2015年12月27日日曜日

下町ロケットに見る企業の「意欲」と「所有欲」

日曜劇場 下町ロケット TBS Webサイトより
毎週日曜日の夜9時スタートの日曜劇場。「とんび」や「半澤直樹」「ルーズヴェルトゲーム」「天皇の料理番」「ナポレオンの村」と、毎回高視聴率のドラマが続く大好きな時間帯。少し前だと、「空飛ぶ広報室」や「新参者」もこの日曜劇場でした。そして先日放送最終回を迎えた「下町ロケット」も毎回楽しみに見ていました。
その「下町ロケット」の第一部と言えるロケット編では、帝国重工が自社製主要部品による純国産ロケット開発にこだわり、佃製作所の持つ特許を巡って話が展開されます。このドラマの始まりは、帝国重工の社長が主要部品の自社製にこだわる所からです。
ドラマを見ている視聴者は、佃製作所の登場人物に感情移入して「どうしてそんなことにこだわるんだよ!?部品の一つくらい他社製でもいいじゃない。同じ国産なんだし」と想いながら見ていたことでしょう。自社で開発するよりもできあがった高品質の部品を調達した方がコストもかからないし、と。
特に経営に携わっている人は、そんな想いで御覧になっていたのではないでしょうか。
ところがこれが「主要部品」ではなく「人材」になると突然話は変わり、身内にこだわるようになります。特に地方都市では。人を育てるのは時間がかかりますし、特定のスキルや経験を有した人はどこにでもいるわけではありません。

新しい事業を始める時には組織よりもビジョン


企業は経済状況やマーケットの変化に臨機応変に対応しなければなりません。事業ドメインの変更や多角化、分社化、M&A……しかし、その変化に従業員がついていくのはなかなかに大変です。脳は現状維持(楽な方)を選択しようとして、変化に抵抗するものです。下町ロケットでもそんな場面は何度も出てきます。
新規事業の検討や事業見直しの際に、客観的な視点を取り入れるべきなのですが、多くの場合はなかなかそうはなりません。目的に合わせた合理的な変化が求められます。佃製作所の佃社長のように、明確なビジョンが有り、やるべき方向性がはっきりしていれば、従業員は迷うことなく前に進めます。しかし、明確なビジョンも方向性もないままに「何か考えろ!」では困ってしまいます。いきおい、社内に新しい組織を作り、人事異動で対応しようとします。リーダーシップを取れない人がその組織のトップに据えられてしまうと、不幸な結果を招くだけです。

部品は外部調達しても人は社内に


事業組織を作る前段階で相談をいただくケースでは、目指すべき方向の整理から始まり、何をするのかを明確にします。それから必要な組織(人材感、人数)、ハードなどを無駄なく揃え、場合によっては社外のプロフェッショナルの力を借りながら短時間で高いパフォーマンスを得られるチームを作って一気にスタートします。
スピードが重要だと考える東京の多くの企業は、コンサルタントや外部のパートナーを上手に活用します。社員として抱えることにこだわらず、むしろ今必要なスキルや経験を持ったプロフェッショナルをチームに迎え、短期間でミッションを完了させます。

ところが、日本のオーナー系の企業の多くは、全てを中でやろうとします。社内にない知識やスキルでも今いる従業員に求めようとします。そして残業してでも社内で完結させようとします。長期的には経験値もスキルも上がり、社内に蓄積されていくのでしょうが、きちんとドキュメント化していないと、会社の財産ではなく特定の人の物となってしまいます。それになによりも時間がかかります。
一方で中間管理職は、居心地の良い縦社会を維持しようとして上下関係にこだわります。そのため自分の上司以外で口を挟んで来るコンサルタントや外部協力者は邪魔者に映るようです。特に、義理・人情・根性で仕事をしてきたような人には、専門的な話しと論理的な説明は苦手です。扱いやすい部下に無理難題を押しつけます。

会社に必要な知見やスキルを持った人材を社外にパートナーや協力者として求めるのではなく、すぐに社内にとなると、引き抜き・ヘッドハントや中途採用ということになります。社内に迎え入れてしまえば、上下関係も崩れることはありませんし部下として扱えます(実際に、私もこれまで何度か同じようなお声かけ《コンサル契約ではなく入社のお誘い》をいただきましたが、全てお断りしました)。
下町ロケットでは、ガウディ編にそのような場面が多く登場していましたね。

今や、新規事業はM&Aで買う時代になったとも言えます。大手企業でも中堅企業でも、事業の受け皿となる「組織」を先に作ってそれから何をするかを考えた所は、なかなかうまく行っていません。事業は意欲と覚悟を持った人材が作り上げるものです。

大切なのは、それぞれの企業が何のために存在し、何をすべきかを経営トップが明確にし、従業員がきちんと理解・共有することです。 組織は目的のために存在するのですから、所有にこだわる必用は無いのです。外部のプロフェッショナル・パートナーと関わらせながら仕事を進めることも、社内の人材育成に繋がることも忘れてはなりません。
財前部長のチームは、そこに気付いたはずです。

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2015年12月25日金曜日

日本の子育て支援制度の名称は、「ネウボラ」や「ドゥーラ」ではないと思う

最近は、政策や予算、あるいは選挙公約にも「子育て支援」ということばが必ず入って来ます。企業の働きやすさや福利厚生を語る際にも同様です。これは子ども達の未来、日本の未来に向けて良い傾向だと思います。
そして、その子育て支援の具体策を検討する際に引き合いに出されるのが、子育て先進国の国々の施策です。これまでmikuでもニュージーランド、カナダ、ノルウェーと、それぞれの国の抱える課題や背景、そして取組を取材してきました。それぞれの国の歴史があり、仕組みや制度ができあがっています。

何度聞いても覚えられなかった「ネウボラ」


今、盛んに話題に上るのが「ネウボラ neuvola」です。新聞などでもよく、「○○版ネウボラ」と記述されています。
「ネウボラ」とはフィンランドの子育て支援制度の名称で、フィンランド語で「アドヴァイスの場所」を意味するそうです。「ネウボラ」は妊娠期から就学前までの子育て家族を対象に、ワンストップで切れ目のない支援をする仕組みです。私は初めて「ネウボラ」と聞いたときに「ボウフラ?」と聞き返しました。その後も何度か「ネウボラ」の事を書いた記事などに触れましたが、名称として「ネウボラ」と認識し、記憶できるようになったのは最近のことです。

このようなワンストップで切れ目のない子育て支援は、ニュージーランドのプランケットでも提供されています。他の国でも同様の取組は為されていると思います。ネウボラが注目され、話題になるのは、やはり北欧フィンランドの福祉大国のイメージによるものでしょうか。あるいは「フィンランドの優れた子育て支援制度」として、いち早く紹介され、参考にされたからでしょうか。
厚生労働省が発表している「妊娠・出産包括支援事業の展開」には、「子育て世代包括支援センター」という名称でワンストップ拠点の設置が示されています。
「子育て世代包括支援センター」とはいかにもお役所的な硬い名称ですし、現段階では仮称でしょう。実際に運営を開始する際には別な名称(あるいは愛称)になるのかもしれません。いずれにしても、「日本版ネウボラ」と言うことはないでしょう。

濁音の名前は怪獣には良いけれど


日本人が感じる語感では、何も知らない人に「ネウボラ」といっても「ボウフラ」や「オオボラ」といった言葉に間違えられそうです(失礼!)。黒川伊保子氏の「怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか」にも示されているように、人は音に対して無意識にサブリミナル・インプレッションを感じます。当然、母国語や日常生活・習慣などで音に対するインプレッションは違うでしょうが、少なくとも日本人にとって、濁音は強さと共に汚れも意識させます。怪獣の名前に濁音が多いのはサブリミナル・インプレッション効果を引き出すネーミングなのです。また「バカ」や「ボケ」、「ボロボロ」などなどは後者の汚れを感じさせる良い例でしょう。
もう一つ最近よく聞く「ドゥーラ」(産前産後のサポートをする専門職)も、私には「キングギドラ」や「ドラ息子」を想起させる同様の印象です。

名前やことばが与えたり想起させる印象・イメージは、マーケティングにおいても重要です。お手本として仕組みや制度などを取り入れるのは良いけれど、名前はもう少しスマートで清潔感のある名称で日本では普及させて欲しいと考えます。

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2015年12月7日月曜日

福岡市美術館リニューアルコンペに勝利して

11月30日、福岡市美術館リニューアル事業コンペの審査講評が公開されました。

落札者の決定と応募者の構成 
福岡市美術館リニューアル事業 審査講評 


ブライト・ウェイは今年4月、福岡市美術館リニューアル事業のコンペに参加表明した大林組様からお声かけいただき、広報・ブランディング戦略のとりまとめと飲食施設の運営企業コーディネートなどで協力企業の1社に加えていただきました。それ以来約半年、ほぼ毎週のミーティングと提案書とりまとめのために膨大な時間を費やし、わがチームは

 8月27日 提案書提出
10月25日 プレゼンテーション

にむけて全勢力を傾けてきました。

そして、10月30日に落札者が公表され、私たち株式会社大林組九州支店を代表企業とするグループが選ばれました。

これまでもリクルート時代から新規事業の提案・立ち上げにも多数関わってきましたし、コンペにも参加してきました。しかし、今回の福岡市美術館リニューアル事業コンペは、単なるリニューアルだけでなく、開館後15年間の運営までも一体化したPFI事業として提案するもので、これまでのコンペとは少し違っていました。提案の新規性や独創性だけでなく、運営の確実性や安定感も求められます。それだけに検討項目は多岐にわたり、構成・協力企業がそれぞれの分野のプロフェッショナルとしての経験・知見を総動員しながらもチームとして互いに疑問をぶつけ合い、補完し合い、最善の提案をまとめる作業の時間でした。
当社ブライト・ウェイは、これまでの実績、また今年春に開館したばかりの大分県立美術館の広報のお手伝いを経験して知り得た最新の美術館広報の実態(メディアのニーズや欲しい情報、提供のタイミングetc.)を踏まえ、広報・ブランディング戦略の整理やBCP等を中心に提案書のとりまとめのお手伝いをして参りました。加えて、これまでもガラスや建築関連企業のコンサルや商品開発に関わった経験、あるいは福岡サンパレスの運営引き継ぎ・経営の経験から、専門外ではあるものの設計や運営面についても様々な視点から意見・提案させていただきました。

負ければ金銭的・物理的に見返りの無い(それどころか、提案経費を負担する)コンペで、これだけの期間と労力を費やし、最後の最後まで完成度を高めるための細かな修正を行いながらも良いチームワークを維持できたことが、勝利に繋がったのだと思います。
構成企業・協力企業の構成が当社を含め東京本社の企業が中心だったために、地域経済・社会への貢献では他2グループに大きく水を空けられて3位だったものの(とはいえ、元請けの本社所在地が福岡市ではないというだけで、実際の支払先はほとんど福岡の企業や人になるのですが)、他の項目ではほぼリードしていたと言っても良いのではないでしょうか。

審査講評を見ても、私たちの目指してきた方向性が評価されたようでほっとしています。
この半年を振り返りながらも、来年から始まるリニューアル事業に向けて改めて気が引き締まる思いです。

落札者の決定と応募者の構成 
福岡市美術館リニューアル事業 審査講評 

このコンペへの対応のため、「ネット時代のリスクマネジメント勉強会」の日程が組めなくなり、ずっと開催を見送っていました。年が明けて仕切り直したいと思っています。

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2015年11月23日月曜日

VW、タカタ、旭化成 3社の事例を比較しながら考える,事件・事故対応

先日、福岡のクローズな勉強会でお話しをさせていただきました。

テーマは「危機に面した企業TOPが起こしがちな過ち」。

フォルクスワーゲンの10月の販売台数は、中国やヨーロッパだけでなく、問題の火元であるアメリがでさえも下落幅は小さいかほとんど影響のない程度の結果でした。ところが、日本だけは48%の落ち込みでした。その心配は、先のこのブログでも書いていたのですが、それが現実になってしまったのでした。

タカタは、緊密な関係を維持していたホンダからも三行半を言い渡され、旭化成建材は業界の開けてはならないパンドラの箱を開けてしまい、2社は業界の中で孤立することになってしまいます。

ほぼこの同じ時期にメディアを賑わしているグローバル企業3社のクライシス。このブログでも個別にはこれまでも言及していた、フォルクスワーゲン、 タカタ、旭化成(建材)の共通項と違い。勉強会では3社をいくつかの視点から2つのグループに分け、何故今回の事故・事件は起こってしまったのか?何故その後の対応で社会や消費者(あるいはマスメディア)の反感を買うことになってしまったのかを検証しました。

そして、どうしたら防げたのでしょうか?

加害者 」は誰なのか?
被害者」は誰なのか?

様々な角度からステークホルダーを漏れなく拾い出し、それぞれのステークホルダーへの心配りがなされているのかが問われるのです。さまざまな質問や意見を交えながら充実した勉強会となりました。

今回は、クローズな会でしたので、勉強会の流れを報告するに留めます。

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2015年11月22日日曜日

マクドナルドはネット通販ではないのに

という記事が出ていました。

不採算店をどんどん閉めていくようです。

少し前の事ですが、日本マクドナルドから小さな郵便が届きました。表にはマクドナルドの「M」のロゴマークの横に「?」。開くと、今度はロゴの横に「!」があり、虫眼鏡の形をした黄色い同封物。「!」の上には、今年7月に日本マクドナルドが実施した食材に関する認知度調査の結果をもとに、メニューサイトのデザインをリニューアルし、主要原材料原産国や最終加工国、栄養やアレルギーの情報をより見やすく分かりやすくすると記されていました。そして、各商品パッケージのデザインをリニューアルし、その情報にアクセスできるQRコードを大きく目立たせることにしたということです。

その見本が、この案内から見られますよ、と。虫眼鏡のレンズ面となる所には透明のフィルムが貼ってあり、そこにQRコードが記されています。スマートフォンでそのQRコードを読み込むと、「メニュー情報のウェブサイトと商品パッケージのデザインをリニューアル」というページが立ち上がります。届いた印刷物の詳細を紹介したページです。そこから、「新しくなったメニューへ」のボタンを押すと、新しいメニューページが開きました。

現在は、PCもスマホもホームページが新しくなって、商品ごとに原産国情報アレルギー情報栄養情報が細かく解説されています。また、バンズやパテなど最終加工・製造地が国内の材料については、「おいしさができるまで」というページが用意され、加工工場の写真動画などに加え、生産者や工場の責任者などが「顔出し」で紹介されています。商品の信頼を取り戻すために、徹底的に生産現場の改善を進め、情報開示をしていこうという姿勢なのでしょう。見方を変えると、楽天に出店する個人商店並みに、細かな情報と取組姿勢を伝えようという本気度も伝わってきます。
しかし、残念なことにこれだけまじめに取り組んでいるのに、伝えたい対象にそれが届いているとは思えません。学生やサラリーマンなどは、「早い」「安い」「美味しい」ことが第一。アレルギーがあるような人でない限りは、わざわざサイトを開いてチェックするようなこともないでしょう。 

今回のリニューアルで、一番見て欲しいのは、小さな子を持つファミリーや、健康志向の女性なのではないでしょうか。
サイト内で完結するネット通販であれば、購入前にさまざまな情報をチェックしますが、マクドナルドのように店頭で商品購入するお客さまは、わざわざサイトをチェックすることはほとんどありません。せいぜい、スマホで近くのお店を探すくらいでしょう。折角充実させたサイトのことも、そこに詰め込んだ魅力的な情報も知ることがありません。商品パッケージに大きく記したとしても、それは購入してからのことです。今は、店頭に足を運ぶ人が減っているのですから、順番が逆です。

サイトを見て貰えるような情報提供、プロモーションも必要ではないでしょうか。商品ラインナップや価格の見直しだけでは、マクドナルドから足が遠のいている人を呼び戻すことはできません。




2015年10月22日木曜日

フォルクスワーゲン ジャパンは日本マクドナルドやシンドラーエレベーターと同じ過ちを犯さなければ良いのですが…

フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社(以下VWジャパン)から封書が届きました。
封筒の還付先は東京のフォルクスワーゲンカスタマーセンターですが、ゆうメールの差出人(発送代行)は佐川急便の南福岡営業所。福岡市内のディーラーから、顧客名簿に登録されているオーナー全てに送られたのでしょう。私も古いですがGOLFオーナーです。

封筒の中には三つ折りされた1枚の手紙。「フォルクスワーゲンに関する報道について」と書かれた手紙の送り主は、先のメール(フォルクスワーゲン(VW)には「リスクの神様」は現れなかったのか-参照)と同じくフォルクスワーゲン グループ ジャパン 代表取締役 スヴェン シュタイン氏。文面もメールと同じです。

VWジャパンのホームページではこの手紙の文面は「フォルクスワーゲン グループ ジャパン 代表取締役 スヴェン シュタインより」というページに掲載され、「Volkswagenに関する報道について」というページが別にあります。
Volkswagenに関する報道について」では、9月26日時点でのディーゼルエンジン不正の概略が記されています。ここでは「当該ディーゼルエンジン搭載モデルの日本への正規輸入車両はありませんが、お客様皆様へ多大なご心配とご迷惑をおかけしており、誠に申し訳ございません」と謝罪の言葉から始まっています。そして、「現在のところ、未だ問題の影響を受ける車両の車種、及び製造年を特定しお知らせすることができないことをご理解ください」とし、「皆さまが当社に寄せてくださっていた信頼を全面的に取り戻すとともに、これ以上のいかなる損害を防ぐため、フォルクスワーゲンは力の限りを尽します」と締めくくられています。

ホームページの「Volkswagenに関する報道について」は、日本の広報(あるいは総務部門)で文章を作成したように思われます。ところが、その後に掲載されたVWジャパン 代表取締役 スヴェン シュタイン氏の名前でのメッセージは突然トーンが変わります。本国からの指示なのか、スヴェンソン氏の指示なのかはわかりませんが、日本の消費者・オーナーの心情に寄り添うことなく、本国流の釈明をしています。

思い起こせばシンドラーエレベーターが事故を起こした時、そして昨年からの日本マクドナルドで問題が続いたとき、いずれも外国人社長が会見をして心象を悪くしました。 本国の感覚では「謝罪」してしまうと、後々訴訟や賠償問題になったときに「非を認めた」と不利になるから、謝罪はするなと指示されるのでしょう。

今回の手紙の「今回のディーゼルエンジンは、日本市場に正規輸入されておりません。なお、ガソリンエンジン車は対象ではありませんので、ご安心ください」のくだりに違和感を感じずにはいられません。VW車のオーナーや消費者が感じているのは「品質や企業姿勢を評価し、信頼していたのに、それは嘘だったのか!」という裏切りに対する怒りや失意の感情です。「永年政府(委員会)やVW車オーナー・ファンを騙していた」という事実に対して、他にも隠していることがあるんじゃないか?という不信感です。ディーゼルじゃないから「安心」ではなく、ガソリン車でも不正をしているのではないかという不信感であり不安なのです。

果たして、フォルクスワーゲンオーナーは、このお手紙を読んで納得しているのでしょうか?
近々、新たなコメントが発表されると伝わってきますが、さて今度はどうでしょうか。

10月23日追記

フォルクスワーゲンから皆様へ / これからもずっと安⼼してお乗りいただくために
新たなメッセージがメールと同時にホームページに掲載されました。

11月2日追記

東京モーターショーで開かれた記者会見では乗用車部門TOPのHerbert Diess氏が、逃げること無く最後まで真摯に記者の質問に答えたと、日経テクノロジーONLINEが報じています。

逃げも隠れもしないVW部門トップ

この姿勢で臨めば、信頼回復は可能かもしれません。

11月3日追記

また新たな不正疑惑がアメリカEPAによって指摘されました。

VW傘下のポルシェやアウディにも不正ソフト、米当局が指摘

これからどのような展開になっていくのか?先が読めなくなってきました。


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2015年10月17日土曜日

傾いたマンションの建て替えの同意を得るのは極めて困難-ではこんな案はどうでしょう?

同じ日に、データ改ざんで大きなニュースが2つも飛び込んできました。

1つは東洋ゴム工業の防振ゴムのデータ改ざん。東洋ゴム工業はこれまで2度のデータ改ざんが発覚し、今度で3度目。大きな問題となってニュースに流れ始めた所に、今度はデータの改ざんがもとでマンションが傾いているというニュース。
三井不動産レジデンシャルが横浜で販売したマンションの1棟が少し傾いていて、調べてみると基礎工事に不備があったことがわかりました。原因は、くい打ちを担当した旭化成建材で、「担当者がデータの測定に失敗し、手元にある別のデータを転用した可能性が高い」としています。傾いた建物の補強や改修、調査にかかる費用については旭化成建材が全額を負担する方針を示しています。17日までの報道によると、4棟のマンションの計473本の杭のうち虚偽データは70本にのぼるようです。また、施工時のセメント使用量の偽装も発覚しています。
旭化成は子会社の旭化成建材がくい打ちしたマンションについて、記録が残る過去の地盤データをすべて調査する方針を明らかにしました。対象はデータを保管している過去約10年分で、3千棟ほどになるといいます。
旭化成は鬼怒川の堤防決壊の際に、洪水の激流に耐えた「白い家」としてヘーベルハウスが話題になり株を上げたのもつかの間、今度はストップ安まで株を下げてしまいました。

三井不動産レジデンシャルは、調査と同時に住民に説明会を開き、今後の対応を提案していますが、まず簡単にはまとまらないでしょう。毎日新聞の記事では、「国土交通省によると、複数の棟がある団地型のマンションで全棟を建て替える場合は、区分所有法に基づき、『全棟の区分所有者および議決権の5分の4以上の賛成』と、『各棟の区分所有者および議決権の3分の2以上の賛成』が必要とされる」とあります。一時退去をして建て替えるには、このとりまとめは困難を極めます。意見が対立して住民間でトラブルになることも少なくありません。そうなると、まとまるものもまとまらなくなります。

住民(所有者)の視点で問題点を整理すると


今回の問題は、2つの視点で切り分ける必要があります。

1,建築物の安全性と法的な問題。
 ①既に傾いてはいますが、今後どの程度傾く可能性があるのか、危険があるのか?
   大型の地震が発生したときに耐えられるのか。
 ②建築基準法やその他建築関連法規に関する違反があり、建物を取り壊す必要があるのかどうか。

2,区分所有者の資産価値と住民の住戸(環境)への愛着

まず、建物の安全性について直ちに問題があるのであれば、これは有無を言わせず行政指導により退去命令。売買契約の取り消しと諸費用の払い戻しに加えて、慰謝料の支払いでまとめざるをえないでしょう。
しかし、多少の傾きはあるものの当面の安全性に問題は無く、将来的にも住み続けられるということになれば、区分所有者の意向をとりまとめるのは困難になります。

その時の住民の気持ちは、さまざまなことで揺れ動きます。
①資産としてのマンションの価値へのこだわり
②生活環境として、マンション・環境への愛着
③子どもの学校や通園・通勤など、生活への縛り
 保育園など、転居先で希望通りに入園できるかどうかなどの問題も有ります

①に拘るだけの人には別なマンションとの等価交換か、相応の価格での買い取りで片が付くでしょう。しかし、②・③の人はそうはいきません。
さらに細かく事情を想定すると、
a,不安だから一度転居して、建て替えたら戻りたい
b,不安だけど、この場所が気に入って購入したのだから、できればこのまま住み続けたい
c,不安よりも不満。特に終の棲家と思って購入した高齢者などは、引っ越したくない。
 何もなければ平和な日々だったのに、住民を巻き込むトラブルを起こして腹が立つ!
d,職場や学校・園などが優先。これが原因で転校や転園は考えられない

他にも事情はあるでしょうが、とにかくまとまらないでしょう。

一つの案として


では、こんな案はどうでしょうか。

①全ての区分所有者に返金(手続き・引っ越し費用などの諸費用も)
②期限を切って(5年程度?次の大規模修繕前が目安)居住を認める
 住んでいる間の家賃は、初年度無料、その後毎年周辺相場の1/5,1/3、1/2、3/4、と上がり、それ以後は10割(区分所有者のみが対象)。 転居する際の費用は三井不動産レジデンシャルが負担。
③期限が来たら例外なく退去。その後建て替え、再分譲
 再分譲時の価格メリットはないけれど、優先的に購入はできる。

区分所有者全員に現金が振り込まれ、住み続けたい人にも時間的な余裕ができることで解決策を見つけられるのではないでしょうか。保育園や幼稚園児、小学生や中学生も卒園、卒業まで環境を変えずに済みます。
デベロッパーの三井不動産レジデンシャルも、解体開始日も確定できるし、現居住者の事を考えずに新しいマンションとして設計し直しができ、付加価値を付けて損失を少しでも取り戻すことができるでしょう。

建築の専門家でもないですし、住民のみなさんの思いはもっと複雑かもしれませんが、一つのアイデアとして考えてみました。

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2015年10月9日金曜日

「VWがスズキに関するネガティブステマ依頼」という記事に違和感

昨日、【衝撃】フォルクスワーゲンはスズキのネガティブな「逆ステマ」を超高額で依頼している。フリーライターが怒りの告発 という記事が netgeek に掲載されました。この記事を読んで、いささかの違和感を感じています。

まず、お断りしておかなければならないのは、記事に名前が挙がっている国沢さんを擁護するわけでも、伏木さんを批判するわけでもなく、客観的な視点でこの記事に違和感を感じると言うことです。確かに一つ前のフォルクスワーゲン(VW)には「リスクの神様」は現れなかったのかでも国沢さんの名前を挙げていますし、個人的にも親しくさせていただいています。しかし、個人的な思いはここでは一旦横に置きます。

さて、この記事の違和感ですが、「フォルクスワーゲンがスズキのネガティブリポートを高額報酬で募集していた」という部分。再三このブログでも書いているように、知られたくない話に限って広まるものです。ライターさんに事前にNDAを結んで話をする(この記事で言う募集)ようなことはなかなか考えられません(新車発表前の情報公開時などは誓約書やNDAは結びます)が、このような話は同業者や業界ではすぐに噂となって広まっても不思議ではありません(NDAを結んでいるのであれば、第三者に話しをした段階で契約違反)。
伏木氏のTwitterでは、「VWとスズキの提携解消話がこじれ訴訟になった頃、VWに縁の深い旧知からスズキに関するネガリポートを定期的に行う"仕事”のオファーを受けた」とあり、VWから直接ではないものの、間接的にVWからの依頼である様に書かれています。
訴訟になった頃というのはずいぶん前(2011年~)で、今年の8月末で一旦区切りが付いています。今後は株の買い取り価格とスズキに対する損害賠償が言い渡されるかどうかが焦点なので、むしろネガティブキャンペーンで株価が下がるとVWにとっては不都合な話です。このタイミングでこのような話(Tweet)は不自然に映ります。ディーゼルエンジン不正の件もあり、この行為自体が今のVWにとってマイナスにしかならないはずですし、スズキのネガティブな記事がなにかのメリットになるとは考えられません。

政治の世界でのネガティブキャンペーンや落選運動はあること。しかし、自動車をはじめとする民生品・一般消費財で 比較広告はあってもこのような(逆)ステルスマーケティングは、今や炎上のもとです。隠していてもいずれ表に出て炎上するくらいのことは容易に想像がつきます。昭和の時代とは違います。マーケティング担当者はよく知っているはずです。それほどVWの経営者やマーケティング担当の感覚が鈍っているとは思えませんが、ディーゼルエンジン不正の件もあり全く否定もできないのが悩ましい所です。ドイツ本国の経営幹部からジャパンにこのようなネガティブステマ依頼の指示が来たことに嫌気がさして、庄司茂氏が7月末に「本人の意向により」突然退任という流れになったのかと深読みしてしまいそうです。

今後、VWはそのような高額報酬で逆ステマを依頼したのか?伏木氏の言う「VWに縁の深い旧知」は誰なのか?に興味が移っていくのでしょうか?それとも、私と同様に違和感を感じ、他のメディアではスルーされて終わりでしょうか。netgeekがどのくらいの覚悟を持ったメディアかはわかりませんが、個人名をあげて批判めいた記事を書くのならば、きちんと関係者に対して取材をするべきでしょうが、どうやらそうでもなさそうです。この記事を書いたGil Penderという記者も存在が不明です。少なくとも、ネットで調べた限りでGil Penderで拾えたのはパリ在住のこの人だけでした。これだけリアルタイムに日本語で記事を書くのですから、日本在住の方と思われますが、Googleでの日本語検索では、netgeek以外でこの名前を見つけることはできませんでした。

VWほどの大企業であっても一度問題を起こすと、ある事も無い事も様々に注目され、報道されてしまいます。普段から不正や虚偽、ごまかしを排除し、正しく誠実な経営が一番大切であることを改めて感じ、自社を振り返る経営者は多い事でしょう。

いずれにしても、古いゴルフではありますがVW車の一オーナーとしても、早い信用回復を望むところです。これからフォルクスワーゲンから発っせられるメッセージに注目したいと思います。

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2015年10月4日日曜日

フォルクスワーゲン(VW)には「リスクの神様」は現れなかったのか

ドイツの自動車メーカーフォルクスワーゲン(VW)の、ディーゼルエンジン車の排ガス性能不正(エンジンを制御するソフトウェアによって、排ガスに含まれるNOx値を不正に操作した)が世界中に衝撃と混乱をもたらせています。この不正の詳細は、一般新聞・専門誌・ビジネス誌、テレビでも詳しく取り上げられ、新しい事実やVWの動きも連日報道されています。VWの対応については、私が信頼し敬愛する自動車評論家の国沢さん清水さんが日々更新されていますので、そちらをフォローしていただければと思います。

話しは変わりますが、VWの不正報道が始まるタイミングと前後して放送が終了した、フジテレビの「リスクの神様」はご覧になりましたか?総合商社「サンライズ物産」とその関係会社に次々と起こる危機(クライシス) に際し、危機対策室が対応して解決するというドラマでした。スタート当初は、一般企業でも起こりそうな(あるいは過去に実際に起こった似たような)危機をテーマにしていたので、自社と重ねながら見ていた経営者や管理職の方も多かったのではないでしょうか。ところが、終盤になると隠されていた会社の不正を暴く権力闘争の話しへと変わっていき、少し現実離れしたフィクションとして最終回を迎えたと思ったのでした。
ところが、VWのディーゼルエンジン排ガス不正のニュースが、背景が明らかになるにつれてこの「リスクの神様」のストーリーと重なってきたではありませんか。商社と自動車メーカー、エネルギー事業での損失隠しとエンジンの性能不正隠蔽と、業界や隠そうとした中身の違いはあるものの、似たような展開。背景にTOPの権力争いが見え隠れするところまで重なっています。

ドラマでは、危機対策室・リスクの神様の活躍で会社の最悪の事態は避けることができました。

しかし、VWの不正については、2013年には欧州委員会は認知していたと報道されています。またトヨタや競合メーカーも、数値の異常さから不正があるのではと疑問を投げかけていたといいます。当然VW社内では不正が発覚したときのことも想定できていたでしょうし、隠し通せるとは思っていなかったでしょう。本来なら遅くとも2013年に何かしらのメッセージが発表されても良かったはずです。それなのに2年間、隠す事以外に何も行動を起こしていなかったように見えます。独裁的なTOPが君臨して正常な判断ができなくなった企業の典型的な行動です。 

アメリカで不正が公になり、世界的に問題になってからのVWから(日本の)ユーザーに対してのコミュニケーションについては疑問が残ります。 

私は長男が生まれた1990年にパサートヴァリアントを購入して以来のVWユーザーです。今回の一連の報道を受けて、まず9月25日に「Volkswagenに関する報道について」とのメールが届きました。メールの送信者の名前は「フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社」となっていました。メールの内容は、VWを愛するオーナーにとってはとても情けない、がっかりするものでした。そしてこのときにはホームページには何も掲載されていませんでした。 

さらに10月2日、改めて 「[重要] VW Japan 代表からお客様へ」というメールが届きました。その文面と同じ内容がVWジャパンのホームページにも掲載されています(写真)。この文面を見て、更にガッカリしていまいました。冒頭、「VWジャパンが輸入して販売した車は今回の不正には該当しないから安心して欲しい」という内容。これは違うでしょう。そもそも、今回の問題はそのまま乗り続けていて事故に繋がるとか人命に関わることではないのです。安心するというのは何に対してなのでしょうか?これまで企業ポリシーやVWブランドに対して信頼を置いていたからこそ、なおさら感じる違和感です。
 今回のメールの差出人署名は「フォルクスワーゲングループジャパン株式会社 代表取締役 スヴェン シュタイン」。きっと、本国で作成した(あるいはドイツ人のスヴェン シュタイン氏の)ドイツ語の謝罪文を何も考えずに日本で翻訳しただけでしょう。 

フォルクスワーゲンには、「リスクの神様」はいなかったようで、とても残念す。

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2015年9月16日水曜日

現場では重要書類を不適切に処分していませんか?

先日、ある業種で続けていた不適切な行為が利用者から指摘され、新聞報道されました。
歴史のある企業や古い業態の業種だと、昔ながらの仕事の進め方から変わっていなかったり「なあなあ」の関係が続いていたりするものです。そして、社会の目は厳しくなっているのに「業界の常識」が世間の常識と疑わずに不適切な行為を続けてしまいます。やがて悪い評判が立ち、お客さまや取引先は離れ、あげくに内部告発などで通報されることにもなります。

仕事柄、契約書や秘密保持契約書(Non-disclosure agreement:NDA)などを多く締結します。最近は個人情報の取り扱いを始めとして、情報の取り扱いには社会全体に非常に慎重です。個人情報漏洩が世間を騒がせる事案も多く、ハードメーカーやセキュリティ関連業界が盛んにセミナーやメディアで不安を煽り営業攻勢をかけていることも有り、コンピュータシステムのセキュリティについては関心が高まっています。しかし、紙になった情報については意外と意識の外にある様な企業も多く見受けられます。
情報の取り扱いについても同様に、「要らなくなった書類は破いてゴミ箱に捨てればいい」程度にしか考えていない所もまだまだ多いようです。

「機密情報を廃棄」のプレッシャー

 
大企業であっても会議の資料は必ず出席者の人数分プリントアウトをし、配布しているところは普通にあるでしょう。中には非常に重要な情報や機密性の高い情報も含まれているかもしれません。しかし、配布された資料のその後の取り扱いについてどれくらい関心をもっているでしょうか。
NDAを結んだクライアント様との間では、重要な情報や機密情報も開示され、資料として預かることも少なくありません。クライアント様の決算書や財務データ、事業計画や商品プランなどの他にも、従業員に対して行ったアンケート(当社限で会社や上司に対する不満、不安や要望などを尋ねたものなど)や給与データなど、中にはクライアント様へも渡すことができない情報もあります。通常、契約書やNDAには「委託業務終了後、又は相手方より返還若しくは廃棄の請求がある場合には、速やかに機密情報を返還若しくは廃棄するものとし、その後一切の機密情報を保持しないものとする旨の文言が入っています。
実は、これは結構なプレッシャーのある条項です。
一切を返却して欲しいと言われれば話は簡単なのですが、ほとんどは何もありません。しかし、契約書を交わしている以上は、最低でも機密情報が漏洩するような要因を残すべきではありません。クライアント様から預かった情報をどう処分したら良いか。 シュレッダーで細かく粉砕する手もありますが、置いていない企業や拠点もありますし、あっても結構な労力を要します。来年からはマイナンバーの扱いも始まります。

機密文書リサイクルサービスを利用

 

そこで、当社ではヤマトの「機密文書リサイクルサービス」を利用しています。段ボール1箱分の書類の処理費用が1847円。
 専用の段ボール箱に入れられるだけ入れて、隙間には古い名刺なんかも入れてしまいます。今は名刺も個人情報として扱われ、新規取引を始める際の個人情報の取り扱い状況確認で、名刺の保管法の項目まであります。捨てるに捨てられないまま保管している名刺などもあるのではないでしょうか。この際ですから、そんな名刺も一緒に処分です。新しい名刺も最近はクラウドで管理するので、すぐに処分しても問題ない時代です。持っていることの方がリスクになる時代、持たなくて良い物は早めに処分するのが吉です。

 段ボールが一杯になったら集荷のお願いをします。蓋を閉じて密封シールを貼り割り印のスタンプを押したらあとは集荷を待つだけです。後日溶解完了証明書も発行されます。

 そういえば、リクルートでは大量に紙ゴミが発生し、重要書類も単なるメモも訳わかんないような状態でした。総務が一計を案じ、ある日より紙ゴミ回収ボックスが設置され、まとめて溶解処理してトイレットペーパーにリサイクルされるようになりました。もう20年以上前からこういうことをやっていたのですね。そんな大規模な企業サイクルでなくても、段ボール1箱から依頼できる良い時代になりました。

別にヤマトさんから依頼されているわけでもなんでもありませんが、重要書類の処分に悩んでいる企業さんでは検討に値するサービスだと思います。

2015年8月27日木曜日

公共事業のコンペ、受託事業に参加して

北野エースでも販売中の、福岡サンパレスのカレー4種
少し前に、株式会社福岡サンパレスの中川社長様が尋ねてこられました。
 
株式会社福岡サンパレスは、それまで福岡サンパレスを運営していた財団法人福岡勤労者福祉センターを解散し、その後を引き継いで運営するために2004年に設立された会社です。親会社は、明太子のふくやグループ。運営の委託先を決定するための公募に応募、コンペの1位となり受託企業となりました。当社はこのコンペに参加するふくや様の事業プラン作成のお手伝いをさせていただいたことが始まりで、経営が軌道に乗るまではと私が社長を2年ほど勤めさせていただきました。福岡サンパレスの土地建物の所有は福岡市で、言うなれば市が大家さんです。そして、(株)福岡サンパレスは、ホールとホテルの運営だけでなく、隣の国際会議場の1階レストラン「ラ・コンテ」の運営も引き継いでいます。中川社長は、「ラ・コンテ」の大家さんである国際会議場との運営受託契約について、当時の交渉・契約の当事者であった私の所に背景や経緯などの確認に来られたのでした。

この国際会議場との契約の内容に関しては、コンペに勝利して運営を引き継いだ後に初めて明らかになったことも多くあり、驚きや困惑の連続でした。

●事前に開示されていない情報は多い


今振り返ると、当時の私は民間のコンペは多く経験しているもののこのような「官」が実施するコンペへの応募経験は限られていました。実際のコンペ・プロポーザルでは、募集に関する内容説明書の他に、仕様書や要求水準書、様式集、その他必要に応じた資料が開示されます。これらを詳細に読み込み、どのような提案が求められているのか、開示されていない情報の中に提案内容に重大な影響を及ぼす物は無いかなどを検討しなければなりません。中途半端な思い込みで取りかかると、募集主旨から離れ要求水準を全く満たさない提案になりかねません。めでたくコンペに勝っても、運営開始後に「聞いてないよ~」とか「そんなことを今頃言われても」ということにもなるのです。

福岡サンパレスの案件では提案企業はふくやグループさんで、当社は提案書の作成をお手伝いするところから始まったので、獲得後の運営の詳細にまでは 私の神経が行き届いていませんでした。その最たるものは事業所税です。ある日突然高額な事業所税の納付書が送付されてきました。財団の運営では免除されていた事業所税(事前に開示された財務諸表には当然記載無し)が、民間の運営になることで課税されることになると知ったのは、この納付書が送られてきて市役所に問い合わせてからのことです。
そういえば、福岡ドームでも、事業所税のことで揉めたと中内正社長からもうかがっていました。1000㎡を超える床面積の規模での事業に関わる事はなかなかないので、すっかり記憶の彼方でした。また「ラ・コンテ」の運営受託条件のことでも、「聞いてないよ~」があり‥‥

このようなことを回避するためには、設定されている質問・意見受付期間を有効に使わなければなりません。そのためには、提案書提出までのスケジュール建てが非常に重要になります。質問受付期間があっても、何も質問できないままにその期間が過ぎてしまうと、これはどうなんだ?こんな提案して良いのか?これにかかるコストは何処が持つの?など答えの出ない疑問を抱えた(あるいは何も疑問も持たない)まま提案書を作成し、プレゼンをすることになってしまいます。質問期間終了までにある程度の提案の骨子を組み立てて、疑問を解消しておくことが非常に重要になるのです。


先の大分県立美術館の開館準備プロモーションに関するコンペを始め、この数年「官」のコンペ・プロポーザルに自ら参加したりプロジェクト・コンソーシアムの一員にと声をかけていただくことが多くなり、毎回新しい経験をさせていただいています。おかげさまで経験値も上がってきています。先頃は、東京都のコンペ案件でも受託することができました。

何か皆様のお役に立てることがあるのではないでしょうか?

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2015年8月25日火曜日

東京オリンピックのエンブレム問題を機に、著作件と商標について考える

東京オリンピックのエンブレムの騒動を発端に、著作権や意匠権について注目が集まっています。

著作権は、思想や感情を創作的に表現する音楽や著述、絵画や映像、あるいは建築物やコンピュータプログラムなど、創作物の知的財産を保護する国際的な権利です。著作権には大別すると財産権と著作者人格権とがあり、普通著作権と言われるのは財産権のことです。創作・著作物に財産的価値を認め、保護しています。著作権の侵害と訴えられる前提として、著作物が存在する必要があります。
著作物が音楽の場合は、CDの販売やダウンロード、カラオケの再生、コンサートや放送で演奏・再生される度に、楽曲と歌詞の使用に対して使用料が支払われます。小説などの書籍では増刷する度に印税として著作権使用料が支払われます。これらは、著作権のなかでも複製権といわれる物です。
著作権の侵害の多くは、商業的な収益源となり得る著作物について、得られるべき収益に影響を与える行為だとして訴えられるケースです。

この財産権としての著作権は譲り渡すことができます。小室哲哉氏が、氏の持つ楽曲の音楽著作権を手放したのは話題になりましたし、一般的な広告コピーライティングなどは、原稿納品時に買い取り(著作権の譲渡)が普通です。
一方、著作者人格権は、財産権として手放しても作者の意志・オリジナルを保護する考え方で、著作権を買い取ったからと言っても作者の意志に反した扱いはできないというものです。同一性保持権や公表権などがこれにあたります。問題になるのは、著作物の舞台化・映像化の際や替え歌で原作者の人格権を侵害したとしてトラブルとなり、使用差し止めや制作中止を訴えられたりするケースです。

意匠権は、工業製品のデザインや商品・パッケージのデザインなど、著作権同様オリジナルを保護しようとするものです。一目見てその商品と認識できるような形や色彩の組み合わせなどです。Appleがサムスン社を相手取って、スマートフォンのデザインがiPhoneの意匠権を侵害してると訴訟を起こして激しく争ったのは記憶に新しいところですし、かつてはビールの缶のデザインで類似誤認を招くと使用差し止めの訴えもありました。つい最近では、韓国ロッテが日本のグリコ「バトンドール」の製品パッケージに良く似た商品を販売してグリコから販売差し止めの訴えを起こされています。グリコは捻った特徴のあるパッケージ形態を韓国でも意匠登録済みだということです。

商標・意匠登録は必須


今回東京オリンピックのエンブレムで問題になったのは、ベルギーのリエージュ劇場のロゴマークに似ているということが発端でした。エンブレムやロゴは、広く流通する著作物や工業製品と違って、ローカルな商店のロゴや商品のパッケージなど、どこに存在しているかが解りづらいという問題があります。そこで、オリジナルの権利を主張するために商標や意匠登録をし、権利を確定させます。
著作権の所有者であることを明確にし、主張するのがⓒ。法的に商標登録を済ませていることを主張するのがレジスターマークの®です。
今回の東京オリンピックのエンブレムでも、JOCでは日本だけでなく世界中の登録商標について事前チェックは済ませていると言っています。そして、既に新しいエンブレムの登録出願は済ませているでしょう。

そもそも、東京オリンピックのエンブレムに対して模倣されたと訴えているデザイナーですが、本来なら結構無理があります。世界的に知られているマークというわけでもなく、似ているからすぐに侵害したと言うことにはなりづらいからです。模倣ではなくオリジナルの創作物で偶然似ることもなくはありません。模倣や盗作であることを証明あるいはその根拠を示す必要があります。しかし、そもそも商標・意匠登録しておけば類似のデザインに対して法的に争うことができます。大事なロゴなどは登録しておくことで、似たようなデザインに対して使用差し止めなどの訴えができます。それもやっていませんでした。
今回の騒動では、著作権侵害という訴えではありません。デザインを模倣されたと主張するもので使用の差し止めを要求しています。 自分のデザインを模倣して東京オリンピックのエンブレムを作ったのだから、そのデザインによって得られる利益の一部は自分のものだという訴えになるのでしょうか。

いずれにしても、苦労して世に出す商品やブランドを、先に商標登録している企業や個人から使用差し止めの訴えを起こされて、名前を変えたりデザインを見直すようなことは避けなければなりません。事前の調査と登録はしっかりやっておくことをオススメします。
商標・意匠登録の調査は、特許庁の特許情報プラットフォームで簡易検索ができます。
「ブライトウェイ」を検索した結果

私は弁護士や弁理士の専門資格を持つ訳ではないので、上記記載内容に間違いがあったらお知らせください。修正いたします。また、商標や意匠登録についての詳細や権利訴訟については、専門家にお尋ねください。


2015年7月21日火曜日

仕事上の情報は家族や友人であっても話させてはいけない-人の口には戸を立てられない

「りそな銀行 中目黒支店」で
Twitter検索した結果
先月の事になりますが、りそな銀行が「お詫びとご報告」をホームページ上に掲載しました。
「6月8日(月)、特定のお客さまが中目黒支店にご来店された情報が、Twitter上に漏洩していたことが判明いたしました」と。

報道によれば、人気アイドルグループのひとりが、りそな銀行中目黒支店に来店したことを、そこに派遣されていた派遣スタッフが家族に話し、その家族がTwitterに書き込んだということです。その後、もう一人の大物芸能人の名前もあがり、芸能界全体でも大きな騒ぎとなっているようです。口座を解約する芸能人も出ていると、一部のメディアでは報じています。

サービス業に従事していると、しばしば人気タレントやスポーツ選手、政治家などの有名人にサービスしたり接する機会があるものです。旅客機や新幹線、有名レストランなどでは、お客としてたまたま遭遇することも少なくありません。そして、遭遇した人はその有名人の名前を挙げて(時には写真と共に)、SNSに書き込むことも少なくありません。特定の有名人の目撃情報をTwitter上で追っていくと、どのような行動をとっているか、今どの辺りにいるのかさえもわかってしまいます。映画「ST」では、Twitterの目撃情報を検索して、捜査に活用する場面もありました。
噂話が好きな人や言いたがりな人は多いものです。
昔で言えば「人の口に戸は立てられない」というところでしょうか。

お客さまの情報を口外しないのは信用を得る絶対条件


先週発表された直木賞・芥川賞。ピースの又吉さんが芥川賞を受賞したことで話題になっていますが、この両賞の選考・発表の場となっているのは築地の料亭「新喜楽」であることは有名です。どうして「新喜楽」なのかは、その信用によるところ。ここでの話しは一切外に漏れないと言われています。政治家がよく利用する料亭などでは、ここでどんな話しがされたというのはもちろん、誰が来た(同席した)ということも大事な情報であり、知られてはならない情報であることも多いのです。

レストランやバーなどの飲食施設、ホテルや料亭などプライベートな空間を提供するサービスでは、有名人や知人のご利用情報(来店の有無や日時、オーダー内容など)は、重要な個人情報です。しかし、プロ意識の薄い腰掛けアルバイトや派遣スタッフだと「ネタ」としてブログやSNSに軽い気持ちで書いてしまいがちです。テレビや雑誌で、○○○さんが常連だとか来店して食べたとかやっているからかもしれません。しかし、本当に常連で(お店もお客さまもお互いに)大切に思っている関係であれば、メディアにそのような登場はしないはずです。何も考えず一時的に話題・注目を集めることを優先てメディアに登場したがために、大事なお客さまと信用を無くしているかもしれません。

経営者やベテランのスタッフは十分認識していても、新しいスタッフを迎えるときには、お客さまの情報を外に漏らさないことを徹底しなければなりません。その際には、家族や恋人であっても同様だということを強く念押しする必要があります。書面で確認することも必要でしょう。
冒頭のりそな銀行の例でも、派遣スタッフもTwitterに書き込んだその家族もまさかこんなことになるとは思ってもいなかったでしょう。それ以上にりそな銀行は、顧客からの信頼を大きく毀損してしまいましたが、その責任はりそな銀行にあると言わざるを得ません。

法律で守秘義務を課せられている職業も少なくありません。法律や医療に関わる職業はもちろん、いわゆるコンサルタントも守秘義務を負います。業務上知り得た情報のみならず、コンサルタント契約を結んでいることすら開示できないことがほとんどです。企業の機密情報に接するBtoB企業も、取引先企業を開示できることはあまりありません。逆にいえば、WEBサイトの取引先に有名企業がこれ見よがしに並んでいる時には、ちょっと疑って見た方が良いかもしれません。

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2015年6月8日月曜日

ストレスチェック制度のスタートを知っていますか?

原発のストレステストと勘違いしそうですが、ちょっと違います。全ての企業にこれから義務づけられる従業員の健康管理です。昨年労働安全衛生法の一部が改正され、2015年12月から、ストレスチェック面接指導の実施等を義務づけられました。
厚生労働省のサイトでは、
今回新たに導入されるストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減 させるとともに、検査結果を集団ごとに集計・分析し、職場におけるストレス要因を評価し、職場環境の改善につなげることで、ストレスの要因そのものも低減させるものであり、さらにその中で、メンタルヘルス不調のリスクの高い者を早期に発見し、 医師による面接指導につなげることで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止する取組です。(平成27年12月1日施行)
         「制度の概要 改正労働安全衛生法に基づく、ストレスチェック制度とは?

となっています(↑これで1文、どうしてもっと解りやすく書かないんでしょう?)。

メンタル版健康診断


一言で解りやすく言うと、メンタルの健康診断とでもいえばいいのでしょうか。
年に1度のストレスチェック(診断)をし、従業員個人へフィードバックします。健康診断と同様の個人情報ですので、会社が個々人の情報を収集することはできません。組織研修やモチベーション研修とは違います。
診断の結果、医師の指導や相談が必要だとなった場合は、産業医や企業が提携した医師に相談、面接指導が義務づけられます。50名以上の従業員を抱える事業所では実施しなければなりません(50名未満の事業所では、当面の間は努力義務)。

罰則規定はありませんが、法律で定められた義務となりますので、いずれは対応しなければならなくなります。

ストレスチェックは、厚労省で用意した簡易調査票「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」もありますが、これをベースにノウハウを持った企業が診断事業を既にスタートさせています。
だいたい診断料は、ストレスチェック 1名1000円~ 集団分析(部署別傾向分析)50,000円~
程度です。

ご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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2015年5月8日金曜日

少子化対策と同時に晩産化をくい止めないと、人口減少スピードは加速する


5月5日はこどもの日、そしてこの週末の10日は母の日。こどもの日と母の日がこんなに近いと、お父さんは家族サービスで大変でしょうか?
母の日レポート2015 フルレポート(英語)より
さて、こどもの日には新聞各紙の社説では子育てを取り上げていました。そして、5月7日にはセーブ・ザ・チルドレンが「母の日レポート2015」を発表しています。「お母さんにやさしい国ランキング (母親指標:Mother’s Index)」の1位は今年もノルウェー、日本は昨年と同位の32位でした。
日本の報道では、日本がどうして32位なのかと言うことに話題が集中していますが、このレポートの主題はそこではありません。日本語版リリースは、以下の文章で締められています。

下位の国々の母親と子どもの状況は深刻で、平均して30人に一人の女性が妊娠に伴う原因で死亡し、8人に一人の子どもが5歳の誕生日を迎える前に亡くなっています。「お母さんにやさしい国ランキング(母親指標)」用に収集したデータは、豊かな国と貧しい国の間の途方もない格差と、母親と子どもの健康と福利の向上を加速させる喫緊のニーズを示しています。さらに、これらのデータは、武力紛争とガバナンスの欠落がこれら悲劇の要因となることを表しています。最下位11か国中、9カ国が紛争の影響を受けた、または脆弱国とされる国々で、国民の基礎的なニーズを満たすために必要な機能が根本的に破たんしていることを示しています。

人口が都市部に集中し、格差が拡大している中、日本についても以下の指摘がなされています。

グローバルな視点から見る日本の格差の現状
東京は乳児死亡率が世界でも最も低い都市の一つですが、日本では職業による保健格差があることが改めて分かりました。例えば、乳児死亡率が最も高い無収入世帯は、国家公務員や企業の上級管理職などの高所得世帯より、子どもが1歳未満で亡くなる可能性が7.5倍になります。(1,000人当たり10.5人対 1.4人)


今年のレポートの主題は、様々な格差の指摘とその格差による不幸から子どもを守るための提言でした。

5歳進んだ晩産化で、500万人の子どもが減った!


こどもの日の社説や母の日レポートを見ながら、色々と思いを巡らせているうちにふとあることに気がつきました。晩婚・晩産化による出生数への影響です。
厚生労働省のデータによると、30年前の1985年(昭和60年)の平均初婚年齢は男性28.2歳、女性25.5歳です。2013年は男性30.9歳、女性29.3歳となっています。女性は約4歳遅くなっています。30年前なら子作りが順調(?)に進めば、子ども2人(人口維持に必用な合計特殊出生率が2.07人)を産んで、平均出産年齢は28歳というところでしょうか。
平成25年人口動態統計 母の年齢(5歳階級)・出生順位別にみた出生数より  
ところが、今は平均初産年齢が30歳を越えてしまいました。子ども2人を持つ平均年齢は33~34歳でしょう。厚生労働省の人口動態統計の「母の年齢別出生数」の推移を見ても明らかです。実際、当社が運営する【こそだて】のアンケートを見ても、ユーザーの中心年齢は2000年では29歳前後だったのに現在は33~35歳と約5歳上がっています。
昭和60年の出生数は 1,576,889人、合計特殊出生率は1.76 平成25年の出生数は 1,029,816人、合計特殊出生率は1.43)

日本ではここ数年の子どもの出生数は約100万人です(今年、100万人を下まわる可能性もあります)。母親の数が同じで合計特殊出生率が仮にずっと同じであれば、毎年100万人の子どもが生まれることになります。これは平均出産年齢が28歳でも33歳でも同じですが、28歳から33歳に移行する間にギャップが生まれます。


極端にわかりやすい例を考えてみます。
今年まで女性は28歳で子どもを産んでいたとします。ところが来年からは33歳まで産まなくなるとすると、今年27歳以下の女性が33歳になるまで5年間は子どもが産まれないことになります。実際には晩産化は徐々に進行していますので、このような出生0という年は存在しませんが、5歳の晩産化はこの30年で見ると5年間500万人分の出生が消えたことと同じです(実際には先送り)。
別な見方で、100年間の新陳代謝をみてみましょう。
仮に、25歳(計算しやすい数字としました)で出産するサイクルであれば100年で4世代となります。これが33歳で出産となると同じ100年で3世代です。
総人口は変わらなくても、新陳代謝のスピードは遅くなります。

今後ますます晩婚・晩産化が進むと、出産に適した年齢から外れていき、子どもを望んでも母胎が出産そのものに耐えられないことにもなってしまいます。
子育てを支援するだけでなく、世の中が早い出産を促すようにならなければ、人口減少はさらに加速するのではないでしょうか。

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2015年4月29日水曜日

Googleスマホ検索 対応表示開始 4月21日以前と以後、1週間で比較するとその影響は?



















4月21日から、スマホでのGoogle検索結果表示が変わりました。
スマホ対応していないサイト(正確にはページ)は評価が大きく落とされて、スマホ対応しているサイト(ページ)を優先して上位表示するようになりました。今回の変更がどのくらい影響しているかを、当社が主宰運営している【こそだて】で見てみました。
【こそだて】は、2000年4月15日(よいこの日)にスタートし、多くのコンテンツを蓄積しています。そのため4月21日までにスマホ対応できたディレクトリ・ページとそうでないページが混在しています。
2015年3月時点で、月間ユニークユーザー数 約23万人、約8割がスマホからのアクセスのサイトです。

●スマホ対応していないページは約2割ダウン


Google Analyticsで全体を俯瞰すると、セッション数が約7%、ページビュー数で約1割減少しています。ディレクトリ毎で分けてみると、今回の変更の影響が明確にわかります。
スマホ対応しているコンテンツは、だいたい少し増加か横ばいです。しかし、スマホ対応していないコンテンツは大幅に減少しています。
中でも「ぐるなび」さんと提携して情報提供している「こそだてレストラン」は大きく落ち込んでいます。具体的には、変更前1週間の訪問数が約1.9万だったのに対し、変更後は約1.5万と、1週間の訪問者数が約4千も減っています。減少率では2割以上です。これはぐるなびさんの対応を待つしかないので仕方有りません。
mikuのコンテンツも、それぞれのページを複雑に作り込んでいるので、1pずつスマホ対応させなくてはならず全部を対応させるのに時間がかかります。そのため、これも15%ほど落ち込んでいます。
他にもそれほどページビューは多くないものの、スマホ対応が遅れているコンテンツが有り、結果として全体で1割弱程度の減少に繋がっていると見ています。

●これからますます影響は大きくなる


加えて、上のグラフを見ると、日が進む毎に右肩下がりで影響が出ていることがわかります。かつてはGoogleダンスと言われる現象もありました。Googleは多くのデータセンター・膨大な数のサーバーで処理しているため、検索結果の順位が落ち着くのに時間がかかり、その間どのサーバーを見に行くかで検索結果が違うためです。しかし、現在ではそのようなこと(時間差)はほとんどないと言われています。

この右肩下がりに影響が出ているのは、4月21日直前あるいはその前後にスマホ対応したサイトやページに対して、Googleのクローラー(ロボット)がデータを取得し、【こそだて】のページの上位にインデックスされていったためと考えられます。 ということは、スマホ対応をしなければ、どんどん上位にスマホ対応を済ませたページが割り込んで来て、掲載順位は下がり続けるということです。

B2Bのほとんどスマホ利用者を意識しないで良い会社のWEBサイトでしたら、それほど気にする必要は無いのかもしれません。しかし、いずれスマホでの検索だけでなく、PCでの検索結果にまで影響を与える日が来るかもしれません。その時に慌てないよう、今から少しずつでも準備を進めておくことをオススメします。

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2015年4月25日土曜日

2015年4月24日 大分県立美術館OPAM開館



2015年4月24日午前10時 大分県立美術館OPAMが開館しました。

国内の県立美術館としては、2005年開館の長崎県美術館、2006年開館の青森県立美術館以来、9年ぶりに新設された美術館です。
設計は、フランスのポンピドゥー・センター・メスの設計や東日本大震災や世界各地の被災地への支援など、様々な活動によって世界的にも注目を集めている坂茂氏。本プロジェクトが進行中の2014年3月にプリツカー賞を受賞されました。
館長には、西武美術館・セゾン美術館で学芸員として数々の展覧会を手がけ、2011年には「ウィーン工房1903-1932モダニズムの装飾的精神」で第7回財団法人西洋美術振興財団賞「学術賞」を受賞した武蔵野美術大学教授の新見隆氏。出会いの驚きと五感で楽しむ、唯一無二の、まったく新しいスタイルのミュージアムを目指します。 

開館記念展 モダン百花繚乱」は、世界的に知られた美術館の名作、日本を代表する美術館のさまざまな名品とが、大分の地で“出会い”相互に響き合う“大分世界美術館”を提示します。モンドリアン、ピカソ、ミロ、モネ、ルソー、ターナー、エゴンシーレ、カンディンスキー、ウォーホール、伊藤若冲、長谷川等伯、酒井抱一、円山応挙、雪舟、横山大観、宇治山哲平、…世界中から名品が一同に会し、壮観です。
また、キヤノン様が進める「綴」プロジェクトで贈呈されたボストン美術館所蔵 「龍虎図屏風」(高精細複製品)も、一見の価値ありです。

大分県立美術館OPAMへ、是非足を運んでいただければと思います。





ブライト・ウェイは、開館に向けた大分県外への広報窓口・サポートと、開館記者発表会・内覧会などのお手伝いをさせていただきました。




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2015年4月16日木曜日

アシアナ航空はなぜ記者会見を開かないのか?



4月14日午後8時過ぎに起こった、広島空港でのアシアナ航空機事故。一つ間違えば死亡者も出ていた可能性のある重大事故です。運輸安全委員会は、航空事故調査官3人を派遣して調査を開始しています。事故の詳細については報道各社が報じているのでここでは触れませんが、事故を起こしたアシアナ航空の記者会見はまだ開かれていません。
上に貼り付けていますANN Newsでは、韓国ソウルでは報道各社へFAXが送られたようですが、その内容は謝罪と、機長・副機長の飛行時間程度のもののようです。また、機長の会見もコメントも発表されていませんし、今どこにいるのかさえもはっきりしません。事故の原因や前後の経緯・搭乗員の行動などは、今後マスコミの取材や事故調査委員会からの報告で明らかになるのでしょう。

ここで疑問です。
アシアナ航空は、日本にも支社が有ります(東京都千代田区 山王パークタワー)が、支社でマスコミ対応をしている様子もありません。アシアナ航空のWEBサイトを見ると、TOPページの上に!マークがあり、ソウル(仁川)発広島行きHL7762に関するご案内とだけあります。
これを開くと、事故後の対応状況が掲載されています(16日14時時点で第4次まで)。

このご案内の第3次に、特別機の運航を実施したとあります。
「アシアナ航空の事故対応のための現場支援班と関係者たちが搭乗した特別機を運航しました。該当便には当社職員37名、韓国国土交通部の事項調査団8名 合計45名が搭乗しており、現地で事故対応、搭乗客支援などの任務を行う予定です」
続けて、
□ 運航乗務員関連情報
    該当航空機には計2名の運航乗務員が搭乗しており、機長の総飛行時間は8,233時間、副機長は1,583時間です。

この乗務員の総飛行時間は、先の報道各社に送られたFAXの事故機の機長・副機長の総飛行時間と同じです。ということは、ここでいう該当航空機とは事故機のことで、その前の該当機(特別機)とは違うと言うことになります。
韓国語を日本語に翻訳したためにこのような解り辛い表現になったのか、それとも「事故機」という表現を避けるためにこのようになったのかはわかりませんが、この第3次のご案内を見る限りでは、正しく誠実に事実を伝えようとしているとは思えなくなります。□特別機運航 ではなく、□現場調査団派遣 とすべきでしょう。また、乗務員の飛行時間は、搭乗者情報と共に第2次のご案内で発表されるべき情報です。

欧米の航空会社はクライシスコミュニケーション体制を最初に確立する


私が知る限りでは、福岡に拠点を置いている大手のPR会社は有りません(広告代理店系列は除く)ので、当社には、東京のPR会社からの相談が時々寄せられます。福岡や九州でのPR活動の際にパートナー(実働部隊)として組んで欲しいという依頼です。

福岡に新たに乗り入れる欧米の航空会社(既に羽田に就航、支社も東京に有り)が、福岡での広報活動をするパートナーを選ぶコンペに声をかけていただいたことがあります(コンペ参加はいずれも東京の外資系を含む大手PR会社)。 その際に重視された事の一つはクライシスコミュニケーション体制でした。もしも福岡で事故やトラブルが発生したときに、本社(本国)や東京の日本支社と連携を取りながら即座に対応する体制を作れるかというものです。残念ながらこのときのコンペでは当社が参加するチームは選ばれませんでしたが、航空会社が路線を開設するときにはこれくらい準備(あらゆる事を想定)と要求があるものだと思っていました。
ですから、アシアナ航空の日本でのメディア対応についても疑問ですし、会社として内向きな視点しかなく、長期的にブランドを毀損しREPUTATIONという視点を持たない姿勢に驚きを隠せません。
恐らく、事故原因が自然現象や航空管制の問題など、アシアナ航空以外に原因を求めてその可能性を捨てきれず、調査結果が出るまで会見を開かない(謝罪しない)つもりなのでしょう。
現在の日本の航空会社(企業)では、このような姿勢は許されません。

ウォールストリートジャーナルで、サンフランシスコ空港でのアシアナ機事故に際してアメリカの航空会社に求められる危機管理体制について記述されている記事を見つけたました。

米 国の大手航空会社は詳細な危機プランを準備し、これを実行するフルタイムのチームを置き、従業員はいつでも対応できるように訓練を行っている。大規模空港 も訓練を実施しており、これには航空会社も参加する。航空会社は、従業員向けに危機時の支援とカウンセリングの訓練を施し、事故時にコミュニケーション面 での支援を得るために外部の広報面の危機管理の専門家と契約している。

米国では考えられないアシアナ航空の事故対応の悪さ」より

Wikipediaによると、2013年のサンフランシスコ空港の事故では、航空会社の事故対応として乗客の家族への支援などを義務付けた米国法に違反すると判断され、アシアナ航空に50万ドルの罰金を課したとあります。ご案内では、搭乗客(被害者)に対しての対応なども公表されていますが、今回の事故によって空港が今後も長期にわたって閉鎖されることになり、他の航空会社や利用者、空港関係者(そこで生計を立てている人も)に多大な迷惑をかけているという意識はなさそうです。

アシアナ航空の利用客(搭乗率)は今後どのようになるのでしょうか?


2015年3月30日月曜日

スマホ対応していないWEBサイトは、4月21日から Googleの検索結果で影響が出る?!

当社が主宰・運用している育児のポータルサイト【こそだて】は、月間ユニークユーザー数は約22万人、ページビュー数は50万PV弱です。サイトの性格上からかモバイル比率は高く、アクセスの8割はスマートホンからです。しかし、【こそだて】に限らず今後はあらゆるWEBサイトのアクセスはスマートホンからがメインになることはもはや必然の流れと言えます。

そのような流れを背景に、今年2月27日、Googleが公式ブログで「検索結果をもっとモバイル フレンドリーに」というタイトルの投稿をアップしています。既にSEOに関するブログやコンサルのサイトでも多く取り上げられ言及されていますので、要点だけ以下に整理します。

4月21日よりモバイル フレンドリーであるかが検索結果に影響


Google では、4月 21日より、ウェブサイトがモバイル フレンドリーかどうかをランキング要素として使用し始めます。この変更は世界中の全言語のモバイル検索に影響を与え、Google の検索結果に大きな変化をもたらします。(以上公式ブログより引用)

今はスマホでの検索でも基本的にはPCの検索結果が表示されていますが、4月21日からはスマホで検索するとPCとは違う検索結果が表示されるようになりそうです。3月の時点でもスマホでGoogle検索すると、検索結果の【こそだて】には「スマホ対応」の文字が表示されています。既にGoogleサイドでは準備(indexing)は整っているということでしょう。あとは4月21日に表示アルゴリズムの変更を一斉に加えるだけという段階であることがわかります。今上位に表示されているサイトであっても、この日を境にスマホで検索するとスマホ対応していないページは「圏外」にはじき出されるかもしれません。
検索結果は、ページ毎の評価です。【こそだて】でも、TOPページはスマホ対応していますが、未対応のページもあります。 全体をWordPressなどのスマホにも対応するCMSやレスポンシブデザインで作成しているサイトなら良いのですが、【こそだて】の様に、基本的にはhtmlでページを構成している場合はそうはいきません。各ページをレスポンシブデザインに変えていくか、スマホ専用ページを新たに作成するか、新たなCMSを導入するなどの対応をしなければなりません。ECサイトの場合、カートのASPサービスを利用されているケースが多いでしょうから、そのサービスがスマホ対応しているかが問題です。EC-CUBEも最新バージョンはスマホに対応していますが、古いバージョンのままだと対応していません。バージョンアップが必用です。

モバイルフレンドリーテストでチェック 


Googleでは、そのページがモバイルフレンドリーかどうかをチェックするサイト「モバイル フレンドリー テスト」を用意しています。

 https://www.google.com/webmasters/tools/mobile-friendly/


このページの窓にサイトURLを記入して分析ボタンを押すと、 その結果が表示されます。
【こそだて】のTOPページは「問題有りません」という分析結果でしたが、全てのページを評価したものではありません。
【こそだて】はスタートして15年にもなり、そのコンテンツ量は膨大です。まだ全てをスマホに対応できていません。そのため、「モバイルフレンドリーではありません」となるページも存在します。
「モバイルフレンドリーではない」と診断されると、その改善すべき要素も指示してくれます。その要素は4つで、以下の様に指示されます。

テキストが小さすぎて読めません

リンク同士が近すぎます

モバイル用 viewport が設定されていません

コンテンツの幅が画面の幅を超えています


その対処方法についてのアドバイスまでがページの右に示されます。このアドバイスを参考に、修正をすれば問題は無いはずです。

4月21日までにスマホ対応でインデックスされなければならないので、時間が有りません。検索クエリやページビューを見ながら、優先順位をつけて順に対応しましょう。

これからは、検索の舞台はPCからスマホが主戦場になるとことは避けられません。
※業種が一般消費者向けでなかったり特定のターゲットを対象とし、スマホユーザーを考慮する必要が無ければ、もちろんこの限りではありません。

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2015年3月6日金曜日

久しぶりに美味しいお酒でした。ご相談はお気軽に

ここのところ、さまざまなご相談をいただきます。
大きく分けると、

1,子育て支援や育児周りの事業や情報に関すること
2,新規事業や既存事業見直しに関するアドバイス(IT活用含む)
3,東京(や福岡以外の都市)から福岡へ進出するに当たってのご相談
4,九州から大都市への進出やPRに関するご相談
5,クライシスに備えるご相談

という感じです。
本日も、子育て・育児関連の事業に関する提携・事業アドバイスのご相談をいただき、2件打ち合わせさせていただきました。そしてもう一件、3年ほど前から継続してアドバイスをさせていただいていた事業がスタートの目処が立ったとの連絡を受けました。いずれも上場企業の関連会社や、外資大手の日本法人です。

子育て支援事業のご相談の1件目の企業様は、実は数年前にも別な新規事業を立ち上げる際に相談に来られました。【こそだて】で既に開始していたサービスに似たものを、有料でサービスしたいということでのヒアリングでした。包み隠さず全てお話ししアドバイス。そのサービスはスタートしましたが結局は軌道に乗らず、その後事業を切り離されてしまいました(【こそだて】では継続中)。今日はそれとは全く違う分野と視点でしたが、今回は何かご一緒できそうで楽しみです。

2件目は、ある研究所で長年研究されているデータベース・ノウハウの活用方法について。
こちらは私たちが考えている子育て支援のスタンスで考えると、まだまだ穴が多そうなのでそのあたりをアドバイスさせていただき、お別れしました。

ブライト・ウェイの子育て支援のスタンスは、ビジネスありきではなく、

これから子育てをする家族、子育て中の家族に 
「正しい情報」 「心が軽くなる情報」
 
  「誰にも」「無料で」

お届けするのをミッションとしています。

このスタンスをご理解いただいてご相談いただければ、さまざまな取組ができるのではないかと思っています。もちろん、ビジネス上の収益は考えなければなりませんが、上記ミッションが優先します。

本日最後は、3年弱サポートさせていただいている、ビッグデータを活用した新規事業案件。ようやく具体的にスタートできる体制が整ったというご連絡をうけ、久しぶりに落ち着いて祝杯を挙げることができました。
こういうお酒は、本当に良いものです。

これからもたくさんのご相談をお待ちしています。


2015年3月3日火曜日

日本マクドナルドの記者会見-ネット時代のリスクマネジメント勉強会:第2回報告


ネット時代のリスクマネジメント勉強会:第2回は、昨年中国の委託先工場での賞味期限切れ鶏肉使用に始まり、今年に入って相次いで異物混入が発覚した日本マクドナルドを取り上げました。
第1回のペヤングの異物混入の際には、まるか食品は記者会見を行いませんでした。そのため、ネット上には虫の姿が見える写真ばかりが拡散されています。しかし、日本マクドナルドでは、都度記者会見を開いて謝罪および説明を行っているために、その会見時の動画が多数アップされています。第2回目は、記者会見の動画を題材に議論を進めました。
併せて、上場企業のため、決算資料や売上推移などのIR情報もWEB上で公開しています。それらのデータと一般社団法人日本フードサービス協会が公開している外食産業動向のデータとを比較しながら、問題の本質を探りました。

●業績悪化は、事件前から既に始まっていた


まず、この1年の全体的な振り返りの後、売上推移、株価の推移などと重ねながら、事故の影響を考えました。メディアでは「中国工場の事件の影響で」と枕がつくことが多いのですが、これらを見ると、業績悪化の傾向はそれ以前に既に見て取れます。業績が悪化しているところに事件が起きて、更に客離れを加速させたと見る方が自然なようです。むしろ、株主に対しては業績悪化の理由は中ではなく外にあったと説明できる,良い材料になったとも言えます。

続いて、記者会見の動画を見ながらの討議。特に、通常のニュース番組では記者会見が行われたことは伝えても、その後の質疑応答の内容まで伝えることはありません(新聞ではたまにありますが)。
特に、ニコニコ動画で生中継される記者会見は動画(中継)を生で見ている人がその場で様々な事をTwitterのようにつぶやき投稿しますので、会見での発言がどう受け止められているのかがリアルタイムでわかります。1月7日の謝罪会見は、視聴者の数が9万人を超えていて、記者の質問内容にまで鋭い突っ込みをいれるコメントが、たくさん画面を流れています。ニコニコ動画の視聴者にとっては、記者の質問さえも評価・批判の対象になり、時として会見者よりもネット上で実名で非難されることにもなるのです。


●サラ・カサノバ社長が7月にきちんと謝罪をしていれば


私も、アメリカの企業を始め外資系企業の日本法人のクライアント様とお仕事をさせていただくことがありますが、長期的な視点よりも今期の数字を重視する傾向があります。特にアメリカの企業の場合は四半期毎の数字を重視した議論になります。そして、よく言われる訴訟社会のために、「謝罪=非を認めた」事になるという意識が強く、事件や事故後の会見でも謝罪から入ることを拒む傾向があります。2006年、シンドラーエレベータ社のエレベーター事故の記者会見の際にも、ケン・スミス社長は謝罪をしなかったことから多くの批判を浴びました(後に引責辞任)。

昨年7月、中国工場の事件後、サラ・カサノヴバ社長はシンドラーエレベータのスミス社長と同じ過ちを犯しました。 「中国の工場(の悪意を持った数人)の犯罪」として、日本マクドナルドは被害者だという立場で会見(↑)しました。具体的な対応策の説明は有りましたが、頭を下げての謝罪はありませんでした。消費者にとっては中国の工場であろうとアメリカの工場で製造していようと、マクドナルドの商品だからと安心して口にしているのですから、「最終的にはマクドナルドの責任」です。この会見から、消費者の目も、マスコミの態度も変わりました。本来であれば、大スポンサーの日本マクドナルドですから、そうそう批判的な報道もできないものですが、消費者無視の姿勢には批判的にならざるをえませんでした。
※勉強会ではこの動画(↑)は見ていません。全部で1時間半(うち、質疑応答が後半1時間)の会見全録です。「騙された」発言は、質疑応答の一番最後の質問、「カサノバ社長は被害者だという認識なのでしょうか」との問いに対してのものでした。この会見の最後の3分で言質を取られたことになります。
最後の最後で、クォータブル(引用)コメント (QUOTABLE COMMENT)を与えることになってしまったのでした。猪瀬前知事の不適切発言も、席を立とうとしたときの最後の質問に対して出た言葉でした。

今年、1月7日の異物混入の記者会見でも、カサノバ社長は海外からの帰国途中ということで出席しませんでした。結局、混入していた「青い異物」も「歯」も、何処でどうして混入したのかはわからないまま(分析の結果は、工場や店舗での製造時に混入した可能性は限りなく低い)となりました。単なる愉快犯だった可能性もあります。それだけに初動の対応の誤りが風評被害を拡大する結果となったと言えます。

2月の決算発表では、7月の時とは別人のようなカサノバ社長の会見でした。ヘアスタイルも服装も、メガネさえも変えて臨んでいます。冒頭、深く頭を下げての謝罪からスタートしました。
質疑応答も、事前に十分に準備されていたことが見て取れます。決算発表会見でありながら、危機対策プロジェクトのリーダーも同席してのものでした。
昨年7月の時点で、このような会見がもたれていれば、少なくとも風評の影響は小さくできたのではないでしょうか。



最後に、来年日本に進出すると発表があった、マックキラーと言われるシェイク・シャックを、日本マクドナルドはどのように迎え撃つのか、どうすべきかを議論して終了となりました。


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2015年2月16日月曜日

ネット時代のリスクマネジメント想像会:日本マクドナルド

第2回テーマは 
日本マクドナルドの過ちと業績回復に向けた取組

昨年、中国の委託工場での衝撃的な事件から業績低迷が続いているマクドナルド。年が明けて心機一転というタイミングで、新年早々に異物混入騒ぎでまたも謝罪会見を実施しました。
先日、2014年12月期の決算短信(11年ぶりの赤字)を発表して、一連の騒ぎは話題に上らなくなってきました。しかし、さまざまな施策が実行に移されているようです。日本マクドナルドとマスメディアの対応・反応について、マーケティングの視点からもその戦略について考えてみたいと思います。



2月17日、マックキラーとも言われる 「シェイク・シャック」が来年日本上陸も伝えられました。マクドナルドはどう迎え撃つのか、も考えてみたいと思います。

日時:2月26日(木)19:00~20:30 その後は軽くお酒を飲みながら
参加:1000円
会場:ブライト・ウェイ福岡事務所


参加希望のご連絡は、
Facebook 勉強会案内

ブライト・ウェイホームページ お問い合わせフォーム  

などからご連絡ください。



●勉強会趣旨


昨年も企業不祥事や食品偽装・異物混入などで多くの謝罪会見が行われ、企業からの発表がありました。しかし、その対応や会見時の発言などを巡り更に信頼を損ねる事になった事例が多くあります。

背景にはSNSとスマホの普及があります。情報の伝達スピードはほぼリアルタイムとなり、伝わる情報量も画像だけでなく音声や動画も伴い格段に大きく詳細になっています。3年前とは要求される対応のスピードも内容も大きく変わっています。

我々コンサルタントは守秘義務も有り、個別クライアント様の事例などを口外することができません。セミナーを開催しても一般的に知られている事例を元にお話しせざるをえません。それなら、直近の事例をテーマに参加型の勉強会をする方が興味も沸くし、具体的な事例と対応を突き詰めて議論できるので参加者の実になるでしょう。

少人数(当面は最大8人程度)での議論を中心とした勉強会とします。
今求められるのは、知力ではなく個々人の「想像力」です

2015年2月2日月曜日

SKYMARK AIRLINESの話をしましょう

とうとう乗る機会のないままに運行を停止したA330
スカイマーク が、民事再生法の適応申請をしました。負債総額は約710億円。運行路線の縮小とA330の運行休止を柱に、事業の立て直しを目指すようです。

ところで、スカイマークエアラインズ(現スカイマーク)さんとは、2年ほどご一緒させていただきました。今回の破綻の報道を受けて残念な気持ちで一杯です。是非復活して欲しいと思います。 この機会に私が知るSKYMARK AIRLINESの事を整理してみようと思います(もちろん、守秘義務もありますので限られた情報ですが)。

SKYMARKの星は、はくちょう座から


スカイマークエアラインズは、規制緩和により1996年、当時のエイチ・アイ・エス澤田社長らの出資により設立され、1998年に羽田 - 福岡線で運航を開始しました。普通運賃をJAL・ANAの半額に抑え(確か記憶では13700円だったような。その後徐々に値上げ)、それに対抗する形で様々な割引運賃が産まれました。おかげで私も羽田-福岡間の移動コストがずいぶん抑えられるようになりました。
正規航空運賃を安く抑えるために、FA(フライトアテンダント)が機内清掃(今のLCCでは当たり前になっていますが、当時は画期的)をする事で人件費を削減したり、座席数を増やす(通常B767の座席は、2-3-2の横7列を2-4-2の8列に。しかし3号機以降は通常のシートピッチに)ことで1フライト当たりの収益確保の工夫をしていました。また、Yahoo!やDirecTVなどの機体広告を始め、機内の備品にも広告を入れるなどで運賃収入以外にも収入の道を探っていました。
2004年3月搭乗時のシグナスクラス機内食
一方で、シグナスクラス(プレミアムクラスに相当)では、国内線では初めてとなる温かい食事を提供したり、機内エンタテイメントプログラムや機内誌もあり、サービス面ではJALやANAと同等のフルサービスを目指しました。
私がお手伝いをさせていただいたのは、路線拡大を始めた2002年~2004年3月。経営が西久保社長に引き継がれるまでの井出社長、井上社長の時の2年弱の間です。
今、ウィキペディアを見ても、この当時のことはほとんど触れられていません。就航3年を過ぎて、座席が狭い(というイメージ)や運行便数の少なさなどから、JAL・ANAと比べるとブランドイメージが希薄で、ただ単に安いだけの航空会社になろうとしているところでした。

ところで、SKYMARKの星ですが、あれは何を表しているかご存じでしょうか?もともとは「はくちょう座」から来ているのです。就航当時の尾翼には、青地にはくちょう座をイメージしたマークが描かれていました。「シグナスクラス」のシグナスは、「はくちょう座」のことです。そして、SKYMARK AIRLINESが運行開始した当初、クービー(空美)というキャラクターがいました。そう、「みにくいアヒルの子」です。スカイマークエアラインズは、JALやANAといった世界に羽ばたく鶴やダビンチのヘリコプターから見れば「みにくいアヒルの子」に過ぎないけれど、いつかは白鳥になって世界に羽ばたくのだと、自らの道程・目標をその社名やシンボルマーク・キャラクターに込めていたのです。
白鳥を目指していたので、運賃は安くても(機内での)フルサービスにこだわっていました。

安くても充実した空の旅へのこだわり


私のミッションは「安いだけ」ではなく、「安くても充実した空の旅が楽しめる」航空会社を目指し、イメージアップ・認知向上と搭乗率の改善に向けたコミュニケーション面からのお手伝いでした。
まず、ターゲットセグメント、コミュニケーションワードの設定からスタートです。
何度もスカイマークに乗り、お客様を観察すると、JAL・ANAが圧倒的にビジネスマン、スーツのお客様が多いのに対し、若い人や家族連れのカジュアルな服装のお客様が中心でした。そのためか、機内の雰囲気は明るく、幸せな雰囲気です。ほとんどは自分のお金でチケットを購入して(選んで)搭乗していただいているお客様です。
当時のキャッチコピー「空をもっとカジュアルに」そのままです。
FAや地上職員の制服が黄色だったこともあり、当時のクリエイターさんからの提案でもあった「幸せの黄色いエアライン」をコンセプトワードとして全体見直しにとりかかりました。まず、広告宣伝素材は黄色をベースに段階的に移行していきました。羽田空港モノレールのホームの柱巻きやポスター、印刷物は、明るい黄色がベースとなり、JALの赤、ANAの青に対してSKYは黄色をイメージカラーとして定着を目指しました。
次に、エンタテイメントサービスの充実と機内誌の見直しです。しかし、コストアップになってはなりません。
機内誌は、「幸せを運ぶエアライン」に相応しいものにと、「Smile makes Smile」という誌名としました。奇しくも、SKYMARK AIRLINESの中に「Smile」 が隠れていました。編集については長年携わった隠れた本業です。空の旅、飛行機に関する読み物やトリビア的な情報に加え、読み切りの短編小説、そしてちょ うど鹿児島や徳島、ソウルなどに路線を広げていくタイミングだったこともあり、就航先の情報も充実させました。機内で読まれる(あるいは持ち帰られる)充 実した誌面とすることで、広告出稿価値を高め、便数・路線数の拡大(部数拡大)のタイミングと営業スタッフの頑張りもあり制作費を広告収入でほぼ賄えるよ うになりました。

「Smile makes Smile」は、機内誌の誌名だけでなく、ポスターや機体にももう一つのキャッチフレーズ・シンボルとしても使われるようになりました。
一方で、FAのサービスも大手に負けないようなサービスをと、大手航空会社の客室乗務員OBによるサービス訓練やマニュアル整備もすすめていました。

音楽プログラムは新人発掘と発表の場に


大手航空会社では、機内プログラムで音楽や落語を流しています。機内で音楽を流すとJASRACに音楽著作権使用料を支払わなければならないのですが、これが驚くほど高いのです。JASRACで機種ごとに1か月の利用料を決めてあり、所有機材数をかけて計算します。 そこで、JASRACが管理していない、インディーズやデビュー前アーティストの楽曲でプログラムを組みました。放送局やライブハウスとコラボし、機内を新人発掘プログラム・発表の場と位置づけたのです。
他にも、コストをかけずに機内サービスを充実させるために、機内を商品サンプリングの場として希望するお客様に商品サンプルを配ったり、様々なアイデアを実行に移しました。

幻となったキャラクター


「幸せの黄色いエアライン」というコンセプトでコミュニケーション・サービスプログラムを見直す過程で、見直すべき事がもう一つ出てきました。「クービー」です。
就航時は「みにくいアヒルの子」でしたが、就航から3年も経てば、白鳥にはなっていなくても若鳥くらいにはなっているだろう、と。「クービー」のキャラクターイメージと現実との間にギャップが生じていたのです。この頃は、「クービー」が印刷物や広告宣伝素材に登場することは無くなっていました(機内ビジョンの案内に一部登場)。
そこで、成長して青年になったクービーを新たなキャラクターとして設定してはということになりました。人間で言えば18歳ほどで正義感が強く無鉄砲。曲がったことが嫌いで、慣習やしきたりにとらわれない、やらずに諦めること、肩書きに屈することが大嫌い……という設定。
若手のイラストレーターにコンペへの参加を呼びかけ、多くの応募をいただき選考までは進んだのですが、そうこうしているうちに社長交代や体制変更などで決定が先送りとなり、日の目を見ないまま幻となってしまいました。

そして経営は西久保社長へ


客席数も増やして国際線でも就航させることを前提に採用したB767は、平日のビジネス利用客を取り込めず、搭乗率がなかなか上がりません。債務超過に陥りそうになったところに西久保社長が30億円を個人で出資し筆頭株主となり、2004年に社長に就任しました。
大胆な改革を進め、機材をB767からB737に小型化し、整備や運航コストを下げつつ搭乗率を上げていきました。その過程で、機内サービスの簡素化や業務の効率化を進め、機内誌も廃止しました(後にSKYMARKとして復活)。徹底した効率化で、念願の黒字に転換しました。
しかし……
その後のことは、この1週間ほどで様々に報じられているとおりでしょうし、私はすでに一利用者でしかありません。


こうして振り返ると、西久保氏は幻となった青年クービーそのものだったのかもしれません。航空業界の慣習やしきたりに囚われず改革を進め、時に物議を醸しながらも前に進んでいきました。
今回の破綻からは必ず復活すると信じていますが、おとなしいスカイマークになることのないよう願うばかりです。

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2015年1月31日土曜日

「労働」の「労」は「つとめる」なのか「いたわる」なのか?

羽田空港に着いた途端、母から携帯に着信。
帰宅時刻の確認かと思ったら、従姉妹がくも膜下出血で急死したことを報せる電話でした。

「平穏な日常は永遠には続かない」ことを、改めてかみしめます。そんな想定外で悲しみと疲れの2日間を振り返りながら、WBSのホワイトカラーエグゼンプションについての議論を見ていて、ふと思った事。

「労働」

普通に漢字を訓読みで分解すると「ほねおりはたらく」、「つかれてはたらく」。
しかし「ねぎらいはたらく」「いたわりはたらく」とも読めます。

でも、労と働の間にレ点を入れて漢文読み?にすると、
「はたらきをねぎらう」
「はたらきをいたわる」

労働時間や労働者、労働条件に労働協定……
「労働」にまつわる言葉は多いけれど、「労」をどう読むか?
「ほねおる」「つかれる」のかそれとも「ねぎらう」のか「いたわる」のか。
例えば「労働協定」の意味もまったく違ってきます。

経営者が「労働」の「労」をどうとらえるのかで、従業員の未来もその会社の未来も変わってしまうのではないでしょうか。
働く事だけでなく、同様に子育てや介護の現場も。

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2015年1月25日日曜日

ネット時代のリスクマネジメント勉強会(第1回報告)

昨年も企業不祥事や食品偽装・異物混入などで多くの謝罪会見が行われ、企業からの発表がありました。しかし、その対応や会見時の発言などを巡り更に信頼を損ねる事になった事例が多くあります。
年初から日本マクドナルドが、またしてもチキンナゲットでの異物混入で謝罪会見を実施しましたが、その会見もネットでは様々に批判され、やぶ蛇とも言える結果となっています。


我々コンサルタントは守秘義務も有り、個別クライアント様の事例などを口外することができません。セミナーを開催しても一般的に知られている事例を元にお話しせざるをえません。そこで、直近の事例をテーマに参加型の勉強会をする方が興味も沸くし、具体的な事例と対応を突き詰めて議論できるので参加者の実になるのではと、定期的な勉強会ネット時代のリスクマネジメント想像会を実施することにしました。

少人数(当面は最大8人程度)での議論(その時どきの担当者や経営者、会見者の状況や心情を想像する)を中心とした勉強会です。クライシス(危機)発生時に求められるのは、知力ではなく個々人の「想像力」だからです
 


スマホとSNSの普及が変えた、情報の量とスピード


 背景にはSNSとスマホの普及があります。情報の伝達スピードはほぼリアルタイムとなり、伝わる情報もテキストや画像だけでなく音声や動画も伴い、詳細になっています。スマホ・SNSが普及する以前の3年前とは要求される対応のスピードも内容も大きく変わっています。
第一報を受け取ってから、どれだけ漏れなく想像力を発揮できるかが、連絡するべき先や対処方法を変えてしまいます。

第1回目のテーマは 
ペヤングの対応はどこが間違っていたのか?

ペヤングの製造販売元のまるか食品は1匹の虫混入で、工場停止・数十億円とも言われる設備刷新まですることになりました。第一報を受け取ったのは誰で、その人は何を考えてどう行動したのか?からスタートします。ペヤングの数日後、同様にパスタから虫が出た日清食品は発表後間もなく沈静化して話題にならなくなったのとは対照的です。
群馬県の優良企業”まるか食品”の事例は、福岡の企業にとっても参考にするべき事は多いのではないかとの思いから、第一回のテーマとしました。

当日は、ペヤングの異物(虫)混入発生からを時系列で追いながら、被害者(購入者)とまるか食品のやりとりとそれぞれの行動・思考を想像しながら進めました。大まかに振り返ると、

12月2日 購入者が虫が入ったペヤングを発見、Twitterに投稿

      保健所とまるか食品に連絡
12月3日 保健所とまるか食品から担当者が被害者宅を訪問
      新聞等で報道
12月4日 まるか食品 お詫び文掲載
  ↓   この間、NET上ではまるか食品、被害者双方への誹謗中傷などが続く
12月11日 2つの工場とも生産休止、全商品回収

勉強会では、ネット上の書き込みや(現在は削除されている12月4日のお詫び文含め)お詫び文、YouTubeにアップされているまとめ動画なども検証しました。
そして、それぞれのタイミングでは、誰が何を考え、決定していったのか?
その結果、どの範囲にまで、どんな影響が及んだのか?

この勉強会では、セミナーなど大人数では話せないような、あるいはこれまでに私が対応したり相談を受けた現場の状況なども具体的に紹介しながら現場を想像し、情報共有ができたはずです。

メディアで報道されている事の裏側や投稿する人の心理、それを受け止める企業担当者の心理やスキルと報道に接する人の捉え方を想像しながらの「想像会」となりました。
次回(2月)、何をテーマにするか(どんな事件が起こっているか)楽しみです。 


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2015年1月10日土曜日

不正表示、異物混入の次に来るのは炎上目的投稿か?

臭いが強かったり穴の開いたチーズでも、知らないふりをしてわざとクレームを言ってくるかも?

2008年の騒動が再び


まるか食品(ペヤング)、日本マクドナルドの異物混入事件をきっかけに次々と(過去にまで遡り)異物混入がメディアに取り上げられ、各社はその対応に追われています。
振り返ると、2007~2008年も不正表示や異物混入で世の中は大騒ぎでした。毎日のように新聞には企業のお詫びと告知広告が掲載されていました。ミートホープ、比内地鶏、船場吉兆は事件がきっかけで会社が無くなってしまいました。そして、2008年と言えば中国製冷凍餃子事件を始めとする、食品・飲料への農薬混入事件が相次いで起こった年です。
不当表示や異物混入事案が沈静化する一方で、店頭で縫い針を刺したり悪意を持った従業員が薬物を混入したりという、個人(と思われる)犯罪行為はその後も続いています。

当時このような事件を知るのは、テレビや新聞などのマスメディアを通してでした。まだTwitterもFacebookもスマートフォンも(Twitterの日本語対応は2008年4月、Facebookは2008年5月、iPhoneの日本発売は2008年7月)世に出る直前でした。

iPhoneの発売をきっかけにスマートフォンという新たな端末が普及し、それとともにSNSが身近な存在となりました。スマホではその場で写真や動画を撮影し、ネットにアップする事が容易になります。TwitterやFacebookが広まる前は、個人がネットに投稿できたのはせいぜいネット掲示板や口コミサイトとブログ。ネット上で公開されているとはいっても、存在しているだけでたくさんの人の目に触れることはなかなかありません。商品やサービスへの不満やトラブル、悪意を持った書き込みなども、特定のサイトと検索でのチェックである程度把握・対応が可能でした。

2011年 SNSが爆発的に普及するきっかけの年に


TwitterやFacebookだとRetweetやシェアで伝播する力が全く変わってしまいます。その伝播力を見せつけたのが2011年3月11日の東日本大震災への支援でした。日本中が被災者に寄り添い、有益な情報を届けよう、協力しようとネット上で情報が飛び交いました。ほぼ同じ頃、アラブの春でもSNSを活用して抗議活動や集会への参加呼びかけなどがなされ、次々と革命へと進んでいきました。SNSは情報発信や共有・拡散には有効であると認知されたのです。
しかし、利用上の注意やマナー、ルール、あるいは危険性が浸透する前に急速な普及となったために未熟な利用者が多くのトラブルを起こし、巻き込まれました。一つの投稿があっという間に拡散され、意図せず炎上すると言うことも頻繁に起こっています。
そして2013年は、炎上投稿がピークに達しました。
ネットの炎上投稿、企業はどう対処すべきか

2013年 ホテル・レストランの不適切表示に始まり…


炎上投稿が一段落したと思ったら、今度はホテル・レストランのメニュー不適切表示(偽装)が立て続けに発覚。明るみに出たのは、内部告発によるものです。そしてそれに続く異物混入騒動。
まるで、2007年~2008年のデジャブのようでもあります。
とすると次に続くのは、悪意を持った異物混入・犯罪です。
SNSで拡散することを前提に、ブランドや企業のreputation(評判)を毀損することを目的とした犯罪が起こることは十分に考えられます。わざと虚偽のクレームを訴えて、その対応を問題にして投稿するなどということも想定されます。さらには、事故承認欲求を満たしたいだけの、はた迷惑な炎上投稿も続くことでしょう。

何が起こっても「想定内」として対応できるよう、準備をしておくことが肝心です。


1月16日追記

1月13日、一連の異物混入騒動に便乗したかのようなスナック菓子につまようじを故意に入れる動画が投稿され、波紋が広がりました。その後、同じアカウントから万引きを繰り返す等の動画が投稿され、警察は窃盗罪などで15日に逮捕状を取り行方を追っています。
便乗、模倣犯が増えないことを祈るばかりです。

2015年1月9日金曜日

出生数100万人割れ目前!場当たり的な「子育て支援」ではなく、「子どもと家族」を大切にする社会への取組を

平成26年の人口動態の推計値が、厚生労働省より発表されました。
それによると、出生数は1,001,000人。年間出生数100万人割れが目前です。

このニュースを受けて、海外では(冷静に)悲観的な分析をしています。 NewSphereでは
“日本は移民受け入れ必要” 出生数過去最少、海外はどう報じたか
と題する記事(リンク先はBLOGOS)で、フィナンシャルタイムズ、フォーブス誌やCNNの論調を伝えています。この記事によると「人口統計的数字は、とても長い間非常に悪い状態を示していて、その軌道を健全な方向に変えるのはほぼ不可能だ」とのフォーブス誌の指摘を引用しています。

これまでも、選挙では各党・各候補者が選挙公約に「子育て支援」を声高に掲げてきました。子ども手当の支給や待機児童の解消、認定こども園や小規模認可保育所の設置など、その都度新しい施策を実行には移しています。しかし、そのような(大事ではありますが)小手先のことでは、出生率を2.07まで上げることは不可能です。そもそもの考え方を抜本的に変える必要があります。

女性の就業率が高い国の方が出生率が高いのか?


良く出てくる数字ですが、女性の就業率と出生率には正の相関関係が有ると言います。
少子化と男女共同参画に関する社会環境の国際比較報告書概要版」-男女共同参画会議
少子化と男女共同参画に関する専門調査-では合計特殊出生率の推移と合計特殊出生率・女性労働力率の水準をもとに、 OECD 加盟 24 か国を大きく3つに類型化しています。1980年から2000年の20年間で合計特殊出生率が上がった国をA、下がったけれど減少率が20%未満の国をB、20%以上の国をCとしています。日本はもちろんCに分類されています。
この報告書を見ると、いずれの国も年を追う毎にだいたい女性の労働力率が上昇しています。一方1970年代から80年代は労働力率の上昇に伴って出生率は低下しています。しかし、A、Bグループでは1980年代半ばくらいから上昇に転じています。それに対してCのグループは上昇すること無く下がり続けています。
出生率の改善理由についてこの報告書では、「女性の社会進出にともない、働くことと子どもを産み育てることを両立しうるように社会環境を整備してきた取組の結果と考えられる」としています。
残念ながら2000年以降のグラフがありませんが、日本は2005年の1.25を底に上昇に転じています。2005年は、「次世代育成支援対策推進法」(次世代法)が4月に本格施行した年であり、世の中が少子化を社会的な問題として意識した年でもあります。これらの取組が社会環境の変化をもたらした結果、上昇に転じたとも言えます。

一方で女性が働きやすい→子どもが生まれる訳ではありません。どんなに女性の社会進出が進み、子どもを産み育てる社会環境が整っても子どもを産みたくならなければ産みませんし、女性1人ではそもそも産むことができません。

男女の偏在と晩婚・晩産化を食い止める


日本では、戦後の高度経済成長期は終身雇用と年功序列という安定した雇用が背景にありました。いまだに日本人はその当時の成功体験に引きずられ、雇用の流動化が進みません。女性が新卒で就職するまでは良くても、一旦結婚や出産で離職すると復職は困難です。昔のテレビドラマでは仕事漬けの亭主が「仕事を取るか家庭を取るか、どっちなの?」と専業主婦の妻から迫られる場面がありましたが、働く女性はそれと同様の事を社会から突きつけられている状況です。
キャリアを取るか家庭を取るか
これでは結婚もできませんし子どもも作れません。

また、そもそも相手がいないことには何も始まりません。若者は仕事を求めて都会に集まります。それも地域差があります。福岡市で言えば、約152万人の市民のうち、男性は約72万人に対し女性は約80万人と、女性が8万人も多くなっています。高齢者では寿命が長い女性比率が高くなるのは当たり前ですが、出産年齢の20代~30代だけを比べても、男性が約20万5千人に対して女性が22万1千人と約1割多いのです。生涯独身の男性が2割にもなろうかというのにです。婚活が話題ですが、男性・女性の偏在も現実にあります。

きょうだいの多い家族が暮らしやすく


高齢出産(特に初産)は母胎にも負担が大きく、晩婚・晩産化傾向が進めば進むほど出産数は望めません。合計特殊出生率はあくまでも平均です。生涯子どもをまったく産まない女性と4人産む女性が同数いたら、出生率は2になります。若く結婚し、子どもを産みたくても経済的な理由で断念する家族もいるでしょう。フランスのように経済的にも充実したサポートがあれば、きょうだいの多い家族も増えるのではないでしょうか。
そもそも、社会が子どもを望み大切にしない限りは、前向きに子どもを産み育てることはできないでしょうから。

今年2015年の出生数が100万人を維持できるか、日本の未来を占う大事な年になりそうです。

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2015年1月5日月曜日

まるか食品ペヤングとマクドナルドのチキンナゲット、2つの異物混入

昨年チキンナゲットの生産委託をしている中国の工場で、消費期限切れの鶏肉を使ったり、床に落ちた材料をそのまま戻している衝撃の映像がテレビで放映され、業績を落としているマクドナルド。その中国工場の事実が発覚した際、カサノバ社長の会見が適切でなかったことなども手伝って業績悪化に歯止めをかけることがで きませんでした。

1月6日、福岡では販売されていました。
業績不振のまま年を越し、心機一転攻勢をかけたいところでしたが、またも問題が発生しました。問題となったのは、今度も先の事件で生産拠点を中国からタイに移したチキンナゲット。3日に青森の店舗で購入した消費者が、ビニール様の異物が混入していると4日お店に申し出て発覚しています。
これを受けて、マクドナルドはその商品を製造したタイの工場(3つのうちの一つ)で、同じ日に製造された商品についての販売を中止し、該当する工場以外で生産された商品並びにその工場でも別な日に製造された商品については引き続き販売を継続すると発表しています。

ペヤングは虫混入で工場停止・設備刷新へ


ここで思い出すのが、昨年12月に発生した、まるか食品のペヤングへの異物(ゴキブリ)混入事件です。本当なら昨年のうちに取り上げるつもりでしたが、事件発覚後の見解を自ら否定する発表を繰り返し、きちんとした形での会社TOPからの謝罪も説明もないままに時が過ぎてしまい、ここで触れること無く年を越してしまいました。
改めて整理すると、ゴキブリとみられる異物が混入したペヤングを購入した消費者が、12月2日にその写真をTwitterに投稿したことからNETで話題となりました。それに対してまるか食品は「製造過程での混入は考えられない」とすぐさま事実を否定し、書き込み削除を要求したといいます。そのやりとりを購入者は再びTwitterで公開、まるか食品の対応を非難する声が高まりました。結果、ペヤング全商品の回収・販売自粛と、数十億円かかるとも言われる工場設備の全面的な刷新をするために、工場の操業も長期で停止するに至りました。

まるか食品は、全商品の回収、工場閉鎖・刷新という道を辿りました。過去には「白い恋人」の石屋製菓が賞味期限改ざんなどで商品を回収し、賞味期限改ざんができないラインにするなど全面的に工場を刷新したのを思い出します。石屋製菓の場合は、賞味期限改ざんの発覚と前後してアイスクリームから大腸菌群なども検出されたことも工場刷新に繋がったと思われます。
それでは、まるか食品は今回の虫の混入で工場を刷新する必要があったのでしょうか?確かに建物や設備が老朽化したりラインに問題があれば、順次刷新していきます。しかし通常であれば、(複数の工場で生産しているなら別ですが)工場を全面的に停止するようなことありえません。一時的に多少の生産ダウンはあっても、計画的に段階的な刷新・移行をするものです。
業績への影響だけではなく、消費者や流通からの期待を裏切らないためです。

虫の混入が発覚した時、最初の対応を間違っていなければ、冷静に原因分析をし計画的な工場の改修を実施できたのではないでしょうか。

ナゲットの混入物と混入原因は特定されているのか?


今日のマクドナルドの発表は、まるか食品と同様の印象を受けました。混入の事実を認めてはいますがそれ以外は何もわかっていません。
混入物・混入の原因が特定されていないのに、特定の工場の特定日に生産した物だけの販売を取りやめて他は問題なしとしています。しかし、これまでの報道でも日本マクドナルドのWEBサイトを見ても、混入物が何だったのか、ラインのどこで混入したかを特定された情報を見つけることはできませんでした(見落としがあったら申し訳ございません)。
ビニール状の物が、原材料を入れていた袋なのか、工場のラインの機械の一部なのか、従業員の衣類や持ち物なのか、それとも他の物だったのかなどで対応も改善策も変わってきます。それなのに、1つの工場の特定日にだけ起こったこと(他では起こりえない事)と決めつけた対応をしています。少なくとも消費者に安心感を与える発表とは言えません。
今後、原因やその他の事実が明らかになって、これまでの会社の見解を否定しなければならなくならないかと不安になってしまいます。最悪のケースはまるか食品の様に、後追いで全商品の回収・販売停止になることです。その時には「どうしてあのときに全商品を回収しなかったのか?販売を続けたのか?」ということになって更に商品の安全性・信用を傷つけることに繋がりかねません。その時、日本でマクドナルドのブランドは維持できるのでしょうか?

年初から、初動の対応が大切だと改めて考えさせられるニュースでした。


1月6日追記

一夜明けた6日、事務所近くのマクドナルドに寄ってみました。チキンマックナゲットは通常通り販売されていました。


1月8日追記

日本マクドナルドがホームページで事実を発表したのは1月6日午後10時半だと報道されていました。そして1月7日に謝罪会見を開き、他にも3件計4件の異物混入があったと発表しています。
今回の謝罪会見では、サラ・カサノバ社長は海外出張からの帰国途上のためと言うことで会場には現れませんでした。


1月14日追記

日本マクドナルドは「混入経路が特定できなかった」との調査結果を発表しました。

外部調査機関による成分分析の結果、混入物は「ポリアセタール」というフィルム片であることが分かった。また調理工程で熱を加えられた形跡がないことも確 認された。ナゲットを製造したタイ工場の製造ラインや日本での販売店舗ではポリアセタールを使用していないことから、「工場、店舗での混入の検証はいずれ もできなかった」とした。タイ工場での入室時の持ち物チェックは正常に実施されていたという。
 -以上日本経済新聞より引用

それでは、あの青い混入物は、事故ではなかったのでしょうか?だとしたら誰が何の目的で入れたのでしょうか?
これから更にネット上で混乱しそうで心配です。
かさねがさね初動の失敗が悔やまれます。