2019年7月19日金曜日

ソーシャルメディア活用の基礎(1)ー中堅・中小企業のリスク回避と危機管理

初めて聞く社名や新たに取引を開始する企業などは、かつてなら帝国データバンクや東京商工リサーチに問い合わせをし、企業データを取り寄せたりしていました(しかも有料で)。しかし、今ではネット検索でどのような会社か、どんな評判かある程度まで簡単に調べられます。そのため近年、企業は自社の事業や商品・サービスを紹介するためにウェブサイト(ホームページ)を持つことは常識になってきています。自社サイトを持っていないと社名が同じというだけで別な会社と間違われたり、あらぬ疑いを受けることもあります。実は株式会社ブライト・ウェイは他にもあり、そのうちの1社は2chでもスレッドが立っていたこともあり、一時期 間違いの問い合わせが来たこともありました。
2017年には、東名高速のあおり運転で追突事故の原因を作ってしまった容疑者の名前と同じというだけで、誤った情報を信じた人から嫌がらせを受けた工務店がニュースでも取り上げられました。


東名高速追突事故の二次被害、デマによる嫌がらせや営業妨害から考えるホームページの重要性 

企業アカウントでソーシャルメディアを活用する


最低限の情報提供ツールとして自社サイト(ホームページ)を持ったとしても、基本的にはアクセスを待つことしかできません。そのため、SEO(検索エンジン最適化)やリスティング広告を駆使するなどしてサイトの訪問者を増やす努力をします。しかし、それにしても辿り着いたサイト上では一方的な情報発信に留まります。

そこで企業でも活用が増えているのがソーシャルメディアです。アカウントにたくさんのファン・フォロワーが付けば、そのファン・フォロワーに対してこちらから情報発信・コミュニケーションが可能になります。ソーシャルネットワークサービス(SNS)のFacebookやTwitterなど多くのプラットフォームは無料でアカウントを開設でき、利用開始も簡単です。しかしその分スタートする前に十分な準備も必要です。

企業が活用する主なソーシャルメディアは、

1,ブログ
2,Twitter
3,Facebook
4,Instagram
5,LINE
6,Youtube

等があります。順に特徴を簡単に整理してみます。

1,ブログ
写真や図・グラフなども駆使しながら、専門的なノウハウを提供するのに適しています。ブログの専門性のある記事コンテンツは検索対象にもなり、ブログが強力な営業ツールとなっている企業も少なくありません。社長のブログや担当スタッフのブログなどは読み物として固定ファンを持つ場合もあります。
AmebaココログBlogger(このブログはこれです)などのプラットフォームを利用すれば無料で開設できますが、運営会社の都合で閉鎖になったり利用制限が掛かるリスクもあります。自社サイト内にCMS(コンテンツ管理システムContent Management System)で構築するのが望ましく、ブログの更新によりサイトの充実も図れ、結果として検索エンジンに対するサイトの評価を上げることに繋がります。

2,Twitter
アメリカのトランプ大統領が利用していることで有名です。投稿できる文字数に制限(日本語では140文字)があるため、文章は簡潔を求められます。投稿はtweet(つぶやき)と言い、Twitterの最大の特徴はRetweet(RT リツイート)機能。気になるtweetや他のみんなにも知って欲しい情報があればRT(拡散)され、多くのフォロワーがいるアカウントがRTすると、意図せずあっという間に広がることもあります。一度投稿したtweetは修正がききません。削除は可能ですがRTされた物までは削除できないので、企業アカウントではより慎重に運用する必要があります。本人確認がないので、なりすまし(偽)のアカウント(企業でも)も多く存在します。
また、フォローは承認制ではなく、フォロワーが一方的に気になるアカウントをフォローするだけの繋がりです。知り合いでなくても勝手にフォローします。有名人以外では、フォローの決め手はプロフィール欄が重要になります。趣味や関心事が同じとか、フォローする理由がなければフォローしません。
利用者のタイムライン(ホーム画面)には、フォローした人のtweetがリアルタイムで流れていきます。多くのアカウントをフォローしていると、タイムラインはどんどん流れていくので保存性に乏しく、注目されないtweetは直ぐに過去のものになります。
アカウントの運用は、硬派(情報発信型)と軟派(キャラクター型)に分かれ、官公庁はほぼ硬派運用です。軟派の運用では、伊藤ハムの「ハム係長」や加ト吉のうどん部長(退職)も有名です。硬派運用アカウントはその発信する情報にフォロワーがつき、軟派運用ではそのキャラクターの言動にファンが付きます。こそだてではキャラクターのムーがつぶやいていますが情報発信型です。
Twitter内では検索も可能で、通常の検索エンジン同様&検索など絞り込みもできます。#(ハッシュタグ)を使ったグルーピングはイベントの情報共有や#Metoo運動のようなキャンペーンで有効です。

3,Facebook
こそだてFacebookページのヘッダ
企業の場合は、Facebookページ(スタート当初はFunページと言っていました)での運用になります。ページ情報にはかなり詳細な情報が登録可能です。個人商店などはウェブサイトを持たず、Facebookページをホームページ代わりに運用しているところも少なくありません。
Facebookページの投稿は、そのページに「いいね!」してくれた人にしか表示(リーチ)されず、しかも現状では表示されるのは「いいね!」してくれた人の1割以下という状況です。「いいね!」してくれた人が1万人いても、その人たちに表示されるのは1,000人にも届きません。その投稿が役に立つとか、みんなに知らせたい内容であれば、TwitterのRTに相当する機能として「シェア」があります。その投稿に「いいね!」や「シェア」が付けばリーチが広がります。
現在、こそだてのFacebookページの「いいね!」は8,000を越えていますが、リーチは投稿によって少ないと500程度から、多いときで3,000前後と幅があります。
しかし、これからスタートするのであれば、まず何よりもページの「いいね!」を獲得するのが容易ではありません

4,Instagram
画像・動画投稿を中心としたソーシャルメディアです。2017年に新語・流行語大賞を獲得した「インスタ映え」も記憶に新しいかと思います。羨ましがられるような写真や驚きの写真、美しい映像がこぞって投稿されています。Instagramは映像が主役で、文章は説明・補足です。Twitter同様に、検索機能がありますが、検索対象は3つ。人物(ピープル)とタグ(#)、スポットの3つの検索です。検索窓にワードを書き込むと、その3つから検索履歴を参考にオススメがまず表示されます。
twitterと違い全文検索ではないので、文中に#(ハッシュタグ)付きのワードを入れることでタグ検索が可能となり、#○○○で検索して美しい場所やインスタ映えする食べ物を探します。
突然外国人が多く訪れるようになった観光スポットなどは、Instagramがきっかけという事は少なくありません。例えば、これから福岡を訪問しようとする観光客が、#fukuokaで検索して出てくる画像の中から「これは!?」というところを見つけて訪問したり、再度詳細をGoogleで検索したりといった流れです。Instagram自体にはRTやシェアといった拡散機能はありません
Instagramを運用する際には、映像としての「世界観」の統一と、テキストに入れる#キーワードが重要になります。フォロワーを増やすには映像の世界観(に加えられる情報)のファンを増やすこと、検索で見つけてもらうには、#キーワードを多く入れることが重要になります。

5,LINE
LINEは個人間やグループ間でのコミュニケーションツール(トーク)としての利用が中心です。トークに表示されるためには、友達にならなければなりません。LINEの公式アカウントを取得(無料・有料)するのはもちろん、友達登録してもらうための施策が必要です。飲食店などでは、友達になると割引や特別サービスのような特典を付けてメニューやSHOPカードにQRコードを載せて勧誘したりしています。
友達登録してもらえれば、通常のトークと同じようにメッセージを配信できるようになります(プランによって配信可能数などが異なります)。
スマホが普及する以前、ガラケーで空メールを送らせてメールアドレスを取得していたのと同じと思えば良いかと思います。

6,Youtube
Youtubeについては、2つの使い方があります。1つはチャンネルとして多くの視聴者を獲得する使い方。いわゆるYoutuberといわれる人は、多くのチャンネル登録者を持つ人たちです。1回動画をアップすれば、すぐに数万人が動画を見るというYoutuberも少なくありません。しかし、Youtubeでも他のソーシャルメディア同様、役に立つ動画、面白い動画など「観たい」と思わせる動画を次々アップし続けないとチャンネル登録してくれません。Youtubeの企業アカウントでチャンネル登録が多いのは、CMを制作できる大企業がほとんどです。他では、料理レシピやガーデニング、釣りなどの分野に特化したノウハウを提供しているチャンネルです。
もう一つは、チャンネル登録者を増やすという目的ではなく、自社のウェブサイトや他のソーシャルメディアに動画をアップするのを主目的とする運用です。社長のご挨拶動画や新商品の解説、使い方マニュアルなどをサイトに埋め込むような使い方です。管理画面で公開範囲やコメントの可否なども選べます。
動画は写真や文字とは比べものにならない情報量を持ちます。それだけに、撮影場所・背景、服装や表情、さらには音(BGMを入れる場合には著作権)などにも十分チェックする必要があります。

他にも、最近若者に利用者が増えているTikTokや今やソーシャルゲームのプラットフォームとなってしまったmixi、あるいはビジネスに直接影響する口コミサイトでもある価格.comや食べログなどもありますが、ここでは割愛させていただきます。
ソーシャルメディアを活用する際に重要なのは、誰に向かって何を発信するのか?どういうコミュニケーションをとるのかということです。ソーシャルでもメディアですからコンテンツが重要なのは言うまでもありません。

21日投開票の参議院選挙でも、各政党・候補者はソーシャルメディアを駆使して戦っているようです。 

SNS選挙様変わり 動画作成や投稿、候補者自ら工夫

ソーシャルメディア活用を考えるときには、天国と地獄の境にいる候補者くらいの本気度を持って取り組まなければ、良い結果が出るはずはありません。
次回は、ソーシャルメディアの運用リスクについてまとめます。