何故、1ヶ月も公表しなかったのでしょうか?
会社側は、個別店舗の問題なので公表しなかったとしています。Facebookページ上では、そのお客様と会社アカウントとの間でやりとりがなされていたようです。既にその事実(ざるにカビが生えていた)については多くの人が知っている可能性があったわけです。しかも、Facebookでは、指摘した人の名前もやりとりの時刻もわかります。そのやりとりも含め、今ではインターネット上で様々な情報が飛び交い、隠したくても隠せない現実が目の前に広がっています。そのような現実は、会社もわかっているはずですし、知らないはずはありません。
※Facebookページでのやりとりは、インターネット上に残っている情報からの推測です。詳細は本文最下段を参照ください。
現在、トリドール社のホームページには、最新ニュースにお詫びが掲載されています。そのお詫びによると、4月9日には再発防止の対応が全て完了となっています。そのお詫びが掲載されたのは5月9日です。なぜ対応が完了したタイミングで公表しなかったのでしょうか?
これは深読みかもしれませんが、テレビ東京系列で4月25日に放送された「カンブリア宮殿」の影響もあったのではないでしょうか。この日の放送は、
日本一のうどんチェーン!急成長の秘密は“常識破り経営”にあり!
トリドール 代表取締役社長 粟田 貴也(あわた・たかや)氏でした。
放送前にこの件が明るみに出ると、放送が延期またはお蔵入りになりかねない。なんとしても「カンブリア宮殿」の放送までは抑えておきたい、と。
カンブリア宮殿が影響したのかどうかはわかりませんが、結果として公表したのは5月9日。そのお詫び文には「丸亀製麺」の文字は一切使われず、当該店舗名も特定せず、「ざるうどんのざる」にカビが発生していたことをお客様より指摘されて対応したとだけ表記しています。
しかもこのお詫び文は、会社ホームページTopページからはリンクしていますが、丸亀製麺のページからはリンクされておらず、「丸亀製麺」を守る姿勢が強くうかがえます。
5年ほど前、異物混入・食品偽装が全国で問題になった当時、新聞には毎日のようにお詫びの社告が掲載されていました。あの当時は、指摘される前に公表して、先に謝って許してもらおうという空気に溢れていました。あれから、「のど元過ぎれば熱さを忘れる」ほどの月日が流れました。
その間にソーシャルメディアが普及し、当時よりもさらに不祥事や不都合なことを隠せない時代になってしまったのです。隠し事はいずれ公にされてしまいます。
それは、公にされるのではなく「晒される」という時代になったということでもあるのです。
このようなまとめサイトで、わざわざ整理してくれる人もいるのですから。