2019年1月17日木曜日

JOC竹田会長は誰に何を伝えようとしたのか?開かない方がまだ良かった会見

2020年東京五輪招致を巡りフランス司法当局から贈賄の容疑者として正式捜査を開始された、当時の招致委員会理事長、竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長が、15日に東京都内で会見しました。しかし、その会見はわずか7分あまりで質疑応答なし。一方的に用意したメモ(声明文)を読み上げて終了しました。

↑の SANKEI NEWS LIVE のYouTube動画では、映像スタートから4分20秒後に竹田会長が入室し、司会(恐らくJOC広報の方)が会見の趣旨、進め方などを説明します。そのときに「質疑応答は控えさせていただく」と宣言されています。
その後、6分8秒のところで竹田会長がマイクを取り、手元のメモに目を落としながら「伝えられることだけを口頭で」読み上げ、マイクを置いたのは12分45秒。そしてそのまま席を立ち、画面から姿を消したのが13分8秒。マイクを取って退室するまできっちり7分でした。ニュースでもわずか7分、7分会見などと報道されました。

記者会見で重要なのは質疑応答
誰もが納得できる答えを用意して臨むこと


この動画で面白いのは、竹田会長の会見が7分で終わっているのに、その後も司会者(JOC広報?)が記者に詰め寄られ、質疑応答が繰り返される様子までが納められていることです。 約12分間、竹田会長の会見時間よりも長くなっています。
それも当たり前です。文書を配布するかウェブサイトに掲載すれば済むような内容を読み上げられただけで、肝心なことは何一つ聞き出せていません。これだけ多くの記者を集めていながら、本人が顔を出して読み上げたというだけです。これでは、記者だけでなくテレビはじめ報道を通して会見の内容を見る(読む)国民に対して何も伝わってきません。ただただ不誠実な印象だけが残ってしまい、「やっぱり悪いことをしたから質問に答えられないんだ」と勘ぐってしまわざるをえません。

何一つ自分の言葉で説明しないまま会場を後にした竹田会長の姿は、かつてこのブログでも失敗会見として取り上げた、ベッキーや「一回戦で負けろ」発言県議と同じです。

ベッキーと「一回戦で負けろ」発言県議の共通点

今回も、上のブログで書いたことがそのまま当てはまります。そして、今回はJOCという組織の広報対応の未熟さも露呈しています。十分な準備時間があったのに、こんな会見にしてしまいました。

ひょっとしたらJOCは、捜査対象が竹田会長(招致委員会元理事長)だけなので、一人に責任を押しつけて梯子を外そうとしているのでしょうか?