2014年5月31日土曜日

アルファベット3文字略語の憂鬱

ビジネスの世界では、しばしばカタカナの言葉や短縮した英文字の単語が使われます。マーケティング用語から業界用語、あるいは社内でだけ通用するような言葉もあります。
しかし、ここに来て多く目・耳にするのがIT関連の用語です。
ROE(Return On Equity-自己資本利益率)やKPI( Key Performance Indicators-重要業績評価指標)くらいなら一般的なマーケティング用語としても使われますが、WEBマーケティングの世界では新しい用語やアルファベット3文字の略語がどんどん出てきて、ITにうとい経営者にはチンプンカンプンではないでしょうか?アルファベット3文字と言えば、AKBやHKT、NMBも難解ですが、知らなくてもビジネスにはさして影響有りませんが、こちらはそうはいきません。

WEBサービスの利用だけでなく、現代のビジネスでは自社のホームページ運用を始めインターネットの世界でのコミュニケーションやマーケティング、決済など避けて通れなくなっています。社内での打ち合わせでもWEBの活用方法に始まり、成果の検証、外部スタッフとの打ち合わせの場でもIT用語が飛び交います。特にやっかいなのがアルファベット3文字の略語です。多くは英単語の頭文字の略語なので、元の単語がわからないとなんのことだかの想像すらつきません。

クライアント様とWEB制作会社やWEBマーケティングの会社との打ち合わせに、同席を求められることがあります。そのような時には半分は「通訳」を兼ねたアドバイザーの役割が求められます。ITにうといからと、不適切な契約や法外に高い見積もりを提示され、専門用語やわからない言葉で煙に巻かれてそのまま契約してしまうケースもあるようです。

●知っていて損は無い基本の3文字略語

特に、e-commerceや広告に関する打ち合わせの場で登場する主なアルファベット3文字略語は以下のようなものがあります。

SEO-Search Engine Optimization-検索エンジン最適化
SEM-Search Engine Marketing-検索連動型広告マーケティング
PPC(広告)-Pay Per Click(advertisement)-クリックされた分だけ支払う広告
CPC- Cost Per Click-クリック単価
CPACost Per AcquisitionCost Per Action-目標成果あたりコスト
CTR-Click Through Ratio-クリック率
CVR-Conversion Rate-コンバージョン率 
CPO-Cost Per Order-注文1件あたりコスト 
SSL-Secure Sockets Layer-通信暗号化方式の1つ
O2OOnline to Offline-ネットでの活動から実店舗販売へ(影響・橋渡し)


SNS-Social Networking Service-ソーシャル・ネットワーキング・サービス
                    mixi、Facebook、Twitterのほか、広義ではブログなども
CMS-Contents Management System-サイト構築を簡便にするプログラム
                    WordPress、XOOPS、EC-CUBEなど
CRM-Customer Relationship Management-顧客管理システム 
                    Salesforce.com など


スマートフォンやタブレットがWEB利用の主戦場となれば、これまでとは違う新しい用語や3文字略語が次々と現れることでしょう。
また、3文字略語だけでなく、新しい用語も同様に次から次と登場します。
ロングテールやブルーオーシャン、キャズム、フリーミアムなどの新しいマーケティング用語が登場し、今ではすっかり定着しました。最近ではグロースハックなどが話題です。
本当にフォローするのが大変です。


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2014年5月17日土曜日

賞味期限切れや傷物商品の扱いについて

クライアント様の従業員の方と個別面談したり親しくさせていただくようになると、意外と多いのが彼らからの内部告発です。特に若い方から問題行為ではないかと「疑問」として投げかけられます。

・会社の商品を勝手に持ち帰る人がいる
・持ち込んではならない物を持ち込む人がいる
・特定のお客様に対して過剰にサービスしたり、料金を請求しない事がある
・テーマパークやイベント、アトラクションに裏口から入れる、便宜を図る
・(飲食店などで)つまみ食い、食材を持ち帰る人がいる
・返品商品を不適切に取り扱い・処分(分配)する
 など

社内や業界の古い慣習が残ったままの企業で働く先輩従業員の行為は、そこで働くようになった若い従業員にとっては不適切な行為にしか映らないのです。しかもその視点の方がだいたい正しい。そのまま見て見ぬふりをしていると、ある日突然共犯者になってしまうケースもあります。かつてはあたりまえに行われていたことが、現在ではやってはならないことになっているのです。当然、本人には罪の意識はありません(中には仲間を募って確信犯のケースもあるでしょうが)。社内で明確な(明文化された)ルールが無い事も原因です。
また、自社の事業に関連する法律についての認識不足もよくあります。法律の改正も頻繁です。
赤福で発覚した巻き直しや船場吉兆の使い回しなどは、物の無い時代の「もったいない精神」の延長ではありましたが、現在ではJAS法違反や食品衛生法違反行為です。

指摘されても問題が理解できない

このような行為が社内にあることを報された経営者が発する言葉は、大きく3通りに別れます。

1,それの何が悪いの?-問題・隠れたリスクが理解できない
2,誰かそんなことをやってるんだ!?-犯人捜し
3,そんなことあるはずがない-従業員を信じたい、問題に向き合いたくない

いきなり犯人捜しなど始めたら社内が騒然としますし、先送りはさらに問題を大きくする可能性もあります。しかし一番問題なのは、もちろん1です。
指摘された問題の重大性がわからないので、それを理解していただくことから始めなければなりません。だいたいにおいて、今でも30年40年前の高度成長期の記憶が脳内を支配しています。身内や仲間内で持ちつ持たれつでここまで大きくなってきた、続いてこれた様な会社です。知り合いに甘く、いい顔をしたい、法律よりも業界や仲間内の常識が優先します。なかなか無くならなかった、土木・建設業界の談合が良い例です。
食品を扱う業界では、余った食材や賞味期限が近づいた食品、傷が有り販売できないような商品を持ち帰ったりすることが今でもあるようです。どうせ捨てるくらいなら、もったいないから有効活用しようというのもわかります。コンビニでは厳格にコントロールしていますが、一般の企業や飲食店でこの行為をルール化して明文化しているところはほとんどありません。大手のホテルチェーンでもなかなか無いのではないでしょうか。

「もったいない」だけで世間は納得しない

法律に違反する行為は説明すれば理解していただけますが、消費期限切れや売れ残りの生鮮品の持ち出しについてはなかなか理解していただけません。社内で処分するんだから何の問題があるの?と開き直られることもあります。どんなリスクがあるかというと、主なリスクだけでも

1,処分(誰かが持ち帰る、社内で安く販売など)方法は誰が判断するのか?
  →客観的なルールがないと不公平感に繋がる→社内の不協和音
2,持ち帰った後の商品の扱いは管理できない
  →自宅で消費するのか、第三者の手に渡るのか?
   転売するかもしれないし、型崩れや半端物の流出。
   最悪、食品の保存方法が悪くて食中毒など第3者を傷つける可能性
  →社外に出た商品に起因するトラブルリスク
3,ルールを決めずに商品を社外に出すことによる批判
  →商品管理に対する不審感、噂や風評リスク

などがあります。
売れ残りや傷物だからと言って、ルールも決めずに安易にその場その場の対応を取っていると、いずれ思いもよらない問題に発展する可能性があるのです。最も危険なのは、廃棄すべき物を持ち帰ることです。
商品の処分方法、払い下げや社内販売のルールは、きちんと明文化しておきましょう。

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2014年5月10日土曜日

子育て先進国は幸福度も高い国-OECD Better Life Index より

OECDが発表する暮らしの豊かさ・幸福度の高い国-OECD Better Life Indexのデータが更新されたようです(2014年5月時点)。日本は36カ国中昨年の21位から一つ順位を上げていますが、まだ20位と低位に甘んじています。
各国のレーティング さて、日本は何処に?

もっと視覚的にわかりやすいHappiness Map(これの元データがOECD Better Life Indexなのかは不明)を見ると、北欧やオセアニア、北米・南米などの諸国は総じて幸福度が高く、一方、日本・ロシアを含めたアジアとアフリカは幸福度が低い傾向が見て取れます。

OECD Better Life Indexの具体的なスコアは以下のようになっています。
(サイトでは全体のスコア表はないので、国毎のスコアを転記して並べ替えました。転記ミスがあったらご容赦ください)

各国のスコアは以下の項目毎に点数化されています。
  1. Housing(住居)・・・住居費、1人あたりの部屋など
  2. Income(家計所得)・・・所得、資産など
  3. Jobs(仕事)・・・就職率、失業率、個人所得、セーフティネットの充実など
  4. Community(コミュニティ)・・・支援ネットワークの充実度
  5. Education(教育)・・・教育の期間、環境、学生の能力など
  6. Environment(環境)・・・大気汚染、水質、安全な水の供給
  7. Civic engagement(市民参加)・・・有権者投票率、法制定への関心など
  8. Health(健康)・・・平均寿命、喫煙率、健康診断受診など
  9. Life Satisfaction(生活満足度)・・・生活の満足度
  10. Safe(安全)・・・暴行、殺人、銃・麻薬の取り締まりなど
  11. Work-Life Balance(ワークライフバランス)・・・労働時間と自分の時間のバランス
幸せ度の高い国々は、子育てしやすい国でもあるようです。
これまで、子育て先進国としてmikuが取材に足を運んだ国は、スウェーデン、フランス、ニュージーランド、カナダ(BC州)。そして今年ノルウェーを取材予定です。いずれも、Better Life Indexで上位にある国々です。そこで上記11項目の内、国民自ら行動することで子育ての環境に影響を与えそうな項目を5つ(Community、Education、Civic Engagement、Life Satisfaction、Work-Life balance)に絞って集計し直すと、以下のようになります。

 日本は更に順位を下げて、24位です。日本は、所得の高さや失業率の低さ、安全などの項目が相対的に高いスコアなので、この3つの要素を外してしまうと、どの項目を残してもだいたい25位前後になってしまいます。

一番の問題は、Civic engagement(市民参加)の低さです。
投票にも行かずに、仲間内だけで不平不満や文句ばかり言っていても 何も変わりません。このままではいつまでたっても日本は子育てしやすい国にはなれません。
投票率が上がらない限り、実際に子育てしている世代が政治に参加しない限り、子育てしやすい国には変われないのです。

※しかし、少子高齢化が進むほどに有権者総数に占める子育て世代の割合はどんどん小さくなっていきます。ジレンマですね。

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2014年5月9日金曜日

カネボウ美白化粧品の白斑被害のその後

昨年明らかになった、カネボウ化粧品の美白化粧品による白斑被害。当初は親会社の花王が解決に乗り出し、早期に収束するかと思われました。当該化粧品を使用することにより発症した白斑症状は、発表当時は使用を中止すれば改善に向かうと報告されていたからです。
しかし、実際には被害者数は拡大するばかりで、使用を止めても改善しない症状に対してはその治療方法も確立されていません。
カネボウ化粧品のホームページに掲載された最新データ(2014年3月31日時点)では、白斑様症状確認数は症状が確認された人数は18,692人。うち、4,195人が完治あるいはほぼ快復とありますが、快復していない人が14,497人もいらっしゃいます。

 被害者グループが弁護団を結成し、集団訴訟も視野に

そんななか、全国で複数の被害者グループが、損害賠償を求め弁護団を結成しています。既に広島、山梨・静岡で提訴され、ほか、東京や神奈川、京都など各地で弁護団を結成(2014年4月時点で15弁護団)して提訴に向けて準備中だということです。

提訴されれば、それぞれの地域での裁判所で争われることとなります。花王・カネボウ化粧品の法務担当者や美白化粧品の開発責任者・プロダクトマネジャーなどは、それぞれの訴訟に対応しなければなりません。費用だけでなく、何時終わるとも知れない法廷闘争は、精神的なストレスも相当なものです。加えて、花王・カネボウ化粧品の経営サイドが、この提訴に対してどのような態度で臨もうとするかによっても、その流れも担当者のストレスも違って来ます。花王・カネボウ化粧品は、全面的に非を認めて早期の損害賠償調停に持ち込もうとするのか、あるいは賠償責任から逃れるために徹底的に法廷で争うのでしょうか。

堺雅人主演の人気ドラマ「リーガルハイ」では、事の善悪や常識のとらえ方ではなく、手段を選ばず法廷で勝利することが正しいというわかりやすいストーリーが視聴者に浮け、高視聴率をマークしました。しかし、企業同士が特許や商標を巡って争う訴訟とは違います。企業が自らの負担と損害を軽くするために、手段を選ばず勝ちに行こうとするのであれば美白化粧品だけでなく、花王・カネボウのブランドもいずれ生活者の選択対象からは外されることでしょう。現状では他を選ぶことができない電気やガスとは違って、多くのブランドの一つにしか過ぎないのです。

京都弁護団の様子を伝える毎日新聞京都版によると、「大メーカーだから適切に対応してくれるのではないかと思うが、そうではなくなっている」とカネボウ化粧品側の姿勢を批判し、裁判も視野に交渉にあたる姿勢を示したということです。

カネボウ化粧品の品質保証関連部門は昨年親会社である花王の品質保証部門に統合されました。新安全基準の策定なども、花王の品質保証部門主導で進められているはずですが、ここのところの新聞報道などでは、花王の関与はほとんど報じられていません。当初は花王グループ一丸となって対応すると明言していましたが、思いの外深刻な状況となってきたので親会社としては少し距離を置き、花王ブランドに傷が付かないよう立ち位置を変えてきたとも映ります。
いずれにしても、法廷闘争に多額の費用と労力をつぎ込む前に、白斑症状の治療法確立に全力を尽くして欲しいと、誰もが思っていることでしょう。次回、5月12日最新データが発表されるようですが、被害者の症状の改善は進んでいるでしょうか。

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