2016年1月25日月曜日

ベッキー、SMAPよりもCoCo壱番屋のカツ横流しニュースの波紋

今年に入って、好感度抜群タレント・ベッキーの不倫報道に続き、SMAP解散かという芸能界を震撼させるようなニュースが続きました。ベッキーが週刊誌の発売前に素早く実施した記者会見やSMAPの生放送での謝罪について触れよう後思いましたが、芸能ニュースは、世間の話題にはなってもあちらの世界のこと。それよりも、CoCo壱番屋が廃棄したカツを産廃業者が横流ししたニュースの方が、今後の各方面への波紋が気になります。
転売されたビーフカツ。赤文字でビーフカツと表示され、袋にCoCo壱番屋の記載はない
(株式会社壱番屋 1月13日ニュースリリースより)

CoCo壱番屋が異物混入の可能性があるとして廃棄した冷凍ビーフカツ約4万枚(約5.6トン)の一部が不正に転売され、スーパーで販売されていたことがわかり、壱番屋は迅速に詳細を公表しました。リリースには、該当商品の製造日、廃棄日、廃棄委託先(ダイコー)、販売の荷姿や廃棄理由、廃棄が大量になった理由まで詳細に記されています。短時間でこれだけの情報を発信できる体制には脱帽です。
朝日新聞は1月18日に「売り文句は『ココイチのカツ』 買い物中に気づいた異変」という記事を特集し、CoCo壱番屋のビーフカツの流れと発見の経緯、それぞれの関係者の対応がまとめられていました。

横流しをしたのは、産業廃棄物処理業ダイコー、その商品を転売していたのがみのりフーズ。その後、調べが進むにつれマルコメ味噌やイオン、ローソン、セブンイレブンなどの廃棄食品も横流しされていたことがわかりました。

CoCo壱番屋の対応については、商品や品質に対する姿勢と危機対応に関する高い評価が多く聞こえてきます。
①CoCo壱番屋のフランチャイズ店のパートスタッフが、スーパーの店頭で見つけて本部に報告。スーパーの店頭にCoCo壱番屋のカツが売られていることに、直営店でもなく社員でもないFC店のスタッフが疑問を抱いたという、徹底した従業員教育。
②本来スーパーなどで売られるべきでないカツが見つかってから、流出したカツの特定~流出経路までを特定しリリースするまで、僅かに2日(実質1日半)という迅速な対応。
③その後、他の商品についても廃棄したものが転売されていたことが判明。
今回のカツの横流し発覚により、壱番屋の徹底した品質管理が伝わる結果になりました。

しかし一方で、冷凍ビーフカツだけでなく、ロースカツやチキンカツ、メンチカツなど、多くの商品が転売されていたことが発覚したことにより、大量の食品が廃棄されていたことも判明しました。 あまりに多い廃棄物の量が気になります。

やぶ蛇の不用意なTweetから炎上


産業廃棄物処理業は、都道府県の許可事業であり、ダイコーは愛知県の許可事業者です。
の公式アカウントが、
「ココ壱がまだ紙面を賑わしています。悪いのは産廃業者の「ダイコー」ですが、ココ壱には責任がないのでしょうか?廃棄物には「排出者責任」というものがあ ります。廃棄物を出した人は、その廃棄物が適正に処分されるよう責任を持たなければなりません。そういう意味でココ壱にも責任があります。」
とTweetしたことで,炎上しました。

産業廃棄物の委託処理においては、排出事業者責任の明確化と、不法投棄(今回で言えば横流し)の未然防止を目的として、産業廃棄物の名称、運搬業者名、処分業者名、取扱い上の注意事項などを記載したマニ フェスト(産業廃棄物管理票)と共に流通させます。排出事業者は、処理業者からマニフェストによる処分終了報告をうけなければなりません。この処分終了報告をきちんと受けていたか、確認していたかと問題提起をしたのでしょうが、産業廃棄物処理の許可を与える側である行政の公式アカウントのTweetであるがために炎上しています。
処理業者に許可は出すけれど、許可後の業者の仕事内容については自治体は責任持てない、監督責任はないと受け取られたからでしょう。上から目線の不用意なTweetだったと言えます。

確かに、長崎県廃棄物対策課のアカウントが指摘するように、壱番屋以外にも転売された排出事業者のイオンやローソンなどもマニフェストによる処分終了報告を確認していたかどうかが今後問われそうです。ダイコー以外、愛知県以外でも産業廃棄物処理業者、中間処理業者も含めて立ち入り調査や監督指導が行われることでしょう。

産業廃棄物に限らず、PCや書類も不用意な処分は禁物です。
現場では重要書類を不適切に処分していませんか?」でも紹介しましたが、ヤマトの「機密文書リサイクルサービス」では、後日「溶解完了証明書」が届きます。企業活動のあらゆる行程で、トレーサビリティが求められる時代になってきました。

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