いつまでメニューに関してブログを書き続けなければならないのでしょうか。
10月22日の阪急阪神ホテルズの記者会見から一気に広がった、ホテル・レストランのメニュー誤表記問題。それも、思い当たるところは社内調査を終えて、3連休前の先週11月1日にはあらかた公表すると思っていました。連休中の「三笠」のバンビ御前のアレルギー食品に関わる記者会見は、これまでの不適切表記とは次元が違っています。批判を甘んじて受ける覚悟で公表したその姿勢には褒められることではないものの、一応の責任感は感じられました。
しかし、今日になって会見や公表をした東急ホテルズや百貨店。
東急ホテルズは、既にニュースバリューが低下して、ほとんど扱いも小さくなっているのでひょっとしたらそれを狙ったのかもしれませんが。一方、百貨店の高島屋は、エビやステーキで誤表記があったと常務が記者会見をし、テレビの報道番組などで大きく取り上げられました。
どうして今日だったのでしょう?
普通に考えれば、この3連休は百貨店にとっては稼ぎ時です。寒くなり始めて遅れていた秋冬物の衣料品を買い求める人も多いでしょうし、お節やクリスマスケーキの予約も見込めます。それなのにわざわざ3連休前に公表すれば、客足は遠のくし売り上げも大きく落ち込むことになるでしょう。
そんな社内的な力関係で発表を連休明けにしたのではないでしょうか。
百貨店の地下食品売り場-デパ地下は、高くても本物が手に入るところだから足を運ぶのであり、その信頼感の傘の下に名だたるテナントの顔ぶれが有ったわけです。しかし、その信頼が崩れると、さて、どうなるのでしょう?
お歳暮の「薔薇の包み紙」の神通力にも陰りが出る-お歳暮は他の百貨店から?あるいは百貨店ではなくショッピングモールなどのそれぞれの専門店からと考える人も出てくるかもしれません。
3連休前、ホテルが一斉に公表したタイミングに紛れて公表するのが良かったのでしょうか?それとも3連休の売り上げにこだわって、連休明けに単独で注目されることになる記者発表が良かったのでしょうか?
後ろに大きなイベントを控えているのであれば、できるだけ早く、できるだけダメージが小さくなるような発表方法を考えるべきでした。この3連休で購入したお客様さえも裏切り、落胆させることになり、お歳暮商戦にもさらなる影響が出ることになるかもしれません。
今年のお節料理の原価率は高くなる?
この夏、バナエイエビを始めとする海老の生産が落ち込み、お正月を前に海老の調達が難しくなっているようです。ただでさえ食材に対する目が厳しくなっているのに海老が手に入りづらい状況に、お節の予約を受け付ける印刷物は既に配布済みです。今更告知した海老や食材と違う物を使うことはあり得ません。当初予定していた偽装食材から、印刷物などで事前に告知した表記の食材を使うことで、これまでにない原価率のお節料理が流通することになるかも知れません。購入する私たちにとっては、今年はお買い得の年になるのかもしれません。
新たな百貨店や有名レストランの不適切表記・偽装が明るみに出ることがないことを祈るばかりです。
11月6日11時追記
大丸松坂屋は、昨年販売した「フォション 洋風二段」に入っていた「車海老のテリーヌ」の材料がブラックタイガーだったことで返金に応じるとしました。お詫びとお知らせには「ご予約販売のため、お買上げのお客様は特定可能ですので、個別にご連絡のうえご返金させていただきたいと考えております」とあります。博多大丸天神店でも7件の販売があったそうです。また、今年の販売は中止し、すでに10件ほどの予約をいただいたお客様には返金か他の商品への切り替えで対応するということです。
※大丸のホームページには上記「お詫びとお知らせ」はリンクしてありましたが、博多大丸天神店のホームページには何も表記されていません(11月6日午前11時時点)。
11月6日18時追記
三越伊勢丹ホールディングスでも6日午後、百貨店内のレストランなどでメニュー表記と異なる食材を使用したことを公表する謝罪会見を行いました。日本橋三越や新宿伊勢丹など8店舗のレストラン13店、伊勢丹会館ということです。
三越伊勢丹ホールディングスのお詫びとお知らせに記載された不適切表記一覧を見ると、これまでとはちょっと違う事に気がつきます。並んでいるのは、テナントで出店している有名レストランの名前がずらり。
有名百貨店の有名レストランでも不適切表記をやっていたとなると、他は推して知るべしとなってしまいます。今後レストラン業界と消費者に与える影響はいかがなものでしょうか?
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