2019年6月10日月曜日

田口被告の突然の土下座ー世間の反応から学ぶ、謝罪でやってはいけないこと

東京都内の自宅で、乾燥大麻を所持していた罪に問われているKAT-TUN元メンバー・田口淳之介被告。先週7日、300万円の保釈金を支払い、勾留されていた警視庁東京湾岸署から保釈されました。
そのときの様子をテレビ各局のニュースで伝えていましたが、いきなりの土下座に驚いた人も多いことでしょう(上の動画はTHE PAGEより)。

田口淳之介被告は、我が家ではKAT-TUNの元メンバーというよりも、堺雅人主演のドラマ「リーガル・ハイ」の加賀蘭丸として親しまれていました。田口被告が逮捕された一報が流れた際にも、息子が「蘭丸が逮捕された!」と家族のLINEグループに送ってきたくらいです。2016年にKATーTUNを脱退し、ジャニーズ事務所も退社してからはテレビでも見なくなりました。それだけに、蘭丸の印象が強く残っています。
「リーガル・ハイ」の中での加賀蘭丸の存在は、「忍び」のような存在。変装したり誰かになりすましたりしながら情報を集め、堺雅人演じる小御門弁護士をアシストします。実は、「リーガル・ハイ」の脚本を担当したのは古沢良太さんで、昨年の人気ドラマ「コンフィデンスマンJP」、現在ヒット中の映画「コンフィデンスマンJPーロマンス編」も手がけています。コンフィデンスマンJPの各登場人物は、私には加賀蘭丸の派生・発展の様にも見えます。

土下座を止めることはできなかったのか?


話が横道にそれてしまいましたが、 爽やかなイメージで売っていた若者が大麻所持で逮捕され、出てくれば土下座をして謝罪という、なんともギャップの大きな後味の悪い保釈劇。所属事務所は、実質的には自身の個人事務所で組織だった活動実態は無さそうですから、今回の逮捕後も事務所のサポートも無いでしょう。親族以外で唯一アドバイスできたとしたら弁護士さんでしょうか。しかし、さすがに弁護士さんが土下座をして謝罪しなさいとアドバイスをしたとは考えられません。

Wikipediaでも、
現在では土下座自体に謝罪というよりも「なりふり構わぬ自己保身の手段」というネガティブなイメージを抱く人が多くなった一面があり、土下座の使い方や使いどころ次第でかえって世間の反感や冷笑を買ってしまい、逆効果になってしまうケースも見られる様になっている。 
との記述があります。 ネット上の反応などを見ると、今回はまさにこのケースに当てはまったようです。

カメラの前での土下座は「パフォーマンス」


過去に土下座をした謝罪で思い出すのが、焼肉酒家えびすの勘坂社長です。和牛ユッケから腸管出血性大腸菌O-111による集団食中毒を引き起こし5名の死者と多数の食中毒被害者を出した事件です。当初は非を認めず強気の会見を行いましたが、数日後に報道陣の前で土下座して謝罪し、パフォーマンスだと非難されました。2011年の事でさんざん話題になった事ですから、田口被告も知らないということはないでしょう。

バラエティ番組やギャグでなくとも、テレビや報道カメラの前で行う土下座は謝意が本物かどうかに関わらず「パフォーマンス」にしか見られないのが今の現実です。謝罪に際しては、謝意を表す・伝えることは重要ですが、そこに余計なパフォーマンスは要らないのです。しらけたり不快に感じさせたりしてしまうことになります。
田口被告も今後、芸能界に復帰を希望するしないにかかわらず、「土下座をした人」として記憶され、 芸能界復帰どころか何をするにも自身を苦しめることでしょう。今頃、どうして土下座をしたんだろう、と後悔しているかもしれません。それとも、他人にはわからないもっと深い考え(カメラの向こうにいる特定の人に向かってのメッセージなど)があったのでしょうか?

何にしても、要らない土下座であったことは間違いありません。

過去にこの場でも何度も書いていますが、不祥事や不測の危機に際して当事者となると、その対応あるいは会見に際しては第三者のアドバイス無しで乗り切るのは極めて困難です。躊躇せず第三者に客観的なアドバイスを求めてください。

6月10日22時追記

田口淳之介被告の公式サイトで、ライブツアー中止のお詫びと謝罪文章が掲載されました。