2019年6月16日日曜日

老後2000万円問題を自分事として考えるときの参考に

先週、金融庁が公表した金融審議会 市場ワーキング・グループの「高齢社会における資産形成・管理」報告書が物議を醸しています。メディアで大きく取り上げられ、麻生財務大臣が報告書を受け取る受け取らないとか、野党は選挙に向けた争点にしようと追求をするなど、騒動は治まりそうにありません。
件の報告書は、金融庁のサイトからダウンロードできます(上のリンクからもダウンロード可)が、金融審議会の報告書の公表は今回が初めてではありません。2016年には「国民の安定的な資産形成に向けた取組みと市場・取引所を巡る制度整備について」という報告書を公表していて、こちらもダウンロード可能です。

これらの報告書は、金融庁のワーキンググループの報告書です。公的年金は厚生労働省から委託された日本年金機構が業務運営を行い、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用していますから、いわば第三者の別な視点からの報告書です。ある意味、客観的に正しい指摘をしてくれているわけです。

それでは、この報告書を受けて、私たちはどうすれば良いのでしょうか?私の場合は年齢的にすでにできることは限られていますが、これから公的年金は先細りすることが確実な30代~40代、あるいは私たちの子どもの世代はまだ時間もあります。報告書にあるように、老後に備えて自分で何か手を打たなければなりません。
節約ライフプランの「家計診断 年金・老後」画面の一部

その参考になるのが、NTTイフが運営しているサイト「節約ライフプラン」です。
実は、このサイトのコンテンツの多くをブライト・ウェイが提供しています。 老後の備えに関しては「家計診断 年金・老後」が参考になります。
相談者からの具体的な相談に対して、ファイナンシャルプランナーがキャッシュフロー表やグラフを示しながら、具体的にアドバイスをしています。iDecoやNISAに対する質問もあり、金融商品や投資に関するアドバイスも多くあります。相談者の家族構成や所得、相談の背景などバリエーションも多く、これらのケースの中に自分と重なるパターンも見つかるのではないでしょうか?

参考にしていただければ幸いです。





2019年6月10日月曜日

田口被告の突然の土下座ー世間の反応から学ぶ、謝罪でやってはいけないこと

東京都内の自宅で、乾燥大麻を所持していた罪に問われているKAT-TUN元メンバー・田口淳之介被告。先週7日、300万円の保釈金を支払い、勾留されていた警視庁東京湾岸署から保釈されました。
そのときの様子をテレビ各局のニュースで伝えていましたが、いきなりの土下座に驚いた人も多いことでしょう(上の動画はTHE PAGEより)。

田口淳之介被告は、我が家ではKAT-TUNの元メンバーというよりも、堺雅人主演のドラマ「リーガル・ハイ」の加賀蘭丸として親しまれていました。田口被告が逮捕された一報が流れた際にも、息子が「蘭丸が逮捕された!」と家族のLINEグループに送ってきたくらいです。2016年にKATーTUNを脱退し、ジャニーズ事務所も退社してからはテレビでも見なくなりました。それだけに、蘭丸の印象が強く残っています。
「リーガル・ハイ」の中での加賀蘭丸の存在は、「忍び」のような存在。変装したり誰かになりすましたりしながら情報を集め、堺雅人演じる小御門弁護士をアシストします。実は、「リーガル・ハイ」の脚本を担当したのは古沢良太さんで、昨年の人気ドラマ「コンフィデンスマンJP」、現在ヒット中の映画「コンフィデンスマンJPーロマンス編」も手がけています。コンフィデンスマンJPの各登場人物は、私には加賀蘭丸の派生・発展の様にも見えます。

土下座を止めることはできなかったのか?


話が横道にそれてしまいましたが、 爽やかなイメージで売っていた若者が大麻所持で逮捕され、出てくれば土下座をして謝罪という、なんともギャップの大きな後味の悪い保釈劇。所属事務所は、実質的には自身の個人事務所で組織だった活動実態は無さそうですから、今回の逮捕後も事務所のサポートも無いでしょう。親族以外で唯一アドバイスできたとしたら弁護士さんでしょうか。しかし、さすがに弁護士さんが土下座をして謝罪しなさいとアドバイスをしたとは考えられません。

Wikipediaでも、
現在では土下座自体に謝罪というよりも「なりふり構わぬ自己保身の手段」というネガティブなイメージを抱く人が多くなった一面があり、土下座の使い方や使いどころ次第でかえって世間の反感や冷笑を買ってしまい、逆効果になってしまうケースも見られる様になっている。 
との記述があります。 ネット上の反応などを見ると、今回はまさにこのケースに当てはまったようです。

カメラの前での土下座は「パフォーマンス」


過去に土下座をした謝罪で思い出すのが、焼肉酒家えびすの勘坂社長です。和牛ユッケから腸管出血性大腸菌O-111による集団食中毒を引き起こし5名の死者と多数の食中毒被害者を出した事件です。当初は非を認めず強気の会見を行いましたが、数日後に報道陣の前で土下座して謝罪し、パフォーマンスだと非難されました。2011年の事でさんざん話題になった事ですから、田口被告も知らないということはないでしょう。

バラエティ番組やギャグでなくとも、テレビや報道カメラの前で行う土下座は謝意が本物かどうかに関わらず「パフォーマンス」にしか見られないのが今の現実です。謝罪に際しては、謝意を表す・伝えることは重要ですが、そこに余計なパフォーマンスは要らないのです。しらけたり不快に感じさせたりしてしまうことになります。
田口被告も今後、芸能界に復帰を希望するしないにかかわらず、「土下座をした人」として記憶され、 芸能界復帰どころか何をするにも自身を苦しめることでしょう。今頃、どうして土下座をしたんだろう、と後悔しているかもしれません。それとも、他人にはわからないもっと深い考え(カメラの向こうにいる特定の人に向かってのメッセージなど)があったのでしょうか?

何にしても、要らない土下座であったことは間違いありません。

過去にこの場でも何度も書いていますが、不祥事や不測の危機に際して当事者となると、その対応あるいは会見に際しては第三者のアドバイス無しで乗り切るのは極めて困難です。躊躇せず第三者に客観的なアドバイスを求めてください。

2019年6月6日木曜日

育休直後にパタハラで退職→ネットで炎上のカネカの対応について


今週、パピ_育休5月復帰さんの書き込みをきっかけに、Twitter始めネットでパタハラが大きな話題となっています。そもそものきっかけは、4月23日のこの投稿でした。
パピ_育休5月復帰さんのTwitter投稿より
 この投稿に多くのアドバイスや励ましのコメント、更には 1,100を超えるRTが付き、その後の労組や連合、労働局との相談結果などもつぶさにtweetをしています。そして、4月26日に
ちなみに夫は日系大手メーカー勤務。連結1万人くらいの規模、本社で2人目の男性育休取得者で、取得前人事からは、社会の流れから男性育休の事例作らなきゃいけないんです、的な事言われてた。取ってみたら明けて2日で地方に単身赴任命令。時代に逆行してるのか、まだまだ本質がそこにあるのか。
とtweet(赤字は筆者が強調)し、どこの会社なのかに注目が集まるようになりました。結局ご主人は5月31日付で退職し、6月1日に
改めて決意
夫日系一部上場企業で育休とったら明けて2日で関西に転勤内示、私の復職まで2週間、2歳と0歳は4月に転園入園できたばかり、新居に引越して10日後のこと。 いろいろかけ合い、有給も取らせてもらえず、結局昨日で退職、夫は今日から専業主夫になりました。
私産後4か月で家族4人を支えます
とtweet。さらにその後のtweetに、「#カガクでネガイをカナエル会社」とハッシュタグを付けたことで、その会社がカネカだということが判明したのです。 
Twitterを 端緒とするネットでの炎上については、
 
 会社から『男性育休の事例を作らないといけない』と言われ1ヶ月の育休を取得した夫が職場復帰したらパタハラに遭ってしまった話(togetter)
などの複数のサイトにまとめてあります。

 

ネットからリアルビジネス誌へ

 

テレビでも知花くららさんを起用し、企業CMを多く流している知名度の高い一部上場企業のカネカであったことから、リアルなビジネス誌からも注目を集めます。日経ビジネス電子版は直ぐに当事者を直撃取材し、

「育休復帰、即転勤」で炎上、カネカ元社員と妻を直撃
を6月3日にアップしています。
すると今度は、角倉護社長から社員宛てにメールが配信されたことがわかり、
カネカ続報、「即転勤」認める社長メールを入手
と続報を流します。
さらに、 今日6月6日に
カネカが初めてコメント「弁護士を入れて調査している」
とする記事をアップするや、カネカのWEBサイトのTOPページには、「当社元社員ご家族によるSNSへの書き込みについて」とする公式コメントが掲載されました。
日経ビジネスの記事の公開後にカネカのサイトが更新されたということで、記事の2P目に追記として全文が紹介されています。

Googleトレンドに見るカネカへの関心度


 4月23日のパピ_育休5月復帰さんの最初のtweetから、カネカが公式に行動を起こす今日までの流れをざっと振り返ってみました。
この1ヶ月半の間、カネカは何をしていたのでしょうか?何をすべきだったのでしょうか?

パピ_育休5月復帰さんのtweetを遡ってみると、既に4月23日には上司にも人事にも相談しています。その後、労組や連合、労働局にまで相談していることもわかります。しかし、この段階では一従業員と会社との間でのやりとりなので、表に出ることはありません。ところが、退職し雇用関係が無くなった途端に恩も義理もないので→ #カガクでネガイをカナエル会社」とtweetです。
パピ_育休5月復帰さんのTwitterアカウント取得は2015年で、遡るとアフリカと日本の遠距離恋愛の後結婚、ご主人は海外での単身赴任が長かったことなどもわかります。4月以前のtweetはほとんどお子さんとの日常のことで、ご主人の帰国を心待ちにする様子以外には会社への不満などはほとんど見られません。それなのにこのような事になったのは、4月の転勤内示以降のコミュニケーションに問題があったと言わざるを得ません。

カネカは、このネットでの騒ぎをいつ知ったのでしょうか? 知ることができたでしょうか?

 これだけ大きな企業となれば、広報や総務では自社に関するネット上での書き込みや話題については常にチェックしているはずです。リアルタイムでなくてもGoogleやTwitter、FacebookなどのSNSのツールを使えばある程度は把握できます。社内で対応できなくてもアウトソースで監視してくれる企業はたくさんあります。
Googleトレンドの急上昇ワードを確認すると、社名が判明した直後から検索が増え、6月2日の検索急上昇ワードの3位にランクイン、10万+となっています。Googleトレンドの最初の変化は6月1日の23時頃です。その後深夜にかけて一度山は低くなり、6月2日の夜明けと共に一気に検索が増えていきます。
日経ビジネス、6月3日の最初の記事では カネカIR・広報部は取材に対して、「ツイッターでの一連の議論は承知している」と答えていることから、2日の時点では把握している事がうかがえます。

早い段階で把握し、経営TOPにまで情報は上がっています。その証拠に3日には社長名で社員にメールが配信されているのですが、不用意すぎます。社長名で出す必要があったのでしょうか?社長名で誰(一部の幹部?社員全員?)宛てのメールだったのでしょうか?こういうメールはどこで漏れるか分からない(現に漏れています)ものですし、年月が経ってから見つかっても問題となることがありますから、細心の注意が必要です。

パピ_育休5月復帰さん本人のTwitterアカウントから読み取れる情報、まとめサイトや他のサイトで話題にされている内容はすぐに集める事が可能です。カネカがどのような企業だと見られ批判の的になっているかはわかっているはずです。その上でサイト上に公表した公式見解。ここから読み取れるのは、カネカは法的に間違ったことはしていないので問題ない、一般生活者がどう思おうと経営には支障が無いのでこのまま押し切る、という姿勢を明確にしたと見ることができます。

かつてこのスタンスで対応したB2C企業であるベネッセやマクドナルドは批判を浴び、業績を落としました。B2B企業であるカネカはそこは意に介さないのでしょう。しかし、この突き放した対応がカネカの企業姿勢だと捉えられると、他の事例や不祥事の内部告発などが週刊誌やネットに相次ぐ心配もあります。
昨日、自民党で「男性育休義務化議連」が発足しました。「パタハラ」への罰則規定も検討するということですが、今回のカネカの事例についての見解も聞いてみたいものです。


パタハラはもってのほかですが、労使間での希望や要望の食い違いはある程度は起きるものです。最悪、退職に至ったとしても退職者に対しては円満に、気持ちよく去ってもらえる対応を旨としたいものですね。



2019年6月5日水曜日

「日経MJ 2019年上期ヒット商品番付」を福岡で見て思うこと

今朝は、福岡出身の女優、蒼井優さんと南海キャンディーズの山里亮太さんの電撃結婚のニュースで、パッチリと目が覚めました。そんな一日の始まりでしたが、芸能ニュースがない日経新聞には「日経MJ 2019年上期ヒット商品番付」の記事がありました。
日本経済新聞デジタル 6月5日 より
 これを見て、横綱の「令和」と「スマホペイ還元」は誰もが納得いくところでしょうが、大関以下になると人によって受け止め方も違うでしょうし、そもそも「これ何?」というものもあります。西の大関、任天堂「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」 からして私にはわかりませんが、ゲームをやる人には納得の番付なのでしょう。

関脇の「ダイナミックプライシング」は、これまでも宿泊施設やパック旅行が季節により料金を変えたり、スーパーや百貨店の閉店前に値引きするなど、小売りの現場では普通に行われていた需要と供給の関係で価格を変えていくという行為。私は、東京への夕方移動で、スケジュールの変更が無いようなときにはSkymarkやJETSTARを使うことがありますが、購入するタイミングで価格が変わります。JETSTARだと1週間前の予約で、足下が広いシート(+990円)を選んでも7000円以下で購入できるときもあります。JAL・ANAの正規料金の1/5以下です。
ダイナミックプライシングは、これまでは定価・定額販売だったものを季節や曜日、天候など市場のニーズの変化に合わせてダイナミックに価格を変えていくというものです。どちらかというと需要期に価格を上げる方向の自由度が注目されています。これまでホテルなどはタリフ(料金表)を印刷したりウェブサイトに掲載して、需要期でもその金額に縛られていましたが、その呪縛から解き放たれた訳です。
名前が「ダイナミック」というので何か新しいような気もしますが、これまでごく一部で行われてきたことが、もっと大々的に広い業種で行われるようになったと言うことです。
変動料金制を言い換えただけですけど、名前は大事ですね。

さて、この番付では東京あるいは関東圏でないとよくわからない、あるいは接点がない物もいくつかあります。「無印良品 銀座」は銀座にできた新しい無印良品ですし、「ムーミンバレーパーク」は埼玉県の新しいテーマパーク、「うんこミュージアム」も横浜にできたテーマパークです。 店舗やテーマパークは足を運ばないことには何が魅力なのか、なにが話題なのかはわかりません。「翔んで埼玉」も、原作のコミックがあるにしても、関東圏で生活していないとその空気というか背景を肌で感じられないので、単なるコミック原作の映画がヒットしただけという捉え方になるでしょう。

首都圏で話題になる物はこうして全国のヒット番付に登場しますが、地方発のヒット商品がなかなか出ません。人気投票やマーケットデータに基づくものではなく、(多分首都圏在住でしょう)担当記者による番付のせいもあるのでしょうが。
マーケットの大きさだけではなく、今はSNSやネット発信で話題になることも増えてきました。福岡発でヒット番付に載るような新商品・サービスが出てくることを期待したいと思います。

ところで、本日もう一つの驚きは、西日本リビング新聞社の解散報道でした。フリーペーパーを取り巻く環境は厳しいのは確かですが、サンケイリビング新聞社がRIZAPグループになったことも影響しているのかもしれません。