2019年7月12日金曜日

経営TOPにもしものことがあったらー中堅・中小企業のリスク回避と危機管理

代表取締役社長ジャニー喜多川に関するご報告
7月9日、ジャニー喜多川さんがお亡くなりになり、テレビのニュースはこの話題でもちきりでした。
50年以上にわたり日本の芸能界に影響を持ち続けたプロデューサーでありヒットメーカーの死は、日本の芸能界にとって衝撃であると同時に、株式会社ジャニーズ事務所という企業にとっては代表取締役社長の死でもあります。 社内においてもジャニー喜多川さんは絶対的、偉大な存在であることは間違いないでしょう。
ジャニー喜多川さんがここまでお元気でおられたことと、所属タレントの口からジャニーさんとの会話や多くの逸話が語られることから突然の感じはありますが、87歳は通常ならとっくに一線を退いていても不思議ではない年齢です。2017年の男性の平均寿命は81.09歳ですから、近い将来には体調不良で一線を退くことを想定して準備をされていたことでしょう。会社経営という面での実務は既に副社長以下で組織的に動いていたはずです。

後進の指導やプロデュースには、滝沢秀明さんが2018年でタレント活動を終了しプロデュース業に専念すると発表し、今年新たに興された関連会社・ジャニーズアイランド社長に就任するなど、次世代へバトンを繋ぐ準備は進められていました。 このように、株式会社ジャニーズ事務所にとって代表取締役社長の死去は想定内のできごとであり、これから事前に準備されていたシナリオに沿って淡々と様々なことが進められると思われます。

権限の承継とバックアップ


映画では、アメリカ大統領が暗殺された、あるいはそれに準じる事件が発生した際には、大統領権限が副大統領、下院議長へと順に継承される場面が描かれることがあります(「ホワイトハウス・ダウン」など)。日本でも、「シン・ゴジラ」では総理他多くの閣僚が亡くなり、農水大臣が内閣総理大臣臨時代理として就任しました。このように、国家や地方自治体、大企業ではTOPにもしものことがあった際の権限の承継について、明確に規定されています。しかし中堅・中小企業では、そのような権限の承継について明文化しているところはほとんどありません。

企業の代表が突然死亡した例で記憶に残っているのは、日航機墜落事故で亡くなった阪神球団の小津社長。任天堂の岩田社長も社長在任中に胆管腫瘍のため55歳という若さで亡くなっています。しかし、阪神球団は阪神グループ、任天堂はもともと山内家の同族経営から岩田社長を中心とした集団指導体に代わり、前年にも一度手術・入院、その後療養などで社長不在でも支障なく会社運営できる体制ができていました。

ところが、中堅・中小企業の多くはオーナー経営。創業者・オーナーに権限も情報も集中しているところがほとんどです。 そんな企業で、TOPにもしもの事があったら?皆さんの会社のTOPが事故で亡くなったり、心臓や脳疾患で倒れたり、あるいは出張先で行方不明になったり…… そんなときに慌てることなく会社運営は継続できますか?

コンティンジェンシープラン(CP)の策定


コンティンジェンシープラン(Contingency Plan)とは、その策定対象が潜在的に抱える脅威が万一発生した場合に、その緊急事態を克服するための理想的な手続き、手順を決めたものです。 企業活動では、社長が出張先で事故に遭ったとか、工場から出火したなど、様々なリスクやトラブルが想定できます。それらを事前に拾い出し、万が一発生した際の対応について、手順や取り決めを文書化しておくのです。特にオーナー企業やTOPに権限が集中している企業では、経営TOPを対象としたコンティンジェンシープランの策定が必要です。オーナーに想定外のもしもというのが一番のリスクです。想定外を想定内にしておかなければなりません。

今日、SNSで「亡くなった夫のスマホのパスワードが分からなくて開けない」という投稿がありました。PCやスマホには重要な情報が詰まっているため、パスワードや生体認証でセキュリティをかけますが、反面そのPWを知る人がいなければ開けなくなって情報が取り出せなくなるリスクもあります。
個人の頭の中にしかない情報や未整理な情報を整理保管するのに参考になるのは、「エンディングノート」や「もしもノート」として販売されている整理ノートです。パスワードや暗証番号を記すページもありますし、他にも整理すべき項目の参考になります。
時間があるときに少しずつ整理し、「もしもの時にはここに」と厳重に保管するか誰かに託しておくこともあわせて検討しておきましょう。