2013年9月8日日曜日

西鉄観光バス運転手の飲酒検知逃れは、ツールや仕組みの問題ではない

8月25日、7年前のこの日に飲酒運転によるいたましい事故が福岡で起きました。その8月25日に、西鉄観光バスは勤務前の飲酒検査で不正があったと発表しました。
それから12日後の9月6日には安田堅太郎社長が謝罪会見をし、社内調査の結果と処分、今後の対応・改善策を発表しました。調査の結果、7人の運転手が3~4年前から不正を働き、修学旅行でも酒気帯び運転をしていた可能性があるといいます
朝日新聞讀賣新聞では、その検知逃れの方法を具体的なイラスト入りで報じています。
よくもまあ、考えたものだと関心すると共に、そこまでしてお酒を飲みたいのかとあきれるばかりです。

さて、この西鉄観光バスの飲酒検知逃れ事件では、具体的な人数や回数、方法などが詳細に報告されているので記者会見の場では突っ込みようがなかったのか、どの新聞記事もほぼ同じ内容となっています。会見の場でこれが全てかと疑問を呈しても、会社側からはこれが調査結果の全てですと返されると、記者は反証することができず、新聞の締め切りまでに裏取りは難しいのです。ただ、可能性については否定できないという論調も見受けられます。

これらの記事を見て、一般消費者もそのまま全て納得することは普通ないでしょう。

まず、宿泊先での飲酒禁止。「昔は客の宴席に呼ばれて酒を飲む運転手もいた。飲酒運転撲滅の機運が高まっているのに、ベテラン組の運転手たちは頭が切り替わらなかった」(朝日新聞)と社長がコメントしているくらいなので、宿泊先での飲酒はずっと継続されていたと考えるのが普通でしょう。
携帯型の飲酒検知器を導入したのが2008年。不正は3~4年前から。しかし、上記宿泊先での飲酒が続いていたのなら、当然検知逃れも当初よりあったと考えられます。現在のような巧妙な道具を使った方法ではないにしても、です。

ベテランの先輩が率先してルールを守らない限り、少なくとも営業所単位で不正が黙認されていたと考えられます。仮に宿泊先で飲酒し、翌日の飲酒検知で陽性だった場合、バスは発車できないことになります。運行管理者や営業の窓口では、そんなことはなんとしても回避しなければなりません。 そのために黙認したり、あえて不正を指示した可能性すらあります。画像をチェックしていた支社の運行管理者も黙認していた可能性も否定できません。

今回の不正を受けて、検知器のストローをステンレスにするなどの改善策を打ち出していますが、何よりも全員の意識改革が必要です。大切なお客様の命を預かっているという意識の徹底です。

誰が見ても仕組みではなく、会社も従業員も意識が変わったと思えるまで、修学旅行などでこどもの命を預けることはできないのではないでしょうか。

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