2013年11月15日金曜日

Child Care Resource Centre に代わるのは日本では?

BC州の保育・育児支援に重要な役割を担っているのが、Child Care Resource Centreです。


West Coast Child Care Resource Centreは25年前にBC州で最初に設立された非営利の組織(NPO)で、BC州政府、バンクーバー市からの助成と、いろいろな組織からの援助・寄付、加えて出版物やマニュアルの製作、イベントなどの事業収入からなりたっています。


West Coast Child Care Resource Centreは、大きく3つの機能を持っています。

1,育児・保育に関する情報を提供・発信
2,育児支援を受けたい人のサポート(経済支援のための申請サポート)
3,育児の質を高めるための保育・育児従事者へのサポート




LINDA WHEELER
Information Advisor



1,子育て家族に向けた情報提供
保育情報を探している人に、 最適な施設を紹介したり、地図や情報を提供しています。リスト
(住所や施設概要、空き状況、料金など網羅)は毎月最新のものにアップデートされています。様々な統計情報もまとめています。

電話やメール、WEBサイトを通して日々問い合わせが入ってきます。日本と違って多くの国の言
葉の人がいるので、保育園やデイケアを探すときの条件には、対応する言語がまず指定されます。その上で、場所や料金などの様々な情報で絞り込んでいきます。もちろん、WEBサイトでも情報はアップデートしています。病院やクリニックなどにも情報提供していて、そこで情報収集する人もいます。バンクーバーでは、デイケアの順番待ちになるので、妊娠したら情報収集を開始するそうです。

子どもの預け先の種類はいくつかありますが(BC州政府訪問記事参照)、有資格の預け先はグループデイケアとファミリーデイケアの2つに別れます。

グループデイケアは、0歳から36か月までの子どもを預かります。コミュニティセンターやYMCAなどが運営している大きな施設です。ファミリーデイケアは個人宅での預かりです。0歳から12歳まで、7人までの子どもを預かることができます。
保育・託児料金はグループデイケアの方がファミリーデイケアよりも高くなります。施設充実し、スタッフも豊富で、ファミリーデイケアより高いサービスを提供するからです。ファミリーデイケアだと、一人で赤ちゃんも幼児も(年齢の違う子を)一緒に面倒見ますが、グループデイケアでは、年齢毎に担当者を分けたりクラスを分けたりして、より細やかなサポートが受けられます。

2,経済支援サービスのサポート
デイケアは毎年料金が上がっており、この1年で平均6%も上がっています。そのため、デイケアに子どもを預けたくても高くて預けられないだけでなく、仕事が無いとか病気で働けないなどで十分な収入が確保できない家庭もあります。
そのような家庭には、政府の支援を受けるためのサポートもしています。支援を受けるためには、様々な書類を作成して、州政府に提出しなければなりません。その手助けをしています。政府の窓口に直接行くのはハードルが高い、窓口が開いている時間(9時~17時)に相談に行けない人などに、もっとフレンドリーな相談窓口として夜まで対応しています。

3,育児の質を高めるための保育・育児従事者へのサポート
育児・保育に関する大きなライブラリーを備え、保育・育児従事者向けのワークショップ、教育マニュアルの製作と提供、ECE(Early Childhood Educator)資格取得と更新のためのプログラムもここで実施しています。
デイケアに従事するにはライセンスを取得する必要があり、Child Care Resource Centreがそのライセンスプログラムを作成しています。3人以上の子どもを預かるためにはライセンスが必要です。2人以下の子どもを預かるのにはライセンスは必要有りません。
ブリティッシュコロンビア州の子育て支援参照

ライセンスのカテゴリーは、グループデイケアとファミリーデイケアとに別れています。
5年ごとの更新では、48時間のトレイニングが必要で、なおかつ500時間の実務経験が前提となります。大学の資格取得の授業で使われる教材なども、ここで作っているプログラムを使ってます。特徴的なのは、ダーバーシティへの対応。BC州は、様々な国籍や肌の色、言葉や文化が違う人が暮らしているので、ダイバーシティに関する教育プログラムは重要です。

図書館には、さまざまな図書だけでなく、子ども達と一緒に工作したり遊んだりするプログラムの教材や指導パッケージ、肌の色や言葉・文化の多様性を子ども達に学ばせるツール、子ども部屋のシミュレーションスペース、貸し出し用のイベントグッズなど多彩な物がストックされていました。また、要望に応じて出張プログラムや出張イベントにも対応しているそうです。

9月に、日本の大学教授がやはりヒアリングに訪れていたそうです。

日本で、この Child Care Resource Centre に代わる役割を集約してもつ組織や施設は見当たらないようです。
※人口が少ない地方都市では、ワンストップで情報提供する組織や施設があります。

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