2020年10月25日日曜日

絶対に言ってはいけない、「下請け・外注のやったこと」

私は東京と福岡、2拠点を毎週行き来して仕事をしているので、車をそれぞれで所有しています。 東京の車は、購入してかれこれ17年になるのに、走行距離は僅か2万5千km足らず。東京では車で動くよりも鉄道で動いた方が早くて時間に正確なので、取材で遠出するときか、荷物を運ぶときくらいしか出番が無いからです。取材で出かけるときには、初めての土地、しかも住宅地の個人宅を訪ねることも多く、カーナビは必需品です。

ところが、車同様カーナビも古く15年ほど前に付けたもので、地図情報も随分前に更新できなくなっています。そのため、東京オリンピックに向けて再開発や新しい道路がどんどんできて景色が変わる今となっては、古地図を見ながら走っているような状態でした。

外出自粛を機にカーナビを買い換え

このコロナ禍で公共交通機関を使うことを控えるようになり、加えて対面の打ち合わせも激減、たまに出かける先もオフィス街ではなくなりました。そのため車で出かける回数が増えた分だけカーナビの地図の古さが混乱の元になるケースも出てきました(ららぽーと豊洲はまだIHIの造船所!)。そのたびに、スマホの地図で確認しなければなりません。さすがにそろそろ替え時かと、カーナビを新しくするために大手カー用品店に出かけました。

取り付ける機種を選んでいざ交換、と思ったらしかし当日の交換はできないというのです。コロナ禍で自家用車の利用が増え、同じようにカーナビを付けたりタイヤを交換したりとメカニックのスケジュールが先まで詰まっているとのこと。しかたなく後日取り付け日の予約をして一旦帰宅しました。

予約した日時に再び出かけ、いざ交換という段になり車を見たメカニックは「これは!」と声を上げました。付いていたのはモニターとは別に本体を助手席の下に設置してGPSの電波を受信するアンテナをフロントガラスに貼り付けるというタイプ。取り外すのが大変で作業に1時間ほどかかり、取り外し工賃も1万円(税別)かかると言います。その工賃だけで安いカーナビが買えてしまう金額ですが、ここまで来たらもう元には戻れません。いずれは替えなければならないものなのでそのまま作業してもらいました。

ETCが壊れた?

それからもコロナ自粛で高速に乗るような機会もないままに過ごしていましたが、カードの更新でETCカードを差し替えました。その時、本来は点灯しているはずの本体のランプが消えているのに気付きました。7月に横浜に出かけた際、首都高に乗ったときは問題ありませんでした。あれ?故障か?とETCから伸びているコードをたどると、グローブボックスの裏でスッパリと切れています。本体の故障ではなくこれが原因のようです。

赤囲みが繋いだ部分

普段から車の面倒を診ていただいている整備工場で診てもらうと、やはりこのコードの切断が原因。繋いでもらいエンジンキーを回すと、緑のランプが点いて「カードを認証しました」と音声アナウンスが。これでETCも復活。気付かないまま高速に乗ろうとしていたら大変なことになっていました。

カーナビを取り外すときに

しかし、どうしてコードが切れているの?助手席のグローブボックスの裏で見えないところにあるコード。触ることもありませんし、わざわざ誰かがそこに手を入れることもありません。2段式の立体駐車場の下段(地下)にあるのでいたずらに遭うことも考えられません。唯一切断できる可能性は、カーナビを取りはずしたときです。早速カーナビを取り付けた販売店に電話をし、確認して折り返しをお願いしました。

作業日も判っていますし、古いカーナビを取り外すという作業だったので、作業者が特定でき直ぐに電話がかかってきました。作業ミスを認めたは良いのですが、「外注の作業員がやったことなので」という言い方をします。これは言ってはいけない言葉です。

「私は御社の客であり、外注会社の客ではありません。作業をした人が下請けであろうが外注であろうがそんなことは関係ないことです。御社に責任がなくなるわけでは無いですよ。それは言ってはいけないことでしょう!」と思わず叱責してしまいました。

外注もアルバイトも

今はどんなビジネスでもアウトソースや派遣、外注は当たり前です。小売店や飲食店では、パートやアルバイトのミスでトラブルになることがありますが、パートだから、アルバイトだからという言い訳はできません。

これまでも大手企業の謝罪会見で「下請けがやったこと」、「外注業者に騙された」などと発言をして更に状況を悪化させた例は多くあります。顧客にとっては社員も派遣もアルバイトもありません。経営トップだけでなく、顧客と直接向き合う現場でも同様の意識が必要です。

※ETCのコード接続作業費についてはカー用品店から整備工場へ連絡を取り、請求をカー用品店にということになりました。