2014年3月27日、消費者庁から「二酸化塩素を利用した空間除菌を標ぼうするグッズ販売業者17社に対する景品表示法に基づく措置命令について」とするニュースリリースが出されました。
17社は、一般消費者に販売する空間除菌グッズ(携帯型15商品、据え置き型10商品、計25商品)について、対象商品から放出される二酸化塩素が、生活空間において、ウイルス除去、除菌、消臭等するかのように示す表示をしていました。消費者庁がそれぞれについて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、提出された資料からは裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかったため、優良誤認表示として措置命令に至ったというものです。
しかし、このニュースリリースに記載されていたのはそれだけではありません。
措置命令には、「優良誤認表示」だけでなく、「有利誤認表示」に対するものも記載されてます。
これは、株式会社東京企画販売が、楽天市場に開設した自社WEBサイト「彩飾健美」が、「実態の無い当店通常価格を表示し、大幅値引きしているからお得だ」と誤認させるような表記を行っていたので改善せよというものです。よくいう2重価格です。
どうして優良誤認表示に対する措置命令に、1社だけの有利誤認表示に対する措置を一緒に出したのでしょうか?確かに、ネット通販の世界ではまがい物だけでなく、2重価格や実態の無い「有利誤認表示」は数えられないほど存在しているようです。
そんな背景を考えて深読みをすると、色々と考えられます。
例えば
・話題として大きく扱われるであろう 「優良誤認表示」と一緒に公表することで、同様の事を行っている他社・他業界へ「次は有利誤認表示」を徹底的に追求するよ、とサインを送った
・「有利誤認表示」に関する調査は数が膨大な上、分野や商品カテゴリーが多岐にわたり優先順位をつけるのが難しいので、やってるよというポーズだけ示した。
・実は、「彩飾健美」の2重価格の告発を受けて消費者庁が調べ始めたら、もっと大きな問題(空間除菌グッズの優良誤認表示疑惑)に行き着いた
・告発されたら動かざるを得ないので、その前に自主的に改善して自分達の負担にならないようにしてね。改善しなかったらお仕置きよ!
など。
いずれにしても、行政機関が動き出す前に消費者がソーシャルメディア上に何かしらのサインやクレームを書き込む時代です。一旦炎上し、告発されたりして担当部署が知ることになれば、後追いであっても行政も動かざるを得なくなる訳です。
かつての(ネット)通販業界では普通の事であっても、だんだんとそれは通用しなくなっています。昨年問題になった食品の表示偽装なども、かつては業界の慣例だったのかもしれませんが、今では許せないことになっています。
業界どっぷりの人こそ気がつくと取り残されて、いつしか犯罪者・加害者・当事者になってしまう危険性がある時代なのです。うちの業界は特別だ、と思っている時点で既にアウトです。皆さんは大丈夫でしょうか?
それにしても、消費者庁のホームページは分かりづらくて誰に向いているか疑問に思ってしまいます。消費者庁こそホームページを利用する消費者に向いて、もっと使いやすいホームページを研究して欲しいものです。
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