2017年10月23日月曜日

歴代「申し送り」がある組織は、いずれ問題が表面化する

台風と衆院選挙の2つの嵐が吹き荒れた先週、そのニュースの影で2つの大企業の不正のニュースが流れていました。日産の完成車検査の不正と、神戸製鋼の品質データ不正。どちらも永年組織ぐるみで、神戸製鋼に至っては40年以上も不正が行われていたといいます。

このようなデータや書類の不正は、これまでも何度も表面化し、その度に大きな問題になってきました。関係者が隠そうとしても、その不正に疑問を持ったり関与することに我慢できなくなった者が告発していずれ表面化します。データを改ざんしてマンションの杭打ちの手抜きを隠していたケースのように、実害が出て表面化するケースはむしろ希です。

これらのニュースは、先週amazon videoで見た映画「64(ロクヨン)」と重なりました。県警の刑事部長に代々申し送りされていた不祥事の隠蔽。少し前の日曜劇場「小さな巨人」でも同様に、警視庁捜査一課長の不正の申し送りが描かれていました。
日産自動車や川崎製鉄でも、現場で働く人間はそれを不正と認識せずに、組織長あるいは限られた人間がデータや書類を不正に改ざんしていたのでしょう。そして、人事異動や組織改編の度に申し送りとして引き継がれていたと思われます。しかし、このような行為は何かのきっかけでその不正を知った人が、いずれ告発することになります(今回の日産のケースは国交省の抜き打ち検査で発覚)。

日本の大メーカーの日産自動車と神戸製鋼。どちらも製品の安全性については恐らく問題はないのだと思います。日産の場合は「検査はやっている」のであって、悪い物を作っている訳では無いというスタンス。神戸製鋼は素材の供給なので、最終製品の強度や精度にどのくらいの影響があるのかはわからないが、少なくとも鉄道メーカーやJRなどは問題は無いと言っています。このような、品質の問題が表面化しないような不正は、かつては「それが当たりまえ、どこでもやっていた」という昔の記憶を引きずっている場合に多く発生します。発生というよりも改善されずに残ったと言って良いのかもしれません。
しかし、全てに安心を求める現代社会においては、「安全だから大丈夫」では済まなくなっています。商品・サービスだけでなく、その企業活動に対しても「安心」や「正しさ」を求めるようになっているのです。もちろん、今回の2社の不正は、リコールや損害賠償という形で会社に莫大な損失を与えることになりました。

もしかすると、皆さんの会社でも経営層も知らない組織内のどこかに「申し送り」事項があるかもしれません。もしあれば、その中身を精査することをオススメします。