2013年10月20日日曜日

ブリティッシュ・コロンビア州の子育て支援

10月9日、BC州政府Ministry of Child and Family Development児童家庭省)との取材ミーティングを持つことができました。その時の概要を記します。
Executive Director Joan Easton氏(左)
他、今回の取材に丁寧に対応いただいた

BC州では、6歳以下の小さな子どもとその家族の支援を担当するMinistry of Child and Family Development児童家庭省)を中心に日本で厚生労働省・文部科学省に相当する3つの省が相互に連携を取りながら子育て家族の支援を進めています。child care に対しての3つの省の役割分担は以下のとおりです。


  • Ministry of Children and Family Development (MCFD) is responsible for child care programs and services that provide funding and support to children, families and child care operators
  • Ministry of Health (MoH) is responsible for the licensing, monitoring and inspection of child care facilities
  • Ministry of Education (MoE) is responsible for Kindergarten.

   先のこのブログでも記したように、 BC州では女性が働きながら子育てするという前提で子育て支援策が考えられています。

まず、基礎的な支援は、6歳以下の子どもが居る家庭に対して、カナダ政府から100ドルとBC州から55ドル※/月(小切手)が支給されます。 
※取材当日のレートは 1カナダドル≑95円 実際の両替レートでは約100円

child careのタイプとライセンスの対応表
今回の取材に対して、MCFDで用意していただいた資料より


2020年までに子どもの数が1割も増える予想のBC州では、それに対応するために保育施設の拡充が急務となっています。これから3年間で、2000カ所の認可保育施設の開設(ライセンスの付与)を目指しています。日本のように画一化した認可保育園ではなく、大型の保育園から個人宅での預かり(child day care)、依頼者の家で子どもの世話をするナニーなど、様々なライセンスを設定しています。また、13歳以上になると、一定のプログラムを終了すれば子どもの世話をすることができるというのが日本には無い制度。中学生にもなれば家の手伝いは当たり前。昔は日本でもそうだったし、今でも手伝いをしている子は多く居ます。そのお手伝いを制度として認め、保育プログラムに組み入れるとは目から鱗です。2人以下の子どもであればライセンスは必要無く、この13歳以上の学生が、お小遣い稼ぎに子どもの面倒をみることもできるのです。施設の充実度や規模、自分の価値観と懐具合などを考えながら、多様な選択肢から子どもの預け先を選ぶことができます。
child day care のライセンス
見える所に掲示してある

年内にBC Early Childhood Development Centre(幼児発育センター)が発足します。組織でもありますが、施設も展開していきます。
マッチングに関しては、Child Care Resource Centre などで電話や面談で紹介することもできるし、WEBサイトで探すこともできるよう、整備をすすめています。もちろん、Early Childhood Development Centreもその拠点になるはずです。
ライセンスは数年ごとに更新が必要で、個人に与えられるライセンスの場合は数日間の更新プログラムを受講しないと更新できません。

日本と大きく異なっていると感じたのは、NPOや慈善団体、任意団体やコミュニティの活動です。 NOBODY'S PERFECT のプログラムは広く受け入れられ、Facebook,Twitterなどのソーシャルメディアやスーパーの掲示板、検診の際の案内などで情報を得て、様々なプログラムに参加しています。 

カナダは、日本のようにジェンダーやダイバーシティに関する議論は既に過去の物となっていました。世界中からの移民を受け入れ、肌の色も言葉も多様であることが当たり前で、学校のクラスでは障がいのある子も同じように区別無く 一緒に学んでいるそうです。
私たちが尋ねたsouthvancouverfamilyplaceでは、4人のスタッフが20カ国語に対応していました。身の回りは あらゆる事が多様であるということからスタートすること。それがカナダの暮らしであり、子育て支援もその多様性を前提に多様な仕組みと選択肢を用意することが自然なことだったのでしょう。

日本で、多様な選択肢を用意できないのは行政のせいなのでしょうか、それともサービスを受ける側の精神的キャパシティ の小ささからなのでしょうか?

Nobody's Perfect (ノーバディズ パーフェクト)発祥の国で、現状を聞いて来ました
Child Care Resource Centre に代わるのは日本では?

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