ここまで頑なに辞職勧告を拒否していたので、不信任決議を受けたら都議会解散に打って出、リオデジャネイロオリンピックで「フラッグハンドオーバー・セレモニー」に出るつもりかと思っていましたが、さすがに最後は良識有る行動に出ました。
そもそも、舛添氏は何を問われていたのでしょう?事の始まりは、「海外出張の高額(不相応に贅沢)な旅費」と週刊文春の「公用車で湯河原の別荘へ」が問題提起された事でした。
それがいつの間にか問題は都知事になる前の国会議員時代のお金の使い方に移っていきました。都議会で都知事の打ち出す政策や行動、経費の使い方について問いただすのは理解できますが、知事に就任する以前のお金の使い方についてまで追求され始めました。知事の執政をチェックするのではなく、いつの間にか辞任に追い込むための都議会になってしまっています。なんだかマスメディアに踊らされて、都議会が桝添さんを辞任に追い込んだように見えてしましました。
都議会は都政における舛添知事の行動や施政能力について責めるのならわかりますが、過去のせこいお金の使い方をもって知事に不的確として、各会派が不信任決議案を提出しようとしたのです。法的には問題ないといいながら、どうしてこんな事になってしまったのでしょう?
論破しようとする姿勢が反感を
フジテレビ「痛快TV スカッとジャパン」より (C)フジテレビ |
マスメディアが舛添氏の知事としての過去の発言を取り上げるときには(都民・都政のためにこれを改善したということはなく)リオで旗を受け取ることばかりを強調していました。これでは都民のために何かはっきりした実績があればまだしも、実の無い目立つ言動の無駄遣いばかりしている印象です。都庁には多くのクレームの電話やメールが届いたと言います。都民からの声に応える形で都議会での追及も始まることになります。
そして、舛添氏は第三者による調査結果の公表も含めて数度の釈明会見を行いました。
しかし、この会見の度に都民(国民)の反感を買っていきます。
会見では、一貫して釈明(言い訳)の後に「ルールに従っている」、「規定の範囲内」、「違法性はない」と結論づけようとします。第三者による調査とする結果でも、「一部不適切」ではあるものの 「違法性なし」と強調しました。これが、有罪無罪を争う裁判の法廷であれば良いのでしょうが、会見のテレビカメラを通して見ている都民(国民)には不快にしか映りません。
フジテレビ 「痛快TV スカッとジャパン」のイヤミ課長から
【はい、論破】
と言われているような不快感を覚えていたはずです。
言葉の順番をいれかえるだけで結末も変わった
「○○○」、しかし「■■■」という文章構成は、文の後ろが強調されます。最初に謝罪したとしても、後で「しかし~」と続けば、後半の言い訳が強く印象づけられます。
「ルールに従っている」とか「違法性はない」という決め台詞を最初に言ってから釈明を始めれば、流れも変わっていたはずです。公用車の使い方や海外出張の旅費についても、
「ルールに従っている」・「規定の範囲内」ではあるけれど、都民感覚から外れていました、申し訳ございません。これからは改めます。
と素直に言えたのではないでしょうか。
最初の会見から論破する姿勢で臨まずに、順番を入れ替えていれば、ひょっとしたら当初のシナリオ通りに知事の座にとどまれたかもしれない(無駄な選挙を回避できた)のでは、と残念です。
※ 舛添氏の政治資金活用法などを正当化・擁護するものではありません。
不祥事発覚時の記者会見・対応の仕方で結果が変わる可能性についての考察です。
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