今日(1月18日)、日経電子版で
いま明かす、顧客情報流出事件を防げなかった理由 ジャパネットたかた前社長 高田明氏
を読んで改めて驚いたことがあります。
ジャパネットたかたの個人情報流出事件の際には、世の中も驚いた高田社長の記者会見(全営業をストップすると宣言)が今でも語りぐさとなっていますが、既に12年もの月日が流れていたんですね。驚いたのは、事件(顧客情報を盗んだ)が発生したのはさらにそれよりも5~6年も前だったということです。20世紀に実行された犯罪が世紀をまたいで21世紀に発覚したのです。 仮に時効が成立後に発覚した場合には、盗んだ犯人は刑事での罪には問われなくなってしまいます。しかし、顧客情報を流出させてしまった(窃盗の被害者である)企業には時効など有りません。情報を流出させてしまったという責めを負い、発覚した瞬間から責任を追及されます。
このような従業員の不正や組織ぐるみの不祥事、あるいは経営トップの贈収賄事件なども、忘れた頃に誰かの口の端に乗り、文春砲や新潮砲が炸裂するかもしれません。そんなことになると時効を過ぎて罪は問えなくても、企業の価値を大きく毀損することは間違いないのです。
過去まで遡って、明らかにはなっていなくても不正や問題発生の可能性を検証し、可能性があればそこをつぶす作業に取りかからなければ、いずれは問題が発生することになるでしょう。その時に、「放置していた」のか、「予見して改善に取り組んでいた」かで世間の印象も随分違うはずです。
遡って1月4日の日経新聞では、
職員の不祥事防止、首長に対策義務付け 地方自治法改正へ
という記事が掲載されました。
企業だけでなく行政組織でも同様です。不正や不祥事の発生の可能性を予見し、事前にその芽を摘む事が大事です。そのためには想像力が必要です。
福岡県飯塚市の市長が、賭け麻雀の指摘を受けて開いた記者会見が余りにもお粗末で、結局辞任することになってしまいました。市民の生活や気持ちどころか、厳しいマスコミの反応さえも想像することができなかったのでしょう。高田社長が客さまに迷惑はかけられないと、記者会見を前にしてあらゆる想像力をはたらかせたようには想像できなかったのです。
企業には至る所に不発弾や時限爆弾が潜んでいる事を前提に、過去も含めての見直しをし、正しく前に進む年にしましょう。
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