ここで一つの疑問です。自治体毎に電子母子手帳を導入する必要があるのかと。リリースをみると、ほぼ同じ開発会社からのものです(他が受託してもニュースリリースを配信していないのかもしれませんが)。代表的な2社を筆頭に受託会社は複数存在しますが、多少自治体毎にカスタマイズはしたとしてもほとんど同じ内容の電子母子手帳であることは想像に難くありません。
電子母子手帳の機能・コンテンツは、
1,成長の記録
2,予防接種のスケジュールと接種記録
3,育児・子育て支援関連情報提供
4,アルバムなど家族との情報共有
といったところが主なものです。
これらは、既に様々なアプリがリリースされています。【こそだて】がコンテンツの提供で提携しているwellnoteなどはその一つです。2の予防接種に関してはNPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会 のスケジューラーアプリが信頼できて多機能です。
子どもの成長サポートという視点で見れば、自治体毎に変えなければならない情報や機能はありません。 むしろ全国共通どこででも同じであるべきです。変わるとしたら、自治体毎の子育て支援政策の違いによる情報提供でしょうか。しかしそれはアプリである必要はありません。スマホでなくてもプッシュ通知ができるメール登録で十分です。
転勤だけでなく、子どもの成長に合わせてより良い環境にと引っ越しもします。東京23区内で引っ越ししても、区毎の電子母子手帳だと新たに切り換えるのでしょうか? 引っ越し先の自治体で受託企業が違うと、別なフォーマットでまた0から登録し直しでしょうか?子どもや住民は自治体の物ではないですし、縛ることもできません。自由に移動もしますし自治体がわざわざ独自のものを作る意味がわかりません。
マイナンバーを本気で活用するのであれば、フランスのように子どもの情報を一元管理でき、全国で共通のサポート体制が作れるはずです。
スマホが普及し、アプリが注目されているからと言って、作る事が目的化してはいないでしょうか。どのくらいダウンロードされて、どのくらいアクティブに活用されているのでしょう?そのデータも公表すべきです。
自治体毎の無駄な開発投資は見直すべきではないでしょうか。