2014年6月5日木曜日

子育て支援の受益者は「日本国と全国民」である

昨日は、Net上でもこの記事が話題でした。
5歳から義務教育 文科省方針 「小1プロブレム」の解決へ
http://www.huffingtonpost.jp/2014/06/03/early-childhood-education_n_5441544.html
産経ニュースより
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140604/edc14060407310002-n1.htm


小学校入学に関しては、「小1プロブレム」と「小1の壁」という2つの問題点がしばしば指摘されますが、一方は教育者からの視点で、一方は親にとっての問題。
しかし、どちらも同じ小1の子どもを取り扱う問題です。親の都合で問題と見るのか、教師や学校の視点で問題と見るかなど子どもにとってはいい迷惑です。

小1プロブレムについては、2012年に取材したニュージーランドの就学前教育指針「テファリキ(Te Whariki)」に基づくカリキュラムと幼児教育が参考になります。

一方、「小1の壁」についても昨年から進められている子育て支援策の充実により、待機児童の解消や学童保育の受け入れ施設の拡充は進みそうです。改正育休法の浸透で、育休明け職場復帰後の時短勤務などがだんだんと定着していくでしょう。しかし、会社でのキャリアアップを考えるといつまでも時短勤務という訳にはいきません。学童保育のキャパシティが増えたところで、夜まで預かれる訳ではありません。

日本生産性本部「日本の生産性2013」より
http://www.jpc-net.jp/annual_trend/annual_trend2013_3.pdf
そもそも、日本は時間あたりの生産性が低い国です。GDPが世界3位で有りながら、時間あたりの生産性はOECD加盟34カ国中では20位。1位のノルウェーの半分以下、4位のアメリカの2/3以下です(2012年)。米ドル換算ですから為替の影響もありますが、いずれにしても労働生産性の低さは前々から言われていることです。
際限の無い残業や24時間営業、無理な多店舗展開によって売り上げを伸ばしてきましたが、ここのところの深刻な人手不足でそれも限界が見えてきました。コンビニエンスストアの営業時間が24時間ではなくなる日も近いかもしれません。

そんなタイミングで安倍政権が「ホワイトカラー・エグゼンプション」を導入しようとしています。ワーキングマザー、イクメンが上手く活用できれば、16時や17時に仕事を終えて帰宅することもできるでしょうが、「個人」「チーム」よりも「組織」を重視する日本の企業風土では難しそうです。

50年後に日本の人口1億人を維持しようとすると、早い段階で合計特殊出生率を2.07以上に引き上げなければなりません。地域住民の反対で保育園の建設が中止になるという事も起きているなかで、実現は可能なのでしょうか?
話が大きくそれてしまいましたが、安心して子どもを産み育てられる環境整備(金銭的な負担低減、労働条件など制度面での整備、保育・託児施設の充実など)と、教育の充実(義務教育から高等教育までの体系、教育費の援助と負担)は、全国民と日本という国が受益者であるという視点に立って見直すべきです。

ブライト・ウェイへのご相談はこちらから。