ここ暫く、ニュースも世間の話題も新型コロナ一色。医療の専門家ではないので、ここでコロナについてあれこれと書くのもどうかと思い、暫く更新がストップしていました。
今朝テレビを見ていると、フードデリバリーの自転車やバイクに対して、嫌がらせやあおり運転をするドライバーがいると取り上げていました。被害に遭ったデリバリースタッフがいる一方で、逆走、信号無視などのルール違反や無謀運転をするデリバリーの自転車映像を流しながら、フードデリバリーの配達員のマナーの悪さも指摘していました。
しかし、 この取り上げ方はちょっと的外れだと思いましたので、久しぶりにこのブログを更新することにしました。
目立つから標的にされている
実際に車を運転していて怖いのは、フードデリバリーよりも高齢でふらつく自転車や子どもを乗せて猛スピードで車道を走る電動アシスト付きの子ども乗せ自転車だったり、平気で逆走してくる高齢者や女性の自転車だったりです。福岡では歩いていても、普通の自転車に危ない思いをすることは日常茶飯事です。デリバリーの自転車はむしろ体力のある男性(中には女性もいますが)がしっかり漕いでいるし、看板を背負っているという意識もあるのか、私はそんなに無茶な運転を見かけることはありません。
自動車同様に、オートバイや自転車に乗る人のうちある一定数はルール無視、マナー違反などの粗暴運転をする人や、運転スキルが低い人はいます。そもそも自転車には免許は必要ありませんし、中高年齢者は自転車の運転マナー教習など受けていません。運転免許を持っていなければ、道路交通法もほとんど知りません。しかし、違反すれば罰則もあれば罰金、懲役だって科せられるのです。
フードデリバリーの仕事をしている人がルール・マナー違反をすると、目立つカバンを背負ったりユニフォームを着たりしているので特定されてしまっているにすぎません。フードデリバリーの配達員だから悪いのではなく、交通ルール無視やマナー違反をする人間が悪いのであり、その人間を特定できるようにすれば良いのです。
(そもそもそんな人間を雇わなければ良いということもありますが、事前に見定めるのは困難です)
放送ではバッグのロゴをガムテープで隠している配達員にインタビューしていました。彼は「ロゴを見て嫌がらせを受けることがあるから」というようなことを答えていたと思いますが、ロゴを隠してもその容姿からデリバリースタッフであることは一目瞭然です。しかし、デリバリーが悪いのではないはずです。
運転者を特定できるようにすれば
問題にすべきは、「デリバリー」よりも運転者は「誰」か。
シェアデリバリーサービスも、これからは配送のクオリティが求められるようになるでしょう。自社で料理を作るわけではなく、届けるだけのサービスですから、求められるクオリティは配達スタッフにかかっています。配達スタッフ一人一人の配送クオリティを評価できなければなりません。スマホで管理するだけでなく、第三者の目も活用すべきです。
他の業種でも、従業員の不正やミス・トラブルを無くすために様々な工夫を凝らしますが、そもそもその原因となる要素を排除することが一番の対策です。スーパーのレジであれば打ち間違いを無くすためにバーコード読み込みにする、お金の受け渡しでミスがないよう自動支払機で払う、人が介在しないセルフレジにするなどと進化してきました。コンビニでは防犯カメラが従業員の不正抑止にもなっています。
デリバリーでも今はドライブレコーダーやスマホ、防犯カメラなどいろんな所で記録されています。自動車やオートバイであればナンバーで特定できますが、自転車にはナンバープレートがないので特定できません。しかし、特定できるようにする方法は簡単です。デリバリーの運営会社がその気になれば、配達員を特定できるナンバープレートのような、シリアルナンバーを付ければ良いのです。
最初から大きくシリアルナンバーが印刷されたバッグを渡せば隠しようがありません。問題が報告されれば、動画ですぐに特定されてしまいます。問題に対してどのような処分を課すかも十分認知されていれば、自然とルール・マナー違反は犯さなくなるはずです。
2020年、福岡県での自転車事故は
コロナ禍で、食べ物だけでなく様々なデリバリーを利用する機会が増えています。既に社会インフラとも言えるデリバリーサービスです。そのうちにロボットが配達する時代がやってくるのかもしれませんが、それまでの過渡期には一歩一歩進化するしかありません。
これ(上記リンク)を見れば、問題にすべき点がそもそも違うこともわかります。昨年、自転車事故で9人も亡くなっています。65歳以上が関わる事故は7件に1件以上です。
特定の集団を責めるのではなく、自転車を運転する全ての人に道路交通法や自転車走行上のルールとマナー、罰則などを認知させ、安全運転を徹底することがまずは大事ではないでしょうか。