2020年5月16日土曜日

飲食施設の安全ガイドラインと、「家族席」「家族個室」の提案

緊急事態宣言が解除され、飲食店も再オープンするお店が増えてきました。しかし、ソーシャルディスタンスを確保しながらの営業で、横並びで席の間を空けたりテーブルの間隔を空けたり、対面での座席配置を避けるためにテーブルの真ん中についたてを立てたりと何かと大変なようです。
松下政経塾出身、総務省 地域力創造アドバイザーでもあり、FBS「めんたいワイド」やTNC「CUBE」などテレビのコメンテーターとしてもお馴染みの林田暢明さんは、TAO CAFEの代表でもあります。彼は緊急事態宣言の解除を受け、「飲食店イートイン安全ガイドライン福岡」を自ら作り上げ、ポスターのデータ(PDF)を公開しました。
飲食店イートイン安全ガイドライン福岡
B4からA2サイズまで、こちらからダウンロードできます
このスピード感には感服です。

林田さんは、Facebookに
【シェア・拡散 大歓迎】
ご賛同いただいた飲食店のみなさまへ。
今回、福岡県内の飲食店の皆様と、イートインのためのガイドラインを策定したわけですけれども、これは福岡県に要望を伝えるためではなくて、お客様が「ああ、このお店はちゃんと対策してるんだな」と、できるだけ安心して飲食店を利用していただくためのものです。
で、みんなが一目でそのお店の対策をみれるものがいるよね、しかも昨日、緊急事態宣言解除されちゃったよね、ということで、誰かにボランティアでお願いするとか時間かかりそうなので、もう林田がポケットマネーで作成してしまいました。
ほんとにエンゲル係数(主に酒)高すぎて貧乏人のため、小額なのに「明日までね!」という無茶な発注を見事にこなしてくれたのは、岡山の人はみんな大好き、瀬戸内プレイボーイズのワックンこと中西亘さんです。ありがとうございます!
もうこれ、おれのものなんで、著作権フリーで公開します。がしがし活用してください!福岡県との協議もこれから、と連絡ありました。協議の結果を踏まえて随時修正、公開していきます!
繰り返しますが、赤は「努力義務」。機材がないものもあるけど、こんだけはやっとこーぜ。黄色は「目標」、青は「推奨」
各店舗の対策状況に応じて、チェックを入れて使ってください。
活用したい!という方は、メールアドレスを添えてメッセージください。お待ちしております!

と投稿しています。利用したいという方は、上記よりダウンロードしてご活用ください。その際には、林田さんのFacebookアカウントまでメッセージをお願いします。

家族風呂があるのだから家族席も

飲食施設を利用するのは、会社帰りやランチ利用のサラリーマンやお一人様ばかりではありません。子どもがいるファミリーでも、誕生祝いや母の日、父の日、あるいは合格祝いや昇進祝いなど、家族で外食したいという機会は多いものです。しかし、ソーシャルディスタンスを守ったお店では、家族で楽しく食事という雰囲気にはなりません。間隔を空けた横並び席や、透明なアクリル板やビニール越しでは会話も楽しめません。

そこで、「家族席」や「家族個室」の設定は考えられないでしょうか?
温泉旅館でも貸し切りの「家族風呂」がありますが、その飲食店版です。日常濃厚接触をしている家族に限れば、家族間でのソーシャルディスタンスを考慮する必要はないでしょう。もちろん、その席を利用されるグループには、家族(あるいはそれに準じる関係)であるという誓約サインなどが必要でしょう。他のお客様との距離を十分に取る、空間を遮断するなどできれば、家族で楽しく外食を楽しんでもらえます。
ただし、接客するスタッフのサービスの仕方やタイミングには注意が必要ですが。





2020年5月13日水曜日

緊急事態宣言解除、コロナ後の事業再開を考える

いよいよ緊急事態宣言の解除が視野に入ってきました。福岡県も早ければ明日にも特定警戒都道府県の指定も外され、宣言の対象から外れる可能性が高まっています。
緊急事態宣言下の新天町商店街 ほとんどのお店は臨時休業
今週に入り、天神はじめ個人の路面店などは徐々に営業再開する動きも見えてきましたが、緊急事態宣言が解除となれば今度はそこに合わせて、業種毎に対応が迫られます。
福岡県は、営業自粛の解除あるいは再要請に関して独自基準を示していません。しかし、示されたとしてもそれは感染者やPCRの陽性率などの「事象」「結果」の数字、データです。企業や私たちに求められるのは、感染者を出さずに経済活動を再開するための行動様式であり企業活動です。

感染防止をしながら日常に戻す


暫くは「あつものに懲りてなますを吹く」状態が続くと思われます。自社の意思や考えよりも第三者からのプレッシャー、世間の空気が暫くは変わらないでしょう。「自粛警察」が直ぐに矛を収めるとも限りません。何よりも、従業員やお客様が安心できる環境が求められます。

(1)オフィスでの感染予防

引き続きテレワークや時差出勤は継続するのが無難です。ニューヨークの感染拡大の要因の一つは地下鉄と見られています。
コロナ以前の働き方に戻すならば、オフィスで執務中にマスクをするのはもちろん、隣や前の席との間についたてを立てるなどの対応も検討しなければなりません。あるいは席の配置や事務所のレイアウトを変更する必要があるかもしれません。
そこまでする労力もお金もないのでしたら、出勤調整(半分ずつ交互に出勤など)して在宅ワークと組み合わせるなどオフィス内のソーシャルディスタンスを確保しましょう。
入り口やフロアに手指の消毒液や除菌剤なども設置し、トイレやパントリーなどの清掃、除菌もこまめに実施しなければなりません。
今回コロナ(COVID-19)が収まっても、第2波(既に今が第2波という見方もあります)、第3波も懸念されていますし、新たな感染症が流行する可能性もあります。
これを機会に働き方、オフィスのあり方を見直し、BCPも合わせて見直す必要があります。

(2)対面やリアルな接触が避けられない業種では

小売や飲食、レジやカウンターで対応するサービス業務など、どうしてもお客様と対面で向き合わなければならない、あるいは多くのお客様を対象にしたサービスを提供しなければならない業態があります。まずは、

①従業員の検温、マスク・手袋・フェイスシールド・透明ビニールカーテン、換気など必要な感染予防
②入場制限ー同時に店内あるいは会場内に入れる人数・組数を制限
③入り口に消毒液設置、必要に応じてサーモカメラでの体温チェック
④ソーシャルディスタンスの確保ー客導線の明確化、レジの順番待ちの位置目印、テーブル・椅子の配置換え、休憩スペースなどのベンチ利用制限など
⑤キャッシュレス、セルフレジ、セルフ包装の導入・推奨
⑥テイクアウト・デリバリー、出張サービス・販売対応
⑦ビデオ会議システムの導入(薬剤師、弁護士や士業、コンサルティングなど)

NAFCOの店頭に出された表示
など、3密を作り出さない人と人、人と物との接触機会を最小限に留める工夫が求められます。始業前、営業中、終業後の消毒・除菌作業などでこれまで以上に人の手が必要になるかもしれません。そのための人手と作業時間の確保も考えなければならないでしょう。

一方で、コロナ以前のビジネスモデルで成り立つかの検証も必要です。新しい生活様式、ソーシャルディスタンスを保った接客や営業スタイルで見込める来客数や収容数は採算にどう影響するでしょうか。客数や客単価も変わるでしょう。取扱商品や商品単価の見直しも必要かもしれません。

(3)ビデオ会議を導入する

移動自粛、在宅・リモートワークが進み、顔を合わせての会議や打ち合わせはビデオ会議システムを利用しての実施が広がりました。企業で採用が進んだのはzoomやマイクロソフトのTeamsなどですが、1対1や少人数なら、LINE(PCで16人、スマホで6人まで)やSkype(50人まで)、Facebook Messenger(50人まで)など、既に多くのみなさんが日常利用しているアプリでも可能です。
ただし、LINEやSkype、Facebookは個人アカウントで仕事のグループを作ることに抵抗があるかもしれません。
いずれにしても、移動コスト・時間の無駄を省くためにも、社内だけでなくお取引先様との連絡でもビデオ会議の利用は進むものと考えます。スマホがあればほとんどの場合は対応できますから、新たな投資は必要ありません。まずは取り組みやすい所から試してみてはいかがでしょうか。

やがては「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で、いつの間にか3密も許容するようになるかもしれませんが、それには時間が必要です。その間に新しいビジネススタイル・コミュニケーションスタイルは定着するに違いありません。若い世代ではビデオチャットは当たり前、学校でもすぐにオンライン授業が普通になるでしょう。

4月以降、zoomなどのビデオ会議システムやビデオチャットで画面を見ながらの会議や打ち合わせが増えました。新規のご相談でも、コロナの影響で事務所へ来社して対面でのご相談よりビデオ会議を希望されるようになりました。電話で1時間もしゃべると疲れてしまいますが、ビデオ会議なら相手の表情も見えますし自由度も高くストレスは軽減されます。
ご相談のご連絡、お待ちしています。