2013年12月5日木曜日

今度は第一三共ヘルスケアのアンチエイジング化粧品の販売中止

12月5日、製薬会社第一三共株式会社の子会社、第一三共ヘルスケア株式会社が、肌の刺激、かゆみや赤み、はれなどの症状があったことから、通信販売専用スキンケアシリーズ「ダーマエナジー」の販売を終了すると発表しました。

第一三共ヘルスケアのホームページの新着情報には
ダーマエナジーをお使いのお客様へのお詫びとお知らせ
のリンクが掲載されています。

このお詫びとお知らせには、

「ダーマエナジーは、ビタミン A(レチノール)誘導体などの各種ビタミンを高濃度で配合するとともに、独自の技術で肌への浸透度を高めたエイジングケア化粧品であり、お肌への効果を実感できると多くの方にご好評をいただいておりました。一方で、中には刺激を感じる方もあり、お肌のかゆみや赤み、はれなどの症状があったことから、一部のお客様には大変ご迷惑とご心配をおかけしました。このことを重く受け止めた結果、このたび弊社として、スキンケアシリーズ全品の販売中止を決定させていただいたものです」 
(以上お詫びとお知らせより)

とあります。
また、通販専用商品のため、商品の返品・返金方法などは個別に手紙で連絡をするそうです。

カネボウ化粧品の美白化粧品は、百貨店や化粧品店で販売する一般流通商品だったために、その回収や返金にも困難を極め、混乱を招いています。 7月4日の発表から5か月経った今でも、カネボウ化粧品のホームページは、「お詫びと自主回収についてのお知らせ」と、「白斑様症状確認数と症状の変化 最新データ」の更新情報で埋め尽くされています。

しかし、今回のダーマエナジーは通販専用商品であるため、個別に連絡・対応するということで詳細なデータはホームページ上では公表されていません。朝日新聞によると、これまでに計約13万7千個が販売され、症状を訴え、医療機関を受診した人は計約270人にのぼるということです。

ところで、第一三共ヘルスケアのホームページを開いてもう一つのお詫びとお知らせが有ることに気がつきました。日付は12月4日、ダーマエナジー販売終了発表の前日です。
個人情報漏えいに関するお詫びとお知らせ」とするお知らせは、なんと「ダーマエナジー お試しキャンペーンのご案内」のダイレクトメール発送に際して、住所と名前が入れ違っていたというものです。11月22日に発送されたお試しキャンペーンの案内ですが、恐らくは利用者からの問い合わせに対応を検討していた最中に送られた物でしょう。個人情報漏洩のニュースだけでも、本来なら大きな問題となるのでしょうが、ダーマエナジー販売終了の影に隠れた形となってしまいました。
しかし、この二つは別々の事ではなく、カネボウ化粧品で非難された時と同様、被害の拡大を最小限に抑えるための経営判断の遅れと適切な社内の連携がなされなかったことが問題になることは避けられそうにありません。2週間早く販売を休止していれば、誤ったDMも発送していなかったし、その間に新たな被害者を増やすこともなかったのですから。
クライシス(の芽)に直面したとき、いかに早く適切な判断が必要かがここでも示されています。

今回は美白化粧品ではなくアンチエイジング(エイジングケア)化粧品。ここのところ成長著しいマーケットであるだけに、その影響も心配されます。

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