2018年2月8日木曜日

奈良県庁からの問い合わせで、約50年ぶりの奈良

ほぼ50年ぶりの東大寺大仏殿
奈良を訪れたのは小学生の頃に1度だけ。かれこれ50年ほど前のことで、奈良公園で鹿にせんべいをあげたのと大仏様を見た記憶が、かすかに残っているくらいです。社会人になっても京都へはちょくちょく出かけることは有ったものの、奈良へは一度も足を運んでいません。改めて奈良へ行きたいとずっと思っていましたが、ビジネスでも縁が無く今に至っていました。
そこへ昨年末、大阪の広告代理店に勤める高校の同級生からメールが来ました。関西に来る時に、奈良まで足を伸ばせないかと。Jr東海が「うましうるわし奈良」というキャンペーンを始めて、気にもなっていたところです。

奈良までというのは、奈良県こども・女性局長が、育児情報誌miku50号のフランス取材記事や編集長の「感情的にならない子育て」を読まれて、一度編集長にお話しを伺いたいとのこと。ただ、講演など謝礼・交通費を出せるような依頼はすぐにはできないので、まずは私が関西に出かける際に時間がもらえればと。
そのメールを受け取る少し前に、ガウディ研究家の田中裕也さんからも京都に来られないだろうかとメールで打診がありました。全国日本学士会主催のアカデミア賞を受賞することが決まり、その授賞式が京都で開催されるので時間が合えば出席して欲しいとの連絡でした。授賞式に合わせてバルセロナからご家族で帰国するということでもあり、久しぶりに再会できるのを楽しみに出席を決めていました。朝からの授賞式なので前泊することにし、前日は関西方面での仕事を入れる予定にして。この日なら時間的にも余裕が有り、奈良まで足を伸ばすのは難しくないという返事をしました。

このメールを貰うまでは奈良県のことはほとんど調べたこともなく、京都や大阪と奈良市との位置関係も曖昧でした。改めて調べると、京都から奈良へは近鉄特急でわずか35分ほど!県庁は近鉄奈良駅から歩いてすぐの所にあります。大阪(難波)からも近鉄の快速で40分ほどで行けます。移動に要する時間は、東京や大阪で打ちあわせの際の移動時間と変わりません。これは意外でした。これなら他の商談や打ちあわせも入れられます。

東大寺の大仏様と国宝の数々


 夕方4時のアポイントとしていただいたことで、奈良県庁をその日最後の訪問先とすることができ、慌てて大阪や京都に戻る必要もありません。少し早めに奈良へ向かえば、東大寺を散策する時間が取れます。 京都で打ちあわせを済ませ、13:30発の近鉄特急に滑り込み出発。奈良は京都と同じように山に囲まれた地形の所にあり、山を越えて(トンネルを抜けて)行くものだとばかり思っていましたが、京都から奈良はずっと平地。トンネルも山越えもなく、本当にあっけなく2時過ぎにはもう奈良に到着です。
小雪がちらつく中を東大寺に向かうと、途中すれ違うのは外国人ばかり。東大寺の駐車場には大型観光バスが沢山並んでいます。聞こえてくるのは中国語がほとんどで、ごくたまに英語やスペイン語が混じる程度。鹿にせんべいをやっているのも、参道でお土産を買っているのも中国人ばかりです。

南大門で運慶作の仁王像を見上げ、大仏殿では盧舎那仏を見上げ、ととにかく大きな造形物ばかりで圧倒されます。
法華堂では観音菩薩像に心を洗われるような感覚を覚え、二月堂からは大仏殿の先に奈良の町並みを見渡し、東大寺を1時間半ほど散策して県庁へと向かいました。

働き方改革の参考にと


県庁では、子ども・女性局の福西局長がお待ちでした。
奈良県には大規模な工場や事業所が少なく、県下で1番大きな事業所は、実は県庁なのだそうです。奈良県で働き方改革を進めようとすれば、まずは県庁から見本を示さなければということで、フランスや海外の事例などを聞かせて欲しいというご要望です。
霞ヶ関でも東京都庁でも、毎日深夜まで灯りが消えることなく職員の皆さんは働いています。働き方改革と言いながらもその旗を振る中央官庁や行政職員が1番遅くまで仕事をしていては、民間企業の働き方が変わる訳がありません。

様々な方向から矢継ぎ早の質問に、奈良では県庁がまずその範を示そうとの意気込みが伝わってきました。来年度以降、奈良県庁でどのような取り組みが進められるか楽しみです。

※奈良には、リクルートの先輩で杉並区和田中の校長を勤め、「よのなか科」をスタートさせた藤原和博さんが、今は奈良市立一条高校の校長としていらっしゃいます。次回奈良へ行くときには藤原さんにも連絡して、学校訪問をしてみたいと思っています。