2019年6月16日日曜日

老後2000万円問題を自分事として考えるときの参考に

先週、金融庁が公表した金融審議会 市場ワーキング・グループの「高齢社会における資産形成・管理」報告書が物議を醸しています。メディアで大きく取り上げられ、麻生財務大臣が報告書を受け取る受け取らないとか、野党は選挙に向けた争点にしようと追求をするなど、騒動は治まりそうにありません。
件の報告書は、金融庁のサイトからダウンロードできます(上のリンクからもダウンロード可)が、金融審議会の報告書の公表は今回が初めてではありません。2016年には「国民の安定的な資産形成に向けた取組みと市場・取引所を巡る制度整備について」という報告書を公表していて、こちらもダウンロード可能です。

これらの報告書は、金融庁のワーキンググループの報告書です。公的年金は厚生労働省から委託された日本年金機構が業務運営を行い、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用していますから、いわば第三者の別な視点からの報告書です。ある意味、客観的に正しい指摘をしてくれているわけです。

それでは、この報告書を受けて、私たちはどうすれば良いのでしょうか?私の場合は年齢的にすでにできることは限られていますが、これから公的年金は先細りすることが確実な30代~40代、あるいは私たちの子どもの世代はまだ時間もあります。報告書にあるように、老後に備えて自分で何か手を打たなければなりません。
節約ライフプランの「家計診断 年金・老後」画面の一部

その参考になるのが、NTTイフが運営しているサイト「節約ライフプラン」です。
実は、このサイトのコンテンツの多くをブライト・ウェイが提供しています。 老後の備えに関しては「家計診断 年金・老後」が参考になります。
相談者からの具体的な相談に対して、ファイナンシャルプランナーがキャッシュフロー表やグラフを示しながら、具体的にアドバイスをしています。iDecoやNISAに対する質問もあり、金融商品や投資に関するアドバイスも多くあります。相談者の家族構成や所得、相談の背景などバリエーションも多く、これらのケースの中に自分と重なるパターンも見つかるのではないでしょうか?

参考にしていただければ幸いです。





2019年6月10日月曜日

田口被告の突然の土下座ー世間の反応から学ぶ、謝罪でやってはいけないこと

東京都内の自宅で、乾燥大麻を所持していた罪に問われているKAT-TUN元メンバー・田口淳之介被告。先週7日、300万円の保釈金を支払い、勾留されていた警視庁東京湾岸署から保釈されました。
そのときの様子をテレビ各局のニュースで伝えていましたが、いきなりの土下座に驚いた人も多いことでしょう(上の動画はTHE PAGEより)。

田口淳之介被告は、我が家ではKAT-TUNの元メンバーというよりも、堺雅人主演のドラマ「リーガル・ハイ」の加賀蘭丸として親しまれていました。田口被告が逮捕された一報が流れた際にも、息子が「蘭丸が逮捕された!」と家族のLINEグループに送ってきたくらいです。2016年にKATーTUNを脱退し、ジャニーズ事務所も退社してからはテレビでも見なくなりました。それだけに、蘭丸の印象が強く残っています。
「リーガル・ハイ」の中での加賀蘭丸の存在は、「忍び」のような存在。変装したり誰かになりすましたりしながら情報を集め、堺雅人演じる小御門弁護士をアシストします。実は、「リーガル・ハイ」の脚本を担当したのは古沢良太さんで、昨年の人気ドラマ「コンフィデンスマンJP」、現在ヒット中の映画「コンフィデンスマンJPーロマンス編」も手がけています。コンフィデンスマンJPの各登場人物は、私には加賀蘭丸の派生・発展の様にも見えます。

土下座を止めることはできなかったのか?


話が横道にそれてしまいましたが、 爽やかなイメージで売っていた若者が大麻所持で逮捕され、出てくれば土下座をして謝罪という、なんともギャップの大きな後味の悪い保釈劇。所属事務所は、実質的には自身の個人事務所で組織だった活動実態は無さそうですから、今回の逮捕後も事務所のサポートも無いでしょう。親族以外で唯一アドバイスできたとしたら弁護士さんでしょうか。しかし、さすがに弁護士さんが土下座をして謝罪しなさいとアドバイスをしたとは考えられません。

Wikipediaでも、
現在では土下座自体に謝罪というよりも「なりふり構わぬ自己保身の手段」というネガティブなイメージを抱く人が多くなった一面があり、土下座の使い方や使いどころ次第でかえって世間の反感や冷笑を買ってしまい、逆効果になってしまうケースも見られる様になっている。 
との記述があります。 ネット上の反応などを見ると、今回はまさにこのケースに当てはまったようです。

カメラの前での土下座は「パフォーマンス」


過去に土下座をした謝罪で思い出すのが、焼肉酒家えびすの勘坂社長です。和牛ユッケから腸管出血性大腸菌O-111による集団食中毒を引き起こし5名の死者と多数の食中毒被害者を出した事件です。当初は非を認めず強気の会見を行いましたが、数日後に報道陣の前で土下座して謝罪し、パフォーマンスだと非難されました。2011年の事でさんざん話題になった事ですから、田口被告も知らないということはないでしょう。

バラエティ番組やギャグでなくとも、テレビや報道カメラの前で行う土下座は謝意が本物かどうかに関わらず「パフォーマンス」にしか見られないのが今の現実です。謝罪に際しては、謝意を表す・伝えることは重要ですが、そこに余計なパフォーマンスは要らないのです。しらけたり不快に感じさせたりしてしまうことになります。
田口被告も今後、芸能界に復帰を希望するしないにかかわらず、「土下座をした人」として記憶され、 芸能界復帰どころか何をするにも自身を苦しめることでしょう。今頃、どうして土下座をしたんだろう、と後悔しているかもしれません。それとも、他人にはわからないもっと深い考え(カメラの向こうにいる特定の人に向かってのメッセージなど)があったのでしょうか?

何にしても、要らない土下座であったことは間違いありません。

過去にこの場でも何度も書いていますが、不祥事や不測の危機に際して当事者となると、その対応あるいは会見に際しては第三者のアドバイス無しで乗り切るのは極めて困難です。躊躇せず第三者に客観的なアドバイスを求めてください。

2019年6月6日木曜日

育休直後にパタハラで退職→ネットで炎上のカネカの対応について


今週、パピ_育休5月復帰さんの書き込みをきっかけに、Twitter始めネットでパタハラが大きな話題となっています。そもそものきっかけは、4月23日のこの投稿でした。
パピ_育休5月復帰さんのTwitter投稿より
 この投稿に多くのアドバイスや励ましのコメント、更には 1,100を超えるRTが付き、その後の労組や連合、労働局との相談結果などもつぶさにtweetをしています。そして、4月26日に
ちなみに夫は日系大手メーカー勤務。連結1万人くらいの規模、本社で2人目の男性育休取得者で、取得前人事からは、社会の流れから男性育休の事例作らなきゃいけないんです、的な事言われてた。取ってみたら明けて2日で地方に単身赴任命令。時代に逆行してるのか、まだまだ本質がそこにあるのか。
とtweet(赤字は筆者が強調)し、どこの会社なのかに注目が集まるようになりました。結局ご主人は5月31日付で退職し、6月1日に
改めて決意
夫日系一部上場企業で育休とったら明けて2日で関西に転勤内示、私の復職まで2週間、2歳と0歳は4月に転園入園できたばかり、新居に引越して10日後のこと。 いろいろかけ合い、有給も取らせてもらえず、結局昨日で退職、夫は今日から専業主夫になりました。
私産後4か月で家族4人を支えます
とtweet。さらにその後のtweetに、「#カガクでネガイをカナエル会社」とハッシュタグを付けたことで、その会社がカネカだということが判明したのです。 
Twitterを 端緒とするネットでの炎上については、
 
 会社から『男性育休の事例を作らないといけない』と言われ1ヶ月の育休を取得した夫が職場復帰したらパタハラに遭ってしまった話(togetter)
などの複数のサイトにまとめてあります。

 

ネットからリアルビジネス誌へ

 

テレビでも知花くららさんを起用し、企業CMを多く流している知名度の高い一部上場企業のカネカであったことから、リアルなビジネス誌からも注目を集めます。日経ビジネス電子版は直ぐに当事者を直撃取材し、

「育休復帰、即転勤」で炎上、カネカ元社員と妻を直撃
を6月3日にアップしています。
すると今度は、角倉護社長から社員宛てにメールが配信されたことがわかり、
カネカ続報、「即転勤」認める社長メールを入手
と続報を流します。
さらに、 今日6月6日に
カネカが初めてコメント「弁護士を入れて調査している」
とする記事をアップするや、カネカのWEBサイトのTOPページには、「当社元社員ご家族によるSNSへの書き込みについて」とする公式コメントが掲載されました。
日経ビジネスの記事の公開後にカネカのサイトが更新されたということで、記事の2P目に追記として全文が紹介されています。

Googleトレンドに見るカネカへの関心度


 4月23日のパピ_育休5月復帰さんの最初のtweetから、カネカが公式に行動を起こす今日までの流れをざっと振り返ってみました。
この1ヶ月半の間、カネカは何をしていたのでしょうか?何をすべきだったのでしょうか?

パピ_育休5月復帰さんのtweetを遡ってみると、既に4月23日には上司にも人事にも相談しています。その後、労組や連合、労働局にまで相談していることもわかります。しかし、この段階では一従業員と会社との間でのやりとりなので、表に出ることはありません。ところが、退職し雇用関係が無くなった途端に恩も義理もないので→ #カガクでネガイをカナエル会社」とtweetです。
パピ_育休5月復帰さんのTwitterアカウント取得は2015年で、遡るとアフリカと日本の遠距離恋愛の後結婚、ご主人は海外での単身赴任が長かったことなどもわかります。4月以前のtweetはほとんどお子さんとの日常のことで、ご主人の帰国を心待ちにする様子以外には会社への不満などはほとんど見られません。それなのにこのような事になったのは、4月の転勤内示以降のコミュニケーションに問題があったと言わざるを得ません。

カネカは、このネットでの騒ぎをいつ知ったのでしょうか? 知ることができたでしょうか?

 これだけ大きな企業となれば、広報や総務では自社に関するネット上での書き込みや話題については常にチェックしているはずです。リアルタイムでなくてもGoogleやTwitter、FacebookなどのSNSのツールを使えばある程度は把握できます。社内で対応できなくてもアウトソースで監視してくれる企業はたくさんあります。
Googleトレンドの急上昇ワードを確認すると、社名が判明した直後から検索が増え、6月2日の検索急上昇ワードの3位にランクイン、10万+となっています。Googleトレンドの最初の変化は6月1日の23時頃です。その後深夜にかけて一度山は低くなり、6月2日の夜明けと共に一気に検索が増えていきます。
日経ビジネス、6月3日の最初の記事では カネカIR・広報部は取材に対して、「ツイッターでの一連の議論は承知している」と答えていることから、2日の時点では把握している事がうかがえます。

早い段階で把握し、経営TOPにまで情報は上がっています。その証拠に3日には社長名で社員にメールが配信されているのですが、不用意すぎます。社長名で出す必要があったのでしょうか?社長名で誰(一部の幹部?社員全員?)宛てのメールだったのでしょうか?こういうメールはどこで漏れるか分からない(現に漏れています)ものですし、年月が経ってから見つかっても問題となることがありますから、細心の注意が必要です。

パピ_育休5月復帰さん本人のTwitterアカウントから読み取れる情報、まとめサイトや他のサイトで話題にされている内容はすぐに集める事が可能です。カネカがどのような企業だと見られ批判の的になっているかはわかっているはずです。その上でサイト上に公表した公式見解。ここから読み取れるのは、カネカは法的に間違ったことはしていないので問題ない、一般生活者がどう思おうと経営には支障が無いのでこのまま押し切る、という姿勢を明確にしたと見ることができます。

かつてこのスタンスで対応したB2C企業であるベネッセやマクドナルドは批判を浴び、業績を落としました。B2B企業であるカネカはそこは意に介さないのでしょう。しかし、この突き放した対応がカネカの企業姿勢だと捉えられると、他の事例や不祥事の内部告発などが週刊誌やネットに相次ぐ心配もあります。
昨日、自民党で「男性育休義務化議連」が発足しました。「パタハラ」への罰則規定も検討するということですが、今回のカネカの事例についての見解も聞いてみたいものです。


パタハラはもってのほかですが、労使間での希望や要望の食い違いはある程度は起きるものです。最悪、退職に至ったとしても退職者に対しては円満に、気持ちよく去ってもらえる対応を旨としたいものですね。



2019年6月5日水曜日

「日経MJ 2019年上期ヒット商品番付」を福岡で見て思うこと

今朝は、福岡出身の女優、蒼井優さんと南海キャンディーズの山里亮太さんの電撃結婚のニュースで、パッチリと目が覚めました。そんな一日の始まりでしたが、芸能ニュースがない日経新聞には「日経MJ 2019年上期ヒット商品番付」の記事がありました。
日本経済新聞デジタル 6月5日 より
 これを見て、横綱の「令和」と「スマホペイ還元」は誰もが納得いくところでしょうが、大関以下になると人によって受け止め方も違うでしょうし、そもそも「これ何?」というものもあります。西の大関、任天堂「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」 からして私にはわかりませんが、ゲームをやる人には納得の番付なのでしょう。

関脇の「ダイナミックプライシング」は、これまでも宿泊施設やパック旅行が季節により料金を変えたり、スーパーや百貨店の閉店前に値引きするなど、小売りの現場では普通に行われていた需要と供給の関係で価格を変えていくという行為。私は、東京への夕方移動で、スケジュールの変更が無いようなときにはSkymarkやJETSTARを使うことがありますが、購入するタイミングで価格が変わります。JETSTARだと1週間前の予約で、足下が広いシート(+990円)を選んでも7000円以下で購入できるときもあります。JAL・ANAの正規料金の1/5以下です。
ダイナミックプライシングは、これまでは定価・定額販売だったものを季節や曜日、天候など市場のニーズの変化に合わせてダイナミックに価格を変えていくというものです。どちらかというと需要期に価格を上げる方向の自由度が注目されています。これまでホテルなどはタリフ(料金表)を印刷したりウェブサイトに掲載して、需要期でもその金額に縛られていましたが、その呪縛から解き放たれた訳です。
名前が「ダイナミック」というので何か新しいような気もしますが、これまでごく一部で行われてきたことが、もっと大々的に広い業種で行われるようになったと言うことです。
変動料金制を言い換えただけですけど、名前は大事ですね。

さて、この番付では東京あるいは関東圏でないとよくわからない、あるいは接点がない物もいくつかあります。「無印良品 銀座」は銀座にできた新しい無印良品ですし、「ムーミンバレーパーク」は埼玉県の新しいテーマパーク、「うんこミュージアム」も横浜にできたテーマパークです。 店舗やテーマパークは足を運ばないことには何が魅力なのか、なにが話題なのかはわかりません。「翔んで埼玉」も、原作のコミックがあるにしても、関東圏で生活していないとその空気というか背景を肌で感じられないので、単なるコミック原作の映画がヒットしただけという捉え方になるでしょう。

首都圏で話題になる物はこうして全国のヒット番付に登場しますが、地方発のヒット商品がなかなか出ません。人気投票やマーケットデータに基づくものではなく、(多分首都圏在住でしょう)担当記者による番付のせいもあるのでしょうが。
マーケットの大きさだけではなく、今はSNSやネット発信で話題になることも増えてきました。福岡発でヒット番付に載るような新商品・サービスが出てくることを期待したいと思います。

ところで、本日もう一つの驚きは、西日本リビング新聞社の解散報道でした。フリーペーパーを取り巻く環境は厳しいのは確かですが、サンケイリビング新聞社がRIZAPグループになったことも影響しているのかもしれません。




2019年5月21日火曜日

実態はデフレで消費税率上げを心待ちか?外食産業

今週、GDPの速報値が公表され、年率換算で+2.1%の伸びという数字に多くの人は違和感を持ったはずです。報道でも、実態はマイナスで輸出と輸入の差(輸入が減った)が影響したためと分析していました。

ここのところ、原材料費の価格上昇と人件費や物流コストの上昇などで、いろいろな物の価格が少しずつ上がっています。身近なところではQBハウスのカット料金が1080円から1200円に、元祖長浜屋はラーメン500円を550円に、しかも替え玉が100円から200円( しかし、替え玉の200円はさすがにインパクトが大きかったのか、直ぐに150円に改訂)!
スーパーでも、定番商品の販売価格が少しずつ上がっています。

実質賃金は横ばいなのに


しかし、物価は上がっても所得水準は上がっていません。

毎月勤労統計調査 平成31年3月分結果速報から実質賃金指数推移を抜き出すと、左の表になります。
平成27年からずっと横ばいで実質賃金は増えていません。そこに来ての物価上昇です。
収入は増えないのにいろいろな物の値段が上がれば、限られた財布でやりくりするためには量(回数)を減らすか、単価の低い物を選択せざるを得ません。
子育て中のファミリーには車は必需品。ガソリン価格も上昇し、それだけでも大きなダメージです。それに加えて数のインパクトが大きくなり、ファミリーでは少しの値上げも単身者以上に財布に響いてきます。ファミリーレストランで単価が50円上がれば×人数分の支出増です。外食はファミリーにとっては楽しみでもありますが、財布の事を考えるとお店選び・メニュー選びも慎重になります。

サラリーマンの昼食代は570円


サラリーマンの毎日の昼食代もこの10年ほどはほとんど横ばいです。今回もガベージニュースさんが新生銀行発表のデータをグラフ化してあったのでお借りしますが、ここ数年は1食570円といったところです。まさに元祖長浜屋のラーメン1杯分。替え玉は諦めざるを得ません。

外食大手で最近値上げをした大戸屋は、ここのところ対前年割れが続いています。今期の業績予想はバイトテロの影響でマイナスと発表していますが、その影響よりも2018年の値上げに続きこのタイミングでの更なる値上げとメニューの価格設定のミスの方が大きいと考えます。特に、コスパも良く人気だった「大戸屋ランチ」(税込720円)がメニューから無くなったことはネットでも話題になり、値上げの印象を強くしています。
いきなり!ステーキも、単価を上げた(この5年で1グラムあたり2円程度)結果か、業績が悪化しているようです。
収入も上がらない、小遣いも上がらないのに生活費だけが上がっていくと、自由に使えるお金の使い道が慎重になります。無駄な支出を控えるようになり、価格に敏感になります。ちょうど10年前のリーマンショック後に値下げ競争に走った牛丼戦争を思い出しますが、今回は各社とも値下げには踏み切れません。むしろ、値上げしたいところをじっと我慢して耐えているという状況でしょう。

消費税上げのタイミングで価格改定?


今このタイミングで価格改定を発表すると、「値上げ」の印象が強くなり、お客様の足が遠のく心配もあります。 しかし、全国一斉に消費税が上がるタイミングでメニューや価格を改定すれば、ある意味どさくさに紛れて値上げができます。価格表示を税別から税込み価格(あるいはその逆)に変更すればなおさら分かりづらくなります。
ファーストフード、ファミリーレストラン、居酒屋や町の食堂まで、外食産業は消費税増税を心待ちにしているように感じます。消費税増税を待ち望んでいるのは、政府・財務省よりも外食産業なのではと思うのは考えすぎでしょうか?しかし、消費する側は収入が増えないので、消費税が上がった分だけ更に節約することになり、そこからまた激しい競争になるのですが。




2019年5月16日木曜日

話題の「自民党失言防止マニュアル」の今更感と、経営者も参考にすべき点

自民党配布の失言防止マニュアル
政界では議員の失言が続くなか、自民党が「失言防止マニュアル」を作成し配布したとマスコミ各社が伝えています。党内外から様々な声が上がっていますが、私にすると今頃?新人議員の研修会などで配布されたりしていないの?という感じです。

マニュアルや研修会は有って当然


プロ野球界や角界などスポーツの世界でも、ルールやマナーについては新人に対してはもちろん、年に一回程度の全体での研修会なども実施しています。ファーストフードやスーパー、コンビニなどのサービス業では、教育マニュアルを整備し、新入社員やアルバイトには導入研修などをして現場に送り込みます。社内ルールや就業規則などを記した従業員手帖を配布し、就業中は携行させるところもあります。そこまでしても、バイトテロやSNSへの不適切な投稿は無くなりません。
業界ごとに必要なスキルや注意すべき事は変わってきますし、マニュアルに求められる内容も変わります。今回自民党で配布されたマニュアルは、言葉を武器にする政治家にとっては極めて基本的なこと。確かに、地方議員や首長を経て国会議員になった議員も多く、政治家としてはベテランの人も多いでしょう。しかし、過去にも多くの議員が失言で失脚や辞職しているのですから、このようなマニュアルは当然整備され配布されている、もっと言えば毎年改訂されながら更新されているべき物です。
今まで作っていなかった方が不思議なくらいの物ですから、「今更」でも作った自民党は(何もしない他の政党よりも)まだ危機感があるということでしょう。

会見の際には参考になる


政治家にとっての失言マニュアルですが、企業の記者会見、特に謝罪会見をするような際にも参考になります。マニュアルのタイトルも「失言」や「誤解」を防ぐには。報道された画像などから一部をそのまま抜き出してみます。

発言は「切り取られる」事を意識する

報道各社は、放送の尺や記事の文字数など限られた条件の中で取材内容をまとめます。当然、政治家の演説会等での発言や映像を「丸ごと」発信することは、ほぼありません。確実に一部が切り取られ報道されます。わかっているつもりでも、意外と忘れているこのポイント、改めて意識しましょう。


報道内容を決めるのは目の前の記者ではない

日夜、政治家の動向や発言を追う報道記者。しかし、彼らの取材内容がそのまま報道されるわけではなく、「編集」という作業が社内で加えられます。これは、取材内容を各社の方針に沿ってまとめたり、記事が多くの読者の目に触れるようにインパクトをつけたりする作業で、現場記者とは別の担当が行っています。ですから目の前の記者を邪険に扱うようなことはせず、自らの発言に注意しながら、丁寧に対応しましょう。また、親しい記者の取材も注意が必要です。説明を端折ったり、言葉遣いが荒くなったりしないよう心がけましょう。
これまでもこのブログでも取り上げたり、メディアトレーニングセミナーなどでお伝えしてきましたが、サウンドバイトSOUND BITE 耳に強く印象に残る言葉)とクォータブルコメントQUOTABLE COMMENT 引用できるコメント)を取られないようにと注意しています。
謝罪会見で記憶に残るサウンドバイトの例では、「私は寝てないんだ」や「社員は悪くありません」など。クォータブルコメントは最近では明石市泉市長の音声テープの一部切り取りや東京オリンピックの森喜朗組織委員会会長の(真央ちゃんが)「見事にひっくり返った。あの子、大事なときには必ず転ぶ」発言。どちらも、発言全文を読む(聞く)と全然印象が違うのですが、一部だけ切り取られて報道されたために印象を悪くし、ネットで議論になりました。
また、親しい記者との会話や取材前後の雑談でも気をつけなければなりません。猪瀬東京都知事(当時)も取材後の雑談での発言を記事にされて謝罪しています。 名前は出せませんが、過去には旧知の社長が親しい新聞記者と食事をし、信用をして「ここだけの話」をしたら翌日には記事になり、激怒して私に相談(というよりも愚痴ですね)にこられたこともあります。話を聞くと事実であり否定もできない事でした。記者としては自分にだけの「リーク」だと受け取ったのでしょう。

失言マニュアルに話を戻します。後半には「リスクを軽減する3つの対策」があげてありますが、この中でも最後の
対策③「弱者」や「被害者」に触れる際は一層の配慮を
は、謝罪会見でも重要です。 自分(自社)は悪くないという主張が中心となり、被害者や消費者への配慮が欠けた発言で荒れた会見や炎上もたくさんありました。

今回の自民党の「失言防止マニュアル」を参考に、社内に潜むリスクを洗い出し、「●●防止マニュアル」の作成に取りかかってはいかがでしょうか?




2019年5月9日木曜日

育児情報誌mikuを振り返るー休刊にあたり

育児情報誌miku 創刊号から53号まで、全表紙
2018年3月に事業を絵本ナビ様へ譲渡し発行元ではなくなったものの、編集は引き続き担当させていただいていた育児情報誌mikuでしたが、5月7日、絵本ナビ様より紙媒体としての発行を休止する旨のお知らせがありました。
mikuへの思いについては、妻であり編集長であった高祖常子が本人のブログー「育児情報誌miku休刊のお知らせ」~感謝を込めてーで綴っていますので私は別な視点からmikuについて振り返ってみようと思います。

ブライト・ウェイがmikuの編集を引き受けたのは、2005年の創刊2号目から。創刊の1号を除いて、14年間通算52号の編集に携わってきました。 その間、発行元はコイル→ベネッセコーポレーション→ブライト・ウェイ→絵本ナビと4社に引き継がれました。mikuの14年の歴史のうち2010年春号~2018年春号までの8年間がブライト・ウェイが発行元でした。ベネッセコーポレーション様(以下ベネッセ)から事業を引継ぎ、絵本ナビ様へ事業譲渡するまでの8年間の試行錯誤を振り返りたいと思います。


1,編集方針の見直し


私自身はリクルートでの編集経験と創刊経験(パッケージソフト・ケイコとマナブの創刊編集長)、独立後もSkymarkAirlinesの機内誌編集長など長く編集に携わってきましたが、発行人(事業責任者)になるのは初めてのことです。2010年3月発行20号よりブライト・ウェイの発行となるのですが、発行を継続しながらいきなり大きな変更はリスクも大きいので、編集・印刷・物流などの体制はそのままで、まず編集方針の見直しをしました。
それまでのmikuは「自分なりの子育てを見つける」 でしたが、これを「子どもと私が育つ!楽しむ!育児情報誌」としました。
そして記事と広告を明確に分けました。パブリシティやプレースメントは基本的に無くし、記事は完全独立。個別商品やサービスは広告(ペイドパブリシティ=タイアップ記事広告)としてのみの掲載としました(プレゼント賞品除く)。これにより、広告を掲載する意味が明確になりますし、読者には記事の信頼性も上がります。

ここまではソフト面の変更、編集作業で対応できますが、事業としての見直しはマーケティング行為そのものです。読者像を設定し、その読者に求められるmikuの姿を設計しビジネスとしてデザインする作業です。編集方針と記事ラインナップ、それを納めるパッケージとしての判型・開き・色数・紙質・紙厚、手に取ってもらうための配布エリア・ 配布場所・発行サイクル・配布方法、そしてそのコスト(mikuはフリーペーパー)…

 2,より多くの読者に届けるために


広告主・代理店さんからすれば、媒体の価値はその読者属性と数です。しかし、部数を増やすためにmikuの設置場所・配布場所をむやみに増やすことはしませんでした。mikuを手に取って、自分が思った本ではないなと思えば元に戻せる(必要の無い人が持ち帰れば捨てられるだけです)落ち着いた場所で、しかもこちらからお願いするのではなく先方から希望されて初めて設置するということにしました(イオン ファンタジースキッズガーデン様だけは、こちらからお声かけさせていただきました)。同時に、それまで一都三県に限定していた配布エリアの制限を撤廃しました。
企業の福利厚生や保険組合からの問い合わせ、希望も多くいただきました。小児科の先生や保育関係者の口コミなどにより徐々に設置場所は広がり、1年半ほどで47都道府県で配布されるようになりました。
それでも、近くに配布されていなければ、送料のみ120円での取り寄せもできるようにし、育児サークルには毎号5部を1年間送付するサービスを開始。ピーク時には50サークルほどに発送していました。
また、自治体の子育て支援に役立てていただこうと、希望する自治体へもmikuを送付していました。

毎号、各設置場所に何部配置し、何部残ったかをチェックし、できるだけ無駄の出ない配布を目指し、90%前後の消化率を維持しました(100%になると、空のラックだけが残り、他の物を入れられたり撤去されたりしますから、ちょっと残るというのが理想です)。
最終的には13万部の発行でしたが、11万部前後を読者が持ち帰り、小児科の待合室やファンタジースキッズガーデンなどで待ち時間にmikuを読んでくれた人を加えると、読者は13万人を優に超えていたはずです。

3,コストをいかに抑えるか



多くの読者にmikuを届けるために部数を増やし配布エリアを広げれば、それだけ印刷・流通コストも上昇します。リクルート時代にさんざん鍛えられた印刷の知識を駆使し、凸版印刷さんと印刷単価の交渉に臨みました(これはちょっと複雑なので詳細は割愛します)。
そして印刷用紙の変更。紙の値段は単純に言えば重さ1kgあたりいくらという設定です。ページ数が多ければ多いほど、部数が多ければ多いほど紙をたくさん使いますが、最終的な購入総額は重さで決まりますから、単価が同じなら厚さの割に軽い紙や薄い紙を選べば使用した紙の面積は同じでも総重量は軽くなりコストは下がります。更に、10万部を超える部数ですので輪転機で印刷するため使用するのはロール紙になります。巨大なトイレットペーパーのような形状のものです。これは、印刷のタイミングに合わせてロール単位で注文し作ってもらう(抄造と言います)ので、少ししか使わなくても1本買い取りです。

読者に手に取ってもらえたときに、その手触りや 印刷の仕上がりが「mikuらしい」と思ってもらえる紙を求めてたどり着いたのが「ペガサス バルキー8」という、日本製紙石巻工場でのみ生産している紙です。石巻工場は東日本大震災で津波の被害に遭い、一時期操業を停止していましたが、懸命な復旧を経て半年後に一部再稼働、1年後には完全復旧を遂げています。日本製紙石巻工場の復興ドキュメントが報道番組で流れたときには、画面を見ながら涙がこぼれました。mikuもペガサス バルキー8の抄造が再開されるまでの2号は、やむなく他の紙で代用(こちらの方が少し安い)していましたが、2011年冬号からは再びペガサス バルキー8に戻りました。

印刷の単価が下がっても無駄な台割りや面付けをするとコストは下がりません。スーパーで安いからと無駄な買い物をするようなものです。毎号ギリギリまで台割りや面付け、使用する紙の厚さ、使用するロールの数を細かく調整しながらコストを最小限に抑えるようにしていました。
こうして決めた単価に対し、8年間で数々の印刷会社から見積もり提案を受けましたが、検討に値する金額を出せたところは一つもありませんでした。

印刷だけでなく、配布も膨大なコストです。ベネッセさんから引き継いだ当初は一都三県1,000カ所ほどだった配布先が、全国2,600を超える配布先になりましたので数は単純に2.5倍、配送距離は数倍です。単価の交渉、委託先・配送方法・配布のタイミング の見直しなどでコスト上昇を抑えました。

4,売り上げを確保するために


これが一番の難関でした。
ベネッセさんから引き継ぐ際には、広告主様もそのまま引き継げるものと思っていましたが、そうは問屋が卸しません。まず、ベネッセさんは全て代理店さんを通しての取引でしたので、引き継げたのは個別のクライアント様ではなく代理店さんの窓口、しかもほとんどは営業担当でもなく媒体部(雑誌担当)の窓口でした。
代理店の媒体部との関係を維持・強化しつつ、実際の営業先の開拓をしなければなりませんが、ほとんど新規の開拓はできず(私の本業もあり、mikuの営業は片手間でした)、事業スタートの際に借り入れた1,000万円は編集・印刷費や配布費用ですぐに底をつき、追加融資や生命保険の解約でしのぎました。しかもこの間はお客様との商談にもこぎつけられなかったので、何が悪いのか、お客様のニーズは何なのかさえわからず時間と制作費だけを浪費して2010年が終わろうとしていました。

このまま続ければ赤字が膨らみ、続けるには借り入れを増やさなければならないという、自転車操業に陥ってしまいます。だからといってどうしたら売れるかがわからないままに季刊誌のmikuのために営業を雇うのはためらわれました。といって私が本業を疎かにしてmikuの営業に集中することもできず、悶々としていました。そんなとき、たまたま出席したリクルートOBの忘年会で、完全成果報酬型の営業代行業をスタートした後輩と出会ったことで目の前が一気に開けました。営業先の候補リストを用意すればアポイントを取ってくれるのです。アポイントさえ取れて直接話ができれば、仮に売れなくても何が悪いのか、どうすれば良くなるのか、お客様が求めているのは何かが掴めます。

それまでも、mikuの設置場所をサイトで公開したり、タイアップ広告はサイトにも無料で掲載するなどの改善を加えてきましたが、そういう改善したことすらお客様に直接伝えることができていません。まずは直接会って媒体の説明をすることがスタートです。

専任の女性アポインターを付けて貰い、私のスケジュールを共有し、動ける時間にアポイントを入れて貰いました。アポイントが取れれば関東圏だけでなく関西や東海へも出かけ、媒体説明と商談を繰り返しました。その結果、2011年春号でなんとか単号黒字(と言っても原価を確保しただけですが)となり、これ以上の出血を停める目処が立ったとこの時は思いました。
しかし、この号はまた別の意味で記憶に残る号となりました。常子のブログでも書いていますが、 配布開始直後に大きな出来事が立て続けに起き、特に東日本大震災は日本経済にも大打撃を与え、夏号以降に掲載を検討していただいていた飲料メーカー様は新商品の発売を取りやめたり、やっと扉が開きかけた東京電力様もそれどころではなくなったりと、日本中が自粛ム-ドとなり、再び赤字に逆戻り。それでもやがて自粛ムードは和らぎ、順調にアポイントを重ねることで、売り上げも安定してきました。

一度面会し、名刺をいただいた方には、1~2週間おきにmikuの役立つ周辺情報(次号記事ラインナップ・スケジュール・読者アンケートの結果など)をメルマガの形で継続して送らせていただきました。読者アンケートでは、世の中でも話題になっているようなことや関心が高いことを尋ね、結果をニュースリリースとしてメディアにも公開していたので、度々新聞やテレビでも紹介され、編集長がコメントすることも増えてきました。今年の中学校の教科書にもデータ引用されたりもしています。

地道な積み重ねで、最終的にはメールや電話で直接連絡が取れるクライアント様や代理店ご担当者は500人を超えました。初めて名刺交換をして1年後に先方から発注のご連絡をいただくというようなことも出てきました。

5,事業譲渡を考えるきっかけ


mikuの認知度も徐々に上がり、miku編集長であり子育てアドバイザー、そしてオレンジリボンやファザーリングジャパンの理事でもある高祖常子は、様々な所からお声かけいただき講演やセミナーに登壇する機会が増えてきました。

猛暑の2016年、お盆休み期間中に登壇したあるセミナーで事件は起こりました。講演後に常子が熱中症で倒れてしまったのです。たまたまこのセミナーが医療関係の主催者だったおかげで適切な処置をしてくださり事なきを得ましたが、これを機に「もしも」の時を考えるようになりました。
この時mikuは、編集に関わる部分は常子が、それ以外は営業を含め全てを私がコントロールしていました。もちろん、外部のスタッフや協力パートナーがいますが、二人のうちのどちらかが事故や病気で倒れたらたちまち立ち行かなくなります。二人とも永遠に仕事を続けられるわけではありませんし、既にそれなりの年齢です。もっと組織としてしっかりした体制で発行を続けられるところにmikuを委ねる方が、読者やクライアント様にとっても安心できるだろうとの思いが強くなりました。営業についても、私が一人で動くよりももっと効率よく良い数字を獲得できるに違いありません。

この事件をきっかけに、mikuを引き受けてくれる企業を探し始め、翌2017年に絵本ナビ様が名乗りを上げていただき、2018年の事業譲渡となりました。

6,mikuのこれから


絵本ナビ様は、「レスポンス」や「リセマム」「RBB TODAY」などを運営するiidグループの会社です。iidグループはインターネットをプラットフォームに、様々な情報やサービスを提供し、今後はモビリティに軸足を置いた事業展開を視野に入れているようです。
紙のmikuは無くなりますが、mikuが提供してきたコンテンツ・情報のニーズがなくなったわけではありません。コンテンツの配布ツールが紙という形のある物からデジタルな空間への移行が完了したと考えれば良いのかもしれません。mikuの読者アンケートが、はがきからFAX、ネットに移行したのと同じ事です。残念ではありますが、これも時代の流れです。
印刷や物流コストが無くなり、大幅なコストダウンですから、経営判断としては当然の選択です。今もmikuが私たちの手元にあれば、このような決断は難しかったでしょう。まさに、「イノベーションのジレンマ」を地で行くような話です。

今後、mikuが絵本ナビスタイルの中でどのように位置づけられるのか、どのようなサイクルでコンテンツが更新されるのかはまだわかりませんが、現在もmikuの取材・執筆は進んでいます。

引き続きmikuをよろしくお願いいたします。




2019年4月22日月曜日

NGT48を取り巻く迷走はどこまで続く?-4/24追記

アダストリア Heather diary のサイト画面より
4月22日の朝の報道番組は、AAAとNGTという2組のアルファベット3文字で埋め尽くされた感じでした。AAAのリーダーが泥酔して女性に暴行を加え逮捕された事件で謝罪会見をし、NGT48が千秋楽公演を実施。そこで山口真帆さんが運営会社AKSも想定していなかった突然の卒業発表、しかも卒業理由に再び「今は会社を攻撃する加害者だとまで言われています」と暴露発言を伴うなどNGT48と運営会社への不信感を明確に口にしたのです。

Heatherは炎上狙い? 


千秋楽公演の直前の4月17日、複数のアパレルブランドを展開するアダストリアのブランドの一つ、ヘザー(Heather)が新作浴衣の公告モデルに渦中の荻野由佳さんを起用し発表しました。同日にブランドマガジンサイト「Heather diary」でもアップされています。
これにネットが炎上しています。
荻野由佳さんは山口さん暴行事件の際に、「自宅住所や帰宅時間を犯人に教えたメンバーがいる」として名前が上がった一人。その後もファンの間では色々と批判されていたといいます。私もアイドルや芸能界に詳しいわけではないので、こちらの記事を参照していただければと思いますが、あくまでも「噂」であることも事実です。

『NGT48』荻野由佳を起用したファッションブランドが大炎上!

荻野由佳さんはNGT48のメンバーであると同時にホリプロ所属のタレントでもあります。アダストリアとの契約はホリプロのタレントとしてでしょう。「Heather diary」からのリンク先もホリプロです。

昨年からこれだけ注目され、ネットでも色々と名前を挙げられていると、ブランドとしては起用しづらいものです。ブランドマネージャーも、広告の顔として採用する際には身体検査をしているはずです。Googleで名前を入れて検索すれば、噂レベルまで含めていろいろな情報が手に入ります。最近ではタレントの不祥事が次々と発覚し、賠償の問題が事務所を悩ます事にもなっていますから、所属事務所も採用するクライアントも慎重でしょう。地元新潟では、NGT48を起用した広告を打ち切ったり、冠番組が終了したりということは百も承知のはずです。
それだけに、このタイミングで批判や炎上を覚悟の上で、何かしらの意図を持った起用と考えるのは無理があるでしょうか?炎上しても良いから、ブランドの認知に繋がる方を選ぶという選択肢がないわけではありません。あるいは、千秋楽公演で大団円を迎えて丸く収まると予想していたのでしょうか?
つい最近ではタイガーウッズのスポンサーを下りなかった「ナイキ」が脚光を浴びている例もあります。

アダストリアは大きな賭に出たのでしょうか?

AKSはデータ保存をせずに再起動ボタンを押したようなもの


それにしても、前回の第三者委員会の調査結果発表会見も唖然でしたが、千秋楽公演を伝えるニュースを見るに付け、AKSのていたらくは目に余るものがあります。若い娘さんたちを預かり、個々のメンバーを育て・成長させる、グループとしてまとめ上げてるというマネジメントが全くできていないように見えます。千秋楽公演の実施もグループのためではなく、AKSの商売のために早くリセットしたかったいう感じでしょうか。コンピュータだって再起動する前には開いているアプリを閉じたりデータを保存したりと、それなりの準備が必要です。準備不足で、メンバー個々の不信感も拭えず、ましてやグループの一体感もないままの千秋楽公演だったということが白日の下にさらけ出されたのです。

5月の卒業コンサートに向けては、チーム・グループで話し合い、グループを同じ方向に引っ張れる強いリーダーシップ(それがNGT48のメンバーでも、AKSのマネジメントでも)のもとでまとめられなければ再び同じ事を繰り返し、そのままNGT48は解散に向かう可能性もあります。

これからこのAKSのもとで、NGT48は復活できるのでしょうか?


2019年4月14日日曜日

福岡市美術館リニューアルオープン

2016年9月から2年半の休館を経て、3月21日(祝)に福岡市美術館がリニューアルオープンしました。福岡のテレビ・ラジオや新聞・雑誌だけでなく、ART系の雑誌やWEBメディアでも多く取り上げられています。直近では4月12日(金)NHK総合の全国放送「あさイチ」が福岡市美術館から生放送され、14日(日)朝9:45~のNHK Eテレ「日曜美術館 アートシーン」でもリニューアル記念展が紹介されました。

4年越しのリニューアル


この福岡市美術館のリニューアル事業には、2015年の「福岡市美術館リニューアル事業者選定提案」に大林組さんを代表企業とするグループの1社としてプラン作りから参加して以来、ほぼ4年にわたり関わってきました。2018年9月でリニューアル工事は完了、引き渡しし、11月にマスコミ向けの建物内覧会を実施。ここからリニューアルオープンに向けた本格的な準備が始まりました。

ブライト・ウェイは、福岡市美術館 広報パートナーとしてメディアへの情報発信と取材対応窓口をさせていただいています。2019年に入り、リニューアルオープン記念展「これが私たちのコレクション+インカ・ショニバレCBE: Flower Power」が発表になるとともに、カフェ・レストランミュージアムショップの内装やメニュー・商品ラインナップの詳細が明らかになり、メディアからのお問い合わせが急激に増えてきました。
おかげで、毎日膨大な数のお問い合わせと原稿校正メールのチェックに忙殺される日々が続きました。これまでに100を超えるメディアでのご紹介をいただいています。4月も半ばになり、ようやく落ち着いてきたのでこのブログも更新する時間がとれました。

是非見て欲しい記念展


開催中のリニューアルオープン記念展では、福岡市美術館が所蔵する名品の数々と、インカ・ショニバレ CBEの日本初の個展「Flower Power」を是非ご覧いただければと思います。「これが私たちのコレクション」は200円で鑑賞できます。
鑑賞すると図録が欲しくなるものですが、 図録を見て作品解説を読むと、今度はもう一度作品を見たくなってしまいます。もし可能ならば図録を先に購入し、予習してから来られると作品を鑑賞する際の見るポイントや見え方が変わり、より楽しめます。

リニューアル記念展は5月26日までです。

 

この間にAKS、レオパレスは更なる過ち


この2ヶ月はブログを更新しないまま過ぎましたが、その間にはいろいろ取り上げるべき話題もありました。そのうちの一つにNGT48運営会社AKSの会見があります。1月に開いた最初の会見でその姿勢について言及していましたが、 結局会社としての姿勢は変わらないまま再び同じような会見を行ったために、ますますファンやさらにはスポンサー企業まで不信感を募らせ、冠番組も休止するに至りました。昨年、「ガイアの夜明け」で追求され記者会見を行ったレオパレス21も、窮地に立たされています。

AKS、レオパレス21に共通するのは、最初の記者会見では形だけの謝罪をして逃げの姿勢が明らかだったこと。こうしてみると、不祥事が明らかになって最初の会見がすべてを物語っています。

これからは、少しずつ更新ペースを上げて行ければと思っています。



2019年2月12日火曜日

くら寿司のバイトテロへの対応は、果たして適切か?

ここ数日、次々と発覚し炎上するSNS上にアップされた不適切動画。すき家、ファミリーマート、セブンイレブン、くら寿司、バーミヤン、ビッグエコー……
「バイトテロ」や「バカッター」で検索すると、まとめ動画がいくつも作られてアップされています。テレビで放映されるときには顔にモザイクがかけられて個人を特定できないよう配慮されてもいますが、まとめ動画はそのまま。誰がやっているのかすぐにわかってしまいます。
当然、どのお店のどの従業員かはすぐに特定されるわけです。
そして、ついにくら寿司は不適切な行為を働いた従業員を解雇した上で、刑事・民事で法的措置の準備に入ったと発表しました。
2月6日 当社従業員による不適切な行為とお詫びについて
2月8日 くら寿司守口店における不適切行動をとった従業員2名について

被害者は誰か?


一連の動画騒動で、「バカッター」、「バイトテロ」に対しては厳しい対応を取るべきだとの意見や主張も多く観られるようになりました。しかし、過去に企業の業績に大きな影響を与えるに至ったトラブルを見ると、自分たち(企業)は被害者だという立場で記者会見を開いた企業はその後に再び謝罪会見や新たな改善措置を発表することになります。

マクドナルド、ベネッセも事件発生直後の会見では、自社は被害者だという立場でしたが、批判を浴びてその後に改めて訂正をしています。現在まさに渦中のレオパレスも、昨年5月の会見では下請けのミスだとして自社の非を認めませんでした。

くら寿司はバイトテロの被害者ではあるけれども、本当の被害者はくら寿司に食事に来ているお客様です。動画ではゴミ箱に一度捨てた魚の切り身を再び取り出し、まな板にのせています。動画に映っていた魚は捨ててお客様には提供されていないとされていますが、動画にそれを証明する映像はありません。あんな馬鹿なことをしておいて、本当に提供せずに捨てたの?と疑問に思うのが普通です。発表と違って「もったいないので洗って使いました」と答えていた可能性もあります。
この動画を見た常連のお客様や、当該の店舗で食事をしたお客様は「ひょっとしたらあの魚を口にしているかもしれない」と不安に思っているかもしれません。一組のバイトテロを追求して反省させたとしても、お客様の不安がなくなるわけではありません。

もちろん、再発を防ぐために今回の当事者へは厳しい措置を執ることは必要ですし、雇用契約や教育プログラム、業務遂行時に持ち込める私物の制限などの見直しも当然必要です。
しかし、くら寿司が今するべきは、疑問と不安を払拭すること、お客様を安心させること。お客様が再び安心して足を運べるようになるための策を必死で考え出すことです。今回のくら寿司の元従業員への厳しい対応は、報道でもネットでも話題になっています。
本来ならば、もっと前向きな改善策の発表で話題になるべきだと思うのです。



2019年2月1日金曜日

AppleがiPhoneの低価格エントリーモデルを出すべき理由

今年に入り、Appleの業績不振が経済ニュースで取り上げられています。 例えば、1月30日の日経新聞では
アップル、中国発のスマホ不振 19年も減収避けられず
とする記事で、2018年10~12月期決算で売上高が前年同期比5%減、純利益は0.5%減と伝えています。不振の原因はiPhoneの落ち込み。売上高は15%減少し、売上高全体に占めるiPhoneの比率は69.2%から62%へと低下しています。
同じく日経新聞の同日のこちらの記事「アップル、次の成長手探り 脱・iPhone依存なるか」では、
米調査会社のカナリスによるとアップルの中国シェアが16年以降、9%で足踏みを続けるのと対照的に、中国の華為技術(ファーウェイ)は18年の中国シェアを3年前の約2倍の27%まで伸ばした。
と指摘しています。また、
「中国の電子部品メーカーが実力を上げたことでiPhoneと同等以上の性能を半値以下で提供できるようになった」(IHSの早瀬宏シニアディレクター)
ともあります。
AppleはiPhone6以降、利益率を重視しての戦略転換で大型化高価格化に舵を切り、唯一残っていた4インチモデルのSEも昨年9月で生産・販売を終了しています。SEは基本性能はしっかりと押さえ小型であるだけでなく、3万円台からと購入しやすい価格のエントリーモデルとして人気がありました。現行機種で言えばiPhone8の約半額、最高級機種Xsの512GBモデルだとなんと税別164,800円で、SEが4台も買えてしまいます。

スマ-トフォン市場は成熟期にさしかかり、ここのところ劇的なイノベーションも目新しい機能も追加されず、マーケットも飽和感があります。このような状況下で2つのことが同時に起こっています。
1つめは低価格化です。上の指摘のように、iPhoneと同等以上の性能のスマートフォンを半値以下で提供するメーカーが現れています。
2つめは買い換えサイクルの長期化です。新製品が出ても見た目はどれも同じようなもので、機能や性能も大して変わらなければ、買い換えるメリットはありません。

順調に伸びるサービス事業


いま、Appleはハードメーカーからサービス主体の会社に変わろうとしています。ターゲットと進め方は違いますが、IBMがたどっている道です。
Appleのサービス事業の本格スタートは音楽配信事業でしょう。

AppleはiPodを開発・発売し、大量の楽曲を小さなハードに納めて持ち歩けるようにしました。この段階では、Walkmanが楽曲の記憶メディアをカセット→CD→MDに変えてきた延長に過ぎません。カセットやMDだと、厳選したお気に入りの1枚をセットし、予備に数本(合計でも数十曲)持ち歩くのが限界でしたが、iPodは持ち運べる楽曲の数が桁違い、およそ100倍に増えました。そうなるとユーザーはその容量を満たすだけの楽曲が欲しくなります。そこでAppleはNETを介して音楽を購入(ダウンロード)できるiTunes Music Storeをスタート。1曲わずか99セントです。日本では1曲150円からという価格でスタートしました。
パソコンにiTunesをダウンロードし、そこから楽曲を購入する仕組みで、PCとiPodを繋いでデータを移します。iTunesはWindowsにも提供されたことで、Macユーザーに限らず音楽好きに広く行き渡りました。iPodは、小さなNanoやShuffle(今でも私のお気に入りです)、Touchと商品を展開し大プームとなり、ミュージシャンの楽曲の提供もCDからNET配信へとだんだんとシフトしていきます。後にiTunes Music Storeでは、動画やゲームもダウンロードできるようになりミュージックビデオも配信されるようになりました。そして、定額制で音楽聴き放題Apple Musicもスタートしました。

音楽再生機能も持ったiPhoneの登場でiPodは実質無くなって(iPod touchが唯一ラインナップされていますが、電話機能を外したiPhoneともいえます)しまいましたが、Appleの音楽配信関連ビジネスの売り上げはiPhoneの販売拡大とともにその後も順調に伸びています。
AppleはiPhoneをキーデバイスとし、音楽配信に続きapp storeicroudApple Payといったサービスを次々と展開し、いまやサービス事業で大きな利益を上げるようになっています。

米アップル、10─12月期はサービス事業好調 株価6%高
Appleが2018年10~12月期決算発表を行った日、iPhoneの売り上げは不振でも時間外取引で株価は6%も上昇しました。上昇の要因の一つが、サービス事業の堅調な伸びでした。

iPhoneの利用者を増やすことがカギ


アンドロイド陣営では、GoogleがAppleと同じような音楽配信、アプリ販売サービスを提供していますし、中国ではテンセントミュージックなどが独自の音楽配信事業をスタートしています。テンセントミュージックのアクティブユーザー数は7億人を超えると言われています。

Appleがサービス事業を伸ばすためには、そのサービスを利用できるデバイスの普及が必要です。 iTunesはWindowsマシンでもダウンロードして利用できますが、そこでダウンロードした楽曲や動画をPC以外の端末でシームレスに楽しむためには、iPodやiPhoneが必要になります。今後もAppleがサービス事業で売り上げ・利益を伸ばすには、サービスを利用するための端末(iPhone)の普及が重要になってきます。iPhoneの売り上げよりも販売台数、もっと言えば実稼働しているiPhoneの台数が重要です。
一度iPhoneを手にし、Appleが提供するサービスを利用し始めるとなかなかiPhoneからアンドロイドのスマホには移れません。特に機械やデジタルな機器が苦手な層にはアンドロイドは難しいようです(逆にデジタルに明るい人だと自分仕様にカスタマイズして使いやすくします)。子どもや学生が初めてスマホを持つときに安いアンドロイドの機種からスタートすると、スマホのデータはやがてGoogleのサービスに格納され、離れられなくなり、ずっとアンドロイドの端末での機種更新になります。永く使えば使うほど、iOSとアンドロイド間での機種変更・データ移行は難しくなります。

それだけにエントリーモデルでユーザーを獲得することは重要なのです。
私もiPhoneとアンドロイドのXPERIAを所有していますが、XPERIAは限定された使い方になっています。

行き着く先は、クラウドとの通信機器


自動車や自転車が所有からシェアに移行するように、PCやスマートフォンに格納されていたデータはクラウドに移り、やがて端末はクラウドからデータを読み込むためのデバイスになるでしょう。私も、使い方は少し違いますが主要なデータはDropboxに置いて、PC本体にはできるだけデータを置かないようになりました。PCで言えばGoogleのChromebookが既にそういう存在です。

通信規格で5Gが普及すればスマートフォンだって同じように本体に持つデータは最小限(クラウドから読み込む設定程度)にして、データの保存やアプリの利用はその都度クラウドとの間で読み書きすれば事足りるようになるでしょう。そうなると、スマートフォンも使い方や場所に応じてレンタルしたりシェアしたりという利用シーンが想像されます。いや、スマートフォンである必要もなくなります。
そのときに重要なのは、どこのサービスを利用しているか。AppleかGoogleか、ひょっとしたらAmazonかもしれません。それとも別な新興のクラウドサービスなのか。

いずれにしても、スマートフォンはクラウドサービスを利用するための通信機器でしかなくなり、端末販売の売り上げ利益はいずれ意味を持たなくなるはずです。 そしてより多くの人にAppleのサービスを利用してもらうためにも。サービスの入り口であるAppleの端末を普及させることは重要です。AmazonがEchoやkindleを低価格で提供しているのも同じ理由です。

今、AppleはiPhoneの下取りセールを積極的に展開しています。エントリーモデルでなくても、下取りした中古機器がうまく市場に流れ、Appleのサービス利用者が増えることになれば将来への布石になります。

色々と書いてきましたが、4インチ画面のiPhone SEの後継機を是非市場投入して欲しいという、個人的な希望を理屈っぽく書いてみました。

注)私はApple製品はiPhone・iPodくらいしか使ったことが無く、Appleについても浅薄な知識で書いていますので、文中に認識の誤りがあればご指摘ください。



2019年1月30日水曜日

明石市泉市長だけではない、政治家は常に気をつけないとならないサウンド‐バイト(sound bite)


昨日から、明石市の泉市長の暴言・パワハラ発言(音声)が大きく取り上げられています。
「立ち退きさせてこい」「火をつけてこい」など、驚くような言葉の連続です。この音声が明らかになり、、泉市長はすぐに謝罪会見を行いました。

音声ファイルには続きが



この音声ファイルはどこかがアップしていないかと探すと神戸新聞社のサイトにありました。
【生音声】明石市長が暴言「火付けてこい」
しかし、この音声はすべてではないようです。
同じく神戸新聞社のサイトでは、書き起こし全文が掲載されています。
部下に「辞表出しても許さんぞ」「自分の家売れ」 明石市長の暴言詳報
こちらを読むと、暴言に至った背景がよくわかります。
引用すると、
「ずっと座り込んで頭下げて1週間以内に取ってこい。おまえら全員で通って取ってこい、判子。おまえら自腹切って判子押してもらえ。とにかく判子ついてもらってこい。とにかく今月中に頭下げて説得して判付いてもうてください。あと1軒だけです。ここは人が死にました。角で女性が死んで、それがきっかけでこの事業は進んでいます。そんな中でぜひご協力いただきたい、と。ほんまに何のためにやっとる工事や、安全対策でしょ。あっこの角で人が巻き込まれて死んだわけでしょ。だから拡幅するんでしょ。(担当者)2人が行って難しければ、私が行きますけど。私が行って土下座でもしますわ。市民の安全のためやろ、腹立ってんのわ。何を仕事してんねん。しんどい仕事やから尊い、相手がややこしいから美しいんですよ。後回しにしてどないすんねん、一番しんどい仕事からせえよ。市民の安全のためやないか。言いたいのはそれや。そのためにしんどい仕事するんや、役所は」
  と、市民の安全のためになんとか早く前に進めたいとの思いからの暴言であったことがわかります。

今回、各局のニュースや朝の報道番組でもこの最後の部分はほとんど取り上げていません。ただ、今朝のフジテレビ「とくダネ!」では同じくこの神戸新聞の記事を全文紹介しながらのものでした。また、上に貼り付けているAbema newsでは、報道ステーションから活躍の場を移した小川アナウンサーが彼女らしく鋭く突っ込んでいます。

何者かが音声ファイルを送りつけてきて発覚


マスコミは、第一報で伝えるときに限られた尺でより刺激的な伝え方をしようと、言葉や表情を切り取ります。過去には雪印社長の「私は寝てないんだ」発言や森元首相の「あの子、大事なときには必ず転ぶ」発言などが思い出されます。

このような、見出しや音声で刺激的な部分だけを切り取って使われることはよくあります。森さんの発言も実は続き・背景があって、浅田選手をおもいやってのことだったのですが、そこは報道されませんでした。
森喜朗 元総理・東京五輪組織委員会会長の発言 書き起こし

そもそも、この音声、いつのものかというと2年前、市長室で担当者を叱責した時のものということです。それが2年も経った今頃になって、しかも音声ファイルとして報道各社に送られてきて騒ぎになったようです(ニュース番組による)。
4月に市長選挙があるというタイミングです。このような騒ぎになることを期待して、何者かが仕組んだのでしょう。 

この音声の公開が2年前だったら、これほど大きな騒ぎにはなってなかったのかもしれません。なにはともあれ暴言はいけません。市長室での会議やミーティングでは、職員がレコーダーを持ち込むのは普通のことだそうです。私も、会議や大事な打ち合わせでは、スマートフォンの音声メモ機能で録音しています。今は録音だけでなく録画もあります。どこにカメラが仕込まれているかわかりません。
しかしそれ以前に、#Metoo運動以来「ハラスメント」に対して社会が敏感に反応する時代になってきたということを、改めて意識しなければならないのです。

2019年1月25日金曜日

純烈を復活ステージに繋いだのは、友井雄亮と決別宣言をした会見



昨日24日、「前川清50周年記念特別公演」で、メンバーの友井雄亮の脱退後4人になって初めて純烈がステージに立ちました。

紅白歌合戦で初めてその存在を知った純烈。LiLiCoさんの旦那さんの顔は知っていたものの、純烈がどんな活動をしているグループなのかまでは、紅白まで知りませんでした。
「夢は紅白、親孝行」というグループ。スーパー銭湯や健康センターなどのステージで地道に活動し、ファンの熱い思いに後押しされてついに紅白にたどり着いた、その直後のことでした。メンバー友井雄亮の過去のDVや金銭トラブルが文春砲によって、明らかになりました。

友井雄亮は当初否定していた(文春オンラインの動画)ものの、すべてを認める会見を行い、芸能界引退を発表しました。その後、一部のファンが復帰を求め、Twitterアカウント「友井雄亮Comebackプロジェクト」で3万人目標に署名活動をスタートしました。

「純烈」を守った会見


1月15日、残った純烈のメンバー4人が記者会見を開きました。冒頭で謝罪をした後は記者の質問に対してひたすら答えるだけという会見です。先日のNGT48の運営会社AKSの会見とは違い、しっかりと椅子とテーブルがセッティングされ、各メンバーにマイクも用意されています。冒頭謝罪をした後には、「長い時間になると思いますので、メンバーも座らせていただきます」と、 最後まで質問・疑問に答えますという姿勢・覚悟を見せてスタートしています。友井の被害者に対しても気遣い、1時間半におよぶ会見を通じて、純烈のメンバーは友井雄亮がやったことをきっぱりと否定し、リーダーは「僕の中ではあいつ(友井)は死にました」と決別宣言をしました。
この記者会見と前後するように、 「友井雄亮Comebackプロジェクト」のアカウントは削除されています。

所属するジースター・プロはジャニーズ事務所のように芸能界に影響力のある事務所ではないでしょう。この会見次第で場合によっては仕事も無くなり、解散もありえたはずです。しかし、昨日、今日の復活ステージを伝えるニュースやワイドショーは、総じて肯定的でした。

企業の謝罪会見の場合は、論点もはっきりしていてQ&Aも作成しやすい(それなのに準備不足の会見も多い)のですが、このような事件の当事者ではないけれど、その当事者を抱えるグループ・組織の 会見は準備が難しいものです。どんな質問が(どこまで広がって)誰に飛んでくるかわからないので、基本的なスタンスを共有して臨むしかありません。多少冗長な答弁もありましたが、仕方が無いでしょう。

結果としては、純烈は解散を免れ、新たなスタートを切ることができました。
純烈メンバーだけでなく、ファンも事務所も一安心でしょう。







2019年1月18日金曜日

山口真帆の暴行被害で謝罪会見したNGT48運営会社AKSは、自分たちをタレントと勘違いしてる?

AKBやNMB、SKEにHKT、乃木坂に欅坂とおじさんにはメンバーの顔と名前を覚えることはおろか、フォローするのもグループの名前を覚えるのも大変な最近のアイドルグループ。中でも今、NGTが話題になっています。新潟のNGT48メンバー、山口真帆さんが暴行を受けた事件がネットだけでなくリアルな報道でも大きく取り上げられ、ワイドショーでは多くの時間を割いて報じられました。

事件を簡単に書くと
2018年12月、山口真帆さんが帰宅時に男二人に暴行されました。2人は逮捕されたのですが後に釈放されています。その時の不安な心情を山口さんがツウィートし、ファンが知ることとなりました。その後、なぜ自宅がわかったのか、帰宅時刻は誰が教えたのかなどの犯人捜しや運営サイドの対応に対する疑問がネットを騒がせることになり、マスコミがそれを追う形で大騒ぎとなったものです。

1月14日、NGT48の運営会社AKSの責任者が記者会見を開きました。出席したのは、運営責任者で松村匠取締役、早川麻衣子劇場新支配人、岡田剛新副支配人の3名。
「この度の件に関しまして、皆様にご迷惑、ご面倒、ご心配をおかけして、大変申し訳ございませんでした」とAKS運営責任者の松村匠氏が謝罪したうえで、対応や記者会見の設定が遅れた経緯や人事異動などについての説明を行いました。記者からは多くの質問が出ましたが、ファンが納得するような回答は残念ながら無かったといえます。
この記者会見については、ネットでもさらに炎上し、 2chでもスレッドが立ち、疑問や運営会社を非難する声であふれています。

会見の様子と質疑応答は動画を見ていただくとして、日刊スポーツでもまとめてあります。
AKS松村取締役「(秋元氏は)大変憂慮」一問一答


芸能関係者は立って謝罪会見が普通?


今回は会見の中身については、ネット民のみなさんが激しく突っ込んでいらっしゃるのでそちらに譲るとして、別な視点で一つ指摘を。それは3人が立ったままで会見をしたこと。まるで出待ちの囲み取材のような会見でした。記者の質問も四方から飛んできて、答える時には顔の向きもあっちに向いたりこっちに向いたりとバラバラでした。
芸能人の会見(政治家も)は謝罪であっても立ったままのことがほとんどです。記憶に新しい山口達也さんやベッキーさんも立ったまま謝罪会見を行いました。芸能人は制作発表会や舞台挨拶では立った状態でカメラや観客の前に立つことが普通なので、その延長なのかもしれません。忙しいスケジュールの合間にわずかな時間を作って会見をしているからなのかもしれません。あるいはカメラ映りを意識して、いかにも謝罪しているような画を避けているのでしょうか。

しかし、謝罪や説明のために「場」を設定する会見では、疑問を解消するために向き合います。質疑応答で長時間に及ぶこともあります。きちんと質問・疑問に答えます、という姿勢を見せるためにも机と椅子を用意します。企業の場合、この会見でミスをすると、商品のボイコットや品質への不安・不審などに繋がり、その後の取引や売り上げに影響します。立ったままの会見は頃合いを見計らって逃げ出す準備をしているように見えてしまいます(実際、芸能人や政治家は途中でさっさと逃げていきます)。

今回は少なくともタレントさんではなく運営会社の会見です。タレントさんを預かり、ビジネスをしている企業としての対応が求められたはずです。自分たちもタレントさんと同じ華やかな世界で仕事をしている、と勘違いして立ち位置を誤ってしまっているのではないでしょうか?





2019年1月17日木曜日

JOC竹田会長は誰に何を伝えようとしたのか?開かない方がまだ良かった会見

2020年東京五輪招致を巡りフランス司法当局から贈賄の容疑者として正式捜査を開始された、当時の招致委員会理事長、竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長が、15日に東京都内で会見しました。しかし、その会見はわずか7分あまりで質疑応答なし。一方的に用意したメモ(声明文)を読み上げて終了しました。

↑の SANKEI NEWS LIVE のYouTube動画では、映像スタートから4分20秒後に竹田会長が入室し、司会(恐らくJOC広報の方)が会見の趣旨、進め方などを説明します。そのときに「質疑応答は控えさせていただく」と宣言されています。
その後、6分8秒のところで竹田会長がマイクを取り、手元のメモに目を落としながら「伝えられることだけを口頭で」読み上げ、マイクを置いたのは12分45秒。そしてそのまま席を立ち、画面から姿を消したのが13分8秒。マイクを取って退室するまできっちり7分でした。ニュースでもわずか7分、7分会見などと報道されました。

記者会見で重要なのは質疑応答
誰もが納得できる答えを用意して臨むこと


この動画で面白いのは、竹田会長の会見が7分で終わっているのに、その後も司会者(JOC広報?)が記者に詰め寄られ、質疑応答が繰り返される様子までが納められていることです。 約12分間、竹田会長の会見時間よりも長くなっています。
それも当たり前です。文書を配布するかウェブサイトに掲載すれば済むような内容を読み上げられただけで、肝心なことは何一つ聞き出せていません。これだけ多くの記者を集めていながら、本人が顔を出して読み上げたというだけです。これでは、記者だけでなくテレビはじめ報道を通して会見の内容を見る(読む)国民に対して何も伝わってきません。ただただ不誠実な印象だけが残ってしまい、「やっぱり悪いことをしたから質問に答えられないんだ」と勘ぐってしまわざるをえません。

何一つ自分の言葉で説明しないまま会場を後にした竹田会長の姿は、かつてこのブログでも失敗会見として取り上げた、ベッキーや「一回戦で負けろ」発言県議と同じです。

ベッキーと「一回戦で負けろ」発言県議の共通点

今回も、上のブログで書いたことがそのまま当てはまります。そして、今回はJOCという組織の広報対応の未熟さも露呈しています。十分な準備時間があったのに、こんな会見にしてしまいました。

ひょっとしたらJOCは、捜査対象が竹田会長(招致委員会元理事長)だけなので、一人に責任を押しつけて梯子を外そうとしているのでしょうか?




2019年1月14日月曜日

前澤社長のお年玉企画で考える、企業のSNS活用

前澤友作社長のTwitterアカウントの画面より
ZOZOTOWNを運営する株式会社ZOZOの前澤友作社長が、100万円を100人に(1億円)プレゼントするというTwitterでのお年玉企画を実施し、話題になりました。前澤社長をフォローしたうえでそのtweetをretweet(RT)することがプレゼントへの応募条件ということで、あっという間に前澤社長のフォロワー数は542万人、RT数は526万を超え世界最高記録を塗り替えたといいます。

1億円を遙かに上回る広告効果


TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSは個人のコミュニケーションツールとしてだけでなく、導入コストがかからず手軽に始められる広報ツールとしてアカウントを取得する企業も増えています。しかし、アカウントを取得して始めるのは簡単でも、フォロワーを増やすことは容易ではありません。広報ツールとして活用するには、より多くのフォロワーを獲得し多くの人に発信できなければ意味がないのですから。その上でシェアやRTされる投稿をし、より多くの人とコミュニケーションを目指さなければなりません。

フォロワー1人がだいたい100円の価値(獲得コスト)と言われています。前澤社長のフォロワー数が今回のお年玉企画で300万人増えたとしたら、3億円の価値があったともいえますし、526万回のRTとそれを取り上げるマスコミでの露出を考慮すれば、その広告効果は1億円を遙かに上回っているでしょう。RTした人は少なくとも、なぜ前澤社長がお年玉企画を実施したのかー「ZOZOTOWN新春セールが史上最速で取扱高100億円を突破」したことを記念してーということを知ったわけです。
普通の企業なら、広報からニュースリリースを流すところですが、1月5日は土曜日でしかもお正月休みの最中。タイミング的には最悪です。ニュースリリースを出したところで大きな話題にはなりません。それに比べればとてつもない話題提供です。
普段はアパレル業界に関心もなく、ネットで服を買う習慣がない私は、TwitterにRTで流れてきたこのtweetとそれを伝えるニュースで、たったの5日間足らずで100億円を売り上げるZOZOTOWNはやっぱり凄いんだな、と単純に驚きました。

単なる話題作りだけではなかった


1月8日に発表された100名の当選者は、なんらかの夢を叶える資金や社会貢献に使いたいと具体的にコメントして応募した人たちだったことにまた驚きました(「応募方法はRTするだけ」と書いていたのに抽選ではなかったことに批判も出ていますが)。一人一人の当選通知のメッセージに、その夢についてのコメントも添えられていたというのです。自分に代わってお金を有効に使って欲しいという思いと願いが込められています。単なる話題作りに終わらせず、エンジェル的なある種の投資行為ともいえます。お金を受け取った人は前澤氏に感謝するとともに、世間が注視する中でそのお金を使うことになるのでプレッシャーも大きいでしょう。無駄遣いはできません。ひょっとしたら、この1億円がきっかけで多くの人を救ったり、幸せにすることになるのかもしれません。
今回のお年玉企画は、前澤氏がお金をより有効に使うために周到に考えられた実験だったのかもしれないとさえ思えてきました。

企業アカウントでの企画だったら?


しかし、前澤社長のお年玉は、個人のアカウントで個人のお金を使った企画です。会社やブランドとしての公式な企画ではありません。
それでは、ZOZOTOWNの公式アカウントで実施していたらどうでしょう?49万人というフォロワー(これも凄い)を抱えるZOZOTOWNですが、ここまでの話題にはならなかったでしょう。その前に、1億円のプレゼント企画を誰が提案して実施にまでこぎつけるか。普通の企業では簡単なことではありません。実施する意味であったり費用対効果であったり、いろんなハードルが待ち構えています。発案者が誰、あるいはどの部署かによっても違うでしょう。意思決定と準備に相当な時間とエネルギーも必要ですから、新春セールを企画する段階でお年玉企画もスタートさせなければなりません。ZOZOが若くて柔軟な会社であることを割り引いても、会社としての実施はなかったと思います。
  

企業アカウントのフォロワーを増やすには


企業アカウントのフォロワーを増やすには、かつてはプレゼントキャンペーンなどで獲得する方法が一般的でした。しかし、そのような方法で獲得したフォロワーは、キャンペーンが終わるとすぐにフォローを外す人が大半です。前澤社長のフォロワーも当選発表後は減っているのではないでしょうか。

アカウントは偽物やなりすましの可能性もあるので、ユーザーが誰かをフォローするときには、TwitterでもFacebookでもプロフィールをまず確認します。企業アカウントのSNSは、目的を持って運用されるはずです。アカウントのプロフィールではその目的が何であるか、どんな情報を発信していくのかを明確にする必要があり、フォローしたくなるようなプロフィールでなければなりません。
その上で、誰にどんな情報を発信していくか、ほかのアカウントとどう差別化するか(キャラクターを立てて発信するなども一例)、フォロワーにとってどんな価値を提供するのかを考えて運用します。
他の人にも知らせたいと思えるような、役に立つ、あるいは面白いなどの発信が支持されればリツィートやシェアも増え、フォローにつながるはずです。
ただ漫然と発信するだけではフォローに結びつくことはなく、担当者もただただ空しい思いをすることになってしまいます。Facebookならインサイト、Twitterならanalyticsなどで分析しながら改善していくようにしましょう。