメージが強いあのモスバーガーでさえ、いまだに全店禁煙に踏み切れないのと同じことが起きているのでしょう。そういうことが背景にあるのであれば、生活者に対してだけでなく、身内であるFCオーナーをも裏切ったことになります。
注↓下記追記


串カツ田中は北千住にもあり、いつか行ってみようとは思いながら未経験のお店でしたが、今回、永江くんのご指名を受けて改めて調べてみて色々とわかった事(大阪発祥のお店でないことも!)もあります。その過程でこんな記事(5月12・13日配信)を見つけました。

『串カツ田中』は8割が住宅街。なぜ繁華街を選ばないのか?
「借金してよかった」串カツ 田中の社長が語る“不安経営”

このインタビューの中で、「子どもは大事です。10年後には大人になっていて、だいたいの人はお酒を飲みます。成人より客単価は減りますが、将来のことを考えるとそれでいいのです」と社長は答え、インタビュアーのタケ小山氏は「ある意味、子供が一番のターゲットと言っても過言ではないのだ」とまとめています。

串カツ田中が、来店する子どもを大事にするというのであれば、是非最初の宣言通りに「全店、全席禁煙」に向けて社内(FCオーナー)をまとめて欲しいと思いますし、そうでなければ次回の株主総会では株主からの追求は避けられないでしょう。同時に、今回の腰砕けの成り行きに、受動喫煙防止法案に反対していた煙草議連の議員を勢いづかせないかと心配になってしまいます。そういう意味でも、今回のリリースの出し方は後々責めを負うことにもなりそうで心配です。


2018年5月6日日曜日

山口達也のジャニーズ事務所契約解除報道を受けて

楽しみにしていた鉄腕DASHも放送されない(もともと13日が次回放映予定)日曜日、どんよりしながら「世界の果てまでイッテQ!」を見ていたら、再び驚きの「ニュース」が。

ジャニーズ事務所が報道機関向けに文書

を始めとして、報道各社がテレビ・Netで報じました。

各社が報じているFAXの文書は以下の通りです。

 この度の山口達也の事件に際し、被害者とそのご家族の方々には多大なご迷惑をお掛け致しました。誠に申し訳ございませんでした。
 またご負担をお掛けしております仕事関係者の皆様や、報道関係者の皆様、さらに報道をご覧になった多くの皆様にもご心配をお掛けしておりますことを重ねてお詫び申し上げます。
 山口達也の処遇につきましては、5月2日のTOKIOの4人のメンバーの会見において本人からの辞意表明があった旨の説明がございましたが、重ねて6日本日、本人からも直接、弊社に対し強い意思表明がございました。
 それを踏まえ本日、弊社社長とTOKIOリーダー城島茂との協議が行われ、この申し出を受理する決断に至りましたことをご報告申し上げます。
 これにより弊社は、山口達也と契約を解除することとなりますが、事件の社会的な影響や、現在、山口の置かれている状況等に鑑み、彼を育ててきた立場として、社会に責任を果たすために必要な支援を今後も積極的かつ継続的に行って参る所存でございます。
◆経緯について
 弊社では山口達也の処分について、23年間、バンド活動を軸に芸能活動をグループとして行ってきたTOKIOメンバーの意志も尊重すべきとのスタンスを取ってまいりました。メンバーは4月26日の山口の会見によってその詳細を知り、5人での会合を30日に実施いたしましたが、その際に本人からの辞意表明があったこと、結果としてその場で辞意への回答ができなかったことは、話し合いの直後に弊社社長に伝えられておりました。
 弊社と致しましてはTOKIOメンバーの心情に配慮しながらも、社会的影響の大きさから、すみやかに意思決定をすべきとの考えでしたが、本日6日にメンバーの総意として辞表が社長に託され、当人からも別途、社長への直接の意思表明があったことも踏まえ、辞意の受け入れとなりました。
◆契約解除の理由について
 4月26日の会見では、山口が事件への十分な認識と反省をしていないとのご不安を皆様に与える形となってしまいましたが、その後のメンバーとの話し合いの際の「TOKIOを辞めたい」との意思表明は、被害者の方への謝罪の念、引き起こした社会的影響力の大きさを自覚し、責任を取るという本人の強い決意をメンバーがそれぞれに感じており、弊社もそれを確認しております。
 山口は今後、被害者へ誠心誠意、謝罪を重ねることはもちろん、事件の要因となったさまざまな問題を克服すべき状況にあります。一人の人間として再び社会に復帰するためには、本人の強い意志と周囲のサポートが不可欠です。
 そのためには無期限謹慎という曖昧な形ではなく、本人の強い意思でもある辞意を受け入れ、山口が一人の人間として自分と向き合う形をとらせるべきだと決断いたしました。今後も山口をサポートしていく旨は、弊社社長からメンバーの意思を預かるリーダー城島にも伝えられ、今回の選択の最終合意に至りました。
◆今後について
 山口の籍は残りませんが、彼を長年育んできた立場として、彼が健やかな一人の人間としての精神と振る舞いを取り戻し、被害者の方の許しを十分に得た上で、どのような形であれ未来を描けるまで具体的に支援することが弊社の責任と考えます。
 また弊社がTOKIOを大人のグループとして尊重し、意思決定に強く関与させたことについて、さまざまなご批判もいただきましたが、今回の事件での意思決定と責任はすべて弊社にあることは言うまでもありません。
 彼らは会見でも言及した通り「4人のTOKIOが必要とされるのか」という命題を背負い、茨の道を歩むことになります。
 弊社も当然、彼らとそれを分かち合い歩んでいきますが、これまでご理解、ご支援をいただいた皆様におかれましては、彼らの今後の活動へもあたたかいまなざしを注いでいただけましたら幸いです。
 重ね重ね申し上げていることですが、被害者、ならびにご関係者の方々の精神的な負荷がこれ以上大きくなることを防ぐため、報道関係者の皆様には「被害者の方、被害者のご関係者の方、および山口の家族への取材自粛のお願い」をお願い申し上げます。
2018年5月6日
ジャニーズ事務所

今回の決定はジャニーズ事務所にとってはある意味最善の(不都合の無い)選択だと思います。その理由は以下の2点です。

1,クライシス(危機)対応のスタートは、最悪の結果を想定することから始まる

私は、クライアント様からご依頼・ご相談を受けたときには、まず最悪の結果を想定することから始めます。これ以上ないという最悪の結果を想像することで、それを回避するための次善の策、思い切った決断ができると考えてお話しを伺います。
今回の案件で最悪の結果はどういうことだったのでしょうか?色々と考えられますが、その最悪の状況から「より良い結果」を導き出すために、様々なケースを想定して、TOKIOのメンバーもジャニーズ事務所も判断したはずです。先送りすることなくこの週末に結論を出し、この時刻に公表したことは覚悟(と戦略)が感じられます。

2,山口達也さんの間違いだらけの謝罪会見をDELETE

山口達也さんの謝罪会見は、どうみても褒められる会見ではありませんでした。ジャニーズ事務所が敏腕弁護士も付けてサポートしたにもかかわらず、ダメダメの会見でした。
恐らく、ジャニーズ事務所の影響力をもってすれば、記者へのプレッシャーで乗り切れると思っていたのかもしれません。
文春ONLINEでも
TOKIO山口達也の謝罪会見 ジャニーズ幹部との“異常な”やりとり
にあるように、ジャニーズ事務所の各社へのプレッシャーは相当なもののようです。しかし、そうはいきませんでした。

その結果として、山口達也さんのダメダメの会見、それを受けてのTOKIOの会見がマスコミや視聴者・読者の心に響きました。そのギャップの大きさに違和感を感じているファンは多いはずです。3月に事態を知っていながら山口さんにも的確なアドバイスをせず、結果としてTOKIOのメンバーにもNHKの発表後に初めて伝わるという、客観的に見れば事務所の対応ミスです。今後この点についてメディアが追求を始めることは容易に想定できるタイミングでした。
ある意味、過去のミスを無いものにしようとする発表のようにも見えます。

ジャニーズ事務所への風当たりと山口さん、TOKIOの今後を考えると、一番良いタイミングでの発表だったとも考えられますし、逆にあることの発覚を恐れた早い幕引きを狙っての事のようにも見えてしまいます。
明日以降、マスコミ各社・Netではどんな受けとめ方をされた報道になるでしょうか?






2018年5月2日水曜日

TOKIOの謝罪会見で感心した、進行とホテルニューオータニのサービスレベル

今日5月2日14時から、山口達也さんが起こした強制わいせつ行為に関して、TOKIOの4人が謝罪会見を行いました。この会見の様子は民放3社(日本テレビ、TBS、フジテレビ)がLIVEで中継を実施。日本テレビは会見が始まって45分以上CMを入れませんでした。サッカーのハーフタイムと同じです。そのくらい視聴者の関心が高い会見だという判断だったのでしょう。他の局でも同様にCMを何処で入れるか、どのくらい中断するか悩んだことだと思います。普通のタイムテーブルなら、どの局も同じタイミングでCMが入ってくるものですが、おかげで、CMが入ってもチャンネルを変えればそのまま中継を見続けることができました。
中継をずっと見て感心したこと、気がついたことがいくつかありましたので、以下書き出してみたいと思います。

ホテルの対応は流石


まず感心したのは会場のセッティングです。
恐らく、ジャニーズ事務所の指示もあったのでしょうが、終始スムーズで手慣れた進行でした。進行役(事務所スタッフ?プロのMC?)も落ち着き、進行台本もしっかりできている感じでした。これが不慣れなホテルや会議室だと、細かなところで雑な進行になり、そういう部分が全体に雑な、ささくれだった空気を作り出すこともあります。

定刻の14時になるとアナウンスが流れ、TOKIOのメンバーは会場下手のパーティションから会見場に入場しました。扉や入り口からいきなりではなく、パーティションの後ろに一度整列してアナウンスを待っていたのでしょう。そして一人ずつパーティションから登場すると、会場に向かって深く頭を下げテーブルの定位置に付きました。全員が定位置に付くとMCから「これよりフラッシュ・ストロボの撮影はご遠慮ください」とアナウンスされ、フラッシュの点滅は無くなりました。恐らく事前に申し合わせ・確認されていたのでしょう。テレビでの中継・放送を(視聴するファンを考慮し)前提としたジャニーズ事務所らしい配慮です。
まず、城島リーダーが謝罪の挨拶をした後に、メンバー全員で深々と頭を下げ、陳謝の意を表しました。リーダーが最初に頭を上げるまで実に25秒でした。
その後、メンバー一人一人が謝罪のコメントを述べ終わり、質疑応答の時間となります。ここでやっと4人は着席となりました。
この時、ホテルスタッフがスッと4人の後ろに付き着席をアシストし、4人が着席すると再びスッといなくなりました。これは、4人が会見を終えて立ち上がるときにも同様でした。
しかも、立ったときにはすぐに4人は会場に向かって再び深々と頭を下げましたが、その時にはホテルスタッフの姿はありませんでした。
恐らく記者も、テレビで見ていた視聴者も、4人の後ろにホテルスタッフが現れ、アシストしていたことにほとんど気がつかなかったのではないでしょうか。まさに黒子です。
何処のホテルだろうとネットで調べると早速上がっていました。
ホテルニューオータニさん、さすがです。

山口達也さんの前回の謝罪会見も同じくこのホテルだったようです。
しかし、前回の会見は記者に囲まれて、あまり良い仕切りだったとは言えません。ネットを見ると、どうやら弁護士が同席していたようで、仕切りはその弁護士さんだったのでしょうか。

会見を見られる公式チャンネルは無い


「はれのひ」社長の会見ではライブ中継だけでなく、YouTubeや新聞社のサイトでその後も動画がアーカイブされましたので、今でもクリアな画質で会見を見られるチャンネルがあります。しかし今回はジャニーズ事務所メンバーの会見。さすがにテレビ局はじめメディアの公式サイトやチャンネルでは会見の様子はアップされていません。テレビの中継を録画したような非公式な動画ばかりがアップされています。中にはテレビで放送された90分の会見をほぼ全編アップしているものもありますが、ここでリンクを貼ることは控えておきます。
90分の会見ですから、ニュース番組などでは切り取らざるをえません。しかも番組キャスターも質問していますので、各局・番組はその部分を優先して使うでしょう。見る局、番組によって切り取られ放送されるところが変わって来ます。
私はTOKIO(鉄腕DASH)のファンでもあり、仕事柄全編チェックしましたが、ニュースやワイドショーの切り取られた会見ではなく、可能であれば会見を通しで見ていただきたかったと思います。

TOKIOメンバーの彼を思う気持ちが強く伝わってくると同時に、事前準備と会場との入念な打ちあわせが重要であることを感じた会見でもありました。

山口達也さんがその気持ちを受けとめ、甘えることなく強くなって戻ってくるのを1ファンの立場で見守りたいと思います。





2018年4月27日金曜日

山口達也の会見で我が身と重ねるべき2つの事

TOKIOの山口達也さん(ファンとしてはメンバーとも容疑者とも書きたくないものです)が強制わいせつ容疑で書類送検されたというニュースに驚きました。TOKIO、特に鉄腕DASHは家族(80を過ぎた両親も)みんなが大好きな番組。私などは日曜日に釣りに出かけても、7時から始まる鉄腕DASHには間に合うように帰ってくるほどです。その中心メンバーである山口さんが、まさかの行為に及んでビックリ仰天です。

その山口さんが昨日記者会見を行い、その会見についてテレビを始めとするマスメディアは詳しく取り上げていました。 経緯や会見内容は他でも詳細に報道されているので、ここではその会見で気になった2点について取り上げてみたいと思います。

1,多くのアルコール依存症予備軍


会見では直前までアルコールによる体調不良で入院していたと言っています。離婚会見の時にも理由に「お酒の飲み方」をあげていました。きっと深酒をするタイプなのでしょう。この会見の後、アルコール依存症への注意喚起をする記事が何本も上がっています。それらの記事で目にした、日本のアルコール依存症予備軍は約1000万人にのぼるという数字。
私も人の事は言えませんが、会社員時代には酒癖の悪い同僚や先輩もたくさんいました。かつてのサラリーマン、特に営業職の人は、毎夜の接待やお付き合い、同僚との飲み会などで家にまっすぐ帰ることは希という人もざらでした。私も、10年ほど前までは毎夜何軒も梯子して深夜帰宅が当たり前でした。飲み過ぎて記憶を無くしたことや翌日に家族にさんざん責められたことが何度もあります。
しかしこの数年は高齢の両親のこともあり,外での飲酒は極力控えて8時までに帰宅するようになりました。東京の自宅では、平日はアルコールを一切とらないようにしています。その反動か、休日は飲み過ぎの傾向ではありますが。

アルコール依存症の自己診断テストがたくさんあります。有名なのはWHOが作成したAUDITなどですが、AUDITを始めとした自己診断テストを多くの酒類飲料メーカーはサイトに掲載しています。たとえばアサヒビールのアルコール依存症自己診断テストのページでチェックができます。
私はAUDITの診断結果では「危険性の高い飲酒者群」に該当していました。
経営者は人に言えない悩みやストレスも多く抱え、ついつい深酒をしがちです。自覚のある方はお酒の上での過ちを犯す前に、自己診断をして飲酒習慣を見直しましょう。 


2,当事者になったら行動に移せない


山口達也さんは、警察の取り調べを受けながら事務所やTOKIOのメンバーにも、報告も相談もすることなく1か月以上普通に仕事をしていました。これについて記者会見では「発覚しなかったら隠蔽するつもりだったのですか」と問われました。隠し通そうと思っても、文春や新潮が見逃すはずもなく、いずれは明るみに出ることはわかっているはずですから、山口さんは当然否定しました。
彼はわかっていても行動できなかったのです。
(事務所は3月に報告を受けていてその後も普通に仕事をさせていただのですから、本人もそれで良いのかとも思い込んだでしょう)

私はこれまでのクライシス対応や相談の経験でよくわかります。不祥事や問題が発覚したときに、「どうして問題があることがわかっていながら、今まで放っておいたのですか?」と尋ねても、答えられる人はまずいません。第三者は「何故?」「どうして?」と責め立てますが、当事者となるとどうして良いかわからず、悶々とするばかり。そこに通常の仕事や目の前にやらなければならない事があれば、気を紛らすようにあるいは自分に言い訳を作るようにそちらに逃げてしまうものなのです。
特に相談する人などがいない創業経営者や個人事業主だと顕著です。
そして気を紛らわしながら長い1日が終わると「今日は大丈夫だった、明日は大丈夫だろうか?」と不安な気持ちを押し殺しながらベッドに入るのです。
自分の記憶に無い(でも否定できない)事での取り調べを受けた日からは、恐らく彼もそのように毎日過ごしていたのではないでしょうか。
 

問題を起こしたとき、起きた時には、まず冷静な判断とアドバイスができる第三者に相談することが傷を深くしないための鉄則なのです。

今週末、さらにその先、鉄腕DASHとTOKIO、どうなるのか心配です。




2018年3月9日金曜日

広報マンの週末にオススメの映画

最近は、外向けのPR業務(リリースの配信や新商品発表会など)は外注に任せ、経営TOPの取材対応や広報リスクマネジメントなど、守りの広報が企業の現場担当者の主な業務になりつつあります。そのような、広報担当者に参考になりそうな映画をピックアップしてみました。今は、様々な配信サービスで、自宅に居ながら映画もドラマも見られる時代です。週末の空いた時間のお楽しみとして、仕事を意識せずに見ても楽しめるオススメのものばかりです。

シェフ 三ツ星フードトラック始めました


監督・主演ジョン・ファヴロー
出演 スカーレット・ヨハンソン
ダスティン・ホフマン
ロバート・ダウニー・Jr ほか

ロサンゼルスの一流レストランの総料理長カールが、Twitterで大物料理評論家の投稿に腹を立て(フォロワーのタイムラインに表示される)リプライとダイレクトメッセージとの違いを知らずに感情にまかせて挑戦状をたたきつけてしまいます。これが炎上、来店した評論家へ激しい怒りを爆発させたところを、他の客が動画に撮りYouTubeにアップ。それが拡散されシェフは解雇され、その騒動は業界でも知れ渡って再就職口も見つかりません。
仕方なく、フロリダからキューバサンドイッチのフードトラックを仕立て旅をするのですが、その道中にシェフの息子がSNSを駆使してアピールした結果、人気店になっていきます。
SNSの怖さと有効な使い方を見せてくれる、痛快な映画です。

ゴーンガール


監督     デヴィッド・フィンチャー
出演 ベン・アフレック
   ロザムンド・パイク ほか

結婚記念日に突然姿を消した妻。自宅には殺され遺体を持ち去られた様な痕跡。そして疑われたのはその夫ニック。マスコミも世間の目もニックに疑いの目を向けますが、それは殺されたと思われている妻の巧妙な罠でした。
残された数々の証拠から誰もがニックが犯人だと思って疑わない状況で彼を救ったのは、テレビの対談番組への出演でした。
不倫や不祥事で開かれる記者会見では、多くの場合はますます印象を悪くするケースが多いのですが、ごく希に記者会見を機に世間の見方や評価が一変することがあります。
記者会見やメディアとの付き合い方の難しさと生かし方の例として見ると共に、女性の恐ろしさを改めて気づかされる映画でもあります。

二ツ星の料理人


監督 ジョン・ウェルズ
出演 ブラッドリー・クーパー
   シエナ・ミラー
   ダニエル・ブリュール
   オマール・シー ほか

スキャンダルを起こして姿を消したパリの一流フレンチレストランの二ツ星シェフ アダム。3年後、復活をかけたアダムは、かつてのオーナーの息子が開くレストランを訪ね、強引にシェフの座に就きます。「三ツ星をとって世界一になる」と誓い、パリ時代の同僚やヘッドハンティングした女性料理人など才能溢れるスタッフを集めるも、彼はシェフとしては最高でも、人間的には欠点だらけ。3年の間に劇的に変わってしまった料理界のトレンドにとまどっているところにミシュランの調査員が来店する事がわかり……
評論家やミシュランといった第三者の評価が、客の入りや業績に大きな影響を与える料理ビジネスの世界。料理人や経営者はその第三者の評価軸をもとに経営・店の運営をするのか、それとも別な評価軸を持つことがお客様や働くスタッフの幸せに繋がるのか?を問いかけます。
ステークホルダーの捉え方と優先順位を考えさせられる映画です。

ハンコック


出演 ウィル・スミス
シャーリーズ・セロン ほか

飛行能力と怪力、不老不死の体を持つ超人ジョン・ハンコック(ウィル・スミス)は、酒浸りで、事件が起こると助けに現れるものの力の加減を考えないため、周りに迷惑をかけるばかり。世間から嫌われていました。
ある日ハンコックに救われたPRコンサルタントのレイは、ハンコックをヒーローにするイメージ戦略を持ちかけます。ハンコックがそれを受け入れたことで世間の見方も変わり、自身も変わっていきます。
「他者」からの視点、見え方を意識して行動することによって自分自身も変わり、生まれ変わるというReputation Managementのわかりやすい好例です。

64(ロクヨン)


出演 佐藤浩市
綾野剛
榮倉奈々
瑛太 ほか

県警警務部の広報官を主人公に警察内部の対立や県警記者クラブとの衝突などを浮き彫りにしていく映画。行政省庁や経済団体、業界団体には記者クラブが存在しますが、特に警察の記者クラブは社会部の記者によって構成され、いわゆる御用クラブとは少し違います。普段、経営者が接する事が多い経済部の記者とは違い、忖度も容赦もありません。不祥事を起こしたり問題を起こしたときには、この映画の様に追求されるのだというシミュレーションにもなります。

他、新商品発表会へのこだわりと準備の参考になる「スティーブ・ジョブス」や、テレビドラマでは自衛隊の広報室を舞台にした「空飛ぶ広報室」、リスク管理の現場対応がテーマの「リスクの神様」、過疎化が進む村に活気を取り戻す「ナポレオンの村」なども参考になると思います。

この週末も、充実した時間をお過ごしください。




2018年2月19日月曜日

日本ハムの社長がセクハラの現場にいたことで引責辞任した背景は?

2月15日発売の週刊新潮で新潮砲炸裂。「日本ハム社長」電撃辞任の真相は“空港アテンダントへのセクハラ事件”として日本ハム社長交代の背景をすっぱ抜きました。
Yahoo!ニュースにも記事が掲載されました。
日ハム役員、セクハラ発言=昨年10月、同席の社長辞任
(元記事は時事通信社のものでしたので、そちらをリンクします) 

昨年10月、日本ハムの社長(当時)一行がドイツ出張のために羽田空港を利用し、搭乗前にラウンジに立ち寄りました。そこで一人の執行役員(当時)が航空会社の女性従業員性的な内容を含む不適切な発言をしたと航空会社から問い合わせがあり、それを認めて執行役員だけでなく同席していた社長(当時)も辞任したというものです。その時、執行役員は酔っていたとされます。
どのような発言だったのかの記述もありますが、ここでは控えさせていただきます。

この記事を見て、すぐに日本ハムのウェブサイト(IRに関するリリース)を確認すると、1月29日付けで「代表取締役の異動(社長交代)、取締役および執行役員の異動に関するお知らせ」というリリースが配信されていました。


この一連の記事で驚く点は2つ。

1,ラウンジの利用顧客を特定して、航空会社から連絡が入ったこと
嫌な思いをしたからといって、ラウンジに居たお客様が誰だかを突き止めて追求しようとするに至ることはなかなかないはずです。
入り口では航空券などのチェックはするものの、ラウンジの中に入ってしまえば多くの利用者の一人にすぎません。その中で、名札を付けている訳でもなく、顔の知られた有名人でない限りは顧客を特定する事は普通は困難です。

2,発言だけで当事者と社長が引責辞任したこと
この手の発言は言った言わないもありますし、本人は酔っていて覚えていないというのが普通のパターンです。本人でさえなかなか認めませんし、責任を取ろうとはしません。同席していたというだけで社長も辞任するなんてこれまで聞いたことがありません。社長が自ら申し出たのか、それとも会社側が辞任勧告を出したのでしょうか。

顧客を特定して問い合わせてきたのは何処の航空会社か気になって、(昨年の10月の運行状況まで調べられなかったので)2月の羽田空港の運行スケジュールを元にちょっと調べてみました。

羽田からドイツへ飛ぶのはANAとルフトハンザ


羽田空港国際線のヨーロッパ便は、パリ、フランクフルト、ミュンヘン、ロンドンの4路線だけです(2018年2月現在)。ドイツに飛んでいるのはANAとルフトハンザです。どちらもスターアライアンス加盟の航空会社でコードシェア便も飛ばし、ラウンジは共用しています。一方、羽田空港国際線ターミナルでラウンジを運営する航空会社は、JALとANA、それにキャセイ航空の3社ですが、今回の現場はANAのラウンジということになります。 


社長と執行役員という多忙な身。そんなに余裕を持って空港には来られないでしょう。ラウンジで過ごすのは出発前の限られた時間ですから、よほど酒に弱い人でないと酔うほどには飲めません出発前に会食か宴席に顔を出す、あるいは食事などである程度お酒が入ってから空港に到着したと考えるのが妥当です。新潮の記事では、「前祝いで飲酒して」ともあります。であれば夜の出発便と考えられます。
夜の遅い時間にドイツへ出発するのは、午前0:55発のフランクフルト便が有ります。ミュンヘンは昼の早い時刻に出発の1便だけですので除外して良さそうです。

こうして見ると、フランクフルトへ飛び立つ前にANAのラウンジを利用したと考えるのが妥当でしょう。


問い合わせをした会社と受け取った会社

それぞれの対応の背景にあるもの


普通なら航空会社のラウンジ内はプライベートな空間なので、ファーストクラスのラウンジ(ANAの場合はSUITE LOUNGE)であっても利用者の中で個人を特定するのはなかなかに困難です。深夜で利用者が少なかったためか、それとも日本ハムの社長・役員と言うことで貼り付きのVIP対応で特定できたのでしょうか? 

そもそも、「お客様は神様」という意識が強いかつての日本の企業では、お客様の非を追求するような行為は御法度でした。お客様からの無茶な要望や理不尽な要求であっても、それに応えるべきだという空気がありました。過去には航空会社に勤める友人から「上級会員ほど無理なことを言うし、態度が悪い」という話を聞いたこともあります。昭和の映画に出てくる成金社長は、だいたいそんな感じでしたね。今回のような事が起きても、お客様の顔を立ててそのままやり過ごしていたでしょう。
しかし、時代は変わっています。今、人手不足も手伝って、企業はお客様と同じく従業員のことも大切にします。お客様の言うことだったら何でも聴くという時代ではないのです。


個人にではなく会社に問い合わせ

今回は利用者個人にではなく、所属する会社(予約と支払いは会社で行ったのでしょう)に問い合わせをしています。 会社対会社での申し入れです。これまでにもセクハラ発言に限らず、同社役員・従業員による不適切な言動があったのでは?と考えてしまいます。
10月下旬に航空会社からの問い合わせで社内調査をし、事実確認をして航空会社へは謝罪。セクハラ発言をした執行役員と社長(いずれも当時)から辞意を申し出、臨時取締役会で役員交代が決定したということです。
一連の記事ではセクハラ発言の場に居たことを辞任理由(あるいは理由の一つ)に挙げています。公式には辞任の理由は明らかにされていませんが、セクハラ発言が有った点については広報IR部でも認める報道があります。
これまで、セクハラやパワハラが問題になったのは恒常的に行われている様な場合です。今回のように特定の個人による一度(ひょっとすると何度も?)の、しかも会社の外で起こしたことが会社全体の問題として取り上げられることは極めて希と言えます。
しかし、日本ハムは過去にも食肉偽装などで消費者の信用を失い、コンプライアンスの徹底を図ってきたはずです。再びブランドに傷を付けることはできないと、社内への改めての意識改革を求めての社長辞任となったのかもしれません。
日本ハムに限らず、今やハラスメントは社内外を問わず、黙認したり看過できない時代になったということです。

#MeToo」の流れは、海の向こうの話ではなく、すでに日本でも静かに広がり定着しつつあります。





2018年2月9日金曜日

アカデミア賞授賞式に出席してきました

左から 森清範氏(清水寺貫主)、畠山重篤氏(漁師・エッセイスト、NPO法人「森は海の恋人」理事長)、田中裕也氏(建築家・ガウディ研究者)
昨年末、田中裕也さんから連絡をもらい、「全国日本学士会主催のアカデミア賞を受賞することが決まり、その授賞式が京都で開催されるので時間が合えば出席して欲しい」と打診がありました。2か月以上先のスケジュールなのですぐには確定できませんでしたが、 心配していた会議も入らなかったので出席することができました。

素晴らしい講演

田中さんがアカデミア賞を受賞した事は連絡でわかっていましたが、他の授賞者の情報などは全く知らずに出かけました。
会場に行き初めてわかったのは、今年度の授賞者は3名。他の2名は
社会部門 森清範氏(清水寺貫主)
文化・社会部門 畠山重篤(漁師・エッセイスト、NPO法人「森は海の恋人」理事長)
そして、田中裕也さんが 国際部門での受賞でした。

授賞式の後には、受賞者による記念講演が設定されていました。
森清範氏は、冒頭に漢字の揮毫を披露しての講演。 毎年恒例の日本漢字能力検定協会が発表する今年の漢字を揮毫する姿がお馴染みですが、目の前でその揮毫が繰り広げられました。今日の一字は、観音様の「観」。懇親会の席でご一緒させていただいた清水寺の学芸員さんに話をうかがったら、今回の揮毫のために準備した筆や台座は、日本漢字能力検定協会さんからお借りした物で、今年の漢字を発表するときの物そのものと言うことでした。
揮毫に続いての講演では、仏教の講話に今年の漢字発表の裏話など、学び有り笑いありでさすがにお上手。勉強になりました。

畠山さんも、京都大学で教壇に立たれているだけありお話しが上手です。何故牡蠣の養殖で山に木を植える事に至ったのか、そして科学的に有効だと証明されこの活動が英語の教科書に載ることになったというお話し。その際に、「森は海の恋人」をどう訳すのが最適かと悩んだ時に救いの手をさしのべてくださったのが、なんと皇后陛下であったことなど、驚きの連続でした。 そして皇后陛下のアドバイスでたどり着いたのが「long for」という表現。「long for」は愛するよりも慕う、焦がれる、憧れると言うニュアンスだそうです。「森は海を慕い、海は森を慕う」と。その後に国連で講演することとなり、このエピソードを話すと、聴衆が総立ちでスタディングオベーションだったと言うことです。

田中さんの講演は、これまでの40年の実測図面制作活動や最近新たに発見したガウディコードについて。私の場合は、10年以上にわたって連載をお願いし、ずっと原稿の校正を通してその過程を追い続けていたのでその再確認という感じでしたが。実測して図面を描いているだけでは無収入。奥様のサポートが有ったからこそ今の自分があるのだとの感謝の言葉が、何よりも心に残りました。

今回、田中さんがアカデミア賞を受賞されたことで、奈良県庁へも足を伸ばすきっかけとなり、さらには京都で増えている新しいゲストハウスに宿泊体験することもできました。

田中さんの功績は重々承知していたのですが、あまりに身近だったので鈍感になっていたのかもしれません。
これからも更なるご活躍をお祈りいたします。





2018年2月8日木曜日

奈良県庁からの問い合わせで、約50年ぶりの奈良

ほぼ50年ぶりの東大寺大仏殿
奈良を訪れたのは小学生の頃に1度だけ。かれこれ50年ほど前のことで、奈良公園で鹿にせんべいをあげたのと大仏様を見た記憶が、かすかに残っているくらいです。社会人になっても京都へはちょくちょく出かけることは有ったものの、奈良へは一度も足を運んでいません。改めて奈良へ行きたいとずっと思っていましたが、ビジネスでも縁が無く今に至っていました。
そこへ昨年末、大阪の広告代理店に勤める高校の同級生からメールが来ました。関西に来る時に、奈良まで足を伸ばせないかと。Jr東海が「うましうるわし奈良」というキャンペーンを始めて、気にもなっていたところです。

奈良までというのは、奈良県こども・女性局長が、育児情報誌miku50号のフランス取材記事や編集長の「感情的にならない子育て」を読まれて、一度編集長にお話しを伺いたいとのこと。ただ、講演など謝礼・交通費を出せるような依頼はすぐにはできないので、まずは私が関西に出かける際に時間がもらえればと。
そのメールを受け取る少し前に、ガウディ研究家の田中裕也さんからも京都に来られないだろうかとメールで打診がありました。全国日本学士会主催のアカデミア賞を受賞することが決まり、その授賞式が京都で開催されるので時間が合えば出席して欲しいとの連絡でした。授賞式に合わせてバルセロナからご家族で帰国するということでもあり、久しぶりに再会できるのを楽しみに出席を決めていました。朝からの授賞式なので前泊することにし、前日は関西方面での仕事を入れる予定にして。この日なら時間的にも余裕が有り、奈良まで足を伸ばすのは難しくないという返事をしました。

このメールを貰うまでは奈良県のことはほとんど調べたこともなく、京都や大阪と奈良市との位置関係も曖昧でした。改めて調べると、京都から奈良へは近鉄特急でわずか35分ほど!県庁は近鉄奈良駅から歩いてすぐの所にあります。大阪(難波)からも近鉄の快速で40分ほどで行けます。移動に要する時間は、東京や大阪で打ちあわせの際の移動時間と変わりません。これは意外でした。これなら他の商談や打ちあわせも入れられます。

東大寺の大仏様と国宝の数々


 夕方4時のアポイントとしていただいたことで、奈良県庁をその日最後の訪問先とすることができ、慌てて大阪や京都に戻る必要もありません。少し早めに奈良へ向かえば、東大寺を散策する時間が取れます。 京都で打ちあわせを済ませ、13:30発の近鉄特急に滑り込み出発。奈良は京都と同じように山に囲まれた地形の所にあり、山を越えて(トンネルを抜けて)行くものだとばかり思っていましたが、京都から奈良はずっと平地。トンネルも山越えもなく、本当にあっけなく2時過ぎにはもう奈良に到着です。
小雪がちらつく中を東大寺に向かうと、途中すれ違うのは外国人ばかり。東大寺の駐車場には大型観光バスが沢山並んでいます。聞こえてくるのは中国語がほとんどで、ごくたまに英語やスペイン語が混じる程度。鹿にせんべいをやっているのも、参道でお土産を買っているのも中国人ばかりです。

南大門で運慶作の仁王像を見上げ、大仏殿では盧舎那仏を見上げ、ととにかく大きな造形物ばかりで圧倒されます。
法華堂では観音菩薩像に心を洗われるような感覚を覚え、二月堂からは大仏殿の先に奈良の町並みを見渡し、東大寺を1時間半ほど散策して県庁へと向かいました。

働き方改革の参考にと


県庁では、子ども・女性局の福西局長がお待ちでした。
奈良県には大規模な工場や事業所が少なく、県下で1番大きな事業所は、実は県庁なのだそうです。奈良県で働き方改革を進めようとすれば、まずは県庁から見本を示さなければということで、フランスや海外の事例などを聞かせて欲しいというご要望です。
霞ヶ関でも東京都庁でも、毎日深夜まで灯りが消えることなく職員の皆さんは働いています。働き方改革と言いながらもその旗を振る中央官庁や行政職員が1番遅くまで仕事をしていては、民間企業の働き方が変わる訳がありません。

様々な方向から矢継ぎ早の質問に、奈良では県庁がまずその範を示そうとの意気込みが伝わってきました。来年度以降、奈良県庁でどのような取り組みが進められるか楽しみです。

※奈良には、リクルートの先輩で杉並区和田中の校長を勤め、「よのなか科」をスタートさせた藤原和博さんが、今は奈良市立一条高校の校長としていらっしゃいます。次回奈良へ行くときには藤原さんにも連絡して、学校訪問をしてみたいと思っています。




2018年1月27日土曜日

いろいろな驚きがあった「はれのひ」篠崎社長の謝罪会見

2018年1月8日の成人の日、振り袖販売・レンタル・着付けを提供する「はれのひ」が突然連絡が取れなくなり、多くの新成人がトラブルに見舞われました。
1月26日の午後、騒動発覚以来連絡が取れなくなっていた篠原洋一郎社長が破産手続き申し立てをし、19時から記者会見を開くとマスコミ各社が伝えました。
雲隠れしていた篠原社長が初めて姿を現しての会見とあり、会場には200人を超えるメディアが集まったと言います。 朝日新聞他多くのネットメディアは、2時間にわたる記者会見をライブで伝えました。
篠原社長が会見で語った内容や一問一答は、上に貼った朝日新聞のライブ映像や新聞各紙の記事を見ていただくとして、広報PR・クライシスマネジメントに関わる立場からこの記者会見を見た感想を記したいと思います。

弁護士さんの仕切りによる会見


会見会場は大学の階段教室のような所で、会見席の後ろには固定のスクリーンが備えてあります。白布で被われた会見席には数十本のマイクが 設置してありました。謝罪会見などに慣れたPR会社だと、こういう会見にはならなかっただろうというところも見受けられます。今回の会見は、破産申し立て代理人弁護士事務所が仕切ったと考えられます。まず、私だったらこの会場での会見はセッティングしません。最後は謝罪会見場と言うよりも、逮捕された犯罪者を報道カメラマンが取り囲んでいるような様相でした。

朝日新聞の動画は、会場セッティング段階から記録されており、私たちの様な職業の者にとっては大変興味深いものです。この動画では、録画スタートから25分を過ぎたところでやっと篠崎社長が入場しますが、それまでの会場の様子(記者の様子など)も見ることができますし、会見終了が告げられ社長が会場を出た後の記者の様子まで記録されています。
通常でも冒頭の謝罪よりも、その後の質疑応答の方で重要な事が語られる事が多いのですが、地上波などテレビで通しでのライブ放送は無理です。 その点、ネットではライブで全部見ることができました。私はiPhoneにイヤホンを刺し、移動中もずっと見て(聞いて)いました。テレビのニュースでは、この2時間にも及ぶ会見からせいぜい数十秒を切り取って伝えますから、それ以外のやりとりや周辺の状況はわかりません。
局やそれぞれのメディアが、どこを切り取るかは、報道の姿勢によりバラバラになります。番組では、担当キャスターが質問できれば、当然そこを優先して採用します。放送されたニュース映像や記事で全てが伝わる訳ではありません。その切り取られた報道で、ネットではまた様々な形で非難や批判が繰り返されるのでしょう。全部を見た上でそれぞれの報道を見ると、その姿勢も見えてきます。

お尻が決まっている(21時に記者も全て撤収すること)という会場を選定したことで、会見を強制的に打ち切りました。これは最初から長引いても2時間で終了させると決めての会場選びだったのでしょう。
今回は色々な意味で興味深い、考えさせられる会見でした。

1月29日追記

その後の報道で、篠原社長は会見後2時間も横浜市内を歩き回り、その間もずっと記者が横について質問をする様子の映像などが流されました。事前に十分に想定できる質問に対しても、準備していたとは思えない回答でした。広報のプロがサポートしていれば会見の準備と進行だけでなく、会見の後まで気を配ってこのような報道も無かったはずです。





2018年1月15日月曜日

児童ポルノ摘発記事のその後は?

元日の読売新聞の一面に驚いたのは私だけではなかったと思います。1面と社会面に大きなスペースを取って報道されていたのは、児童ポルノ購入者7200人の購入者名簿を警視庁が押収したというものでした。この記事では、検事や警察官、議員や行政職員、医師など堅い職業の人達の名前が記されていると報じています。
児童ポルノは所持しているだけで罪に問われます。


既に約200人を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(単純所持)容疑で書類送検しており、この顧客名簿のうち少なくとも約3000人は児童ポルノの購入を確認したとあります。ということは、この名簿からこれから少なくとも約3000人は児童ポルノ禁止法違反(単純所持)容疑に問われる事になる訳です。

この記事は同時にデジタル版にも掲載されています。結果、新聞を読まない世代が紙面を目にすることはなくても、デジタル版の記事には様々なルートで接点を持ちます。当然TwitterやFacebookを始めとするSNSで注目され、拡散され、ネットをざわつかせることになりました。

ところが、1月10日にこの記事をネットで読もうとすると見つかりません。読売新聞のサイトから記事が削除されています。
本当は、このエントリーも読売新聞の記事ページにリンクを貼るつもりでしたが、今はそのページが存在しません。やむなく、紙面の写真をここに貼り付けることにしました。
1月11日の検索結果
今でもGoogleで検索すると、検索結果に該当ページは表示されますがリンク先のページは削除されています。
これは、警察や司法当局から何かしらの指導や要望があっての措置でしょうか?それとも、読売新聞社が何かの判断で削除したのでしょうか?1面に掲載した記事を、こんなに早く削除することは異例のような気がします。

いずれにしても、ここで児童ポルノを購入した人には、家宅捜索が入る可能性があるということになりますし、検挙された販売サイト以外にも捜査は進んでいるでしょう。

児童ポルノは所持しているだけで罪に問われ、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。






2018年1月6日土曜日

精算書に「取引中止」って!これはどういう神経?

両親と近くの居酒屋に出かけました。
珍しく父も上機嫌で食事を終えたのですが、精算をする段階で、気分を害する出来事に遭遇しました。

会計をお願いすると、間もなく店員さんが計算書を持って来ました。その精算書を見た途端、私はアルコールが入っていたせいもあり、頭に血が上っていくのが自分でわかりました。
飲み物はハッピーアワー料金であったのに加え食が細い年寄りですから、金額は想定通りの低価格でした。ところがその精算書には注文明細の一番下に大きく

「取引中止」


と書かれ、その下に合計金額が示してあったのです。

普通の居酒屋の明細書だと「精算」という表示が一般的ですが、「取引中止」には驚きました。企業の経営者や営業マンにとって「取引中止」を言い渡されるなんて縁起でも無い。これには思わず店員さんに、「取引中止なんて、こんな精算書は気分が悪い」と言ってしまいました。

このお店は最近多店舗展開している居酒屋ですから、多分どの店も同じレジシステムでしょう。沢山の人が働いているのですから、誰かが気がついて疑問に思っても良いものでしょうけれど。福岡空港のラーメン滑走路の店舗誘致と同様、もう少しお客さまの気持ちに立った想像力を働かせられる人がいれば、こんな事は起こらないのに残念です。

悪いお店ではなかったのですが、暫くは足を運ぶ事はないでしょう。次回行くときには改正されていることを期待しています。

※お店には注意もしましたし告発が目的では無いので、写真も撮っていませんし、ここでその店名を書くこともあえていたしません。

1月7日追記

このエントリーをFacebookに投稿したところ、ミシュランのピブグルマンに選ばれるなど行列のできるラーメン店を展開するソラノイロ代表 宮崎千尋さんから以下のコメントをいただきました。

憶測でしかありませんが、POSレジを使っているお店でしたら、伝票の確認をしていただくために一度、取引の途中のもの→その時点までの全てのオーダーが出るように確認をするために取引中止ボタンを押したものを一度お客様に見せるお店はかなりあると思います。
それが正しければ、再度精算をするという流れになります。
何故なら、精算ボタンを押すと間違えていた時に、全てマイナスし、打ち直しとなり、逆にお客様にお時間とご迷惑をおかけするからです。
よって、悪意はないかと、僕は思いますがいかがでしょうか?
飲食をずっとしてるものの意見として耳を傾けていただけたら幸いです。


私はPOSレジの事は詳しくないので、現場を熟知されている宮崎さんのご指摘で初めてそのような機能と使い方を知りました。
ならば、レジメーカーではお客さまに確認シートを見せる事を想定していたかということになります。想定できるのであれば、打ち出しペーパーには「取引中止」ではなく「確認」などの印字にするべきです。
少なくともお客様に確認を求めるために必要な物であれば、ユーザーである飲食店からもメーカーに要望を出して改善を求めて欲しいものです。


宮崎さん、有り難うございました。





2018年1月5日金曜日

福岡空港の「ラーメン滑走路」は、なぜ地元の店舗で固めなかったのだろうか?

ラーメン滑走路Map(ラーメン滑走路ガイドより)
ほぼ毎週利用する福岡空港。とはいっても、ほとんど飛行機に乗るために通過するだけで、たまにお土産を購入するほかは、ANAラウンジ以外の商業施設や飲食店に立ち寄る事はありません。昨年オープンした「ラーメン滑走路」を始めとした3階のレストラン施設に足を踏み入れたことはありませんでした。
しかし昨日、レストランフロアの改装後初めて3階に上がり、ラーメン滑走路を覗いてきました。

まだお正月休みの帰省客でごった返した空港は、2階のフードコートも3階のレストランフロアも人でいっぱい。当然ラーメン滑走路も賑わってはいたのですが、お店毎に行列のでき方が違います。それはある程度仕方がないことですが、一つの傾向があることに気がつきます。

博多ラーメンには行列ができているのに……


一目でわかるのは、地元博多ラーメンのお店に行列が集中しているのです。
たまたまこの日に限って?
売上データなどを知る方法が無いのでデータで示せませんが、多分この傾向はずっと続くと予想します。なぜなら、ラーメン滑走路は空港にあるからです。

このようなラーメン店の集積施設は、横浜ラーメン博物館を皮切りに各地に作られました。福岡であれば、キャナルシティにあるラーメンスタジアムです。地元だけでなく、少し遠方からもラーメンを求めてやってくる観光施設となっています。
しかし、ラーメン滑走路は空港に作られています。私たちの様なせわしないビジネスマンにとっては、空港は単なる通過施設。観光客でも到着時に空港で食事をする人はごく少数(目的地へすぐに移動)ですので、飲食施設のお客さまは基本的にこれから飛行機に乗って旅立つ人。福岡を発つ前に最後にラーメンを一杯と考えれば、福岡・博多のラーメンを食べて帰ろうと思うのが当たり前です。東京の人がこれから帰る東京の煮干しラーメンを、北海道の人が味噌ラーメンをわざわざ食べることはないでしょう。

福岡の人間は好奇心旺盛で「日本初」や「福岡初」というワードに踊らされやすく、新しいお店ができると一気に押し寄せますが、引くのも一気です。ラーメン滑走路のプランが持ち上がったときに、福岡初のラーメン店を誘致して地元メディアの注目を集めようと思ったのかもしれません。その結果、ラーメン滑走路の半分以上が地元以外のラーメン店となってしまいました。

なによりも空港利用者のニーズを考えれば、ラーメン滑走路には福岡や北九州、久留米のラーメン店を揃えるべきだったのではと思います。同じ豚骨ラーメンでも、地域によって、店舗によって、味もサービスも個性的な店が沢山あります。
要請に応じて福岡以外から出店していただいた店舗が、辛い思いをしないことを祈るばかりです。

追記:こんなに使い辛いサイトは久しぶり

このブログを書くために、空港ビルのサイトを開いてラーメン滑走路の詳細を確認しようとしたら驚くほどに使い辛いサイトでビックリしました。ショップ・レストランはテナントなので「知ったこっちゃない」という姿勢がありありです。スマホで「ショップ・レストラン」を開くとPCの画面しかなく、PCで開くと、次々と新しいタブでページが開かれていきます。フロアガイドには、レストランフロアでさえ個店の店舗名が表示されず、飲食施設マークのみ。
空港利用者の利便性を考えると、全体の見直しが望まれます。