既に立候補を表明した小池元防衛大臣他、数名が名乗りを上げていますが、主要政党はどの党も候補者を絞り込めずにいます。
過去2回の都知事選は、東京オリンピックへ向けた対応が主な争点でした。しかし、そうして選ばれた2人の知事が相次いで辞任に追い込まれ、東京オリンピック自体でも国立競技場やロゴマークなど次々と問題が浮上してきます。このまま次の知事選も、オリンピックの対応が各候補の主要な公約に登場するのでしょうか?
保育園問題は参院選よりも、より切迫
東京都の予算規模は特別会計や公営企業会計まで含めると約14兆円。オーストラリアやスウェーデンなどの国家予算に匹敵する財政規模です。今回の選挙ではこの巨額の予算の使い道が問われるといっても良いでしょう。参院選でも、子育て支援策が争点になる一方、財源が問題になります。しかし、東京都の待機児童問題は待ったなしです(実際の保育所設置は各区市町村が当事者となりますが)。
平成28年1月1日時点の住民基本台帳ベースでは、東京都の人口は12,966,307人。うち、14歳以下の子どもは1,535,808人。一方、65歳以上の高齢者は2,978,895人です。
前回の2014年都知事選では、 有権者約1069万に対して投票率は46.14%、投票数は493万人でした。舛添前知事は、得票率43.4%、得票数約211万票で当選しています。しかし、その前の2012年選挙では投票率は62.6%あり、猪瀬さんは得票率65.27%で約434万票で当選でした。
2012年は石原都政継承(オリンピック推進派)と反対派の争いで投票率も伸びたものの、東京オリンピック決定後の後継選挙では大した争点もなく、投票率は伸びなかったのでしょう。
不破雷蔵氏のガベ-ジニュースより http://www.garbagenews.net/archives/2173255.html |
ネットで都知事選のことをあれこれ調べていたら、不破雷蔵さんのガベージニュースにこんなグラフを見つけました。
2012年と2014年の都知事選での世代別投票率の推移です。これで見ると、子育て世代である30代の減少率は他の年代よりも低いことがわかります。それだけ政治に関心が高いのです。深刻なのです。
150万人の子どもがいると、ほぼ200万人ほどの父母・養育者がいることになります。約300万人の高齢者に対して、約200万人の子育て当事者。
東京都の女性の有業率は50%で、都道府県別で見ると下から8番目の低さです。「保育園落ちた、日本死ね!!!」ではないですが、働きたくても働けない多くの女性(加えてその家族)が不満を抱えていることでしょう。
だから、他の年代よりも政治に関心を持ち、1票を大事にしようと思っているはずです。【こそだて】アンケートでは、子育て世代の86%は参院選の投票に行くと回答しています。都知事選でももし実際に同様の投票行動を取れば、170万人以上が投票することになります(実際には、未就学児の家庭と中学生の家庭ではまた背景も投票行動パターンも違うでしょうが)。
いずれにしても、約200万人の子育て当事者の多くは、次期都知事候補がどのような公約を掲げて立候補するか、固唾を呑んで見守っているはずです。