2013年11月10日日曜日

Nobody's Perfect (ノーバディズ パーフェクト)発祥の国で、現状を聞いて来ました

日本でも注目されている、カナダ生まれの子育て中の親支援プログラム“Nobody’s Perfect”。「完璧な親は居ない」という前提で、可能な限りのことをすれば良い、できなければみんなで助け合いましょうというそのプログラム。日本でもNobody's Perfect JAPANがスタートし、普及活動をしています。日本語に翻訳したテキストも出版しています。

発祥の国カナダ、BC州のNobody’s Perfectの活動について、BC Council for Families のプログラムコーディネーター Ruby Banga さんにお話しを伺ってきました。
Ruby Banga氏

プログラムは0歳から5歳くらいの子の親を対象に、1回2時間で6週間のプログラムを実施します。プログラムのテーマは5つです。

  BODY/からだ
  SAFETY/安全
  MIND/こころ
  BEHAVIOUR/行動
  PARENTS/親

参加費は無料(政府が負担)で、参加するのにバス代などの交通費も払えないような家庭には、バスの切符を支給することもあります。

プログラムには決まったカリキュラムはありません。

初回集まった時に、参加者がトピックを出し合い、ワークショップ形式でみんなで話し合いながら進めます。心を許して話ができるように、初回はトレーナーがうまくファシリテートします。プログラムを通して、ファシリテーター(トレーナー)は先生ではなくガイドに徹します。育児の専門家としてではなく、参加者全員でいっしょに問題を解決するためにサポートする役割を担っています。
プログラムへの参加呼びかけは、カウンシルから個別には特にしません。
プログラムに参加を希望する人はクチコミやインターネットなどで知ったり、探して来ます。多くはカウンシルのWEBサイトなどに告知しているプログラムを見て、参加申し込みをします。また、ファシリテーター(トレーナー)や会場ごとでもWEBサイトにイベント告知などしていますので、それを見て参加する人もいます。会場から選ぶ人もいれば、プログラムから探す人もいます。
看護師さんやお医者さん、ソーシャルワーカーなどが紹介したり参加を勧めるケースもあります。昨年ですと年間約1400人が参加を希望し、6週間のプログラムを終了したのは980人くらい(BC州で)。プログラムの参加者は、母親だけでなく祖父母や父親もいます。父親向けのプログラムもあります。バンクーバーは多国籍・多言語の人が暮らしているので、言葉も英語だけでなくフランス語、スペイン語、中国語、パンジャビ語(インド地方の言葉)、日本語……多くの言葉に対応しています。

6週間のプログラムを終了すると、完了証が渡されます。

ファシリテーター(トレーナー)を育てるコースは有料(カナダ$385)で、4日間のハードな内容です。BC州で年間75人程度がトレーナーとして登録されます。


また、実際のプログラムを覗くこともできました。写真中央オレンジ色の服の女性がファシリテーターで、参加者は、Facebookやスーパーの掲示板などで今回のプログラムを知り、申し込んだと言うことでした。
日本では、秋田県など積極的に導入する自治体も現れているようですが、まだまだ認知は今ひとつ。正解の無い子育てに、みんなで話し合いながら取り組むためには、ファシリテーターの養成から始めなければなりません。話しあうことは一人ではできませんから、参加者を募る告知や紹介の機能も必要です。
カナダでは、歴史に培われた認知と州政府が全体のプログラムをコントロールしている安心感もあります。参加者の費用負担もありません。日本での普及にはまだまだハードルが高そうです。

※取材日は2013年10月10日(現地時間)です。

 Child Care Resource Centre に代わるのは日本では?


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