2019年1月18日金曜日

山口真帆の暴行被害で謝罪会見したNGT48運営会社AKSは、自分たちをタレントと勘違いしてる?

AKBやNMB、SKEにHKT、乃木坂に欅坂とおじさんにはメンバーの顔と名前を覚えることはおろか、フォローするのもグループの名前を覚えるのも大変な最近のアイドルグループ。中でも今、NGTが話題になっています。新潟のNGT48メンバー、山口真帆さんが暴行を受けた事件がネットだけでなくリアルな報道でも大きく取り上げられ、ワイドショーでは多くの時間を割いて報じられました。

事件を簡単に書くと
2018年12月、山口真帆さんが帰宅時に男二人に暴行されました。2人は逮捕されたのですが後に釈放されています。その時の不安な心情を山口さんがツウィートし、ファンが知ることとなりました。その後、なぜ自宅がわかったのか、帰宅時刻は誰が教えたのかなどの犯人捜しや運営サイドの対応に対する疑問がネットを騒がせることになり、マスコミがそれを追う形で大騒ぎとなったものです。

1月14日、NGT48の運営会社AKSの責任者が記者会見を開きました。出席したのは、運営責任者で松村匠取締役、早川麻衣子劇場新支配人、岡田剛新副支配人の3名。
「この度の件に関しまして、皆様にご迷惑、ご面倒、ご心配をおかけして、大変申し訳ございませんでした」とAKS運営責任者の松村匠氏が謝罪したうえで、対応や記者会見の設定が遅れた経緯や人事異動などについての説明を行いました。記者からは多くの質問が出ましたが、ファンが納得するような回答は残念ながら無かったといえます。
この記者会見については、ネットでもさらに炎上し、 2chでもスレッドが立ち、疑問や運営会社を非難する声であふれています。

会見の様子と質疑応答は動画を見ていただくとして、日刊スポーツでもまとめてあります。
AKS松村取締役「(秋元氏は)大変憂慮」一問一答


芸能関係者は立って謝罪会見が普通?


今回は会見の中身については、ネット民のみなさんが激しく突っ込んでいらっしゃるのでそちらに譲るとして、別な視点で一つ指摘を。それは3人が立ったままで会見をしたこと。まるで出待ちの囲み取材のような会見でした。記者の質問も四方から飛んできて、答える時には顔の向きもあっちに向いたりこっちに向いたりとバラバラでした。
芸能人の会見(政治家も)は謝罪であっても立ったままのことがほとんどです。記憶に新しい山口達也さんやベッキーさんも立ったまま謝罪会見を行いました。芸能人は制作発表会や舞台挨拶では立った状態でカメラや観客の前に立つことが普通なので、その延長なのかもしれません。忙しいスケジュールの合間にわずかな時間を作って会見をしているからなのかもしれません。あるいはカメラ映りを意識して、いかにも謝罪しているような画を避けているのでしょうか。

しかし、謝罪や説明のために「場」を設定する会見では、疑問を解消するために向き合います。質疑応答で長時間に及ぶこともあります。きちんと質問・疑問に答えます、という姿勢を見せるためにも机と椅子を用意します。企業の場合、この会見でミスをすると、商品のボイコットや品質への不安・不審などに繋がり、その後の取引や売り上げに影響します。立ったままの会見は頃合いを見計らって逃げ出す準備をしているように見えてしまいます(実際、芸能人や政治家は途中でさっさと逃げていきます)。

今回は少なくともタレントさんではなく運営会社の会見です。タレントさんを預かり、ビジネスをしている企業としての対応が求められたはずです。自分たちもタレントさんと同じ華やかな世界で仕事をしている、と勘違いして立ち位置を誤ってしまっているのではないでしょうか?





2019年1月17日木曜日

JOC竹田会長は誰に何を伝えようとしたのか?開かない方がまだ良かった会見

2020年東京五輪招致を巡りフランス司法当局から贈賄の容疑者として正式捜査を開始された、当時の招致委員会理事長、竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長が、15日に東京都内で会見しました。しかし、その会見はわずか7分あまりで質疑応答なし。一方的に用意したメモ(声明文)を読み上げて終了しました。

↑の SANKEI NEWS LIVE のYouTube動画では、映像スタートから4分20秒後に竹田会長が入室し、司会(恐らくJOC広報の方)が会見の趣旨、進め方などを説明します。そのときに「質疑応答は控えさせていただく」と宣言されています。
その後、6分8秒のところで竹田会長がマイクを取り、手元のメモに目を落としながら「伝えられることだけを口頭で」読み上げ、マイクを置いたのは12分45秒。そしてそのまま席を立ち、画面から姿を消したのが13分8秒。マイクを取って退室するまできっちり7分でした。ニュースでもわずか7分、7分会見などと報道されました。

記者会見で重要なのは質疑応答
誰もが納得できる答えを用意して臨むこと


この動画で面白いのは、竹田会長の会見が7分で終わっているのに、その後も司会者(JOC広報?)が記者に詰め寄られ、質疑応答が繰り返される様子までが納められていることです。 約12分間、竹田会長の会見時間よりも長くなっています。
それも当たり前です。文書を配布するかウェブサイトに掲載すれば済むような内容を読み上げられただけで、肝心なことは何一つ聞き出せていません。これだけ多くの記者を集めていながら、本人が顔を出して読み上げたというだけです。これでは、記者だけでなくテレビはじめ報道を通して会見の内容を見る(読む)国民に対して何も伝わってきません。ただただ不誠実な印象だけが残ってしまい、「やっぱり悪いことをしたから質問に答えられないんだ」と勘ぐってしまわざるをえません。

何一つ自分の言葉で説明しないまま会場を後にした竹田会長の姿は、かつてこのブログでも失敗会見として取り上げた、ベッキーや「一回戦で負けろ」発言県議と同じです。

ベッキーと「一回戦で負けろ」発言県議の共通点

今回も、上のブログで書いたことがそのまま当てはまります。そして、今回はJOCという組織の広報対応の未熟さも露呈しています。十分な準備時間があったのに、こんな会見にしてしまいました。

ひょっとしたらJOCは、捜査対象が竹田会長(招致委員会元理事長)だけなので、一人に責任を押しつけて梯子を外そうとしているのでしょうか?




2019年1月14日月曜日

前澤社長のお年玉企画で考える、企業のSNS活用

前澤友作社長のTwitterアカウントの画面より
ZOZOTOWNを運営する株式会社ZOZOの前澤友作社長が、100万円を100人に(1億円)プレゼントするというTwitterでのお年玉企画を実施し、話題になりました。前澤社長をフォローしたうえでそのtweetをretweet(RT)することがプレゼントへの応募条件ということで、あっという間に前澤社長のフォロワー数は542万人、RT数は526万を超え世界最高記録を塗り替えたといいます。

1億円を遙かに上回る広告効果


TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSは個人のコミュニケーションツールとしてだけでなく、導入コストがかからず手軽に始められる広報ツールとしてアカウントを取得する企業も増えています。しかし、アカウントを取得して始めるのは簡単でも、フォロワーを増やすことは容易ではありません。広報ツールとして活用するには、より多くのフォロワーを獲得し多くの人に発信できなければ意味がないのですから。その上でシェアやRTされる投稿をし、より多くの人とコミュニケーションを目指さなければなりません。

フォロワー1人がだいたい100円の価値(獲得コスト)と言われています。前澤社長のフォロワー数が今回のお年玉企画で300万人増えたとしたら、3億円の価値があったともいえますし、526万回のRTとそれを取り上げるマスコミでの露出を考慮すれば、その広告効果は1億円を遙かに上回っているでしょう。RTした人は少なくとも、なぜ前澤社長がお年玉企画を実施したのかー「ZOZOTOWN新春セールが史上最速で取扱高100億円を突破」したことを記念してーということを知ったわけです。
普通の企業なら、広報からニュースリリースを流すところですが、1月5日は土曜日でしかもお正月休みの最中。タイミング的には最悪です。ニュースリリースを出したところで大きな話題にはなりません。それに比べればとてつもない話題提供です。
普段はアパレル業界に関心もなく、ネットで服を買う習慣がない私は、TwitterにRTで流れてきたこのtweetとそれを伝えるニュースで、たったの5日間足らずで100億円を売り上げるZOZOTOWNはやっぱり凄いんだな、と単純に驚きました。

単なる話題作りだけではなかった


1月8日に発表された100名の当選者は、なんらかの夢を叶える資金や社会貢献に使いたいと具体的にコメントして応募した人たちだったことにまた驚きました(「応募方法はRTするだけ」と書いていたのに抽選ではなかったことに批判も出ていますが)。一人一人の当選通知のメッセージに、その夢についてのコメントも添えられていたというのです。自分に代わってお金を有効に使って欲しいという思いと願いが込められています。単なる話題作りに終わらせず、エンジェル的なある種の投資行為ともいえます。お金を受け取った人は前澤氏に感謝するとともに、世間が注視する中でそのお金を使うことになるのでプレッシャーも大きいでしょう。無駄遣いはできません。ひょっとしたら、この1億円がきっかけで多くの人を救ったり、幸せにすることになるのかもしれません。
今回のお年玉企画は、前澤氏がお金をより有効に使うために周到に考えられた実験だったのかもしれないとさえ思えてきました。

企業アカウントでの企画だったら?


しかし、前澤社長のお年玉は、個人のアカウントで個人のお金を使った企画です。会社やブランドとしての公式な企画ではありません。
それでは、ZOZOTOWNの公式アカウントで実施していたらどうでしょう?49万人というフォロワー(これも凄い)を抱えるZOZOTOWNですが、ここまでの話題にはならなかったでしょう。その前に、1億円のプレゼント企画を誰が提案して実施にまでこぎつけるか。普通の企業では簡単なことではありません。実施する意味であったり費用対効果であったり、いろんなハードルが待ち構えています。発案者が誰、あるいはどの部署かによっても違うでしょう。意思決定と準備に相当な時間とエネルギーも必要ですから、新春セールを企画する段階でお年玉企画もスタートさせなければなりません。ZOZOが若くて柔軟な会社であることを割り引いても、会社としての実施はなかったと思います。
  

企業アカウントのフォロワーを増やすには


企業アカウントのフォロワーを増やすには、かつてはプレゼントキャンペーンなどで獲得する方法が一般的でした。しかし、そのような方法で獲得したフォロワーは、キャンペーンが終わるとすぐにフォローを外す人が大半です。前澤社長のフォロワーも当選発表後は減っているのではないでしょうか。

アカウントは偽物やなりすましの可能性もあるので、ユーザーが誰かをフォローするときには、TwitterでもFacebookでもプロフィールをまず確認します。企業アカウントのSNSは、目的を持って運用されるはずです。アカウントのプロフィールではその目的が何であるか、どんな情報を発信していくのかを明確にする必要があり、フォローしたくなるようなプロフィールでなければなりません。
その上で、誰にどんな情報を発信していくか、ほかのアカウントとどう差別化するか(キャラクターを立てて発信するなども一例)、フォロワーにとってどんな価値を提供するのかを考えて運用します。
他の人にも知らせたいと思えるような、役に立つ、あるいは面白いなどの発信が支持されればリツィートやシェアも増え、フォローにつながるはずです。
ただ漫然と発信するだけではフォローに結びつくことはなく、担当者もただただ空しい思いをすることになってしまいます。Facebookならインサイト、Twitterならanalyticsなどで分析しながら改善していくようにしましょう。




2018年12月31日月曜日

日本のIWC脱退が気仙沼のサメ・フカヒレ産業に影響を与える懸念

12月26日、日本がIWCを脱退し商業捕鯨を再開すると表明しました。反捕鯨国はじめ海外の多くの国が報道するなど関心を寄せているだけでなく、今回の政府決定については、国内でも賛否の声が上がっています。
私はこのニュースに接し、気仙沼のサメ関連産業のことが心配になりました。

気仙沼産のふかひれを使った「吉兆」銀座店の「和風ふかひれ」
ダイナースクラブの会員誌「SIGNATURE」の記事より

復興の途半ばの被災地


12月初旬、東日本大震災の被災地であり、日本有数の水産業の町、気仙沼に足を運びました。気仙沼を訪れるのは生まれて初めて。震災後、東北の被災地を訪れるのも初めてです。気仙沼市とはすぐ隣の陸前高田市の様子も高台から臨むことができました。
津波被害から復興半ばの三陸の海沿いの町は、まるで中世のお城や砦の壁のような巨大な防潮堤に囲まれ、 地元の人たちが「板チョコ」のようだと表現するかさ上げされた土地に少しずつ新しい建物が建ち始めている状況でした。
壮絶な体験をした被災者の皆さんは、7年の歳月を経て前向きに生きていこうと少しずつ明るさを取り戻しているようでした。それでも、当時の様子を語る際には時に涙を浮かべ、言葉に詰まるような場面もあります。

東日本大震災からの水産業復旧の進捗状況 (平成29年度 水産白書より)

気仙沼のサメ関連産業


気仙沼といえば三陸沖の豊かな漁場を目の前にする、日本有数の水揚げを誇る漁港です。良質なフカヒレの産地としても有名です。早朝の気仙沼魚市場を見学させていただきましたが、この日も漁港には多くのサメが並んでいました。魚市場の後にはフカヒレの加工工場も見学させていただき、色々なお話しを伺いました。その時にもシーシェパードのクジラの次の標的がサメ漁に向いてきているのではないかと心配されていました。
今月こんなニュースもありました。


洋上で高級食材のフカヒレだけを切り取り、それ以外の魚体を海上投棄するフィンニングが20世紀終盤から国際的に問題視され、様々なキャンペーンやロビー活動が展開されました。5年ほど前には、ふかひれスープを販売する無印良品に対して、販売中止を求めるキャンペーンも展開されました。それに対し無印良品は気仙沼のフカヒレを原料とした商品であることを理由に毅然と反論しました。その時の良品計画のニュースリリースは既にサイトから見られなくなっていますが、その経緯を伝える以下の記事がまだ読む事ができます。


2012年にはすでに、笹川平和財団海洋政策研究所の【Ocean Newsletter】「国際的なサメ保護運動の行方」(桃山学院大学兼任講師鈴木隆史氏)の最後に「気仙沼のサメ産業にも大きな影響を及ぼしかねない」と警鐘を鳴らしています。
気仙沼のフカヒレ加工会社の社長も、サメの保護運動の高まりは輸出を始めとしたフカヒレの流通にも影響を与えていると言います。上の無印良品の反論にもあるように、気仙沼のサメ産業ではフカヒレだけでなく、身から皮・内臓・骨まで全て無駄なく使用されていますが、それがなかなか理解されないと言います。

日本がIWCを脱退し、南氷洋の捕鯨から領海・EEZ内での捕鯨に切り換えると、シーシェパードなどの海洋生物保護団体の活動対象は「サメ」に向かう可能性が高くなるのではないかと心配になる年の瀬となってしまいました。




2018年12月19日水曜日

札幌の爆発炎上事故、apaman運営会社の対応と報道の問題点

12月16日(日)夜、40人以上が負傷した札幌市の爆発・炎上事故。
その夜、最初にニュースを見た時には、火元は飲食店ではないかと報じられていました。 跡形もなく吹き飛んでいたとはいえ、不動産仲介の事務所に爆発炎上するようなものは考えづらく、調理場で火を使う飲食店が火元と考えるのが普通です。しかし、翌日の現場検証で不動産仲介会社apamanショップの現場跡から大量のスプレー缶見つかったことから、火元が特定されました。当日、apamanショップで120本もの消臭スプレーの廃棄処理を室内で行ったことで可燃性ガスが充満、その後湯沸かし器に点火したことで爆発に至ったと言うことがわかりました。

18日、apamanショップの運営会社である「アパマンショップリーシング北海道」の佐藤大生(たいき)社長が記者会見し、謝罪しました。この会見で明らかになったことは業務用の消臭スプレーheyash(ヘヤシュ)120本を廃棄処分しようとし、上記の通り爆発に至った事、消臭サービスはお客様のオーダーに応じる形で1回(1本)1万円程度で実施していたということなどです。どうして120本も在庫があったのか、それを何故この時期一度に処分しなければならなかったのかの疑問は残ったままですが、これから明らかになるでしょう。

被害者への直接訪問謝罪は?


社長が記者会見をしたことで、報道は会見の様子、消臭スプレー120本の在庫や処分の理由について様々に話題にしています。しかし、目を向けないとならないのは被害者への対応です。

今回の爆発・炎上事故では40名以上の負傷者と20数棟の建物被害、20台以上の自動車被害が既に明らかになっています。しかし、まだ報道されていない被害もあるはずです。
「アパマンショップリーシング北海道」は、社長が記者会見する以前(すくなくとも同時)に、全社を上げて被害状況の把握と謝罪にまわるべきです。被害者は、社長の会見を見ると「私の所にはまだお詫びにも来ていない、この被害はどう補償してくれるの!?」と怒りがこみ上げてくることでしょう。記者会見でも、具体的な窓口の設置や補償について語られたという報道は見られません(今回、記者会見を通しで見ていないので見落としが有るかもしれませんが)。

今回の事故は、派手な爆発炎上事故であった事、火元が想定外だったことなどで大きく報道され、一般の人の関心も高いのですが、それよりも現実に直接の被害者が存在します。会社は、原因も明らかになった以上は被害者に対する対応が何よりも重要です。報道はスプレー缶の何故を問うよりも、被害者への対応を求めて欲しいものです。