2019年8月27日火曜日

ソーシャルメディア活用の基礎(3)従業員のSNS利用…中堅・中小企業のリスク回避と危機管理

ソーシャルメディアでの炎上は、アルバイトを始めとした従業員の投稿が火種の多くを占めます。個人アカウントでの投稿なので、コントロールが難しいことと、アルバイトなどは会社やブランド、雇用主に対してのロイヤリティが低いために、行動の基準が自分優先・自分本位になりがちなためです。

バイトテロ投稿は静から動、
不注意から確信へ


SNSへの不適切投稿による「バイトテロ」は、5年ほど前に一度大きな話題となり、今年になって再び立て続けに発生しています。5年前は単に自己顕示欲で注目を浴びたいなどから、主にTwitterに文字か写真で外に漏らしてはいけないような情報を投稿するパターンが主でした。しかし今年の炎上投稿はほぼ間違いなく動画です。5年前のバイトテロ騒ぎの後に暫く沈静化していた不適切投稿ですが、昨年あたりから主流になってきた「ストーリーズ」のへの投稿が原因のようです。

「ストーリーズ」はFacebookやInstagramの比較的新しい機能で、投稿後24時間で表示されなくなります。公開範囲も指定できるので、友人だけに24時間公開して、あとは見られないという安心感からも利用者が増えているようです。
しかし、Youtubeでもそうであったように、投稿された動画が話題になると、他の誰かがそれをコピーして再投稿するということは容易です。元の動画が表示されなくなっても、削除されても結局多くの人の目にとまることになり炎上に至ります。

5年前のバイトテロは、どちらかというと不注意や悪意のない、いたずらの延長で炎上したようなケースが多かったのに対し、今年のものはいずれも行動自体は確信犯です。バレることがないという前提で不適切な行動を動画に撮影し、身内ウケを狙っています。それだけに悪質と言えます。

不適切な投稿を防ぐには


動機は何であれ、
(1)問題行動を自ら実行し
(2)動画に撮る(撮らせる)
(3)投稿する
3つの段階を経て初めてネットに公開されます。

撮影をする、投稿するという行動を未然に防ぐためには、SNS利用に関するガイドラインを作成し、雇用契約時に確認する事が重要です。短期のアルバイトなどでも仕事場に関する投稿・書き込みをしないという誓約書を取っておくことです。最悪の場合は法的な措置や損害賠償請求の可能性について釘を刺しておくだけでも行動抑止に繋がるはずです。

不祥事を防ぐ根本的な解決には、原因となる「物」を排除するという方法があります。例えばスーパーなどで従業員の現金窃盗や事故を防ぐために、現金を自由に取り出せないレジの導入が進んでいます。入出金を完全自動化する、セルフレジにする、キャッシュレス化を進めるなどは、人手不足も相まって広まっています。
これと同様に、仕事場へのスマホ・携帯電話など(動画)撮影・録音可能な機器の持ち込みを制限するなどは簡単にできます。
精密機器や食品工場などでは、ポケットの無い上下一体の制服に着替えないと入室できないところも普通です。コンビニやファストフード店など、制服に着替えて仕事をする業態なら制服のポケットを無くす(あるいは必要最小限に抑える)ことで、スマホなどの機器の持ち込みは防げます。

そこまでの投資ができないのなら、パイロットやドライバーが乗務前に実施するチェックのように職場に入る際のチェックリストを作成し、毎回チェック(スマホを持ち込んでいない)をするという方法もあります。
しかし、深夜のコンビニやファストフード店のように、一人で全てを担当するワンオペではチェックそのものも無意味になる可能性があります。結局は、ガイドラインの周知徹底ということになるのでしょうか。

夏休みに入り、報道は連日「あおり運転」にフォーカスしていますが、夏休みが終わると再び不適切動画や告発動画が投稿されて注目を集めるかもしれません。もしも自社・店舗での動画が投稿された時には、従業員の不適切な行動や投稿を未然に防ぐための措置を講じていたかどうかが問われます。
今一度、SNS利用のガイドラインの確認、周知徹底を。