2020年3月10日火曜日

コロナ終息を待たず、「安全・安心」で現状打開を目指すヒント

新型コロナウィルス Covid-19の感染拡大により、政府は小中高校の一斉休校、外出やイベントへの参加を控えるように要請しました。さらに中国・韓国からの入国を条件付きで制限し、福岡空港・博多港では中韓との定期便が全てキャンセルとなっています。
海外からの観光客が激減したのに加え政府からの呼びかけや自粛により、全国の観光地だけでなく、 オフィス街や住宅地の飲食店も来店客が落ち込み、大打撃を被っています。大型のイベントやコンサート、更にはプロ野球やJリーグなどの開幕も先送りとなり、いよいよオリンピックの開催も危ぶまれる状況です。

本来ならプロスポーツの開幕と共にこれから花見や歓送迎会の季節も迎え、街は活気づくはずでした。しかし消費は落ち込み、経済にも急ブレーキがかかってしまいました。
3月9日の朝日新聞には もう食えない、3月末が限界 危機下で音楽は不要なのか [新型肺炎・コロナウイルス]ーという記事を掲載しました。音楽業界だけでなく、観光業も飲食業や各種サービス業も中小零細・個人事業主にとってはギリギリの状況に追い込まれつつあります。

宝塚歌劇団の公演再開


このような状況の中、9日、宝塚歌劇団は公演を再開しました。報道によりますと、入り口では来場者の体温をサーモグラフィーでチェックし、一人一人の手に消毒液を吹き付けてから劇場へ入場していました。館内の飲食店はクローズとし、館内での飛沫感染を防ぎ、クラスター感染の場とならないよう主催者側だけでなく、来場のファンそれぞれも細心の注意をはらっての公演再開でした。

今のところ、この公演再開には賛否はありますが、一律に全てを自粛しなんとなく受け身になっている世の中に一石を投じたことは確かです。

厚生労働省のQ&A


厚生労働省のウェブサイトには、新型コロナウイルスに関するQ&A(関連業種の方向け)というページが設置されました。
ここには、
食品を介して新型コロナウイルス感染症に感染したとされる事例は報告されていない(食品等取扱い事業者の方へ のA)
普段の清掃で気をつけることは(集客施設を運営する方へ⦅飲食店、小売店など⦆のQ)
などが掲載されていますが、これからさらに具体的なQ&Aが掲載されていくのでしょう。引き続き要チェックです。

また、一般向けには「 新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために 」が公表されています。
新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために
集団感染の共通点は
・換気が悪く
・人 が密に集まって過ごすような空間
・不特定多数の人が接触するおそれが高い場所
が上げられています。
逆に言えば、このような場所を作らないよう注意をすれば良いと言うことになります。

映画や舞台の観劇、クラシックのコンサートなどでは、ただ見ている、聴いているだけなら他人の飛沫を受けたり人と接触することもありません。美術館や博物館も同様です。
飲食店で食品から感染することはありません。感染者から飛沫を浴びる、飛んで付着したウイルスに触れることがなければ感染は防げることになります。

安全・安心だと思って足を運んでもらうためには


外食を避けてデリバリー(出前館やUberEatsなども)を頼む人が増えていると言います。考えてみれば、出前を担当するデリバリースタッフはどの程度感染の予防措置を取っているのでしょうか?上記集団感染の共通点のどれにも当てはまりませんが、デリバリー先で感染者あるいはウイルスと接触する可能性はあります。複数の店舗やお客様との間を行ったり来たりですし、その間に手肌やハンドル、レバー、デリバリーの容器など適切な消毒をしているかも甚だ疑問です。
それなのに、何故か盲目的に安心感を抱いて注文しているのが現状だと思います。

ビュッフェスタイルのレストランでは、トングを15分間隔で取り替えてお客様の不安を解消し、好評を得ているお店があります。15分間隔の取り替えで果たして安全なのかはわかりませんが、少なくともお客様にとっては安心と受け止められているようです。

家族など、ごく親しい関係であればマスクもせずに過ごしているでしょう。(事実はどうであれ安心できる)環境をそのまま外に作り出すことができれば、警戒感を打ち消して食事やお出かけができるはずです。
感染していない(と信じている)家族同士であれば、感染しているかもしれない第三者との接触機会さえ無ければ不安はありません。感染を生むクラスターを作らないのではなく、感染していない小集団(クラスター)を取り込む=安全に隔離するサービスを提供できれば良いのです。

例えば、
・店内・お客様が触れる場所は入念に消毒している
・食器類は洗浄後高温殺菌している
・来店時にはお客様の体温をサーモグラフィーカメラでチェックさせていただく
・入店時に手をアルコール消毒してもらう
・少人数の個室営業のみ(あるいは他のグループと離す)
・オーダーはタブレットやスマホ・電話・メモなどで受ける
・旅館なら、食事は部屋食での提供
・迎えられなければ出向く(ケータリング・出張パーティなど)


など、不特定多数の人が集まって第三者と接触する場面が無い(少ない)と安心する情報を提示してアピールすることができればどうでしょう?

誰もが自粛したくて籠もっているはずはありません。記念日には外食もしたいでしょうし、家族で泊まりの旅行にも行きたいはずです。ぐるなびやYahoo!ダイニングなどで、安心できる個室レストラン特集(何故安心かを明示)など組めば予約が殺到するのではないでしょうか?
コンサートやスポーツ観戦も何か方法はあるはずです。

今の状況がいつまで続くかわからないまま、政府の終息宣言を待つだけでなくそれぞれが前向きに打開策を考えて実行していかなければ、このまま日本は潰れてしまいます。不確かな情報に右往左往する前に、何ができるか、何が求められているかを考え、行動に移しましょう。

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2020年3月6日金曜日

またもあおり運転の時と同じデマ被害!コロナウイルス感染で人違いの誹謗中傷

クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を下船した後、感染が確認された60代男性が、スポーツクラブを2回利用していたことが判明しました。

下船後スポーツクラブ利用 新型コロナ、静岡市の感染男性ー静岡新聞

新型コロナウイルス感染は犯罪ではありませんので、発表でも報道でもプライバシーに配慮して個人を特定するような名前やプロフィールを伏せています。
しかし、この報道を受けネットでは「非常識だ」「人として考えられない」などと批判のコメントが多く上がり、早速犯人捜しが始まりました。やがてある人物が特定されSNSなどで実名が公表されることとなります。しかし、今回も誤った情報がネットに上げられてしまったようです。

過去には、東名高速であおり運転をして高速上に停車させ追突事故の原因を作って逮捕された容疑者と名前が同じだったと言うだけで、全く関係の無い会社が嫌がらせの電話がかかってくるなどの被害を受けています。

東名高速追突事故の二次被害、デマによる嫌がらせや営業妨害から考えるホームページの重要性

また、常磐道のあおり運転・暴行事件で同乗していた「ガラケー女」も人違いで全く関係の無い女性が被害に遭いました。SNSで否定し反論したのですが、さらに炎上。犯人が逮捕されるまで治まらなかったようです。
上記の会社はWEBサイト(ホームページ)を開設していなかったため、ネット上の誤ったデマに対してもメディアで取り上げられ間違いだと公表されるまで治まりませんでした。

興津螺旋株式会社のサイトに掲載されたコロナウイルス関連報道について
今回は静岡市にある興津螺旋株式会社の関係者の名前があげられ、会社へも問い合わせや苦情の電話がかかって来たようです。電話や対面での個別の問い合わせに対しては否定・説明はできます。しかし、ネットの名指しで個人への誹謗中傷に対しては、証拠を示せず否定や反論をすればするほど火に油を注ぐ事になり更に炎上します。上の「ガラケー女」の人違いの例がまさにそれです。

興津螺旋株式会社さんは3月4日付で「コロナウイルス関連報道について」として会社としてすぐに否定をしています。いち早くサイトに否定するコメントを公表したことでテレビなどのメディアがそれを取り上げ、更なる被害を食い止めることができたようです。

認めるも否定するも、スピードと事実の公表が重要です。

もし、従業員やその家族が新型コロナウイルスに感染したら