2013年10月2日水曜日

半沢直樹に重ねる、組織におけるパワハラ・不祥事

最終回、42%を越える視聴率を獲得して放映を終了した、TBS系列のドラマ「半沢直樹」。
私も初回から最終回まで、欠かさず見てました。初回放送時の視聴率は19%台だったのに、回を増すごとに視聴率は上がり続け、世間でも「倍返し」の台詞が話題になりました。初回は見ていなかった家族も、いつの間にか日曜夜9時にはテレビの前に集合するようになり、家族のコミュニケーションの題材にもなっていました。

世代を問わず(さすがに子どもには難しかったかも知れませんし、子どもは寝る時間です)これだけ高視聴率を獲得した理由は、メディアや評論家が様々な分析をしているのでここでは割愛させていただきますが、かつての時代劇や歌舞伎に通じるものがあるようです。

さて、この半沢直樹のストーリーの重要なポイントは、パワハラや不正/不祥事を隠蔽しようとしたり罪をかぶせようとする上司との攻防にありました。解決すべき課題は取引先への融資に関することではありましたが、真の悪役は銀行の組織内、身内にいるという展開。

テレビのドラマとして視る分にはドキドキはらはら、スカッとするのでしょうが、これが自社で起こっていることだとしたら?いや、起こっているかも知れない(あるいは実際におこっている)と思いながら視ていた経営者の方もいらっしゃったのではないでしょうか?半沢直樹のような社員が、会社の問題を解決してくれたらどんなに有り難いだろう。半沢直樹が望めない自社ではどうやったら解決できるだろう?信頼していた部下の不正や不祥事を知ったときに、自分ならどうするだろうか?
見終わった後も、きっといろいろな思いを巡らせていたのではないでしょうか。

不正や不祥事に関わる本人だって、半沢直樹を見ていたはずです。追い詰められる上司や敵役に感情移入をしていたかもしれません。組織ぐるみの不祥事では、本当はそんなことに荷担したくはなかったのにいやいやだったり、知らない間に共犯の片棒を担がされていたりということもあります。上司からの指示に逆らえず従ったり、家族や仕事上の弱みにつけ込まれだり……
そのつもりは無くても、パワハラと受け取られることだってあります。

問題の重たさや程度の差こそあれ、いろいろなことが組織のなかでは日々繰り返されています。会社にとっての重要度と各従業員にとっての重要度や受け止め方も違います。それぞれの受け止め方の違いから「倍返し」なんかされたらたまったもんじゃありません。

ドラマでも現実でも、組織の意志決定では会議が重要な位置づけを占めます。会議の場では、論理的に説得することが求められ、反論するにも論理的でなければなりません。 そうでなければ場の空気に従うことになってしまいます。会議のあり方、進め方が、場合によっては不正・不祥事やパワハラを起こす元になったり、隠す事になったりもするのです。
半沢直樹がスタートした頃、同じ池井戸潤氏原作のドラマ「7つの会議」 が放送されていました。会議は組織を映し出す場でもあり、様々な思いや思惑が交錯する場。その会議を通して組織の不正や会社の未来を考えさせるドラマでした。
半沢直樹のドラマも、実は会議室で起こっていたのです。

あれだけの視聴率のドラマですから、会社の多くの人が見ていることでしょう。半沢直樹をネタに、部下とコミュニケーションを取りながら、組織の問題点や自社の会議のあり方など振り返ってみてはいかがでしょうか?

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