1月26日の午後、騒動発覚以来連絡が取れなくなっていた篠原洋一郎社長が破産手続き申し立てをし、19時から記者会見を開くとマスコミ各社が伝えました。
雲隠れしていた篠原社長が初めて姿を現しての会見とあり、会場には200人を超えるメディアが集まったと言います。 朝日新聞他多くのネットメディアは、2時間にわたる記者会見をライブで伝えました。
篠原社長が会見で語った内容や一問一答は、上に貼った朝日新聞のライブ映像や新聞各紙の記事を見ていただくとして、広報PR・クライシスマネジメントに関わる立場からこの記者会見を見た感想を記したいと思います。
弁護士さんの仕切りによる会見
会見会場は大学の階段教室のような所で、会見席の後ろには固定のスクリーンが備えてあります。白布で被われた会見席には数十本のマイクが 設置してありました。謝罪会見などに慣れたPR会社だと、こういう会見にはならなかっただろうというところも見受けられます。今回の会見は、破産申し立て代理人弁護士事務所が仕切ったと考えられます。まず、私だったらこの会場での会見はセッティングしません。最後は謝罪会見場と言うよりも、逮捕された犯罪者を報道カメラマンが取り囲んでいるような様相でした。
朝日新聞の動画は、会場セッティング段階から記録されており、私たちの様な職業の者にとっては大変興味深いものです。この動画では、録画スタートから25分を過ぎたところでやっと篠崎社長が入場しますが、それまでの会場の様子(記者の様子など)も見ることができますし、会見終了が告げられ社長が会場を出た後の記者の様子まで記録されています。
通常でも冒頭の謝罪よりも、その後の質疑応答の方で重要な事が語られる事が多いのですが、地上波などテレビで通しでのライブ放送は無理です。 その点、ネットではライブで全部見ることができました。私はiPhoneにイヤホンを刺し、移動中もずっと見て(聞いて)いました。テレビのニュースでは、この2時間にも及ぶ会見からせいぜい数十秒を切り取って伝えますから、それ以外のやりとりや周辺の状況はわかりません。
局やそれぞれのメディアが、どこを切り取るかは、報道の姿勢によりバラバラになります。番組では、担当キャスターが質問できれば、当然そこを優先して採用します。放送されたニュース映像や記事で全てが伝わる訳ではありません。その切り取られた報道で、ネットではまた様々な形で非難や批判が繰り返されるのでしょう。全部を見た上でそれぞれの報道を見ると、その姿勢も見えてきます。
お尻が決まっている(21時に記者も全て撤収すること)という会場を選定したことで、会見を強制的に打ち切りました。これは最初から長引いても2時間で終了させると決めての会場選びだったのでしょう。
今回は色々な意味で興味深い、考えさせられる会見でした。
1月29日追記
その後の報道で、篠原社長は会見後2時間も横浜市内を歩き回り、その間もずっと記者が横について質問をする様子の映像などが流されました。事前に十分に想定できる質問に対しても、準備していたとは思えない回答でした。広報のプロがサポートしていれば会見の準備と進行だけでなく、会見の後まで気を配ってこのような報道も無かったはずです。