2017年6月2日金曜日

子どものインターネット利用は避けて通れないのであれば

内閣府 低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査より 
5月に内閣府が「低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査」結果を発表しました。0歳から9歳の子どもの保護者2000人を対象にし調査票を訪問配付し、訪問回収調査した大規模なものです。
この調査結果では、いくつもの注目すべきデータが提示されていました。ます、0歳児からインターネットを利用しているということ。 実際には母親がインターネットに繋いだ動画やサイトを見せているのでしょうが、まさに生まれたときからネットと繋がって生活しているのが現代社会だということを、改めて認識させられるデータです。
2番目はタブレットの所有・利用率の高さです。ただ、調査票を見ると、iPadなど私たちが普段使っているタブレットとは違う、学習用や子どもの娯楽用としての専用タブレットです。今や子どものおもちゃも学習教材も、ネットに繋がったタブレットが大きな存在感を示しています。
3つめは、保護者無しで一人でインターネットに繋いでいる子が2歳ですでに半数以上にのぼることに驚きます。小学校に入る直前の5歳では、86.7%が一人で繋いで利用しているのです。

こんな調査結果を見ているところに、少し遅れて、気になる2つのニュースが飛び込んできました。いずれも子どものネット利用に関連する話題です。

1つめは 米アマゾン、「子どもが勝手にアプリ内課金」した約78億円の返金を開始。1アプリ当たり最高約1万円 という記事です。子どもがネットに繋がる機器を持つと、勝手にいろんなサイトやアプリを開いて、知らない間に課金してしまう事例が多く発生しています。当然、日本でもそのようなことは起こっているはずです。パスワードを設定していても、見よう見まねで子どもは記憶して、簡単に開いてしまう様子が、ニュースなどでも報じられています。

2つめのニュースは、YouTubeが子ども向けに開発したYouTube視聴アプリ「YouTube KIDS」がスタートしたというもの。 
 YouTube「子ども向け動画」に好機 出版社など手応え



早速アプリをダウンロードしてみました。記事にある様に、確かに様々な配慮がしてあります。動画の対象年齢や検索機能のオン・オフ、フィルタの設定などに加え、最初の設定は保護者がすると言う前提で、ログインするために保護者の同意を確認するメールの設定もあります。
設定が完了してアプリを開くと、なんとも楽しげなコンテンツがずらり。これなら子ども達に人気なのもわかります。ざっとラインナップを見る限りでは、健全なコンテンツばかりのようです。
これからの子ども向け動画コンテンツのプラットフォームになる可能性は高いと思います。






2017年6月1日木曜日

子育て支援が叫ばれているのに、育児誌の部数減少が止まらない。

先日、Yahoo!ニュースで「育児系雑誌の部数動向をさぐる」という記事が流れてきました。一般社団法人 日本雑誌協会(JMPA)が四半期毎に発表する、「印刷証明付き部数」の最新値から不破雷蔵氏が計算し、記事にしたものです。
育児系雑誌の部数動向をさぐる」よりー不破雷蔵氏作成
JMPAが発表したのは数字だけですが、不破氏は解り易くグラフ化してアップしてありましたので、ここでもこのグラフをお借りしました。
私の記憶では、数年前まではひよこクラブの印刷証明着き部数は20万部前後でしたから、ほぼ4割減、 たまごクラブも12~3万部だったように記憶しているので、ほぼ半減でしょうか。
対前年だけの数字を見ても、たまごクラブもひよこクラブもほぼ11%減っています。
このペースで減少すれば、4年でほぼ4割減です。4年後にはひよこクラブの発行部数は7万部ほどになってしまう計算です。
少子化が進み、年間の出生数が100万人を切ったとは言え、出生数が同じように毎年1割も減っているわけではありません。出生数の減少以上に雑誌離れが進んでいることになります。
この減少傾向は他の育児誌も同様で、プレモに至っては対前年18.2%減。前の年には発行部数4万5千部ほどあったということになりますが、1年で2割近くも部数が落ちてしまうと言うのも驚きです。

実際の販売部数は6掛け


上記の印刷証明付き部数-発行部数は実売数ではありません。雑誌の実売率はだいたい6割前後と言われています。発行サイクルと店頭在庫の関係で、週刊誌は実売率が高め、月刊誌や季刊誌は低めになります。
雑誌の実売率・返本率のデータがないかと探したら、やはり不破雷蔵さんのガベージニュースにありました。
新刊書籍・雑誌出版点数や返本率推移をグラフ化してみる

再び不破氏のデータを引用させていただきますと、ちょっと古いですが2009年の雑誌全体の返本率は36.2%となっています。これもずっと右肩上がりですから、やはり今は4割くらいでしょうか。
そうすると、ひよこクラブの実売部数は約7~8万部、たまごクラブは4万5千~5万部といったところでしょう。

紙だから読まれなくなったのか?


不破氏は自らが運用管理するサイト「ガベージニュース」では、育児系だけでなく広く全般について考察しています。
部数が非公開になった雑誌、順位の入れ替わりが確定した分野…時代の流れを覚えさせる新たな動き…諸種雑誌部数動向(2017年1-3月)
これで見ると、育児誌に限らずあらゆるジャンルの雑誌が部数を落としているのがよく分かります。あれほど影響力があったKADOKAWAの東京ウォーカーも、今や5万部ほど。一時期の約1/3にまで落ち込んでいます。ウォーカーが扱う情報は、時間軸とセットになったフローな情報中心で、むしろネットの方が即時性や情報量、検索性、加えて写真・動画によるビジュアル情報による具体性などに優れているので、ネットに移行するのは致し方のないことです。リクルートが発行する情報誌も、ゼクシーを除けば全て紙の本を無くしてしまいました。週刊文春や新潮など、他では読めない特ダネを毎号探し続けることは通常の雑誌ではほとんど難しいものがあります。
紙の雑誌が優れているのは、保存性や一覧性。持っていること、目の前に形として存在することの安心感などがあります。私も持ち歩くのが重いからと、資料となる書籍・雑誌などはamazonのKindleで電子書籍を購入することがありますが、やはり目の前に物理的な本が無いと、いつの間にか購入したことさえ忘れてしまいます。

では、単純に紙の本が読まれなくなったのでしょうか。絵本がタブレットに全て置き換わるかと言えばそんなことはないでしょうし。かつて、本屋は情報収集の場であり、一つのエンタテイメントの場でもありました。学校帰りや散歩のついでに、何かと言えば書店に立ち寄ったものです。特に雑誌は,店頭での偶然の出会いで購入することが多く有りました。しかし、その書店も今や少なくなってしまい、店頭で偶然出会って購入するというシチュエーションがなくなってしまっています。

書店数の推移を調べてみると(書店組合のデータから一生懸命グラフを作っていたら、これまたガベージニュースにしっかり出ていました(T_T)。こちらも「書店数とその坪数推移をグラフ化してみる(2016年)(最新)」からお借りしました)やはり減少しています。
書店が減ったから本が売れなくなったのか、本が売れなくなったから書店が減ってしまったのか。いずれにしても本と接する機会・接触ポイントが少なくなってきていることも大きな原因で有ることは間違いありません。

現に、フリーペーパーであるmikuは、配付場所(配付協力施設は、先方からの申し出によるものです)が増えるだけ持ち帰られる部数も増えて、今では13万部の発行部数にまでなっています。持ち帰られるのはだいたい10〜11万部といったところですが、小児科などでは待ち時間に読んでいる方も多いので、実際の読者数は更に多くなります。

出産・育児を妨げる大きな要因は経済的な負担です。子どもの6人に一人は貧困と言う日本の現状では、若い子育てファミリーにとってはネットで調べれば事足りることで、有償の育児誌はわざわざ買うほどの物でもなくなっているのでしょう。

一方で、ネットの情報への不信感や不安感は常につきまとっています。そういう中で、無償で手に入り信頼できる媒体としてのmikuの存在はこれからも重要なのかと思っています。





2017年5月21日日曜日

「日本人でよかった」 ポスターから考えるもう一つのリスク

「私、日本人でよかった」ポスター
ネットの画面からキャプチャーしました
今月、ネット上で神社本庁のポスター「私 日本人でよかった。」が話題になりました(写真は神社本庁のサイトにもなかったので、ネットの画面からキャプチャーを取りました。問題がありましたらご連絡ください。削除します)。

今回話題になったのは、「日本人でよかった」というポスターなのに、そこに登場しているモデルの女性が、実は日本人ではなかったことが指摘されてのことです。
かつて、ポスターや印刷物に使う写真は全てオリジナルで撮影していたので、このような問題も起こりませんでした。その後レンタル写真が登場しましたが、その写真の管理は厳重で、1点毎に何に使用されたかを記録し、レンタルする際にも競合や使用されたメディアなどもリストでチェックできました。あくまでも購入ではなくレンタルなので、いわば芸能事務所の所属タレントのように、1点1点を丁寧にマネジメントしていたものです。

ところが最近は、ストックフォトをネットからダウンロードで購入することができるようになりました。ダウンロードはコピーの購入ですから、同じ写真を多くの人が利用する可能性があります。利用規程に従えば自由に使用することができ、ダウンロードされた写真は、誰がどんなことに使っているかはわかりません。
「日本人でよかった」のポスターに使用された写真(モデルさん)も、他でもいろいろと使われていたようです。

頻繁に起こっている「被り」


今回のように、モデルの国籍が問題になるというのはある意味特殊なケースですが、 もっと頻繁に起こっているのは、同じ写真の「被り」によるイメージダウンです。
良くあるのが、ヘッドセットをした同じモデルさんの写真を、通販サイトで使用している例。大手自動車保険や損害保険の場合は、CMと連動して契約タレントさんやモデルさんでオリジナルの写真を使用していますが、中小のECサイトなどでは、ストックフォトから購入(あるいは最悪の場合はコピーによる無断使用)しているケースも少なくありません。
もう一つは、バナーに使用する写真。求人や人材募集広告に使う写真のモデルさんも、多くの被りが指摘されています。競合するサイトや、不適切なサイトで同じ写真(モデル)が使われていることも、ネットでは良く指摘されています。

ビジネスシーンやモデルさんの顔写真などをバナーや広告に使用する際には、画像検索で他でどのようなサイトや広告に使用されているか、事前にチェックされることをオススメします。

※当社で運営している育児のポータルサイト【こそだて】も、素材写真やストックフォトを購入して使用していますが、時々同じ写真を使用している育児関連サイトや商品チラシを見つけることがあります(mikuの記事は基本的に毎回撮影しているのでそんなことは滅多に無いのですが)。しかし、サイト自体は中立ですしどこかと競合するようなものでもなく、また写真が赤ちゃんでもあり特に問題になるようなことは今の所無さそうです。

ブライト・ウェイへのご相談はこちらから。





2017年5月20日土曜日

メルカリが変えるリユース市場とブランド価値

いろいろな意味で「メルカリ」が話題です。
メルカリ」は、誰でも簡単に自分の物を個人間で売り買いできるスマートフォンのフリマアプリです。リアルなフリーマーケットのように、自分で値付けをして出品し、欲しいと思った人がそれを早い者勝ちで購入するという解り易い仕組みです。ブランド物や衣類、家電等に留まらず、トイレットペーパーの芯まで出品されるそうです。

ヤフオク!などのオークションサイトだと時間内で落札価格を競り合って、一番高値を付けた人が購入する権利を得ます。一方、フリマでは出品された時点で価格は決まっているので市場が価格を決めると言うよりも、マッチングによる物流と言えます。その時、その商品を欲しいと思う人がいて、提示された金額が妥当だと思えば売買は成立します。場合によっては市場相場よりも高い値付けの物も購入されているようです。最近は、紙幣が額面よりも高い価格で出品されて問題にもなりました。昔から有るカードのショッピング枠の現金化ですね。機会コストならぬ機会価格と言えば良いのでしょうか。

東洋経済ONLINE
 「メルカリに食われる」、リユース業界の悲鳴 より
この「メルカリ」の利用者が爆発的に増えて、様々な所で影響が出ています。ブライト・ウェイが運営する育児のポータルサイト【こそだて】の、無料でお下がりを譲る「こそだてバザール」は、出品が激減しました。「こそだてバザールだと無料ですが、メルカリで売れれば、少しでも現金収入が得られます。

東洋経済ONLINEでは 「メルカリに食われる」、リユース業界の悲鳴 と題する記事を掲載しました。この記事によると、リユース市場はメルカリに商品が流れてしまって、仕入れも売り上げも大幅に減少していると言います。 

買い取りショップや質店に商品を持ち込んでも、特別なプレミアム商品で無ければ、ガッカリするような価格が提示されます。売る側からすれば、一つ一つの品物には愛着や思い出も有り、自己査定額は市場価値よりも高くなりがちで、なおさらそのギャップは大きくなります。
先日母が誰も着ることがなくなった、有名ブランドのミンクのコート(数十万円で購入して、手入れもきちんとしてありました)を買い取りショップに持って行ったら、提示された価格は3000円でした。母は肩を落としていましたが、持っていても場所を取るだけなので手放しました。
これがメルカリだと、そんな思いや来歴なども表明しながら、あるいは物語付きで価格を設定して出品することができます。
「物」消費から「コト」消費と言われますが、メルカリに出品される商品は、それぞれに持ち主がいて物語があります。持ち主の思いや物語も受け継ぐ形でその価格に納得して購入を決定します。物理的な市場の商品価値ではなく、その1点に対する共感も価格に含まれているのかもしれません。
1点ずつの写真に説明文。「いいね!」を押すような感覚でその価格に納得し購入を決める、SNSの延長にメルカリがあるとも言えます。

母のミンクのコートも、メルカリでその来歴と思いを添えて、数万円の価格を付けて売ったら、売れていたのでしょうか。




2017年4月28日金曜日

amazon詐欺の被害者としてテレビ取材を受けて

amazonマーケットプレイスの詐欺店舗にだまされ、ブログを書いたのは2日前。
前後してネット上ではamazonに同様の詐欺店舗が大量に出現し、多くの被害がでていることが明らかになって来ました。そして昨日、日本テレビの「スッキリ!!」のディレクターさんから事務所に電話が。マーケットプレイスでの被害についてテレビに出て欲しいと言うのです。しかも28日の朝。
まず、私は福岡にいて東京に移動する時間は無いと告げると、「電話インタビューでの出演で結構です」と。普段は取材を依頼したりコーディネートする立場なのに、詐欺に遭った話での出演なんて恥ずかしい。出演を渋っていると、「これ以上の被害を出さないためにも協力をお願いします」と、僕にとっては殺し文句を突きつけられました。それでは、名前や個人を特定できる情報は出さないと言うことで取材に応じることにしました。

報道ワイドショーの危機管理


「スッキリ!!」は日本テレビ系列の午前8時からの報道ワイド番組。阿部レポーターが事件を追い、現場からレポートするスタイルが定番です。ディレクターは、「今回のamazonの件を徹底的に追求したいと思っています。ご協力ください」ということだったので、私もできるだけ情報提供することにしました。と同時にこちらからも質問をしました。

「どうして私の事務所にたどりついたのでしょうか?」
これは容易に想像が付きましたが、一応の確認です。やはりネットでamazonのマーケットプレイスの詐欺サイトが話題になり、永江君のブログに行き着きます。そこに被害者となった私のFBの書き込みの画面キャプチャが顔のアイコン付きで、名前もそのまま掲載されています。名前で検索すれば、珍しい名前ですから、FBでもGoogle検索でもすぐに私の先の反省ブログにたどり着き、事務所に電話となったというでした。

その後、ディレクターさんとの何度かの電話とメールでのやりとりの後に電話取材となったのですが、この取材前のやりとりが報道の現場の危機管理を垣間見る良い機会となりました。

テレビ局からはいくつかの確認事項がありました。もちろん、ディレクターさんは私のブログを読んで経緯は知った上でのやりとりです。

1,私が被害者であることの証明
  過去には、売名行為を目的に被害者を装ってテレビに出た人がいて、後に問題になった事例もあるそうです。ブログやネットでは偽装した書き込みや投稿が溢れています。私が本当にamazonで被害に遭っているのかどうかは確認する必要があります。
amazonからの確認メールなどを転送して確認して貰いました。

2,購入したマーケットプレースの住所
  私はブログにも書いていますが、購入したお店の住所を確認していました。今、その出店社のアカウントからは住所も削除されていますので確認できなくなっていますが、たまたまその住所が東京タワーだったので覚えていました。ディレクターさんが「徹底的に追求」といっていましたが、その意味はオンエアを見てわかりました。

そして、下打ち合わせと事実確認を済ませて取材の電話を待つことになりました。

電話をかけてきたのは阿部リポーター


約束の時刻に携帯が鳴ります。ディレクターさんと確認で話をしていると、先方の声を携帯のマイクが拾ってしまっていると言います。スピーカーホンでもないのにどうしたことでしょうか。どうしても改善しないので、固定電話の方へかけ直してもらい、今度はOKとなりました。やはり電話取材とは言え、視聴者に聞きやすい音声を届けたいというプロ意識が伝わってきます。
そして改めて以下の注意点を確認しました。

・購入した店舗の名前は言わない-まだ詐欺が確定した訳ではないからです
・名前や個人情報を口にしない-個人情報の保護と同時に、売名行為に繋がらないように
そしてインタビュアーとして電話を替わったのは、あの阿部リポーターでした。なんだかいきなり「大事件」の雰囲気です。質問は事前に確認したことだったので、難なく終了しました。

オンエアでわかった事


そして今日のオンエア。
被害者の一人として私の電話インタビューが流されました。私のコメントの時間は短時間でしたが、番組を見ていて色々な事がわかりました。まず、私が購入したお店があった住所を阿部リポーターが実際に取材で訪問していたことには驚きました。私が住所を告げたのは昨日出かける直前の15時半くらいでしたから、それからすぐに動いたのでしょう。
私が購入したショップのレビューについても★一つで散々なコメントばかりだったと伝えていたのですが、今日のオンエアでは400件以上のコメントが有ったと言っています。あれから、数えたということでしょう。 それにしても400件を超えるコメントがあるということは、その数倍の被害がこの1店舗だけでもあると見て良いでしょう。ということは、amazon全体ではどのくらいの被害者が出ているのか怖いくらいです。

いち早くamazonの問題を取り上げた日本テレビ「スッキリ!!」の報道を受けて、いずれ他のメディアでもこの件を追い始めることh間違いないでしょう。amazonが早急に対策に動くことを期待しています。