昨日、日大アメフト部内田前監督と井上コーチの緊急記者会見が開かれました。
前日の宮川選手の謝罪会見を受けての対応だろうと思われますが、マスコミに会見のお知らせFAXが届いたのは当日の午後7時過ぎ、受け付けは7時半から、開始は8時からというものです。
あまりに突然の記者会見の開催。しかも、直前に文春砲が炸裂し、内田前監督が試合直後に話した音声データが公開されています。これだけ切迫した案内だと、よほどの重要な内容なのだろうとマスコミ各社は推察したはずです。内田前監督は空港での会見発言を撤回し、全てを認める会見をするのか、あるいは学長が世間に対して謝罪するのかもしれないと思いながら会場に集まったのではないでしょうか。
上から目線の考えられない進行
会場は日本大学会館で、仕切りと司会進行は日大広報部の人のようです。しかし、会見が始まると予想とは違う展開となりました。 会見の一部始終は今朝からテレビのニュースや新聞各紙で紹介されていますし、上に貼り付けた動画(The PAGE)でも最初から最後(コーチの退室)まで確認できますので、発言の詳細や内容へのコメントはここではあえていたしません。
体裁は謝罪のようですが、内容は良い訳、弁明に終始しました。謝罪しているようで謝罪していない。非を認めているようで認めない。結局宮川選手が悪いという主張です。
当然記者からは質問が相次ぎますが、ここに司会が度々割って入ります。ネットでも司会進行に対する書き込みが多数有ったようです。
開始1時間45分過ぎあたりから記者と司会者の激しいやりとりが始まります。マイクを通さず記者から「この会見は、みんな見てますよ」という声に対して、司会者は「見てても見てなくてもいいんですけど。同じ質問を繰り返されたら迷惑です」と返し、記者席からは失笑が漏れます。さらに、「司会者のあなたの発言で、日大のブランドが落ちてしまうかもしれないんですよ」というと「落ちません」と即答し、再び笑いが起きる場面もありました。
会見を見終わると、結局何が語られたのかよく分からず、ただただ司会者(日大)の傲慢さだけが印象に残りました。
この、謝罪しているようで責任を認めない会見は、7年前の 「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件の社長の最初の会見(逆ギレ会見と話題になりました)を思い出します。運営会社「フーズ・フォーラス」はその後倒産し、奇しくも今月13日に賠償請求訴訟の判決が下されています。
会見の設定事態が逃げる気満々
そもそも、会見の設定が変でした。24日に再回答書を関西学院大に送る予定でしたから、その回答を送るタイミングで会見しても良いものです。それをあえてせずに、会見開始僅か1時間前にマスコミにFAXを送り、しかもそのFAXには会見場所も記されていなかったようです(フジテレビ「特ダネ」での情報)。 報せはするけど来てくれるなといわんばかりです。
通常、午後8時からの会見というのは余程のことがないと設定しません。政府からの緊急の報せや大きな自然災害に関しての気象庁の会見、それ以外では企業不祥事に関してTOPの謝罪会見くらいです。
なぜなら、午後8時台はテレビのゴールデンタイムで報道番組はありません。報道で取り上げて欲しければ絶対に避ける時間帯です。日中の会見だと、どこかしらの局がライブで放映可能ですが、8時台は急に番組の編成を替えることはできないのでライブ放映するところはありません。実際、会見をライブで流したのはネットメディアだけでした。
会見場では、記者の質問用に用意されたマイクは1本だけで、それも係の人が渡すのではなく、会場の記者が手渡しリレーで送っていたというのです。これではマイクから遠い記者はマイクが動いている合間に発言したくなります。時間稼ぎをして質問をできるだけ少なくし、時間切れを狙ったようにも見えてしまいます。
実際、この会見内容なら、こんなに緊急に設定せず、今日24日の午後で十分でした。
これは明らかにほっかむりをして、時間が経てば他の話題に隠れて忘れ去られるだろうと逃げる作戦です。司会者の「見てても見てなくてもいいんですけど」との発言は、「見てくれない方がいいんですけど」というのが本音でしょう。
結果としては日本大学構内で、日本大学広報部が仕切った会見でこの有様を世間に晒してしまいました。日本大学は巨人軍の球団公式スポンサーだったようですが、日大に関する広告を外したそうです。日大アメフト部だけでなく、日本大学に対する視線は一層厳しいものになったことは明かです。