2013年10月22日火曜日

阪急阪神ホテルズのメニュー不適切表示

今年に入り、大手ホテルで提供されていた料理メニューで、表示と使用されていた食材が違っていたという不祥事が相次いでいます。東京ディズニーランドホテル、軽井沢プリンスホテルが6月に発覚していましたが、本日(10月22日)阪急阪神ホテルズが直営8ホテルなどにある計23カ所のレストランと宴会場で提供する料理で、メニューの表示と異なる食材を使っていたと発表しました。
消費者庁は景品表示法(優良誤認)違反の疑いで調査、違法と判断した場合、措置命令などの行政処分を出すとしています。


ホームページに掲載されたお詫びとお知らせによると、2006年まで遡って不適切表示を公開しています。そして直近は今年9月30日です。
上記2ホテルの不適切表示を伝えるニュースのページは、すでに削除され各ホテルのお詫びページも削除されています。しかし、ブログやまとめサイトでその詳細は今でも確認することができます。
そこで、東京ディズニーランドホテルの不適切表示の内容をNAVERまとめで見てみると、今回阪急阪神ホテルズが公表した内容と良く似ていることがわかります。

朝日新聞などによると、冒頭の東京ディズニーランドホテルや軽井沢プリンスホテルの不適切表示発覚を受けて社内調査をした結果、判明したので公表したということです。しかし、誰もが違和感を感じているのではないでしょうか。

まず、食品偽装や不適切表示といえば、2007年にミートホープや船場吉兆、比内地鶏などの偽装が立て続けに発覚し、多くの企業が過敏に反応して連日新聞には社告が掲載される事態になりました。そのくらい世の中が過敏に反応していた時期から、変わること無く続いていることになります。
また、ミートホープ事件の時に、違反の罪に問われる可能性があるとされた法律は以下のような物が上げられていました。

①不正競争防止法
②不当景品類及び不当表示防止法景品表示法)
③食品衛生法
④農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)
⑤詐欺罪

その時に社内調査はしなかったのでしょうか?ルームサービスのジュースまでシェフがチェックするかどうかはわかりませんが、少なくともレストランや宴会の料理メニューに関しては、シェフ(料理長)の確認の元に使用食材も決定されているはずです。それが途中で変えられていたら、シェフが気がつかないはずはないでしょう。鮮魚と解凍の魚の違いがわからないというのだったらそれもまた問題ですし、わざわざ解凍した魚を購入するはずもありません。冷凍~解凍も調理場で行われていたと考えるのが普通です。しかも、上記2ホテルの不適切報道がされた後も続いている、あるいはその時期から発生しているものもあります。確信犯と言わざるを得ません。

厨房で(あるいは会社全体で悪いこととわかっていながら)当たり前のこととして行われていたことを、突然公表しなければならない事態に陥ったのです。しかも、ごく最近。普通に考えれば内部告発か、事情を知る人間による圧力がかかったのではないかということです。退職者やお取引先かもしれません。ホテル業界では、業界内での転職も多いですし……

今回の立て続けに発表されたホテルの不適切表示から、想像しながら学ぶべき事は、

1,法律や表示に関する用語、調理法などの社内教育と周知
2,法令遵守の意識の徹底(特に経営幹部・管理職)
3,従業員、お取引先、その家族を含む全てのステークホルダーとの良好な関係作り


が日常から必要だと言うことです。
一度公になったことは、ホームページやニュースサイトから削除されても、どこかで引用・転載、そして記録され消えることはないということを改めて心に刻むことです。

それでも不祥事や不適切な事態が発生した際、最初の対応が重要になるのです。  


追記:
消費者庁への報告は10月7日にされていたということです。
どうして2週間も公表しなかったのでしょうか?これもまた自ら不信感を招いています。

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