ひととおりの日程を消化し、明日には帰国の途に着きますが、今回の取材で一番心に残ったことを帰国前に認めておきます。
Family First は社会・職場の共通認識
ノルウェーの一般的な労働時間は、1日7.5時間。その間には30分以上の昼休みを取ることが義務づけられているために、実拘束時間は8時間となります。通常なら、9時スタート17時終業。仮に昼休みを1時間取れば、更に30分伸びることになります。
日本ならば、朝は全員揃ったところで朝礼から始まり、17時の終業後も残業で、20時21時は当たり前という会社も珍しくないでしょう。しかも、当然のように会議は17時以降も。しかし、ノルウェーの一般的な企業で拘束されるのは8時間の就業時間だけ。早く帰りたい人はその分早く来て仕事を始めれば早く帰れるのです。みんなで朝礼なんかはありません。昼休みの30分でさえも長いくらいという人もいます。17時以降の会議なんかはもってのほかです。会議は家族との時間を奪うことになるからです。ノルウェーの人にとっては、仕事よりも家族が大切なのです。だから、家族のために仕事の仕方や仕組みをどんどん変えていきます。
取材初日のこども・平等省での取材は9:30からでしたが、私たちのインタビューのために押さえられていた会議室ではまだ前のミーティングが続いていました。会議室の外に表示されている予約時間は8:00~9:30でした。
朝7時の宿泊ホテル前のオフィスビル |
要職にあっても、育休でも有休でも取るべき
トップが不在でも組織に停滞は有り得ない
漁業省のアームンド副大臣にも、ご自身の子育てについて話しを聞くことができました。
「家族との時間を取るために14時にオフィスを出る(それだけ早く登庁する)ことなどは良くあります。育休を取るのは当たり前。仮に4年間の任期でその期間家族との時間を犠牲にし、こどもの成長に関わる事ができないなんていうことになったら、そんな不幸なことはありません。組織では誰かが代わりを務められますが、家族では代わりはききません。組織というものは、誰かが欠けてもきちんと機能するように作られています。そもそも、職員や大臣が育休を取ったとして、その間に組織運営が停滞したりトラブルが発生するようだったら、それは不完全な組織です。
今では、スマホやe-mailなどでどこにいても連絡は取れるし、サテライトで仕事もできます。早く帰宅しても、問題が起こるようなことはほとんどありません」。
と話しながら、スマホで週末に撮ったお子さんの写真を嬉しそうに見せていただきました。
日本では、自治体の首長がたった3日の育休を取るだけでも大騒ぎします。
頭の硬いお役人や、行政に厳しい目を向ける国民にとっても、傾聴に値する話しではないでしょうか。
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