2016年5月24日火曜日

平成27年の出生率1.46に上昇。都道府県別に各種データを並べてみると

昨日、厚生労働省から「平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況」が公表されました。結果概要では、要約の最初に出生数について記述があります。


出生数は増加

出生数は 100 5656 人で、前年の 100 3539 人より 2117 人増加し、出生率(人口千対)は8.0 で前年と同率となっている。出生数を母の年齢(5歳階級)別にみると、29 歳以下の各階級では前年より減少しているが、 30 歳以上の各階級では前年より増加している。 
また、出生順位別にみると、第1子では前年より増加しているが、第2子及び第 3 子以上で は前年より減少している。 

日本の戦後の出生率は第2次ベビーブーム以降下がり続け、平成17年に1.26まで下げました。その後回復基調となり、昨年は1.46に上昇し、1994年の1.50以来の水準とのことです。しかし、出生数を見ると、平成17年以降も減り続けていました。そして昨年やっと出生数も増加に転じ、一昨年(平成26年)の 100 3539 人を上まわりました。
実は一昨年の人口動態速報(推計値)が発表されたときに、出生数100万人割れは間近かと思っていました。

出生数100万人割れ目前!場当たり的な「子育て支援」ではなく、「子どもと家族」を大切にする社会への取組を

しかし、昨年は景気の回復基調と様々な取組が功を奏して出生数が増加に転じ、100万人割れはすんでのところで回避することができたのです。

都道府県別に見ていくと問題点は明確 



公開された平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況」から出生に関するデータを抜き出し、平成27年の都道府県別の各種データを集めて並べてみました。
表は左からそれぞれ都道府県の
・出生数
・待機児童数
・待機児童数/出生数(%)
・合計特殊出生率(平成27年、26年)
・平均初婚年齢
です。
平均より高い(あるいは低い)所を色分けしています。
色が濃いほど平均から離れた事を表します。
待機児童数を出生数で割ったのは、相対的な比率を見る目安として計算してみたものです。本来、0歳児~5歳児まで年齢別に定員も別ですし、同じ都道府県内でも住んでいる市区町村が違えば状況は変わりますので、あくまでも参考値として計算してみました。

相対的な傾向としては、
・首都圏・関西圏での晩婚化
・首都圏・関西圏・北海道並びに一部東北の低い出生率
・都市部と沖縄県の高い待機児童比率

都市圏に悪い数字が集まっていますが、際立っているのは東京都の数値で、人口も経済もあらゆる物が集中している歪みが表れています。大都市圏でも対照的なのは愛知県などの東海圏で、こちらは平穏な数値です。
東京都は5年で保育収容定員を5万人増やしたのに、待機児童が減らないのは?
でも指摘していますが、東京都は5年で5万人も保育所の収容定員を増やしているのに待機児童が減りません。出生数が増えているだけではなく、働く(働かざるを得ない・働きたい)母親が増えているからです。少し景気が良くなりかけた所で出産に前向きになったは良いけれど、働きながら子育てしようと思っていた目論見が外れてしまった状況です。

沖縄県の待機児童数・率が高いのも、働く女性が増えているからでしょうか?ここ10年ほどは、年間の出生数は1万6千~7千人台で大きな変化はありません。いずれにしても、入所希望に対して保育所の手当が全く遅れている事は明かですが、保育所に入れないから出産を躊躇うという方向には行っていないことが救いです。

晩婚化・晩産化は人口減少のスピードを速めます
人口と仕事が集中している首都圏・関西圏で、働きながら子育てできる環境を整え、晩婚化・晩産化をくい止めることが重要です。


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