2016年12月5日月曜日

ニュージーランドのキー首相 「家族との時間大切にしたい」と辞意

今日のニュースにちょっと驚きました。

NZのキー首相が辞意 「家族との時間大切にしたい」



ニュージーランドに子育て事情を取材に出かけたのは2012年。クライストチャーチの大地震から1年ちょっと過ぎた頃でした。その時の印象は、誰もが家族や子どもを大切にしている国だということ。

13歳未満の子は、必ず大人が一緒でなければならない(留守番もダメ)。小学校の登下校も必ず大人が一緒。放課後の遊びやスポーツも必ず大人が付き添います。子どもがいると、そのスケジュールに合わせざるを得ません。
下校時刻になると、親たちが子どものお迎えに
そのため、午後4時頃になると仕事場から帰る車で、幹線道路は渋滞です。家族との時間を優先させることは特別なことではなく、国全体がそういう価値観で動いているのがよく分かりました。
家族との時間を大切にする,優先するという空気は、その後に取材に行ったバンクーバー(カナダ)でもオスロ(ノルウェー)でも共通していました。

そんなお国柄ですから、「家族との時間を大切にしたい」という理由で辞意を表明することには違和感を覚えることはありません。驚くのは、国・国民がそれを受け入れられるということです。
かつて、安倍首相は健康上の理由で首相の座を降りました。それは、健康に不安を抱えたままでは国政に影響を及ぼすという判断からですし、国民も「それなら仕方ない」という形で容認した感じでした。しかし今、安倍首相が「家族との時間を大切にしたい」という理由で首相の座を降りるとは口が裂けても言わないでしょうし、仮に口にした途端に与野党から一斉に批判されるでしょう。そもそも、安倍首相始め政治家のみなさんが家族について言及することは(特別な例を除いて)現在でもほとんどありません。

一億総活躍社会とは?


安倍首相が掲げる「一億総活躍社会」は、第二次世界大戦中の国家総動員法を思い出すような名前でそもそも好きになれません。少子高齢化に立ち向かうためといいながら、このままではジリ貧となるGDPを、女性も老人も働きに出てなんとか押し上げよう(税収確保)とハッパをかける政策のように思えます。

北欧の子育て先進国に共通するのは、国民一人あたりの生産性が高いことです。日本はOECD加盟34カ国中、だいたい21位~22位を行ったり来たりです(日本生産性本部発表「日本の生産性の動向」)。しかも、主要先進7カ国の中では最下位。ニュージーランドは日本よりも一つ低くなりますが、産業構造的に生産性が低い第一次産業中心の国でありながらほとんど日本と変わりません。現在人手不足が顕著なのは飲食業を始めとするサービス業や、農林水産業など労働生産性が低い業種です。そういう業種で働き手が増えても、労働生産性のアップにはなかなか繋がりません。

日本では本来生産性の高い業種においても、「和」や「同調」「空気」を重んじるがために、「顔を揃えるのが目的」のような会議に多くの時間を割いていますし、変化やチャレンジを好まず先送りを繰り返すばかりです。何も決まらず、何も変わらず会議に時間ばかりを費やす組織はそこらじゅうにあります。
現代のIT社会では、顔を会わさずともコミュニケーションも決済も可能なのにです。

また、「お客さまは神様」、あるいは「上司は絶対」意識が強すぎて、無理難題を突きつけ、それに応えるのが良い付き合い方だという主従関係からも抜け出せません。これではとても「家族が大事」とか「家族を第一に」などと言えるはずもなく、家族との時間を取るために早く帰るなどということは言い出せません。

都民・アスリートに続いて「家族ファースト」を


今、イクボス宣言をする企業や自治体が増えていますが、安倍首相・閣僚始め政治家の皆さんは「家族ファースト宣言」をして欲しいものです。「家族が大事」だから、「子や孫のためにも日本をよくしなければ」と具体的に政策も考えられるし想像できます。その延長が組織の働き方・意識を変えていくのではないでしょうか。宮崎議員(当時)が育休宣言をした際には賛否さまざまな意見が噴出しましたが、それは全体が変わらないままに一人スタンドプレーをしたからです。

今回、ニュージーランド首相の辞意報道で、育児にだけ理解を示すのではなく、家族を大事にする国になればという願いがこみ上げてきました。日本にも「こども家族省」のような独立した省庁の設立が必要な時期です。



  



2016年12月2日金曜日

「子どもに影響のある広告およびマーケティングに関するガイドライン」のシンポジウム

興味深いデータや海外の事例など、ぎゅっと凝縮した(しすぎた)中身の濃い2時間でした。
例によって、最後の質疑の時間。
最初に手を上げたのは電通の方。子ども向けの広告とそうでない広告の線引きについてはどのように規定し、線引きをするのかについての質問。
そして次に私が手を上げます。
mikuで取材をした子育て先進国の北欧やカナダの幼児教育では、「平等」についての教育が徹底していて、人種や肌の色などが違っていても同じ人間として平等であるということを教え込みます。(かつてANAのキャンペーンで国際的なイメージ=白人として批判を浴びた例を挙げながら)おもちゃを始め子ども向けの広告には赤ちゃんや子どものモデルに外国人を起用する例が多いが、今回のガイドラインではその辺りはどのように規定しているのでしょうか?と質問しました。
3人目は児童労働の撤廃と予防に取り組む国際協力NGOのACE(エース)の方が、ステークホルダーの当事者としての子どもをどのように捉え、位置づけるのかという根本的な問いかけをして時間が満了となりました。
今日、質問できたのは私を含めて僅か3人。

プレスセミナーや新商品発表では、質疑の時間には手を上げるということを自分に課しているので、参加した場合にはほぼ挙手をし、ほとんど指名されます(特に雑誌が多い発表会では手を上げる人が少ないので)。質問をする際には媒体名を名乗りますから私が何者かはすぐにわかります。
毎回終了後にはセミナー参加者からも名刺交換を求められます。今回もセーブザチルドレンの方だけでなく、他社の方も先方から私の元へやって来て名刺交換を求められました。

いつもmikuさんにはお世話になっています
というのは、取材やあるいは編集長の常子が講演やアドバイス・原稿提供などで過去に関わりがある人達。
そして「私、mikuのファンなんです」という人が名刺交換を求めてきます。みなさん、本当にmikuが好き、憧れてますオーラを漂わせて。それが、だいたい大手出版社の育児関連メディアの人だったりするのです。今、出版業界は厳しい時代です。市販雑誌はどんどん部数を落とし、同時に広告収入も右肩下がりです。編集部の想いと営業(広告・書店)の思いはだんだんと乖離していくのでしょう。そして、営業からの要求に屈して、作りたい本からだんだんと離れていっていしまうというのが、今の大手出版社の実態なのかもしれません。そういう中で、mikuはほぼ12年スタンスを変えず、より理想とする育児情報誌を目指して整理しながら生き続けている(しかも部数は伸び続けている)のです。同業の目から見ると、孤高のメディアに見えているのかもしれません。実態は青息吐息なのですが。
今回も、終了後には国民生活センター理事長や元消費者庁長官などと意見・情報交換もできた、実りあるシンポジウムでした。

紙媒体ですから広告収入は今後も厳しいものがありますが、mikuを支持する読者がこれからも増えるよう、 精進して参ります。

子どもに影響のある広告およびマーケティングに関するガイドラインこちらからダウンロードできます。




2016年12月1日木曜日

「新生児の理想の姿勢」に関するプレスセミナー(アップリカ様主催)に出席して

今日は、アップリカさんの「新生児の理想の姿勢」に関するプレスセミナーに出席してきました。
アップリカさんからの案内は「新商品発表」ではなく「新生児の理想の姿勢に関するプレスセミナー」でした。もちろん、アップリカさん的には新商品チャイルドシート「フラディア グロウ ISOFIX」の発表がメインではあるのでしょうが、少なくとも案内は「プレスセミナー」であり、テーマも「新生児の理想の姿勢」と明示された案内でした。



ということですので、私も事前にプレゼンを想定していくつかの質問を用意して行きました。商品の特徴や改善点ではなく、メーカーとしての思想や想いがどこにあり、どのようにそれを新商品に展開しようとしているのかを聞くために。チャイルドシートの新製品発売に際して、その商品開発の背景にある「想い」やマーケティング的な戦略を含めてのプレゼンテーションの場だった訳ですが、主催者が考えている以上にいろいろなものが見えた場でした。

一通りのプレゼンが終わって質疑の時間になり、最初に手を上げたのは私。
「新生児にとって、スリングは(新生児の姿勢としては)どういう環境なのでしょうか?」と。
それに対しては、同志社大学小西先生は「想定外の質問ですね」と開口一番。
フラットに寝せる事が赤ちゃんにとっては理想と考える先生としては、肌が接触する安心感のメリットもあり、功罪相半ばというスタンス。
続けて、今回コンピュータによるシミュレーションで共同研究に参加した産業技術総合研究所の遠藤氏に対して、赤ちゃんの体温や発汗に対する熱放出や体温・湿度の変化をシミュレーション可能かを質問。素材や材質、形態の変更による変化をシミュレーションすることはできるのか?したのか?と。
対して、今回は衝突時に赤ちゃんへかかる衝撃を、角度やスピードなど様々に変化させてシミュレーションをしたが、衝突に対するデータのみで、想定(提示された設定)以上のデータはシミュレーションできていないということでした。

私の後は、自動車関連メディアの記者が2名(いずれもマーケットデータ中心の質問)とたまごクラブの記者(新商品の形態に関して)が質問して質疑終了。出席記者の印象としては、自動車の安全装置としてのチャイルドシートの性能を確かめようとする記者の熱量が大きくて、育児関連記者の存在は、たまごクラブの記者のサイズの確認の質問だけだったのが印象的でした。

(新商品発表ではなく新生児の理想の姿勢)セミナー修了後、すぐに小西先生の所へ行き名刺を渡すと、「mikuさんの事は良く存じ上げてます」と。mikuの編集方針についてもよく理解されているようでした。 そのうえで、言葉を選びながら、先の質問の続きをさらにお答えいただきました。
その後、改めて産業技術総合研究所の遠藤氏やアップリカのマーケティングご担当などに個別に質問。
アップリカさんも、もちろんmikuのことはよくご理解いただいていますし、今回の事務局だった共同PRさんも永いお付き合い。ある意味、あうんの呼吸のようなものがあります。
全体の質疑応答の時間に手を上げて聞くこと(mikuとしてあえて問題提起や他のメディアや記者に対しても注意喚起をしたいもの)、と(他社メディアのいるなかでは答えづらいようなことは)個別に質問すべきこと。そのあたりのバランスも大事です。

前にも書きましたが、いくら取材してもmikuでは商品情報は誌面に記事として掲載ることはありません。それは編集方針であり、各メーカーさんにもだんだんと浸透してきているようです。小西先生もご理解いただいているようでした。だからといって、商品情報やトレンドに感心がないわけではなく、こうして最新情報は常に冷静に情報収集しているのです。個別商品を取り上げることはなくても,商品カテゴリーに関しては選び方や使用方法に関して記事として取り扱います。
タイアップ広告のお話しをいただいた際にもすぐに対応が可能ですし、商品カテゴリーのトレンドなども掴んでおかないと商品特徴を明確にできません。また、広告として掲載させていただく際の広告審査もスムーズに進みます。

新商品発表だけではなく、プレスセミナーに多く声をかけていただけるのは、mikuをそのように位置づけていただけているからでしょうか。

明日はセーブ・ザ・チルドレン様のプレスセミナーです。





2016年11月26日土曜日

miku読者から嬉しいメールをいただきました

miku読者から、編集部宛に嬉しいメールをいただきました。
個人情報に関わる部分のみ修正して、紹介させていただきます。

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mikuご担当者さま

mikuを編集して下さっている方にお礼を申し上げたく突然のメール失礼いたします。

私には娘がおります。
まだ娘が赤ちゃんの時に近所の小児科にいくとmiku創刊号が置いてあり、手にとって以来しばらく愛読しておりました。引っ越したのもあり、小児科にお世話になることも減り、mikuを見かけなくなって、娘はいつのまにか中1になりました。

先日インフルエンザの予防接種で、休日診療している少し遠い小児科に母子で行ったところmiku最新号をみつけ、その変わらない表紙の可愛いイラストがとても懐かしく涙が出そうになりながら手にとりました。娘にも私がこれを読むのがとても好きだったことを伝えると嬉しそうにしていました。
今号の山根さんのインタビューも2人で読んで、「こんなパパは素敵だね~」と話しました。

娘が赤ちゃんの頃は大変だったな~、でも一生懸命だったな~ワタシ、と色々と思い出しました。
今ほどSNSも流行っていなくて、手に入る情報量も情報を追う時間も全くなくて、病院のちょっとした待ち時間にmikuの誌面をむさぼる様に読んでいた記憶があります。

あの時はあの時で育児の悩みは沢山あったけれど、それは年齢と共に色々と変化して、今は娘の反抗期に閉口する毎日です。でもそれもきっと、今までの育児と同じようにあっという間に過ぎて、少しずつ子供と距離を置き、子供はいつか自立して新しい命をまた授かるのでしょう。
何よりあの小さかった娘が元気に大きく育ってくれただけでとても幸せだと思えました。

今回はmikuのおかげで思いがけず自分の育児を振り返る素敵な時間を戴き有難うございました。
普段はこんな意見メールなど絶対にしない私なのですが、とても嬉しかったのでメールさせてもらいました。


まさか、というと失礼ですが、あのmikuがまだまだ続いていたなんて!
しかも変わらず無料でずっと発刊されているのは編集に携わる皆様の努力あってのものだと思います。
今度は娘が母親になって「これはママが赤ちゃんの時からずっとあるんだよ」と子供に言って聞かせられる頃までmikuが続いてくれたら嬉しいです。

ホームページでも読めるんだ!と分かりましたので今後も拝読させて頂きます。

長文失礼いたしました。
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こんなメールをいただくと、「まさか」が別な意味にならないように、これからも頑張らなければと自分に渇を入れた週末となりました。

育児情報誌miku




2016年11月8日火曜日

談合の自主申告による摘発が75%に。豊洲は?

11月7日朝日新聞デジタルより
11月7日の朝日新聞に、興味深い記事を見つけました。

談合摘発、「自首」端緒が7割超 課徴金減免導入十年で

談合やカルテルに加わった企業が、摘発前に自主申告するとおとがめ無しとなる課徴金減免制度(リーニエンシー)。2006年1月施行の改正独禁法で導入されてから10年が経ちました。朝日新聞が、公正取引委員会が公表したデータを元に集計したら、摘発された事件の75%は、自首によるものだったということです。
課徴金減免制度もすっかり定着した感があります。

しかし、一方で談合やカルテルが無くなった訳ではなく、いまだにそれらしい案件は全国で散見されます。

豊洲市場の落札率は99.9%!


ところで、都知事が小池さんに変わった途端に様々な問題が明るみに出ている豊洲市場。主要3施設の落札率はなんとそれぞれ99.9%だといいます。予定価格を提示したうえで、複数の企業やJVで応札していたとしたら、その中で一番安い金額で落札しているはずです。それが全て99.9%ということですからこれは談合が疑われても仕方ない数字です。
しかし、過去の新聞報道を検索すると、各施設応札はそれぞれ1社ずつ。ますます怪しい。

小池知事が、ここに言及するに至ったらまた上を下への大騒ぎになるでしょうから、応札したゼネコンの担当者は気が気ではないでしょう。

某大手証券会社のファンドラップのCMで、裏社会の顔役風の男達が集まって「この中に抜け駆けしている奴がいる」とカマをかける。今頃、あんな集まりをしているかもしれません。
どこかが自首するのか、興味深く見守りましょう。

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朴槿恵大統領と崔順実(チェスンシル)氏との関係に、他人事ではない経営者も?

韓国では朴槿恵大統領が、親友の崔順実(チェスンシル)氏に国の重要な機密情報を流していたのではないかという疑惑から、大きなスキャンダルになっています。
報道が始まった当初は、朴大統領が過去の大統領のように親族や側近の不正や癒着を恐れて排除し、信頼できる親友にさまざまな助言を求めていただけかと思っていました。しかし、捜査が進み次々と新しい事実が明るみに出ると、ちょっと様相が違って来ました。

この報道を見ながら、ドキッといている経営者もいらっしゃるのではないでしょうか?

事の詳細は報道に任せるとして、 今回の騒動は、日本の経営者でも似たような落とし穴にはまっている例が多々あります。

企業の経営者は一国における大統領と同じで、様々な課題や難問を抱え、常に高度な判断と決断を迫られます。不用意に相談や愚痴を口にすることもできず悶々とする事も多いでしょう。酒やカラオケでストレスを発散し、口が硬いクラブのママに愚痴をこぼす。あるいは占いに頼る経営者も少なくはありません。神頼みで宗教にのめり込む例もあります。
そのような経営者の隙につけ込み、自身へ利益誘導したり最悪は会社を乗っ取ったりということもあります。

・相談相手は自分の利用価値を値踏みしていた
・信頼していた友人(部下)が、実は自分を利用していた
・宗教に入れ込んで周りからの助言に耳をかさなくなった、お金をつぎ込むようになった

など、だいたい、本人は騙されている・利用されていることに気付いていません。あるいは気付きたくないのかもしれませんが。

朴大統領は、まさにその典型的な例だったように思います。
みなさん、心当たりはないですか?

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2016年10月18日火曜日

もらって嬉しい、ひと味違うプライベートな名刺

少し前になりますが、伊万里の(株)カスタネットの中村社長が来社されました。
アイデアマンで勉強家。WEBサイトも独学で一人で作り上げたそうです。

カスタネットさんは、工務店の販促支援などが中心の事業ですが、「社長の名刺という商品もお持ちです。手漉きの越前和紙に、手書きのデザイン書体やイラストを組み合わせたオリジナルデザインの味わいある名刺を作ってくれます。
フリーや士業の方で、生い立ちや経歴・趣味などを細かく名刺の裏に記載することがありますが、老眼が進むと小さな文字がたくさん並んでいるともうだめです。その点、この名刺だと視覚と感性に訴えかけてくる力があります。

私も福岡専用で作っていただきました。
最初、漢字でデザイン案が上がってきたのですが、私の名前は縦書きだと梯子(横棒)がやたらと多く、手書きでも余り変化が出ません。そこで、平仮名で再度デザインを上げていただき、写真の名刺ができあがりました。

普段のビジネス上の名刺交換ではなかなか出せませんが、この人とは今後も付き合いが長くなりそうだとか、縁を感じるなというときにはこの1枚を付けてお渡ししています。私の名前を知らなければ、ひらがな3文字の「こうそ」が記号のようにも見えてきます。 味わい深い文字が何とも言えず語りかけてきます。すると、必ずこの名刺から話が広がります。

このブログを読んで、「縁」を感じたらお声かけください。
次にお目にかかるときには、この名刺をお渡しできると幸いです。

社長の名刺はこちらから 注文可能です。

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2016年10月12日水曜日

記者発表の結果は仕切るPR会社次第。受け付けの時にだいたい想像がつく


先日はamazonさんの「知育・教育玩具大賞」の発表会に参加してきました。

私は育児情報誌mikuの発行人でありプロデューサーでもあるので、記者発表会や記者会見、プレスセミナーの御案内を多くいただきます。mikuは全国誌なので、御案内をいただくのはほとんどが東京。ごくたまに大阪や有名観光地のプレストリップの御案内もいただきます(大井川鉄道のトーマス列車のプレスツアーは楽しみにしていたのですが、どうしても外せない会議と重なり、2年続けて悔しい思いをしました)。

mikuは記事で商品や映画・イベントの紹介をしません。記者発表や試写会に参加し、イベントを取材しても誌面で紹介することはないのです。記事にすることは無いのですが、最新の業界動向等をフォローするためにもスケジュールが調整できれば、できるだけ記者発表・会見、プレスセミナーなどには参加することにしています。参加した新商品の発表会やイベントのプレミアなどは、【こそだて】のFacebookやTwitter、instagramなどのSNSでは紹介しています。     

●質問することで記者の視点と気持ちを



私は記者発表会やプレスセミナーでは、できるだけ質問をするよう心がけています。一般紙はこんな質問をするだろう、テレビだったらこんな質問だろう。専門紙誌の記者だったらこのくらい専門的な質問をするだろう。じゃあ、育児誌mikuの読者が知りたい情報を得るにはどんな質問が良いだろう、と考えています。発表者が想像もしない、嫌がられるような(意地悪ではなく)、でも重要な質問を用意して参加します。明らかに嫌がられるとわかっている質問は、会が終了した後に個別に尋ねることもあります。
逆の立場で会見・イベントを仕切る身としては良いトレーニングにもなります。

福岡では、記者発表やイベントを仕切る立場がほとんどです。記者発表会や会見、他社が仕切るプレス向けイベントに招待されることも参加することもまずありません。せいぜい新店のオープニングイベントなどに招待される程度です。それだけに、東京でメディア向けのイベントに参加するのは良い勉強になります。

●案内も当日仕切りも現場はPR会社
 委託先によっては記者の満足度にも大きな差が


ツインドームシティ(福岡ドーム・シーホークホテル&リゾート)や福岡サンパレスでは、記者発表や記者会見の祭には、ほとんど全てを社内スタッフで準備・対応していました。かつてはほとんどの企業でそうしていたでしょう。しかし、最近は謝罪会見を除くと案内はPR会社から届くのが主流です。
大手企業からの案内だと、PR会社もほぼ大手の数社から届きます。外資系のグローバル企業だと、本社がある国のPR会社の日本法人やグローバルなPR会社も多く代行しています。

PR会社が違うと案内方法や出席フォロー、当日の受け付けから会の進行までそれぞれで違います。時間に余裕が有る時には、受け付け準備の様子を見るために受け付け開始よりも前に出かけることもあります。準備の時にどんな会話が交わされているかをチェックするだけでも、なかなか良い勉強になるからです。
当日の受け付けと配付される資料で、そのPR会社のレベル(と進行がスムーズに進むかどうか)はだいたいわかります。

メディアの先にいる読者や視聴者に、伝えたいことをきちんと伝えるためにも、発表会のスムーズな仕切りと記者の満足度は重要です。

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2016年9月19日月曜日

三田寛子の天晴れ!いざというときには肝っ玉母さんが頼りになる

今年、不倫が発覚して謝罪会見をする芸能人・有名人が続出しています。
9月16日、中村橋之助の不倫報道に際して、三田寛子さんが玄関前?で報道陣に対応しました。その6分12秒の会見が神対応(名口上)だったと話題となり、今や橋之助の不倫よりも、三田寛子さんのその対応の方に注目が集まっています。
テレビやスポーツ紙ではその会見全文が書き起こされ、解説も加えられています。
三田寛子会見全文1【今一度夫婦で立ち返り…】
三田寛子会見全文2【雨降って地固まる】(いずれもデイリースポーツ)

最後は「離婚は?」の問いかけに笑顔で「ないでーす!」と明るく答えながら立ち去りました。その姿が、かつてアイドルだった頃を彷彿とさせ、記者や見る者をホッとさせたようです。特に限られた時間に切り取らなければならないテレビでは、この最後のやりとりが強調されて放映されています。

この会見の三田寛子さんのように、今年は夫の不倫や問題行動でコメントを発表したり会見を開く妻の姿が度々見られます。宮崎元議員の不倫では妻の金子議員が、石田純一さんが都知事選出馬を撤回したときには理子さんが、そして今回は三田寛子さんです。妻が亭主の不祥事の尻ぬぐいをしているようなものですが、その妻の対応が場合によっては亭主がその世界で生き残れるかどうかまで決かねません。

上記3つではいずれも、「私が手綱をしっかりと締め直して、2度とこのようなことはさせません。私を信じてこのできの悪い亭主を許してやってください」というメッセージを感じました。賢い、できた嫁ではなく「いざとなったら強い」嫁がついていることに安心するのでしょうか。

いざというときには肝の据わったパートナーが必要ですね。


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2016年7月24日日曜日

深読みしすぎた石田純一の立候補騒動を振り返る

都知事選告示前に急に開いた7月8日の会見。そのニュースを聞いて、石田純一って、本当はものすごく頭が良いのか、機を見て敏だと感心をしました。

最近は,タレント・有名人の会見と言えば不倫や麻薬絡みばかりだったので、その中での有名タレントの緊急記者会見、しかも都知事選に立候補か?となれば俄然注目度は上がります。
どう逆立ちしたって当選の可能性は低いということは、本人もわかっているはずです。むしろ、「市民団体から立候補を勧められているという噂」に乗じてセルフプロモーションの場として都知事選を利用しているのだと思いました。
タレントさんは政治や宗教の話しはタブーとされているので、あまり政治や政策の批判は表だってしません。しかし、「都知事選に出るのでは?という噂」に対して会見するのであれば、言うこともできるでしょう。国会前でメガホンを持って主張したような過激な姿ではなく、記者からの質問に答える形で改めて政治へのスタンスなどを話すことができます。
このときの会見では、「そんな有り難い声(市民団体からの推薦)はあるけれど、現状では立候補など考えられない。仮に野党統一候補として推してくれるのならば考えなくもない(ニヤリ)」程度の冗談交じりの言い方をして、野党の結束を訴えたのだろう、と思っていました。
タレントさんはテレビやCM、イベントの出演が主な仕事です。出馬の意思表示をしたら事前運動に当たる行動は制限され(公選法違反に なる)ます。テレビ局なども、候補者に平等な扱いをしないとならないので、出演依頼を見合わせることになります。それを前提で、明確な出馬の意思表示はしない会見をしたと思っていました。
 

計算されたマーケティングに、メディアが乗せられている(むしろ乗った?)と考えました。

しかし、その週末に各局のニュースに流れる会見を見ると、明確な出馬宣言ではないものの、「野党統一候補であるならば、ぜひ、出させていただきたい」と出馬に前向きな発言をしていました。しかもかなりまじめな表情で。こういうところは切り取られたニュースや新聞の文字からでは伝わってきません。

そして、2度目の都知事選不出馬会見をニュースで見てさらに驚きました。
野党統一候補の声など掛かるはずもなく、不出馬の会見。すっかり落ち込んだ様子で。本気で知事を目指そうという気があったのだと。

最初の会見をもう少し戦略的に組み立てていれば……
不出馬の会見も(心の中ではどうであれ)笑顔で「ほらね、どこも僕のことを推薦なんてするわけないでしょう、ワッハッハ」で終われたでしょうに。更に言えば、「きっと密かに、僕に変わる統一候補の擁立準備が進んでいるんだと思いますよ」と付け加えれば完璧でした。

8日に会見したときはやるな~と思ったんだけど、僕の考えすぎでした。

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2016年7月22日金曜日

「G20子どもの豊かさランキング2016」 日本3位の違和感

本日、国際NGOセーブ・ザ・チルドレンが、「G20諸国の子どもの生活実態に関する比較調査の報告書」を発表しました。G20に国として参加している19 ヶ国の子どもの豊かさを、8つの分野ごとに比較し、総合的に評価する「G20 子どもの豊かさランキグ(Child Prosperity Index)」です。日本は総合3位という結果となっています。


評価指標は、
1)保健(出生時の平均余命、子どもの死亡率、子どもの肥満率)
2)教育(就学年数、OECD学習到達度調査(PISA))
3)所得(国民一人あたりのGDP、所得分配の不平等度(ジニ係数))
4)安全(人口10万人あたりの殺人発生件数、人口10万人あたりの交通事故死者数)
5)雇用(若者の失業率、世界奴隷指数)
6)ジェンダー平等(UNDPジェンダー不平等指数)
7)インフラ(電力供給の安定性、安全な飲み水と衛生施設の利用)
8)環境(自然保護区の割合、大気汚染、国民一人あたりのCO2排出量)
の8項目ですが、子どもの豊かさというよりも、子どもをとりまく・育てる環境整備についての評価とも言えます。
ニュースリリースによりますと、8つの指標のうち保健の分野で1位、雇用の分野で2位、安全の分野で3位という結果。一方、環境の分野では自然保護区の割合が低いことや、国民一人あたりのCO2排出量が比較的多いことから平均以下の11位、所得については8位、ジェンダー平等は7位とふるいませんでした。

OECD資料より、みずほ総合研究所作成 「日本の格差に関する現状」2015.8.28 より 
所得についてはジニ係数が高いことが以前より指摘されていましたし、ジェンダーの平等に関しても言わずもがなの状況です。しかし、国民一人当たりのCO2 排出量が比較的多いというのは、意外かもしれません。既にヨーロッパ諸国では自然エネルギーによる発電が主流になりつつあり、原発問題に振り回されて自然 エネルギー利用に舵を切りきれない日本は、いつの間にか先進国の中では遅れを取ってしまいました。 


子どもの貧困率とのギャップ


日本の子どもの貧困率は6人に一人。OECD加盟国の中では下から10番目に悪い状況です。この貧困率と今回の子どもの豊かさランキングとのギャップはなんでしょう。一方は貧困、一方は豊かさ。子どもの貧困で下から10位、ジニ係数でも下から9位なのに、豊かさでは上から3位。
相対的貧困率の国際比較2010 内閣府発表資料より
現実には、子育てを担う若い家族の雇用・就業問題が影を落としています。バブル崩壊後に社会に出た現役の子育て世代は、正規雇用率が低く、所得は横ばいのままです。特に、一人親世帯の貧困率は50%を超えています。
国としては安全で義務教育や国民皆保険など制度としては整備されています。しかし、その整備された制度も、そろそろ財源不足からほころびが見え始めました。富の再配分としての税金のあり方と使い道について、根本的に見直す必要がありそうです。
まるで過去に向かってお金をばらまくような税金の使い方は、もう終わりにしなければなりません。

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2016年7月6日水曜日

東京都知事選 14歳以下の子を持つ有権者数約200万人は、舛添氏の得票数に匹敵

舛添さんの辞任に伴い、来週告示となる東京都知事選。
既に立候補を表明した小池元防衛大臣他、数名が名乗りを上げていますが、主要政党はどの党も候補者を絞り込めずにいます。
過去2回の都知事選は、東京オリンピックへ向けた対応が主な争点でした。しかし、そうして選ばれた2人の知事が相次いで辞任に追い込まれ、東京オリンピック自体でも国立競技場やロゴマークなど次々と問題が浮上してきます。このまま次の知事選も、オリンピックの対応が各候補の主要な公約に登場するのでしょうか?

保育園問題は参院選よりも、より切迫


東京都の予算規模は特別会計や公営企業会計まで含めると約14兆円。オーストラリアやスウェーデンなどの国家予算に匹敵する財政規模です。今回の選挙ではこの巨額の予算の使い道が問われるといっても良いでしょう。参院選でも、子育て支援策が争点になる一方、財源が問題になります。しかし、東京都の待機児童問題は待ったなしです(実際の保育所設置は各区市町村が当事者となりますが)。

平成28年1月1日時点の住民基本台帳ベースでは、東京都の人口は12,966,307人。うち、14歳以下の子どもは1,535,808人。一方、65歳以上の高齢者は2,978,895人です。
前回の2014年都知事選では、 有権者約1069万に対して投票率は46.14%、投票数は493万人でした。舛添前知事は、得票率43.4%、得票数約211万票で当選しています。しかし、その前の2012年選挙では投票率は62.6%あり、猪瀬さんは得票率65.27%で約434万票で当選でした。
2012年は石原都政継承(オリンピック推進派)と反対派の争いで投票率も伸びたものの、東京オリンピック決定後の後継選挙では大した争点もなく、投票率は伸びなかったのでしょう。
不破雷蔵氏のガベ-ジニュースより 
http://www.garbagenews.net/archives/2173255.html

ネットで都知事選のことをあれこれ調べていたら、不破雷蔵さんのガベージニュースにこんなグラフを見つけました。
2012年と2014年の都知事選での世代別投票率の推移です。これで見ると、子育て世代である30代の減少率は他の年代よりも低いことがわかります。それだけ政治に関心が高いのです。深刻なのです。

150万人の子どもがいると、ほぼ200万人ほどの父母・養育者がいることになります。約300万人の高齢者に対して、約200万人の子育て当事者。
東京都の女性の有業率は50%で、都道府県別で見ると下から8番目の低さです。「保育園落ちた、日本死ね!!!」ではないですが、働きたくても働けない多くの女性(加えてその家族)が不満を抱えていることでしょう。
だから、他の年代よりも政治に関心を持ち、1票を大事にしようと思っているはずです。【こそだて】アンケートでは、子育て世代の86%は参院選の投票に行くと回答しています。都知事選でももし実際に同様の投票行動を取れば、170万人以上が投票することになります(実際には、未就学児の家庭と中学生の家庭ではまた背景も投票行動パターンも違うでしょうが)。

いずれにしても、約200万人の子育て当事者の多くは、次期都知事候補がどのような公約を掲げて立候補するか、固唾を呑んで見守っているはずです。



2016年6月23日木曜日

子育て中の有権者と高校生が立ち上がる!?

参院選が公示され、いよいよ日本中が選挙モードに突入しました。加えて、東京都では都知事選も続きます。そして今回は、東京都知事選と都市部の選挙区では間違いなく子育て支援と少子化対策が選挙の争点になるはずです。

【こそだて】、mikuではこれまでも衆院選の投票行動などを尋ねてきました。当然、回答者はほぼ子育て中です(回答者数などはリンクのリリースでご確認ください)。
民主党から自民党に政権交代をすることになった2012年の衆院選は、回答者の76.5%の人が投票していました。
東日本大震災や円高を背景にデフレが進行していた時期でしたから、最も重要な政策課題は景気回復を上げる人が半数近く。その一方で、少子化対策や社会保障制度改革を重要課題としてあげる人は少数でした。
しかし、2012年の選挙で与党が安定多数を確保し、アベノミクスで景気が上向いて来たと実感できた2014年の衆議院選挙では、投票したと答えたのは63.3%。実に12.2ポイントも下落しました。ところが、投票行動は下がったものの、一番重要な政策課題に少子化対策、社会保障制度改革を上げる人を合わせると半数を超えています。投票行動と、課題と考える政策との関連をクロスで集計していなかったので残念ながらそのデータはありませんが、少子化対策や社会保障制度改革を求める有権者は、投票に行っていたのではないでしょうか。

2014年衆院選後のアンケート結果
●昨年の衆議院総選挙の投票には行きましたか?   (2012年選挙)
1位 投票日に行った…………………………………50.4% (60.9%)
2位 行かなかった……………………………………25.5% (16.5%)
3位 期日前投票に行った……………………………12.9% (15.6%)
4位 行けなかった(病床など)……………………… 11.3% ( 7.0%)

●今一番重要な政策課題だと思うのはどれですか?  (2012年選挙)
1位 少子化対策………………………………………32.3% (14.6%)
2位 社会保障制度改革………………………………28.6% (10.9%)
3位 経済政策…………………………………………21.8% (48.8%)
4位 大震災復興と防災……………………………… 11.5% (15.2%)
5位 外交と国防…………………………………………3.4% ( 7.5%)
6位 憲法改正…………………………………………  1.0% ( 0.6%)
   その他……………………………………………  1.0% ( 2.4%)

「子ども子育て新制度」の理解は3割止まり、安倍内閣に求める一番重要な政策課題は「少子化対策」-【こそだて】アンケート


86.2%が参院選の投票に行く


今年の1月~2月にかけて、次の国政選挙で投票に行くかを尋ねました(衆参同一選挙の可能性があったので、参院選という聞き方をしていません)。その結果は以下の通り、「必ず行く」「期日前投票で投票する」を足すと86.2%が投票に行くと答えています。


●今年予定されている国政選挙の投票には行きますか?
1位 必ず行く……………………………………………… 63.9%
2位 期日前投票で投票する……………………………… 22.3%
3位 行かない……………………………………………… 11.7%
4位 行けない(病床など)……………………………………2.1%

「子ども子育て新制度」の理解は3割止まり、安倍内閣に求める一番重要な政策課題は「少子化対策」-【こそだて】アンケート

加えて、今回から18歳、19歳の未成年者にも選挙権が与えられました。特にまだ高校に在学中の18歳は意識も高いでしょうし、クラスメートの間でも(良くも悪くも)話題になっているはずです。
これまでは大人が勝手に決めていた事に、投票という行為で意思表示ができるようになったのですから、投票率はきっと高くなると期待しています。友人同士でイベント的に投票に行くかもしれません。LINEやインスタグラムで自慢しあうかもしれません。

参院選の当落も気になりますが、今回は年齢別の帳票率に注目です。


本日、こちらもリリースしました。

認可保育園に落ちたら!?-復職をあきらめる8.9%、別な仕事を探す16.6%、仕事復帰を先延ばしする28%-育児情報誌miku読者アンケート

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2016年6月16日木曜日

舛添氏の会見は、言葉の順番を変えていれば結果は違っていたかも

とうとう舛添氏が知事辞職を申し出ました。
ここまで頑なに辞職勧告を拒否していたので、不信任決議を受けたら都議会解散に打って出、リオデジャネイロオリンピックで「フラッグハンドオーバー・セレモニー」に出るつもりかと思っていましたが、さすがに最後は良識有る行動に出ました。

そもそも、舛添氏は何を問われていたのでしょう?事の始まりは、「海外出張の高額(不相応に贅沢)な旅費」と週刊文春の「公用車で湯河原の別荘へ」が問題提起された事でした。
それがいつの間にか問題は都知事になる前の国会議員時代のお金の使い方に移っていきました。都議会で都知事の打ち出す政策や行動、経費の使い方について問いただすのは理解できますが、知事に就任する以前のお金の使い方についてまで追求され始めました。知事の執政をチェックするのではなく、いつの間にか辞任に追い込むための都議会になってしまっています。なんだかマスメディアに踊らされて、都議会が桝添さんを辞任に追い込んだように見えてしましました。

都議会は都政における舛添知事の行動や施政能力について責めるのならわかりますが、過去のせこいお金の使い方をもって知事に不的確として、各会派が不信任決議案を提出しようとしたのです。法的には問題ないといいながら、どうしてこんな事になってしまったのでしょう?

論破しようとする姿勢が反感を

フジテレビ「痛快TV スカッとジャパン」より (C)フジテレビ

マスメディアが舛添氏の知事としての過去の発言を取り上げるときには(都民・都政のためにこれを改善したということはなく)リオで旗を受け取ることばかりを強調していました。これでは都民のために何かはっきりした実績があればまだしも、実の無い目立つ言動の無駄遣いばかりしている印象です。都庁には多くのクレームの電話やメールが届いたと言います。都民からの声に応える形で都議会での追及も始まることになります。

そして、舛添氏は第三者による調査結果の公表も含めて数度の釈明会見を行いました。
しかし、この会見の度に都民(国民)の反感を買っていきます。
会見では、一貫して釈明(言い訳)の後に「ルールに従っている」、「規定の範囲内」、「違法性はない」と結論づけようとします。第三者による調査とする結果でも、「一部不適切」ではあるものの 「違法性なし」と強調しました。これが、有罪無罪を争う裁判の法廷であれば良いのでしょうが、会見のテレビカメラを通して見ている都民(国民)には不快にしか映りません。
フジテレビ 「痛快TV スカッとジャパン」のイヤミ課長から
【はい、論破】
と言われているような不快感を覚えていたはずです。

言葉の順番をいれかえるだけで結末も変わった


「○○○」、しかし「■■■」という文章構成は、文の後ろが強調されます。最初に謝罪したとしても、後で「しかし~」と続けば、後半の言い訳が強く印象づけられます。
「ルールに従っている」とか「違法性はない」という決め台詞を最初に言ってから釈明を始めれば、流れも変わっていたはずです。公用車の使い方や海外出張の旅費についても、
「ルールに従っている」・「規定の範囲内」ではあるけれど、都民感覚から外れていました、申し訳ございません。これからは改めます。
と素直に言えたのではないでしょうか。
最初の会見から論破する姿勢で臨まずに、順番を入れ替えていれば、ひょっとしたら当初のシナリオ通りに知事の座にとどまれたかもしれない(無駄な選挙を回避できた)のでは、と残念です。

※ 舛添氏の政治資金活用法などを正当化・擁護するものではありません。
  不祥事発覚時の記者会見・対応の仕方で結果が変わる可能性についての考察です。

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2016年5月24日火曜日

平成27年の出生率1.46に上昇。都道府県別に各種データを並べてみると

昨日、厚生労働省から「平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況」が公表されました。結果概要では、要約の最初に出生数について記述があります。


出生数は増加

出生数は 100 5656 人で、前年の 100 3539 人より 2117 人増加し、出生率(人口千対)は8.0 で前年と同率となっている。出生数を母の年齢(5歳階級)別にみると、29 歳以下の各階級では前年より減少しているが、 30 歳以上の各階級では前年より増加している。 
また、出生順位別にみると、第1子では前年より増加しているが、第2子及び第 3 子以上で は前年より減少している。 

日本の戦後の出生率は第2次ベビーブーム以降下がり続け、平成17年に1.26まで下げました。その後回復基調となり、昨年は1.46に上昇し、1994年の1.50以来の水準とのことです。しかし、出生数を見ると、平成17年以降も減り続けていました。そして昨年やっと出生数も増加に転じ、一昨年(平成26年)の 100 3539 人を上まわりました。
実は一昨年の人口動態速報(推計値)が発表されたときに、出生数100万人割れは間近かと思っていました。

出生数100万人割れ目前!場当たり的な「子育て支援」ではなく、「子どもと家族」を大切にする社会への取組を

しかし、昨年は景気の回復基調と様々な取組が功を奏して出生数が増加に転じ、100万人割れはすんでのところで回避することができたのです。

都道府県別に見ていくと問題点は明確 



公開された平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況」から出生に関するデータを抜き出し、平成27年の都道府県別の各種データを集めて並べてみました。
表は左からそれぞれ都道府県の
・出生数
・待機児童数
・待機児童数/出生数(%)
・合計特殊出生率(平成27年、26年)
・平均初婚年齢
です。
平均より高い(あるいは低い)所を色分けしています。
色が濃いほど平均から離れた事を表します。
待機児童数を出生数で割ったのは、相対的な比率を見る目安として計算してみたものです。本来、0歳児~5歳児まで年齢別に定員も別ですし、同じ都道府県内でも住んでいる市区町村が違えば状況は変わりますので、あくまでも参考値として計算してみました。

相対的な傾向としては、
・首都圏・関西圏での晩婚化
・首都圏・関西圏・北海道並びに一部東北の低い出生率
・都市部と沖縄県の高い待機児童比率

都市圏に悪い数字が集まっていますが、際立っているのは東京都の数値で、人口も経済もあらゆる物が集中している歪みが表れています。大都市圏でも対照的なのは愛知県などの東海圏で、こちらは平穏な数値です。
東京都は5年で保育収容定員を5万人増やしたのに、待機児童が減らないのは?
でも指摘していますが、東京都は5年で5万人も保育所の収容定員を増やしているのに待機児童が減りません。出生数が増えているだけではなく、働く(働かざるを得ない・働きたい)母親が増えているからです。少し景気が良くなりかけた所で出産に前向きになったは良いけれど、働きながら子育てしようと思っていた目論見が外れてしまった状況です。

沖縄県の待機児童数・率が高いのも、働く女性が増えているからでしょうか?ここ10年ほどは、年間の出生数は1万6千~7千人台で大きな変化はありません。いずれにしても、入所希望に対して保育所の手当が全く遅れている事は明かですが、保育所に入れないから出産を躊躇うという方向には行っていないことが救いです。

晩婚化・晩産化は人口減少のスピードを速めます
人口と仕事が集中している首都圏・関西圏で、働きながら子育てできる環境を整え、晩婚化・晩産化をくい止めることが重要です。


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2016年4月19日火曜日

避難所の登録サイトを、国か県が早急に立ち上げを

報道では熊本地震の状況を刻々と伝えています。14日の地震発生からすでに5日目となり、被災地のへの支援物資も全国から続々と運ばれているようです。
しかし、避難所まで十分な支援物資が届いていないだけでなく、病院や介護老人施設、公園や学校など指定避難場所じゃないところに支援物資は支給されていません。そのような指定以外の所に多くの人が非難しているのも現実です。そこはSNSで個別に救援を呼びかけたりしています。
一方、県の集積所には大量の支援物資が集まっているのに、その物資を振り分けることができないと言っています。その理由は道路の寸断や人やトラックの不足とともに、情報不足。どこにどれだけの人が非難しているかが掴めないというのです。

すぐに登録サイトの立ち上げを


今、指定避難所以外は、場所も人数も把握できていません。すぐに県か国レベルで、スマホベースの避難所の登録サイトを立ち上げるべきです。

・避難所の住所(だいたいの場所)
・避難所のリーダー(あるいは登録者)の名前
・非難している人の数
・不足している物

を登録できて一覧にするサイトくらいはあっという間に立ち上げられます。
スマホのサイトなら、避難所ですぐに登録可能でしょう。

サイトの立ち上げだけなら、民間でも個人のIT技術者でも簡単にできます。しかし、そこで集約された情報を活用して現場に指示をする(支援物資をどこにどれだけ振り分けるか)ことはできません。
災害対策本部で活用される情報としなければ意味がありません。
国あるいは県レベルですぐに立ち上げてください。
現実には県にその余裕は無いでしょうから、首相官邸主導ですぐ実行に移して欲しいものです。

2016年4月15日金曜日

東京都は5年で保育収容定員を5万人増やしたのに、待機児童が減らないのは?

今年になってにわかに注目を集める、保育園と待機児童問題。
一部のメディアやネットでは、実態の数字が提示されることなく話題性とイメージ先行で盛り上がってしまっています。そんなタイミングで、HOME'Sさんが東京23区を偏差値で比較し、「子育てしやすい街ランキング」を発表しました。このような記事をと思っていたら先を越されてしまいました。ただ、偏差値による比較で解り辛いので、ここでは東京都全体を俯瞰して、人口動態・女性の有職率などのデータと重ねながら課題を確認してみたいと思います。

施設・定員数ともに5年で約25%増加


東京都はこの5年で認可保育所は444施設、定員は43,167人も増やしています。また、東京都独自の取組として、認可保育所に準じる認証保育所の設置を進めています。認証保育所も5年で191施設、定員で6605人増加しています。合計すると、5年で約5万人も収容人数が増えています
東京都発表 保育サービス利用児童数の状況より
一方、東京都の出生数はどのくらい増えているかと見てみると、2011・12年が東日本大震災・福島第一原発事故の影響で落ち込んでいますが、これ以外ではだいたい一貫して右肩上がりに増えています。しかし、この5年で増えた年間出生数はせいぜい3,000人といったところです。
この5年で出生数の増加は3,000人程度なのに対し、保育所の収容人数は5万人も増えています。一方、この間の待機児童数はだいたい8000人前後で、それほど大きく変わっていません。内訳では、待機児童の約半数は1歳児。育休がとりやすくなり、育休明けに職場復帰を考えていた人が多いのでしょうか、保育希望数と受け入れ側のギャップ生じています。

東京都発表 保育所等利用待機児童の状況より
待機児童の数え方は区市町村ごとに基準が違っているので(多くはカウントしないいわゆる隠れ待機児童、世田谷区は隠れ待機児童もカウントしているので、飛び抜けて多く見える)、実際にはこの数倍とも言われています。
出生数の増加スピードを遥かに超える勢いで保育所を整備しているのに待機児童が減っていないのは、子どもの数が急に増えたのではなく、働く(働かざるをえない)母親がこれまでにない勢いで現れたことになります。

働く母親が急増


東京都の未就学児の数はおおよそ60万人。東京都の女性(15歳~64歳)の有業率は、2001年の49.9%から2013年は52.2%に上昇しています。 2012年の25歳~44歳の育児中の女性(子どもが未就学)の有業率は50%でした。近年、M字カーブの谷が浅くなっています。

総務省統計局ホームページより












総務省統計局ホームページより
東京都のデータではありませんが、 「妻の年齢階級別有業率(夫婦と子供のいる世帯)」の2007年と2012年の変化を見ると、6%前後有業率が上がっています。仮に東京都でも2010年から2015年で同様に6%有業率が上昇しているとすると、60万人の子どもの6%、3万6千人が保育所への新たな入所希望者ということになります。しかし、この5年間で5万人分保育収容人数を増やしているので、本来なら十分に足りるはずなのですが、それでも足りていません。待機児童数まで加えると約6万人以上の保育所入園希望が増えた事になりまので、有業率が10%以上上がっています。もともと東京都は女性の有業率が低かったので、それだけ男性だけの収入では子育てが厳しい状況になってきたことの現れともいえるでしょう。

ユニセフの「イノチェンティ レポートカード 13」が示唆するのは


ユニセフが4月14日に発表した『イノチェンティ レポートカード13  子どもたちのための公平性:先進諸国における子どもたちの幸福度の格差に関する順位表』では、日本は所得格差で41カ国中下から8位(格差が大きい)という結果です。高齢者の年金を支えるはずの若い世代の職業が安定しない、所得が低いことによって、様々な歪みが現れているのかもしれません。

待機児童問題の裏には、もっと本質的な問題が隠れていることに目を向けなければなりません。

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