昨年末から今年にかけ、相撲やレスリング、日本大学アメフト部や至学館大学まで巻き込んで、スポーツ周辺で世間の注目を集める絵に描いたような謝罪会見が相次ぎ、マスコミもそちらの報道に集中していました。
結果としてその影に隠れるように三菱マテリアルの謝罪会見は、ほとんど報道されないまま見過ごされているようなので、「空飛ぶタイヤ」の映画が公開されたタイミングでもありますし、振り返ってみます。
三菱自工のリコール隠し
「空飛ぶタイヤ」は、三菱自動車工業のリコール隠しによる死傷事故を題材に池井戸潤氏が小説化し、2009年にはテレビドラマ(amazon primeで見られます)にもなりました。そしていよいよ映画化され、6月15日(金)に封切られました。
三菱自動車工業はリコール隠しだけでなく、その後 燃費データの改ざんをしていたことも明るみに出て、今や日産自動車が筆頭株主となっています。
ウィキペディアによりますと、リクルートの先輩でもある田中辰巳さんは、
この体質のために「隠蔽といえば三菱自動車、三菱自動車といえば隠蔽」と言われるくらいに隠蔽の代名詞となったと手厳しい評価を下している。とあります。
また「三菱」か?
その同じ三菱を冠するグループ会社の三菱マテリアルは、自動車がやって来たことと同じようなことを繰り返していたのです。グループ子会社が製品データを改ざんして出荷していたことが発覚(しかも40年も遡って発覚)して昨年11月に謝罪会見をおこないました。
しかし、その後も12月に再び別の子会社で改ざんが明るみに出て謝罪会見。更に今年2月と3月にも新たに発覚した同様の内容で謝罪会見をし、とうとう(やっと?)社長が引責辞任を発表する会見を6月11日行いました。
いったい何回謝罪会見を開いたのでしょう?
一般生活者には直接の取引や関わりの無い素材メーカーなので、ほとんどテレビなどでの報道はされませんでしたが、ビジネスの世界では一気に信用を落としてしまったはずです。一度ならず二度、三度と新たな不正が発覚し、その度に謝罪会見を繰り返す。これが最後と言われてもまだ出てくるんじゃないかと疑心暗鬼になってしまいます。
(「三菱マテリアル 改ざん」で検索すると山のように出てきます。さらに「まとめ」もたくさん作られています)
自動車のリコール隠しも再び思い出されるこのタイミング。データの改竄や隠蔽は三菱グループの企業体質だと刷り込まれるかもしれません。
昨年中に全ての膿を出しきれなかったことで、グループ全体に大きな傷を付けてしまったことは否めません。