2015年11月23日月曜日

VW、タカタ、旭化成 3社の事例を比較しながら考える,事件・事故対応

先日、福岡のクローズな勉強会でお話しをさせていただきました。

テーマは「危機に面した企業TOPが起こしがちな過ち」。

フォルクスワーゲンの10月の販売台数は、中国やヨーロッパだけでなく、問題の火元であるアメリがでさえも下落幅は小さいかほとんど影響のない程度の結果でした。ところが、日本だけは48%の落ち込みでした。その心配は、先のこのブログでも書いていたのですが、それが現実になってしまったのでした。

タカタは、緊密な関係を維持していたホンダからも三行半を言い渡され、旭化成建材は業界の開けてはならないパンドラの箱を開けてしまい、2社は業界の中で孤立することになってしまいます。

ほぼこの同じ時期にメディアを賑わしているグローバル企業3社のクライシス。このブログでも個別にはこれまでも言及していた、フォルクスワーゲン、 タカタ、旭化成(建材)の共通項と違い。勉強会では3社をいくつかの視点から2つのグループに分け、何故今回の事故・事件は起こってしまったのか?何故その後の対応で社会や消費者(あるいはマスメディア)の反感を買うことになってしまったのかを検証しました。

そして、どうしたら防げたのでしょうか?

加害者 」は誰なのか?
被害者」は誰なのか?

様々な角度からステークホルダーを漏れなく拾い出し、それぞれのステークホルダーへの心配りがなされているのかが問われるのです。さまざまな質問や意見を交えながら充実した勉強会となりました。

今回は、クローズな会でしたので、勉強会の流れを報告するに留めます。

ブライト・ウェイへのご相談はこちらから。 

2015年11月22日日曜日

マクドナルドはネット通販ではないのに

という記事が出ていました。

不採算店をどんどん閉めていくようです。

少し前の事ですが、日本マクドナルドから小さな郵便が届きました。表にはマクドナルドの「M」のロゴマークの横に「?」。開くと、今度はロゴの横に「!」があり、虫眼鏡の形をした黄色い同封物。「!」の上には、今年7月に日本マクドナルドが実施した食材に関する認知度調査の結果をもとに、メニューサイトのデザインをリニューアルし、主要原材料原産国や最終加工国、栄養やアレルギーの情報をより見やすく分かりやすくすると記されていました。そして、各商品パッケージのデザインをリニューアルし、その情報にアクセスできるQRコードを大きく目立たせることにしたということです。

その見本が、この案内から見られますよ、と。虫眼鏡のレンズ面となる所には透明のフィルムが貼ってあり、そこにQRコードが記されています。スマートフォンでそのQRコードを読み込むと、「メニュー情報のウェブサイトと商品パッケージのデザインをリニューアル」というページが立ち上がります。届いた印刷物の詳細を紹介したページです。そこから、「新しくなったメニューへ」のボタンを押すと、新しいメニューページが開きました。

現在は、PCもスマホもホームページが新しくなって、商品ごとに原産国情報アレルギー情報栄養情報が細かく解説されています。また、バンズやパテなど最終加工・製造地が国内の材料については、「おいしさができるまで」というページが用意され、加工工場の写真動画などに加え、生産者や工場の責任者などが「顔出し」で紹介されています。商品の信頼を取り戻すために、徹底的に生産現場の改善を進め、情報開示をしていこうという姿勢なのでしょう。見方を変えると、楽天に出店する個人商店並みに、細かな情報と取組姿勢を伝えようという本気度も伝わってきます。
しかし、残念なことにこれだけまじめに取り組んでいるのに、伝えたい対象にそれが届いているとは思えません。学生やサラリーマンなどは、「早い」「安い」「美味しい」ことが第一。アレルギーがあるような人でない限りは、わざわざサイトを開いてチェックするようなこともないでしょう。 

今回のリニューアルで、一番見て欲しいのは、小さな子を持つファミリーや、健康志向の女性なのではないでしょうか。
サイト内で完結するネット通販であれば、購入前にさまざまな情報をチェックしますが、マクドナルドのように店頭で商品購入するお客さまは、わざわざサイトをチェックすることはほとんどありません。せいぜい、スマホで近くのお店を探すくらいでしょう。折角充実させたサイトのことも、そこに詰め込んだ魅力的な情報も知ることがありません。商品パッケージに大きく記したとしても、それは購入してからのことです。今は、店頭に足を運ぶ人が減っているのですから、順番が逆です。

サイトを見て貰えるような情報提供、プロモーションも必要ではないでしょうか。商品ラインナップや価格の見直しだけでは、マクドナルドから足が遠のいている人を呼び戻すことはできません。