2014年7月12日土曜日

ベネッセコーポレーションで働く皆さんへ。

ベネッセコーポレーション(以下ベネッセ)は7月9日、760万件の顧客情報が外部に漏洩したことを確認したと発表しました。さらに漏洩は、最大で約2070万件に増える可能性があるとしています。
お客様情報の漏えいについてお詫びとご説明

この発表を受けて、TwitterやSNSではジャストシステムのスマイルゼミからベネッセにしか登録していない情報でDMが届いたなどの書き込みも広がりました。報道では、ベネッセの関連会社「シンフォーム」から持ち出された顧客情報が、複数の業者を経て「文献社」にわたり、その名簿を購入したジャストシステムがDMを発送したことで発覚したという流れのようです。
それに対してジャストシステム、はホームページで反論のコメントを出しています。
本日の一部報道につきまして
しかし、その後の報道や社内調査の後、改めて以下の発表をしています。
ベネッセコーポレーションの個人情報漏洩の件に対する当社の対応につきまして

今後、他でも名簿を購入した企業の名前が出たり、そもそもデータを持ち出した犯人に関する報道も続くことは容易に想像がつきます。
そして、その都度ベネッセの顧客会員は不安になり、問い合わせをするのでしょう。その点、会員と直接コミュニケーションが取れる、ある意味通販会社のような立ち位置なので、窓口の一本化はしやすいといえます。しかし、2000万人以上の顧客からの問い合わせに対応できる窓口、体制は準備できているでしょうか?単に数の問題ではなく、誰が電話に出ても同じ受け答えができるかが重要となります。下手をすれば,この対応で更なる混乱や不審感に繋がりかねません。


リクルート事件で感じた思い

育児情報誌mikuは、3年半前にベネッセコーポレーションより事業譲渡を受けて今に至っていますし、mikuにかかわっていた方やリクルートのOBも多くいる会社です。この事件の報道に接すると、ベネッセで働く皆さんに気持ちがいってしまいます。
しばらくはテレビや新聞、週刊誌、あるいはNet上では「ベネッセ」の名前が飛び交い、お客様や知人からも様々に声を掛けられるでしょう。自分は直接の当事者ではなくても、第三者から見れば同じです。そうやって問い詰められたり、質問攻めにあったり、陰口を耳にしたり。外部の犯罪者のせいでどうして自分達が責められなければならないのか?とも考えます。

リクルート事件でも、当初は同じような思いをしました。株の売買がどうして責められることなのか?と理解できない者も多かったくらいです。そして、会社ではなく「社内報かもめ」を中心として全従業員が客観的な視点で事件に向き合いました。

事実は何なのか?
何がいけないのか?
何が間違っていたのか?
自分達が今携わっている仕事は間違っていたのか?

自分達は何をするべきなのか?

そして、2つの結論にたどりつきました。それは、

1,関与したのは極限られた一部の人間であっても、世間の一般常識ではやってはならないことを、リクルートという看板が関与して行われたという事実。これは会社として全体で、そして従業員一人一人が重く受け止めなければならない。
2,しかしリクルートが提供している商品・サービスは、事件とは分けて考えなければならない。お客様にも読者・利用者にも喜ばれるサービスを提供している。その点については自信と誇りを持つべきだ。

仕事に関しては卑屈になる必要は無い。リクルートというブランドは傷ついたけれど、商品に傷はついていないんだと自らに言い聞かせ、襟を正してお客様のために精一杯の仕事をする。それが信頼回復へ向けて自分達にできる唯一のことだという結論にです。そして苦難を乗り越えたリクルートは今に至っています。


今回のベネッセの個人情報漏洩も、事件に関与した人間が内部の者か外部の者かということよりも、個人情報が外部に漏洩したという事実が会員さんにとっては問題です。外部の人間が持ちだした事件だと考えると、自分達も被害者だという意識にもなりがちです。解決すべき事は明確である一方、会員情報管理に携わる部署以外の人は、他人事になりかねません。
今、これから何をするべきなのか?をそれぞれが考え、実行に移すことが重要です。決して指示を待つのではなく、自ら考えて行動することが。
ひょっとすると、現場の若い人は「自分には関係ない話」と、何も感じてなかったりするのでしょうか?そうでないことを願うばかりです。


※発表までの経緯と問い合わせ窓口は、こちらのニュースリリース(PDF)にまとめてあります。
ベネッセコーポレーションにおける個人情報漏えいに関するお知らせとお詫び(お問い合わせ窓口のご案内)
そして、すでにソーシャル上ではこのような整理されたページもできています。
ベネッセの情報漏えいをまとめてみた。Add Star

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2014年6月11日水曜日

ルーズヴェルトゲームのような機密情報漏洩は抑止できるか?

日曜夜9時のTBSドラマ、「ルーズヴェルトゲーム」は「半沢直樹」と同じ池井戸潤氏の原作による連続ドラマ。福岡ドームでお世話になっていた工藤公康氏の息子さんが、準主役で出演していることもあり毎週楽しみに見ています。
このルーズヴェルトゲームでは、青島製作所の独自のイメージセンサー技術を、イツワ電器が不正に手に入れ窮地に追い込まれるという場面がありました。近年、国内だけでなく海外のメーカーとの間でこのようなことが頻繁に起こっているようです。
そこで、政府は7日、企業の技術情報など「営業秘密」が海外に不正に持ち出されるのを防ぐため、秘密漏えいに対する罰則を強化する方針を固めた(毎日新聞6月7日記事より)とのことです。
毎日新聞 2014年06月07日記事より
毎日新聞によると
「営業秘密が不正に海外に持ち出される事件が相次いでいることを受けた措置で、秘密を流出させた社員への罰金を引き上げるほか、罪の規定を企業からの告訴がなくても捜査機関が検挙できる「非親告罪」に改める。
営業秘密を流出させた社員などへの罰金の最高額を現在の1000万円から数倍に引き上げるほか、情報を手に入れて不正な利益を得た法人への罰金も現在の最高3億円から引き上げる。また、現在は、被害企業の告訴が必要な「親告罪」となっている不正競争防止法違反の規定を、被害企業の告訴を必要としない「非親告罪」とする方向で検討」
ということです。

これまでの1000万円以下の罰金であれば、迎え入れる企業が「罰金支払いを想定した高額報酬」や「もしもの場合は罰金を肩代わりする」という条件を提示することもあり、この程度の罰金では抑止に繋がらないとの指定を受けて罰則強化に至ったようです。

ルーズヴェルトゲームのイツワ電器は、どのくらいの報酬を用意して技術者を引き抜いたのでしょう?ドラマの中では明らかにされていませんが、この改正が現実になれば少なくとも流出させた社員にとっては大変な負担になるために抑止力にはなるでしょう。当然、公になれば社会からも冷たい視線を覚悟しなければなりません。一方、海外の企業だと、法人に対しての罰金はのらりくらりと逃げ回ったり支払わずにそのまま海外へということも有るかもしれませんから、彼の国の企業にとってどのくらいの抑止力になるかは不明ですが。

また、転職者を受け入れる際にも、意図せず(あるいはそれが条件ではなくとも期待して)前職場の秘密情報を手に入れそれを利用した場合、それが後に「漏洩」と認定されることも考えられます。非親告罪ですので、ある日突然罪に問われる事もあり得るのです。

いずれにしても、優秀な技術や人材をつなぎ止めておけるだけの企業の魅力と待遇・報酬と結束が求められるということですね。

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2014年6月10日火曜日

ネットでの個人的感想に企業はどこまで責任を負うか

リクルートの同期入社で、カーセンサー編集部でも一緒だった永江一石氏(付き合いが永く、今更「永江氏」でもないのですが、あえて「氏」と書かせていただきます)が、Yahoo!ニュース個人のオーサーを降りたことでネット上で騒ぎになっています。

ソーシャルは難しい。わたしはこれでYahoo!個人に投稿するのをやめることにしました

事の顛末は「Yahoo!Japan佐野岳人氏によるYahoo!ニュース・オーサーの永江一石氏へのコメントについて」(同じくYahoo!ニュース個人 片岡英彦氏の記事)に詳しく説明してあるのでこの場では割愛させていただくとして、この一件は企業/組織人のソーシャルメディアの利用・発信について、まさに「一石」を投じることになりました。

組織人の「個人」としてのソーシャルメディアでの発信が問題になったと言えば、昨年9月、経済産業省の50代男性キャリア職員が自身の匿名ブログに「復興は不要だ」という書き込みや周囲への誹謗中傷など不適切な書き込みを繰り返し行っていたとして懲戒処分を受けたことを思い出します。
「ソーシャルメディアでの「不祥事」を未然に防ぐ、一つのヒント」

このときも、匿名だと自分の素性は突き止められないから安心という気持ちがあったのでしょうが、今やブログ、Facebook、Twitterその他のSNSでの発言と行動をプロファイリング・分析すれば、いずれ誰だかは突き止められてしまいます。そもそも、犯罪を犯すために匿名でSNSをやっている訳ではないのですから、どこかに隙や証拠が残されているものです。
今回の永江氏の一件も、Yahoo!JAPANの現役社員である佐野氏がFacebook上でコメントしたことから始まったようです。佐野氏は単に「個人的な」感想を書き込んだだけだったのかもしれません。しかし、Facebookは原則実名でアカウントを取得し、プロフィールなどを登録します。佐野氏はプロフィールの基本データを「公開」にしています。佐野氏の「しょーもない」というコメントに対して永江氏はフォロワーである佐野氏のプロフィールを確認したところ、原稿を依頼されているYahoo!JAPAN社の現役社員だったことから立腹したということのようです。

Net上では、それぞれの側に立って賛同や擁護、あるいは批判が飛び交っています。
整理すると、話題になっているポイントは

1,佐野氏のコメントはいくら「個人的」とはいえ、原稿を依頼している会社に属している。
  ステークホルダーの一人として他のステークホルダーへの配慮が欠けている。
2,永江氏は個人的なコメントに対して過敏に過ぎないか。他にも何か理由があるのではないか。
  (Yahoo!ニュース個人のオーサーをやめる、一つのきっかけに過ぎないのでは)
3,単なる感想を述べるのに所属する会社まで紐付けられて批判されるのはおかしい。
4,この顛末に対して、Yahoo!JAPANはどのような対応をするのか?

といったところでしょうか。

●今後の興味は所属組織(Yahoo!JAPAN社)の対応に


既に、Yahoo!ニュースへの投稿は終了宣言が出されたので、今後何かの進展があるとは思えません。ただし、佐野氏が所属するYahoo!JAPAN社の対応には注目が集まるでしょう。
今回の一件では記事やブログを通して、Yahoo!ニュース個人の原稿を書いているのはどのような人なのか、謝礼はどのくらいなのか、記事はどのくらい読まれているのかなど、 Yahoo!にとってはあまり触れられたくないようなことまで知られることとなってしまいました(永江氏がそれを意図した訳ではなく)。そういういう意味では、会社にとっても大きな問題と捉えている可能性は高いでしょう。 こうやって注目され話題になっている以上、社内でも何らかの対応は検討されているはずです。

「ネットの炎上投稿、企業はどう対処すべきか」でも一度言及しましたが、アルバイトの悪ふざけ同様、従業員の言動が企業経営やブランドに大きなインパクトを与えるリスク(場合によってはメリット)はこれから益々増大していきます。公開されたSNSだけでなく、LINEのような新たなコミュニケーションツールでの拡散もこれからは注意しなければなりません。
FacebookやTwitterを管理する担当者の不用意なコメントやTweetが物議を醸すことも増えて来ました。そのような際の対応の相談もあります。ビジネス文書なら長い時間をかけて整備されたマニュアルや例文があっても、近年急速に普及したソーシャルメディアについては多くの企業では対応も不十分で未整備です。中高生に教えるように、ネットとの付き合い方や投稿する際のチェックポイントなども、ビジネスマナー同様に従業員研修の中に取り入れるべき時期が来たようです。


2014年6月5日木曜日

子育て支援の受益者は「日本国と全国民」である

昨日は、Net上でもこの記事が話題でした。
5歳から義務教育 文科省方針 「小1プロブレム」の解決へ
http://www.huffingtonpost.jp/2014/06/03/early-childhood-education_n_5441544.html
産経ニュースより
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140604/edc14060407310002-n1.htm


小学校入学に関しては、「小1プロブレム」と「小1の壁」という2つの問題点がしばしば指摘されますが、一方は教育者からの視点で、一方は親にとっての問題。
しかし、どちらも同じ小1の子どもを取り扱う問題です。親の都合で問題と見るのか、教師や学校の視点で問題と見るかなど子どもにとってはいい迷惑です。

小1プロブレムについては、2012年に取材したニュージーランドの就学前教育指針「テファリキ(Te Whariki)」に基づくカリキュラムと幼児教育が参考になります。

一方、「小1の壁」についても昨年から進められている子育て支援策の充実により、待機児童の解消や学童保育の受け入れ施設の拡充は進みそうです。改正育休法の浸透で、育休明け職場復帰後の時短勤務などがだんだんと定着していくでしょう。しかし、会社でのキャリアアップを考えるといつまでも時短勤務という訳にはいきません。学童保育のキャパシティが増えたところで、夜まで預かれる訳ではありません。

日本生産性本部「日本の生産性2013」より
http://www.jpc-net.jp/annual_trend/annual_trend2013_3.pdf
そもそも、日本は時間あたりの生産性が低い国です。GDPが世界3位で有りながら、時間あたりの生産性はOECD加盟34カ国中では20位。1位のノルウェーの半分以下、4位のアメリカの2/3以下です(2012年)。米ドル換算ですから為替の影響もありますが、いずれにしても労働生産性の低さは前々から言われていることです。
際限の無い残業や24時間営業、無理な多店舗展開によって売り上げを伸ばしてきましたが、ここのところの深刻な人手不足でそれも限界が見えてきました。コンビニエンスストアの営業時間が24時間ではなくなる日も近いかもしれません。

そんなタイミングで安倍政権が「ホワイトカラー・エグゼンプション」を導入しようとしています。ワーキングマザー、イクメンが上手く活用できれば、16時や17時に仕事を終えて帰宅することもできるでしょうが、「個人」「チーム」よりも「組織」を重視する日本の企業風土では難しそうです。

50年後に日本の人口1億人を維持しようとすると、早い段階で合計特殊出生率を2.07以上に引き上げなければなりません。地域住民の反対で保育園の建設が中止になるという事も起きているなかで、実現は可能なのでしょうか?
話が大きくそれてしまいましたが、安心して子どもを産み育てられる環境整備(金銭的な負担低減、労働条件など制度面での整備、保育・託児施設の充実など)と、教育の充実(義務教育から高等教育までの体系、教育費の援助と負担)は、全国民と日本という国が受益者であるという視点に立って見直すべきです。

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2014年5月31日土曜日

アルファベット3文字略語の憂鬱

ビジネスの世界では、しばしばカタカナの言葉や短縮した英文字の単語が使われます。マーケティング用語から業界用語、あるいは社内でだけ通用するような言葉もあります。
しかし、ここに来て多く目・耳にするのがIT関連の用語です。
ROE(Return On Equity-自己資本利益率)やKPI( Key Performance Indicators-重要業績評価指標)くらいなら一般的なマーケティング用語としても使われますが、WEBマーケティングの世界では新しい用語やアルファベット3文字の略語がどんどん出てきて、ITにうとい経営者にはチンプンカンプンではないでしょうか?アルファベット3文字と言えば、AKBやHKT、NMBも難解ですが、知らなくてもビジネスにはさして影響有りませんが、こちらはそうはいきません。

WEBサービスの利用だけでなく、現代のビジネスでは自社のホームページ運用を始めインターネットの世界でのコミュニケーションやマーケティング、決済など避けて通れなくなっています。社内での打ち合わせでもWEBの活用方法に始まり、成果の検証、外部スタッフとの打ち合わせの場でもIT用語が飛び交います。特にやっかいなのがアルファベット3文字の略語です。多くは英単語の頭文字の略語なので、元の単語がわからないとなんのことだかの想像すらつきません。

クライアント様とWEB制作会社やWEBマーケティングの会社との打ち合わせに、同席を求められることがあります。そのような時には半分は「通訳」を兼ねたアドバイザーの役割が求められます。ITにうといからと、不適切な契約や法外に高い見積もりを提示され、専門用語やわからない言葉で煙に巻かれてそのまま契約してしまうケースもあるようです。

●知っていて損は無い基本の3文字略語

特に、e-commerceや広告に関する打ち合わせの場で登場する主なアルファベット3文字略語は以下のようなものがあります。

SEO-Search Engine Optimization-検索エンジン最適化
SEM-Search Engine Marketing-検索連動型広告マーケティング
PPC(広告)-Pay Per Click(advertisement)-クリックされた分だけ支払う広告
CPC- Cost Per Click-クリック単価
CPACost Per AcquisitionCost Per Action-目標成果あたりコスト
CTR-Click Through Ratio-クリック率
CVR-Conversion Rate-コンバージョン率 
CPO-Cost Per Order-注文1件あたりコスト 
SSL-Secure Sockets Layer-通信暗号化方式の1つ
O2OOnline to Offline-ネットでの活動から実店舗販売へ(影響・橋渡し)


SNS-Social Networking Service-ソーシャル・ネットワーキング・サービス
                    mixi、Facebook、Twitterのほか、広義ではブログなども
CMS-Contents Management System-サイト構築を簡便にするプログラム
                    WordPress、XOOPS、EC-CUBEなど
CRM-Customer Relationship Management-顧客管理システム 
                    Salesforce.com など


スマートフォンやタブレットがWEB利用の主戦場となれば、これまでとは違う新しい用語や3文字略語が次々と現れることでしょう。
また、3文字略語だけでなく、新しい用語も同様に次から次と登場します。
ロングテールやブルーオーシャン、キャズム、フリーミアムなどの新しいマーケティング用語が登場し、今ではすっかり定着しました。最近ではグロースハックなどが話題です。
本当にフォローするのが大変です。


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