2013年12月2日月曜日

猪瀬知事の会見を他山の石として

猪瀬都知事の、徳洲会からの借金に関する記者会見。
誰がどう見ても、おかしい。

この会見、猪瀬さん個人の問題なので、東京都の広報は何もフォローできなかったからでしょうか、支離滅裂でした。少なくとも、最初の会見以来二転三転する話(言い訳)に、誰も真実を語っているとは思っていないでしょう。この会見に関しては、各報道機関も評論家も様々な角度から言及しているので内容の真偽については触れませんが、他山の石として学ぶべき事は大いにありました。

一連のホテルレストラン食材不適切表示では、阪急阪神ホテルズの記者会見が、大きな企業グループであるにも関わらず統制の取れていない、その場しのぎの会見でした。最終的には社長の辞任となってしまいましたが、その会見でも辞任理由は阪急阪神グループに多大な迷惑と混乱をもたらしたからと言う内向きなものでした。利用者や顧客に対してではなく、阪急阪神グループに対して公開謝罪をしているような会見。恐らく、阪急阪神グループとしては、ホテルグループの問題だからと突き放したのではないでしょうか。グループとして市場や生活者に向くこと無く、グループ組織内の責任の取り方だけが見せつけられた辞任会見でした。


経営者でも朝令暮改はよく見られますが、政治家もその発言を2転3転させるものです。先日も小泉元総理が、即座に全ての原発を廃炉にするべきと発言し、首相当時に原発を推進していたのに何故?と自民党内からも困惑の声が上がっているようです。しかし、猪瀬都知事の会見での発言は方針変更などではなく言い訳であり、説明の中身が論理矛盾を起こしているところもあります。
議会などで舌鋒鋭い質問をする政治家のみなさんも、不適切発言や事務所経費の不明朗会計などでマスコミの前に立つと、突然しどろもどろになってしまうことはよく目にする光景。猪瀬知事も、政治家になる前は、行政の無駄遣いや矛盾を鋭く追求する立場でしたが、逆の立場になると他の政治家と同じでした。

都知事として議会やマスコミの前に立つときには、都庁の優秀なスタッフが想定質問に対してのQ&Aや反論資料を用意してくれてその場に臨んでいるはずです。しかし、個人として追求される立場になり一人で対応しなければならないとなると、猪瀬さんでも自分を客観的に見られなくなるようです。強いプレッシャーのもと、なんとかこの場を切り抜けたいという後ろ向きな心理状態で会見に臨み、質問に対して回答することだけに一生懸命になってしまい、理性を欠いた答弁になってしまったのかもしれません。普通に考えれば、事前に質問されることは想定可能のはずです(自分が誰よりも一番情報を持っているのですから)。入試で過去問を繰り返すように、事前に想定される質問に回答を準備していれば、論理矛盾もなく説明することができたはずです。しかし、猪瀬さんにはそれができませんでした。

今頃はきっと猪瀬さんも客観的に自分の記者会見を見て、どうしてあんなことになったんだろうと後悔をしていることでしょう。冷静になれば、すべきこと、すべきで無かったこと、反省点は山ほど見えているはずです。クライシスに対して一人で対応することは、それほどに難しく大変なのです。

事件・事故・不祥事などの予期せぬクライシスに際しては、一人だけ、社内だけで対応しようとすると、かえって難しい局面を招いてしまうことも珍しくありません。冷静な対応が求められるときこそ、第三者のアドバイスを求めることが解決への近道であることがほとんどです。
弁護士や(まっとうな)コンサルタント(もちろん、当社も)は、業務上の守秘義務を負っていますので、不都合なことでも外に漏らすことはありません。
問題が起きたときには、まずは信頼できる第三者に相談することが重要です。

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