年明け早々のニュースで、instagramやTwitter、Facebookなどにアップされたピースサインの写真から指紋が盗まれる可能性が指摘され、話題になりました。
最近はスマートフォンのカメラの性能も上がり、アップされる写真も高精細になっています。スマートフォンで撮った写真を簡単にSNSにアップする事ができるため、指紋が見える様なピースサインを拡大・補正すると指紋の複製ができるというのです。現状ではよほど条件が整っていないと指紋の複製ができるような写真はアップされないようですが、今後はカメラの性能も上がるでしょうから用心するに越したことはありません。
ピース写真よりも怖いIDカード
私は今回の報道を受けて、他の事が心配になりました。オフィスビルのセキュリティの為に身につけているIDカードです。
丸の内や渋谷のオフィス街の昼食時、外へ出て食事をする、キッチンカーでお弁当を買う、コンビニで買い物をする、IDカードを首から下げたままのビジネスマン・OLさんの姿を多く見かけます。私自身は、会社員の時代から首からかける(あるいは胸に付ける)IDカードや名札を付けたまま外に出るなんて恥ずかしくてできませんでした(たまに外し忘れると、一緒にいる同僚が教えてくれてました)。しかし、今時の会社員やOLさんは平気なようです。
IDカードを付けたままだと、「私は○○○の×××です」と公言しながら街を歩いているのと同じです。これは、ひょっとすると正規雇用と非正規との位置づけや格差が広がる中で、無意識な優越感・自己アピールの行為なのかもしれません。それぞれが無意識なのか意識してなのかはわかりませんが、いずれにしても危険な行為であることには違いありません。
オフィス街(オフィスビル内のコンビニやレストラン近辺などでも)でスマートフォンのカメラで写真を撮ったら、IDカードをぶら下げたままのビジネスマン・OLさんの写真がたくさん撮れてしまいます。個人を特定する情報として、非常に重要な要素がほぼ手に入ります。ICカードのデータ取得は無理でも、個人を認証するために求められる顔写真と所属・名前くらいは簡単に取得できてしまいます。
ビジネス上のリスクだけでなく、個人が特定できるのでストーカーのターゲットにもなりかねません。ネットではなりすましなどの被害も想定されます。
IDカードは、譲渡や貸与などの取り扱い規則だけでなく、社外では人の目に触れるところに露出しないことを徹底することが、ビジネスの観点だけでなく従業員を守るという視点からも重要になっています。