対して、ANAでもWifiのサービスが無い訳では有りませんが、設定されている機材が少なく、大々的にアピールするにはまだ準備が整っていないようです。私もこれだけ頻繁に飛行機に乗っていても、Wifiサービスを提供している機材に当たったのは、まだたったの2回です。
最初に機内で写真のステッカーを見た時には、何のことだかわかりませんでした。2回目に当たった時には、機内でスマホでSNSをやっている人を見て初めて気付いたくらいです。シートポケットに「ANA Wi-Fi SERVICE GUIDE」を見つけて、やっと理解しました。
機内でWifiが使えるだけでなく、これまでスクリーンに投影されてイヤホンで音声を聞いていた機内エンタテイメントが、Wifiを通して多チャンネルでサービスされています。国際線のシートテレビで提供されていたようなサービスが、自分のスマホに提供されることになります。
JALはキャンペーンで無料ですが、現在のANAの利用料金は、40分550円(または550マイル)の40分プランか、あるいは1050円で離陸の約5分後から着陸の約5分前までずっと利用できるフルフライトプランの2つ。東京-福岡間であれば、東向きは40分プラン、西向きであればフルフライトプランが適当ではあるものの、果たしてこの金額はちょっとばかり高いように思われます。
いかにスマホが手放せない若者でも、たかだか1時間や2時間ネットが繋がらないからといって40分550円を支払うでしょうか。
そこにJALが無料キャンペーンです。GW・夏休みの若者の旅行客を総取りしようという作戦でしょう。JALのイメージキャラクターは嵐ですし、バッチリアピールして「夏休みの旅行は絶対JALだよね、Wifiも無料で使えるし!」と。
GWと夏休みの航空チケットは、安くチケットを取りたい若者を中心に、JALの特割が早く埋まるのではないでしょうか。
通路側の席でスマホ利用は要注意
機内でWifiに繋がるようになると、私ならPCでブラウジングしながら仕事をしたり、メールのやりとりをしたりというのは容易に想像が付きます。特に飛行機に乗っている時間帯によっては、メールが気になるものです。今でも、機内でPCを開いて仕事をしている人は多くいますし、画面の輝度も抑えめにして他人からは角度もあるので、それほどPC画面は気になりません。
ところが、スマホやタブレットは妙に目立ちます。
PCの画面を開いている人は、画面はほとんど文字ばかりで興味も沸きません(産業スパイや競合するような人には別でしょうが)。対して、スマホやタブレットは写真や動画を見ている人がほとんど。スマホやタブレットの画面は高精細で輝度が高いので、離れた小さな画面でも、はっきりわかります。
先日Wifiサービスのある飛行機で、通路を挟んで私の斜め前に座っていらした紳士が、ネットに繋いだスマホを手にして、到着するまでずっと画面をスワイプしていました。SNSなのかどこかのサイトなのかはわかりませんが、そのスマホの画面に映し出されているのは若い女性の写真ばかり。それが不適切であるという訳ではありませんが、実はある上場企業の社長さんでちょっとビックリしました。
近頃は、タブレットだけでなくスマホの画面も大きくなっています。タブレットだと持ち上げませんが、スマホは手に持って、顔の前に持ち上げて見てしまうので、後ろからも丸見えになってしまいます。
今はJALがキャンペーンで無料ですが、いずれANAも対抗せざるをえなくなるでしょう。その先には、機内でもWifiが無料で繋がるのが当たり前の時代がみえています。その時に、自分の世界に没頭して変な物を見続けていたり不適切な書き込みなどしないように。特に、ビジネスマンは窓側よりも通路側の席を好みますから、斜め後ろの目には要注意です。